1. 曽我物語
日本大百科全書
一般に流布したのは仮名本で、演劇の曽我物の淵源(えんげん)となり、また近世には『絵本曽我物語』『曽我勲功記』『陰顕曽我物語』などの実録小説を生んだ。村上 学 ...
2. 曾我物語
世界大百科事典
軍記物ふうの英雄伝記物語。作者不詳。鎌倉後期から室町初期にかけての成立。伝本に真字本(10巻)と仮名本(10巻,または12巻)とがある。1193年(建久4)5月 ...
3. そがものがたり【曾我物語】
日本国語大辞典
軍記物語。仮名本は一二巻、真名本・大石寺本は一〇巻。原作者は伊豆・箱根関係の唱導僧と考えられている。南北朝時代頃成立か。曾我兄弟の敵(かたき)討ちに関して、その ...
4. そがものがたり【曽我物語】
全文全訳古語辞典
[書名]室町中期頃までに成立した軍記物語。作者未詳。曽我十郎・五郎の兄弟が、十八年の苦心の末、父の敵工藤祐経を討つ話で、その悲劇性が人々の心をとらえ、伝説化され ...
5. そがものがたり【曾我物語】
国史大辞典
山下宏明『軍記物語と語り物文芸』、村上学・徳江元正・福田晃編『彰考館蔵曾我物語』下(『伝承文学資料集』一〇)、角川源義『語り物文芸の発生』、村上学『曾我物語の基 ...
6. 曾我物語
日本古典文学全集
仇討ちまでの18年間の苦難、兄弟が倒れてからの母の悲しみが描かれる。後世の曾我物の題材となった。曾我物語の発祥をめぐる民俗学的研究も盛ん。 ...
7. 真名本 曾我物語 1
東洋文庫
月空をゆく雁を見あげ,幼い兄弟が父を恋う曾我兄弟の物語は,鎌倉幕府成立の歴史とないまぜに敵討ちと兄弟愛を描いて,中世以来人びとに親しまれてきた。そのもっとも古い ...
8. 真名本 曾我物語 2
東洋文庫
月空をゆく雁を見上げ,幼い兄弟が父を恋う曾我兄弟の物語は,鎌倉幕府成立の歴史とないまぜに敵討ちと兄弟愛を描いて,中世以来人びとに親しまれてきた。そのもっとも古い ...
9. 『曽我物語』[百科マルチメディア]
日本大百科全書
仮名十二巻本 巻1 1627年(寛永4)刊 国立国会図書館所蔵 ...
10. あい‐ごろ[あひ‥]【合頃】
日本国語大辞典
〔名〕(形動)適合すること。ころあい。手ごろ。*曾我物語〔南北朝頃〕一・おなじく相撲の事「是こそあひごろの力と聞け。さもあらば入道出でて、行司にたたん」*浮世草 ...
11. あいざわはら【藍沢原】静岡県:駿東郡
日本歴史地名大系
」上覧のために鎌倉を出発、同月一五日に「藍沢御狩事」は終わり、富士野に移っている(同書)。「曾我物語」には「合沢原」「合沢の御所」などとみえる。この後も藍沢原で ...
12. あい‐ちか・い[あひ‥]【相近】
日本国語大辞典
あひちか・し〔形ク〕(1)間隔が少ない。すぐ近くである。*曾我物語〔南北朝頃〕一〇・五郎御前にめしいだされきこしめしとはるる事「村千鳥のひたたれに首をつつみて童 ...
13. あい‐つ・ける[あひ‥]【相付】
日本国語大辞典
(アイツクル) 〈訳〉 自分に惹きつけ、馴れさせる」(2)矢を引きつけて、射やすい状態にする。*曾我物語〔南北朝頃〕七・勘当ゆるす事「心のはやるままに、人のあひ ...
14. あ・う[あふ]【合・会・逢・遭】
日本国語大辞典
前〕八・名虎「せい小さう妙(たへ)にして、片手にあふべしとも見えぬ人」(ニ)道理にかなう。*曾我物語〔南北朝頃〕三・臣下ちゃうしが事「さあらんにとりては、あはざ ...
15. あえ‐な・い[あへ‥]【敢無】
日本国語大辞典
なく暮れぬ」(ロ)はたで見ていて、いかにももろくはかないと感じられる。また、見るも無惨だ。*曾我物語〔南北朝頃〕一・おなじく相撲の事「いきほひし滝口、あゑなくま ...
16. あお に 衣(ころも)
日本国語大辞典
(襖の上に衣を重ねて着るという意から)物事が重なることのたとえ。*曾我物語〔南北朝頃〕八・屋形まはりの事「日ごろは親の敵、ただ今は日の敵、あをにころもをかさねて ...
17. あおのき‐ざま[あふのき‥]【仰様】
日本国語大辞典
〔名〕(「あおのきさま」とも)「あおむけざま(仰向様)」に同じ。*曾我物語〔南北朝頃〕一・おなじく相模の事「兄の彌六、つつといで、三郎をはたとけて、あふのきさま ...
