1. 『閑居友』
日本史年表
1222年〈貞応元(4・13) 壬午〉 3・中旬 慶政, 『閑居友』 を著す(同書跋)。 ...
2. かんきょのとも【閑居友】
日本国語大辞典
鎌倉前期の説話集。上・下二巻。慶政作か。承久四年(一二二二)頃成立。発心譚、往生譚などの仏教説話三二編を収めたもの。下巻に女性が主人公の説話が多いのが特色。鴨長 ...
3. 閑居友
日本大百科全書
鎌倉初期の仏教説話集。上下2巻。32話(上巻21、下巻11)を収載。1222年(承久4)成立。著者不明だが、九条良経(よしつね)の長男で入宋(にっそう)経験をも ...
4. 閑居友
世界大百科事典
鎌倉時代の説話集。慶政上人(けいせいしようにん)著。上下2巻,全32話。慶政上人(1189-1268)は1217年(建保5)渡宋し,帰国後,京都西山に法華山寺を ...
5. かんきょのとも【閑居友】
国史大辞典
『説話・物語論集』一(『閑居友』特集)、池田亀鑑「前田本閑居友解説」(『尊経閣叢刊』別冊付録)、橋本進吉「慶政上人の事蹟」(『伝記・典籍研究』所収)、永井義憲「 ...
6. あき‐た・る【飽足】
日本国語大辞典
163〕三「一旦改変して此の徳を報ぜむと欲するに、躯を靡(くだ)きても謝(アキタル)まじ」*閑居友〔1222頃〕上・あやしの僧の宮づかへのひまに不浄観をこらす事 ...
7. あめ【飴】
日本国語大辞典
説文云飴〈音怡阿女〉米
為之」*
閑居友〔1222頃〕下・うらみふかき女いきながら鬼になる事「あたりちかくあめいれたるおけのありけるを
...8. あめ‐しずく[‥しづく]【雨雫】
日本国語大辞典
雨のしたたり。多く、涙をたくさん流すさまや、さめざめと泣くさまをたとえていう。あましずく。*閑居友〔1222頃〕上・清水のはしのしたの乞食の説法の事「あめしづく ...
9. あり‐か【在香】
日本国語大辞典
も懐かしき、咲き乱れたる花どもの」(2)あたりに漂う匂い。特に、いやな匂い。くさみ。臭気。*閑居友〔1222頃〕下・宮はらの女房の不浄のすがたをみする事「血とこ ...
10. あり‐けら【蟻螻蛄】
日本国語大辞典
卑しめた言い方。むしけら。*真如観〔鎌倉初〕「我等有時には蟻(アリ)けらを、我身と思時もありけん」*閑居友〔1222頃〕上・あづまのかたに不軽おがみかかる老僧の ...
11. あん‐ない【案内】
日本国語大辞典
ぬものを、あんなひなしにとってくるをしゃていといふよ」(9)(─する)客を招くこと。招待。*閑居友〔1222頃〕下・宮ばらの女房の不浄のすがたをみする事「さとに ...
12. いい‐あ・げる[いひ‥]【結上】
日本国語大辞典
の変化した語)(1)結んで上へ上げる。結んで高くする。(2)髪を結い終わる。すっかり結う。*閑居友〔1222頃〕下・うらみふかき女いきながら鬼になる事「我かみを ...
13. いいつくし 難(がた)し
日本国語大辞典
存分に言い表わすことができない。*宇治拾遺物語〔1221頃〕一・三「そのすがた、おのおのいひつくしがたし」*閑居友〔1222頃〕上・からはしかはらの女のかはねの ...
14. いい‐ひろ・める[いひ‥]【言広】
日本国語大辞典
いひひろ・む〔他マ下二〕言って広める。言いひろげる。言いふらす。*閑居友〔1222頃〕下・うらみふかき女いきなから鬼になる事「また、このうちの人々、おのおのめこ ...
15. いか‐すじ[‥すぢ]【如何筋】
日本国語大辞典
〔名〕いかなる血統。どのような素姓。*閑居友〔1222頃〕上・空也上人あなものさはがしやとわびたまふ事「いかすぢの人ならむとさすがゆかしくて、寄りて見たれば、行 ...
16. いき‐しに【生死】
日本国語大辞典
いきしにをつけさせ給へと申させ給ければ、何事ともなく、ただ死まうけをせよと夢に見給ければ」*閑居友〔1222頃〕上・真如親王天竺にわたり給ふ事「いきしにわきまへ ...
17. いさみ‐ほこ・る【勇誇】
日本国語大辞典
〔自ラ四〕元気いっぱいで気負い立つ。*閑居友〔1222頃〕上・かう野のひしりの山からによりて心おおこす事「いま一の山がら、ものいみじくくひて、いさみほこれり」* ...
