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  11. 神道集
日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典

日本大百科全書
神道集
しんとうしゅう

説話集。「安居院(あぐい)作」と記してあるが、具体的な編者は不明。14世紀後半(文和(ぶんな)・延文(えんぶん)年間)の成立か。10巻50条。天台宗および伊勢(いせ)神道色の濃い本地垂迹(ほんじすいじゃく)の教義と、有名諸神社の本地仏を記してある。とくに赤城(あかぎ)・伊香保(いかほ)・児持山(こもちやま)大明神など上野(こうずけ)国(群馬県)の利根川(とねがわ)西側の神社を中心にして、ほかに熊野・伊豆箱根二所・諏訪(すわ)など関東地方に信仰圏を有した有力神社については垂迹の縁起および神々の前生物語(本地譚(ほんじたん))を記してある。それらは室町物語や説経浄瑠璃(じょうるり)などの本地物(『熊野の本地』『五衰殿(ごすいでん)』『みしま』『諏訪の本地』など)が文芸として成立する以前の、在地の信仰や民俗をそのまま反映した説話として貴重な存在である。本書の本地説話に共通する理念として、神々がその地に慈悲を垂れる神明として顕(あらわ)れるには、前生で人間界に生まれて苦難を受けることが必須(ひっす)とされ、それら苦難の多くが夫婦を中心とした肉親との別離の悲哀(愛別離苦)をモチーフとしている点が特色である。宣命(せんみょう)体風の漢字表記に、真名本(まなぼん)『曽我(そが)物語』や四部合戦状本『平家物語』、『平家族伝抄』と共通した特異な当て字と文章がみられ、それらと言語圏、信仰圏が重なると想像されているが、実態はまだ明らかでない。諸本に古本系(赤木文庫本など)と流布本(東洋文庫本など)があり、後者は整備敷衍(ふえん)されて地方色を薄めている。
[村上 学]



改訂新版・世界大百科事典
神道集
しんとうしゅう

説話集。各巻の内題の下に〈安居院(あぐい)作〉と記すが,実際の編者は不明。南北朝時代(1350-60ころ)の成立か。10巻50条。巻一冒頭と巻五に〈神道由来之事〉〈天神七代事〉と伊勢神道と天台宗の色彩の強い神仏習合の教義をまとめておくなど,神道論書の体裁を整えてはいるが,中心は諸国の神社の神体の本地仏の功徳と前生説話を述べる部分にある。神社の範囲は畿内から諸国にわたっているが,伊勢,宇佐八幡,正八幡(石清水八幡),祇園,稲荷,春日,熱田など畿内を中心とした有力神社は北野以外,前生物語を欠く。これに対し,熊野,二所権現(伊豆山と箱根),三嶋,富士浅間,諏訪など東日本に信仰圏を置く神社は詳細な前生物語を載せ,特に赤城,伊香保,児持山,那波八郎など,上野国の利根川西部の神々の物語が関連のある一群をなす点に特色がある。それらの物語は,土地の神々が前生で生身の人間としての苦難を体験し,その恨みを契機として慈悲を垂れる神明となるという構造をもつ。特にその苦難が多くは夫婦・肉親との別離をモティーフとし,在地性に裏付けられている点が注意される。その原話の多くはおそらく土地の神社の別当寺院に属する人々により勧進唱導のため語りひろめられていたものらしく,御伽草子の〈本地物(ほんじもの)〉として文芸読物化した形で流布したり,群馬県西部を中心に寺院縁起や語り物として江戸時代末期まで伝えられた。
[村上 学]