18. あかざわむら【赤沢村】静岡県:伊東市
日本歴史地名大系
東は相模灘に面し、北は八幡野村。集落は東浦路から外れて海岸にあるが、もとは街道沿いにあった。岩波版「曾我物語」巻一に赤沢峯・赤沢山の地名がみえる。北条氏所領役帳 ...
19. あか ず
日本国語大辞典
々あかず思ひてみな泣くを、をさなき心地には、ましてこのやどりを立たむことさへあかずおぼゆ」*曾我物語〔南北朝頃〕四・三浦の片貝が事「十郎は、ちぢに腹をきり、うち ...
20. あきげ の 行縢(むかばき)
日本国語大辞典
柿(ひきがき)したる摺尽(すりづく)しの直垂(ひたたれ)にあきげの行縢(むかばき)はいて」*曾我物語〔南北朝頃〕八・富士野の狩場への事「紺小袴(こんこはかま)、 ...
21. あき の 鹿(しか)は笛(ふえ)に=寄(よ)る[=心(こころ)を乱(みだ)す]
日本国語大辞典
「とんで火に入る夏の虫」と共に用いられることが多い。笛に寄る秋の鹿ははかない契りに命を失う。*曾我物語〔南北朝頃〕六・仏性国の雨の事「夏の虫、とんで火に入、秋の ...
22. あき の 野(の)
日本国語大辞典
(みへ)がさねの御唐衣(からごろも)に、あきののをぬひものにし、ゑにもかかれたるにやとぞ」*曾我物語〔南北朝頃〕七・千草の花見し事「よくはなけれ共、紋柄おもしろ ...
23. あくごう‐ぼんのう[アクゴフボンナウ]【悪業煩悩】
日本国語大辞典
*百座法談〔1110〕三月八日「慈悲忍辱の衣にはむかれなむ人は悪業煩悩の病もすなはちのぞかり」*曾我物語〔南北朝頃〕一一・鬼の子とらるる事「我らは、悪ごうぼんな ...
24. あくじ 千里(せんり)を=行(ゆ)く[=走(はし)る]
日本国語大辞典
」による)悪い行ないや悪い評判はたちまち世間に知れ渡るということ。悪事千里。*曾我物語〔南北朝頃〕一〇・伊豆二郎が流されし事「扨も悪事千里をはしるならひにて、伊 ...
25. あく‐じょ[‥ヂョ]【悪女】
日本国語大辞典
〔名〕(1)容貌の醜い女。醜女。
美女。*
曾我物語〔南北朝頃〕二・橘の事「当腹二人は、ことの外あく女なり」*虎清本狂言・鏡男〔室町末〜近世初〕「かしら
...26. あく は 一旦(いったん)の事(こと)なり
日本国語大辞典
悪事が通用するのは一時的なものであって、結局は正義にかなわない。*曾我物語〔南北朝頃〕二・奈良の勤操僧正の事「されば悪は一旦の事なり、小利ありといへども、終には ...
27. あくりょう‐しりょう【悪霊死霊】
仏教語大辞典
悪霊や怨みを抱いてたたりをする死者のたましい。 曾我物語 八・富士野の狩場への事 「自害して悪霊死霊ともなりて本意をとげん」 ...
28. あけ に 染(そ)まる
日本国語大辞典
(血まみれになって)赤い色に染まる。*寛永版曾我物語〔南北朝頃〕九・十番斬の事「あけにそまりたる友切真甲にさしかざし、電(いなづま)の如くに飛んで掛かる」*浄瑠 ...
29. あけ ぬ 暮(く)れぬ
日本国語大辞典
0〕雑中・一九一一「鐘の音は明けぬ暮ぬときけど猶おどろかぬ身のはてぞかなしき〈藤原実香〉」*曾我物語〔南北朝頃〕一・河津がうたれし事「一日片時も、ただしのぶべき ...
30. あさくら‐がえし[‥がへし]【朝倉返】
日本国語大辞典
〈末〉我が居れば名宣りをしつつ行くは誰」とある、「我が居れば」を返してうたうことをいうか。*曾我物語〔南北朝頃〕四・鎌倉殿箱根御参詣の事「あさくらがへしの謡物は ...
31. あさ‐ぐろ・い【浅黒】
日本国語大辞典
あさぐろ・し〔形ク〕少し黒い。薄黒い。多く皮膚の色についていう。*曾我物語〔南北朝頃〕一・おなじく相撲のこと「菩薩なりにして色あさぐろく、丈は六尺二分」*評判記 ...
32. あさ の 衣(ころも)
日本国語大辞典
。*散木奇歌集〔1128頃〕冬「風ふけばとなせに落すいかだしのあさの衣に錦をりかく」*寛永版曾我物語〔南北朝頃〕一二・虎と少将法然に逢ひ奉りし事「麻のころも紙の ...
33. 朝比奈義秀
世界大百科事典
かれているわけではない。《源平盛衰記》などに一騎当千の女武者巴御前の子であったとするほか,《曾我物語》に曾我兄弟のよき理解者として登場し,五郎との力比べのことが ...