18. いさよ・う[いさよふ]【誘】
日本国語大辞典
〔他ハ四〕いざなう。さそう。*閑居友〔1222頃〕下・東山にて往生するめのわらはのこと「かならずたちかへり、ともをいさよふえにもなせかしと也けり」*壬二集〔12 ...
19. いち‐じん[‥ヂン]【一陣】
日本国語大辞典
一陣
歟」*
閑居友〔1222頃〕下・なにかしの院の女房の尺迦仏おたのむこと「また、一陳(チン)かくるもののふの、
...20. いとなみ‐た・つ【営立】
日本国語大辞典
整え立てる。*六条修理大夫集〔1123頃〕「門松をいとなみ立るそのほどに春明がたになりやしぬらん」*閑居友〔1222頃〕上・かう野のひしりの山からによりて心おお ...
21. いのち 終(お)わる
日本国語大辞典
するか)」*源氏物語〔1001〜14頃〕若菜上「いのちをはらむ月日も、更になしろしめしそ」*閑居友〔1222頃〕上・真如親王天竺にわたり給ふ事「むなしくいのちお ...
22. いまそ‐が・り【坐─】
日本国語大辞典
(坐─)」に同じ。*伊勢物語〔10C前〕三九「その帝のみこ、たかい子と申すいまそがりけり」*閑居友〔1222頃〕上・真如親王天竺にわたりたまふ事「昔、真如親王と ...
23. 隠者
日本大百科全書
乞食(こつじき)に身をやつす。玄賓(げんびん)や増賀(ぞうが)、明遍(みょうへん)などが、『閑居友(かんきょのとも)』『発心集(ほっしんしゅう)』において願わし ...
24. うか・める【浮】
日本国語大辞典
ハアねつな事をば言やるのふ。其幽霊をうかめてやる」(ロ)迷っている人を救う。済度する。解脱させる。*閑居友〔1222頃〕下・なにかしの院の女房の尺迦仏をたのむこ ...
25. うし の 貝(かい)
日本国語大辞典
*木工権頭為忠百首〔1136頃〕月「などやかくうしのかい吹く時しまれ月は馬にも影のなるらん〈藤原親隆〉」*閑居友〔1222頃〕下・東山にて往生するめのわらはのこ ...
26. うち‐くど・く【打口説】
日本国語大辞典
*発心集〔1216頃か〕六・上東門院女房住深山事「こまやかに打口説(クトキ)恨(うらむ)れば」*閑居友〔1222頃〕下・宮ばらの女房の不浄のすがたをみする事「お ...
27. うや‐まい[‥まひ]【敬】
日本国語大辞典
せる人そら不弃給ざる事既如此し」*
閑居友〔1222頃〕上・あやしのそうの宮つかへのひまに不浄観おこらす事「あるじおどろきて、其後はいみじきうやまひ
...28. え【縁】
日本国語大辞典
氏物語〔1001〜14頃〕夕顔「夕露にひもとく花は玉ぼこのたよりに見えしえにこそありけれ」*閑居友〔1222頃〕下・つの国の山中の尼の発心事「げにあはれにしのび ...
29. おしね【晩稲・稲】
日本国語大辞典
《季・秋》*散木奇歌集〔1128頃〕春「秋刈りしむろのをしねを思ひ出でて春ぞたなゐに種もかしける」*閑居友〔1222頃〕上・かう野のひしりの山からによりて心おお ...
30. おぼし‐つ・む【思詰】
日本国語大辞典
〕柏木「としごろきこしめしおぼしつめけること、色に出でてうらみきこえ給ふべきにもあらねば」*閑居友〔1222頃〕上・おしのまねしたる上人のまことの人に法文云事「 ...
31. おもい‐のど・む[おもひ‥]【思和】
日本国語大辞典
頃〕衣の珠「しばしいみじき程過ぐして、念仏・読経をも心清くてと、おもひのどめ侍りし程なり」*閑居友〔1222頃〕上・玄賓僧都門をさして善珠僧都をいれぬ事「此山の ...
32. おり‐た・つ【下立・降立】
日本国語大辞典
平家物語〔13C前〕九・一二之懸「熊谷は馬のふと腹射させて、はぬれば足を越いており立たり」*閑居友〔1222頃〕下・なにかしの院の女房の尺迦仏をたのむこと「本師 ...
33. かお‐だて[かほ‥]【顔立】
日本国語大辞典
9〕一「今度から顔だてをすると、遠慮なふ剥(む)くぞよ」(2)「かおだち(顔立)」に同じ。*閑居友〔1222頃〕下・宮ばらの女房の不浄のすがたをみする事「身をい ...