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1. 神道集
日本大百科全書
説話集。「安居院(あぐい)作」と記してあるが、具体的な編者は不明。14世紀後半(文和(ぶんな)・延文(えんぶん)年間)の成立か。10巻50条。天台宗および伊勢( ...
2. 神道集
世界大百科事典
説話集。各巻の内題の下に〈安居院(あぐい)作〉と記すが,実際の編者は不明。南北朝時代(1350-60ころ)の成立か。10巻50条。巻一冒頭と巻五に〈神道由来之事 ...
3. しんとうしゅう[シンタウシフ]【神道集】
日本国語大辞典
南北朝時代の唱導説話集。一〇巻。延文三年(一三五八)頃の成立か。また、現存本は一五世紀初頭の改編とする説がある。安居院(あぐい)末流の東国唱導僧、特に上野国(群 ...
4. しんとうしゅう【神道集】
国史大辞典
特に注意しなければならない。影印に横山重編『神道集』(彰考館本)、『神道集』(赤木文庫本他、『貴重古典籍叢刊』一)、翻刻に『神道集―河野本―』(河野省三本)、『 ...
5. 神道集
東洋文庫
神々の本地説話を中心に,庶民の信仰を集めた熊野・二所・北野・諏訪・三島・赤城・葦刈などの神社縁起。安居院唱導教団が採集したもので,本迹思想にもとづく神仏説話が語 ...
6. しんとうしゅうせい【神道集成】
国史大辞典
徳川光圀の命をうけ、今井有順らが編纂した神道書。光圀は当時の神道の邪説を排し、正説を記すべく有順に命じたが、寛文八年(一六六八)有順は両部習合の邪説を排し、唯 ...
7. 『神道集成』
日本史年表
1701年〈元禄14 辛巳〉 この年 今井有順ら 『神道集成』 成る。  ...
8. あいずり‐あや[あゐずり‥]【藍摺文】
日本国語大辞典
〔名〕青く模様を摺りだした布。*神道集〔1358頃〕六・三四「藍摺文の直垂袴に地〓巻を編して」 ...
9. あいみん‐のうじゅ【哀愍納受】
仏教語大辞典
仏や神が世の人を哀れみ、いつくしんで、その願いを聞き入れること。 神道集 二・一 「南無大慈大悲観世音、哀愍納受垂」  ...
10. 赤城山
世界大百科事典
しかし今日では赤城山信仰の中心は沼神におかれており,《神道集》の赤城山縁起や後の《赤城山御本地》などでも沼神が中心になっている。《神道集》には赤城大明神(大沼, ...
11. あかぎじんじゃ【赤城神社】
国史大辞典
に叙せられ、延喜の制では名神の大社とされ、上野国の二宮であった。中世に入ると竜神信仰の上に『神道集』には大沼の赤城御前、小沼の高野辺大将をめぐる悲話が語られると ...
12. あかぎじんじゃ【赤城神社】群馬県:勢多郡/宮城村/三夜沢村
日本歴史地名大系
「元三夜沢」の伝承をもつ。この御殿の地の北、標高七〇〇メートルの地に宇通遺跡がある。赤木文庫本「神道集」に二編の赤城神についての説話がある。「上野国勢多郡鎮守赤 ...
13. あかぎやま【赤城山】群馬県:勢多郡
日本歴史地名大系
その神体は山であり沼であったろう。神社の創建は社伝では大同元年(八〇六)というが明らかではない。「神道集」の赤城神にかかわる二つの説話では、大沼を神格化し本地仏 ...
14. あか‐むし【赤虫】
日本国語大辞典
の俗称。成虫は赤色で一〜二ミリメートル、胴が真ん中でくびれて数字「8」の字形になっている。*神道集〔1358頃〕二・六「九百九十九人の后達は、追て来り給へとも無 ...
15. あく‐かい【悪戒】
日本国語大辞典
〔名〕悪事のいましめ。悪事をさせないための禁戒。*神道集〔1358頃〕一・一「人倫罪根深重の輩は、利益し難く、尚、悪人の為には悪戒を成す」 ...
16. あく‐じん【悪神】
日本国語大辞典
これ又悪神(アクジン)の所為(しょゐ)にして」(2)(「あく」は接頭語)荒々しく乱暴な神。*神道集〔1358頃〕一・一「抑伊弉諾伊弉冊尊の御子、一女三男者、一者 ...
17. あく‐へい【悪柄】
日本国語大辞典
〔名〕横暴で悪辣(あくらつ)なこと。わがまま勝手に悪事を行なうこと。*御伽草子・上野国赤城山之本地(神道集所収)〔室町末〕六「日頃の悪柄おもへしられて置べきぞと ...
18. 安居院
世界大百科事典
その思想は天台,真言,浄土にわたるもので,俗人を対象としながらも独自の教義を形成した。説話集《神道集》は安居院作と記してあるが確証はない。安居院流は室町時代まで ...
19. あぐい【安居院】
国史大辞典
ともに説法の家として活躍した。室町時代に入ってもその活動は盛んで、依然として貴族・庶民に説教し『神道集』も著わされ、その名声はさらに広まった。しかし、応仁の乱に ...
20. あぐいあと【安居院跡】京都市:上京区/成逸学区/前之町地図
日本歴史地名大系