34. あさひなよしひで【朝比奈義秀】
日本架空伝承人名事典
かれているわけではない。『源平盛衰記』などに一騎当千の女武者巴御前の子であったとするほか、『曾我物語』に曾我兄弟のよき理解者として登場し、五郎との力比べのことが ...
35. あさま【朝間】[方言]
日本方言大辞典
宮崎県西臼杵郡「あさまにゃくるうぇー(暗い)うち」038全国方言資料(日本放送協会)1966~67曾我物語五・三原野の御狩の事「夜るならばこうこうとこそ鳴くべき ...
36. あさ‐ま【朝間】
日本国語大辞典
〔名〕(1)朝のうち。朝のあいだ。*曾我物語〔南北朝頃〕五・三原野の御狩の事「夜るならばこうこうとこそ鳴くべきにあさまに走る昼狐かな」*実隆公記‐文明八年〔14 ...
37. あさま【浅間】
日本国語大辞典
の略。*山家集〔12C後〕中「いつとなくおもひに燃ゆる我身哉あさまのけぶりしめる世もなく」*曾我物語〔南北朝頃〕五・浅間の御狩の事「信濃のあさまをからるべきにて ...
38. あさまし・い【浅】
日本国語大辞典
が強者の気に入られようとする浅間敷(アサマシ)い世辞笑をしてから」(8)地位や身分が低い。*曾我物語〔南北朝頃〕六・曾我にて虎が名残おしみし事「わらはは大磯の君 ...
39. あし‐がる【足軽】
日本国語大辞典
以上并武家御扶持人例書・三「武家之足軽中間之類は、百姓町人等御仕置同様」(4)足の早い人。*曾我物語〔南北朝頃〕五・五郎、女に情かけし事「『申べき子細候、しばし ...
40. あした‐ゆうべ[‥ゆふべ]【朝夕】
日本国語大辞典
聞えつるにこそ命も延び侍りつれ」*名語記〔1275〕三「あしたゆふべの食物をはむといへり」*曾我物語〔南北朝頃〕一一・箱根にて仏事の事「かの一条摂政謙徳公の二人 ...
41. あし‐だか【足高】
日本国語大辞典
2頃〕根合「白き鳥どものあしだかにて立てまつるも」【二】〔名〕(1)足の高い器物。*大石寺本曾我物語〔南北朝頃〕一〇「彼等が首を足高に入て曾我の里へ送葬せよ」( ...
42. あし‐ぬき【足抜】
日本国語大辞典
〔名〕(1)足を抜きあげるようにして音を立てずに歩くこと。抜き足。*曾我物語〔南北朝頃〕四・小二郎かたらひえざること「五郎も足ぬきしてたちけるが」*両足院本周易 ...
43. あしひき‐の【足引─】
日本国語大辞典
〇「いつのまにさ月来ぬらんあしひきの山郭公(やまほととぎす)今ぞ鳴くなる〈よみ人しらず〉」*曾我物語〔南北朝頃〕二・兼隆聟にとる事「足にまかせて、あしびきの山路 ...
44. あ‐じ【阿字】
仏教語大辞典
観ずる阿字観により、真理を体得できるとして極めて重視する。 塵添壒囊鈔 五・五九 「阿字者仏心也」 曾我物語 七・三井寺大師の事 「山河大事(地)、こと ...
45. あじ‐ほんぷしょう[‥ホンプシャウ]【阿字本不生】
日本国語大辞典
うることきはめてかたし」*徒然草〔1331頃〕一四四「こはめでたき事かな。阿字本不生にこそあなれ」*曾我物語〔南北朝頃〕九・波斯匿王の事「『万法一如(まんぼうい ...
46. あじ‐ほんぷしょう【阿字本不生】
仏教語大辞典
阿字本不生(一切の事物は真実そのもののすがたであるということ)を観想すること。また、その観想。 曾我物語 九・波斯匿王の事 「万法一如にして、阿字本不生の観おな ...
47. 阿字本不生の観
仏教語大辞典
阿字本不生(一切の事物は真実そのもののすがたであるということ)を観想すること。また、その観想。 曾我物語 九・波斯匿王の事 「万法一如にして、阿字本不生の観おな ...
48. あずさ‐ゆみ[あづさ‥]【梓弓】
日本国語大辞典
。長七尺六寸。槻柘檀准
此」*
曾我物語〔南北朝頃〕一一・母と虎、箱根へのぼりし事「かくこそかよひなれしと、思ひやらるるあづさゆみ、矢立の杉
...49. あせ を かく
日本国語大辞典
にすくんでねれば汗をかき〈利牛〉」(2)乾物などの食品、あるいは器物の表面に水滴が生ずる。*曾我物語〔南北朝頃〕四・眉間尺が事「然るに、この剣、常にあせをぞかき ...
50. あせ を 流(なが)す
日本国語大辞典
(1)汗をかく。ひや汗をかくことにもいう。*曾我物語〔南北朝頃〕一〇・犬房が事「あのえせ太刀におはれて、小柴垣をやぶりてにげしはいかに。御分のよき太刀も、心にく ...