34. かま【鎌】
日本国語大辞典
菅「〈本〉賤家(しづや)の小菅(こすげ) 加万(カマ)もて刈らば 生ひむや小菅 生ひむや」*閑居友〔1222頃〕上・常陸国のをとこ心をおこして山にいる事「さて、 ...
35. 感身学正記 1 西大寺叡尊の自伝 293ページ
東洋文庫
は、慶政の仏教説話集『閑居友』上の「真如親王、天竺に渡り給ふ事」にもうかがえる(新日本古典文学大系〈小泉弘・山田昭全・小島孝之・木下資一校注〉『宝物集・閑居友・ ...
36. かんろ の 雨(あめ)
日本国語大辞典
頃か〕上・信西の子息遠流に宥めらるる事「澄憲の説法には、龍神も感に乗じ、甘露の雨を降らし」*閑居友〔1222頃〕上・あやしの入道空也上人南無阿彌陀仏みかはの入道 ...
37. きも 迷(まど)う
日本国語大辞典
0頃か〕九・二〇「父、此れを聞て、心(むね)騒ぎ肝迷(まどひ)て、泣々く悔い悲む事无限し」*閑居友〔1222頃〕上・下野守義朝の郎等の心おおこす事「つみのほどを ...
38. きれ【切・布】
日本国語大辞典
茨にかかってゐる」(ロ)布帛(ふはく)の切れ端。また、広く反物(たんもの)、織物をもいう。*閑居友〔1222頃〕上・清水のはしのしたの乞食の説法事「腰には薦のき ...
39. 空也
世界大百科事典
《本朝皇胤紹運録》)というように貴種として伝えられ,さらには水の流れから生まれた化現の人(《閑居友》《撰集抄》)とも説かれた。空也は鉦をたたきながら念仏を高唱し ...
40. くうや【空也】
日本架空伝承人名事典
『本朝皇胤紹運録』)というように貴種として伝えられ、さらには水の流れから生まれた化現の人(『閑居友』『撰集抄』)とも説かれた。空也は鉦をたたきながら念仏を高唱し ...
41. くだ・す【下・降】
日本国語大辞典
源氏の世の強りし後は、或は文(ふみ)をくだし、或は使者をつかはし、さまざまにへつらひ給ひしか共」*閑居友〔1222頃〕下・東山にて往生するめのわらはのこと「ねが ...
42. くち【口】
日本国語大辞典
。→口が掛かる・口を掛ける。【二】〔接尾〕(1)口に飲食物を入れる回数を数えるのに用いる。*閑居友〔1222頃〕上・かう野のひじりの山がらによりて心をおこす事「 ...
43. くら・い【暗・闇・昏・冥】
日本国語大辞典
明るい。*今鏡〔1170〕一・序「内わたりの事も語り、世の事もくらからず申して」*閑居友〔1222頃〕上・あやしのおとこ野はらにてかはねをみて心ををこす事「かや ...
44. ぐんしょるいじゅう【群書類従】
国史大辞典
九五〇 注好選集 九五一 世継物語 九五二 宝物集〔増補〕・康頼宝物集 九五三 撰集抄 九五四 閑居友 九五五 三人懺悔冊子 九五六 蕉窓夜話 九五七 蠡測集 ...
45. けいせい【慶政】
日本人名大辞典
80歳。号は証(勝・照・松)月房。著作に「閑居友」「証月上人渡唐日記」など。【格言など】なにわざにつけても,ひとり侍るばかり澄みたることはなし(「閑居友」) ...
46. けが・す【汚・穢】
日本国語大辞典
81〕「
ケカス ケカル」*
閑居友〔1222頃〕上・からはしかはらの女のかはねの事「きよき草葉をけかし、おほぞらをさへくさくなす
...47. 建礼門院右京大夫集 122ページ
日本古典文学全集
破壊され、大原に入った。翌文治二年(一一八六)の春、突如後白河院の御幸を受けることになるが(閑居友・平家物語)、作者の大原行は少なくともその後であろう。諸本「な ...
48. げん‐・ずる【現】
日本国語大辞典
いった意義特徴がある。従って、「あらはす」「あらはる」のように、「心の底をあらはしければ」〔閑居友‐下・宮はらの女房の不浄のすかたをみする事〕や「こころざしの深 ...
49. 広益俗説弁 358ページ
東洋文庫
日本霊異記〔景戒〕日本霊応記 日本僧伝 名僧行録撰集抄〔西行〕 閑居友〔慈鎮和尚記〕 発心集〔長明〕宝物集 ...
50. こころ 散(ち)る
日本国語大辞典
*源氏物語〔1001〜14頃〕若菜下「空の気色、花の露にも、色々目移ろひ心ちりて、限りこそ侍れ」*閑居友〔1222頃〕上・空也上人あなものさはかしやとわひたまふ ...