延暦寺門跡の院家として活動し、朝廷・貴族・武家との結び付きがしだいに密接になった。また説話集の「神道集」は各巻の内題の下に「安居院作」と記され、安居院で編まれた ...
21. あさまじんじゃ【浅間神社】
国史大辞典
て、富士浅間大菩薩とも呼ばれるようになる。また神仙思想と結合して山頂に仙宮が考えられたり(『神道集』)、あるいは大山祇神社の幽宮といったように、死霊のおもむく他 ...
22. あさまじんじゃ【浅間神社】 : 浅間神社/(一)
国史大辞典
て、富士浅間大菩薩とも呼ばれるようになる。また神仙思想と結合して山頂に仙宮が考えられたり(『神道集』)、あるいは大山祇神社の幽宮といったように、死霊のおもむく他 ...
23. あさまやま【浅間山】群馬県:吾妻郡
日本歴史地名大系
山岳信仰の対象ともされ、とくに信州側では諏訪明神とのかかわりが考えられている。また、赤木文庫本「神道集」(白山権現事)に「抑、白山権現ト者、(中略)信濃ノ浅間モ ...
24. あさまやま【浅間山】長野県:北佐久郡
日本歴史地名大系
の遠近宮は、元来拝殿だけであり、正面の浅間山を本体とした遥拝所であった(北佐久郡志)。また「神道集」には、白山信仰にもかかわるもののごとく、「抑、白山権現ト者、 ...
25. 芦刈(叙事伝説)
日本大百科全書
『源平盛衰記』巻36にみえ、謡曲『芦刈』にもなり、御伽草子(おとぎぞうし)『ちくさ』にもある。『神道集』巻7の42の「芦刈明神事(あしかりみょうじんのこと)」は ...
26. 蘆刈説話
世界大百科事典
ており,《拾遺和歌集》巻九雑下,《宝物集》,《源平盛衰記》巻三十六,また釜の神の本縁として《神道集》巻七にも見える。この系列に連なる世阿弥作《蘆刈》では,再会し ...
27. あしのね‐の【葦根─】
日本国語大辞典
953頃〕恋二・六八〇「深くのみ思ふ心はあしのねのわけても人にあはんとぞ思ふ〈敦慶親王〉」*神道集〔1358頃〕二・七「三とせが程の苦しさは喩へんかたなきあしの ...
28. あしひき‐の【足引─】
日本国語大辞典
一・二六七九「窓ごしに月おし照りて足檜乃(あしひきノ)嵐吹く夜は君をしそ思ふ〈作者未詳〉」*神道集〔1358頃〕二・七「みどり子の流涙に足引の根かたき石も起きぬ ...
29. あっく‐めり【悪口罵詈】
仏教語大辞典
人を、きくにたえない言葉であしざまにいって、はげしくののしること。 神道集 三・一二 「散々悪口罵詈追出」  ...
30. あまの 早車(はやぐるま)
日本国語大辞典
速く走る車。*神道集〔1358頃〕一〇・五〇「尤も此義謂れ在とて、天早車を奉らる」 ...
31. あまの 早船(はやふね)
日本国語大辞典
速く行く船。*神道集〔1358頃〕一〇・五〇「他国へ移らんとて天早船を設震旦の南、平城国へぞ超らる」 ...
32. あみ‐だれ【編垂】
日本国語大辞典
〔名〕戸口や窓の前にかけた目のあらいすだれ。*神道集〔1358頃〕八・四六「此女房編垂を少し引開て見給へば」*日葡辞書〔1603〜04〕「Amidare (アミ ...
33. あゆがわ【鮎川】群馬県:藤岡市
日本歴史地名大系
付けられた。「国志」多胡郡名所の部に「蛇食池、印地村の高井と云所にあり」とあり、赤木文庫本「神道集」に「七人ノ舎兄達与力同心シテ八郎満胤ヲバ夜討ニシテ屍ヲバ石唐 ...
34. あらくらやま【荒倉山】長野県:上水内郡/戸隠村
日本歴史地名大系
という(長野県町村誌)。北の竈岩山には鬼の岩屋・釜檀岩・釜背負岩・屏風岩などの名勝がある。「神道集」に、光孝天皇の代、戸隠山に官那羅という鬼王が住む由を記し、安 ...
35. アラビアン・ナイト 2 1ページ
東洋文庫
文学〈日本〉田醒睡笑〈戦国の笑話〉94神道集97日本霊異記㎜昨日は今日の物語    〈近世笑話の祖〉川日本雑事詩…伽義経記12全二巻㎜㎜江戸小咄集12全二巻㎜㎜ ...
36. あらふねじんじゃ【荒船神社】群馬県:甘楽郡/下仁田町/市野萱村
日本歴史地名大系
一宮貫前神社(現富岡市)の摂社。南野牧字里宮に同名の神社があり、里宮と称し、山上の社を奥宮とする。赤木文庫本「神道集」巻七の上野国ノ一宮事に「抑上野国一ノ宮抜鉾 ...
37. あらふねじんじゃ【荒船神社】長野県:佐久市/中込地区/内山村
日本歴史地名大系
これらの一行が行列した。相立の遥拝所で祭祀を執行する。この中に湯立ての神事がとり行われる。「神道集」の「上野国ノ一宮ノ事」として抑上野国一ノ宮抜鉾大明神ト申ハ、 ...
38. あらふねやま【荒船山】群馬県:甘楽郡
日本歴史地名大系
標高一四二二・五メートル。「神道集」には笹岡山、また摶風山(前上野志)・砥山(名跡考)ともよばれていた。山頂には荒船神社が鎮座する。妙義荒船佐久高原国定公園の一 ...
39. ありとおしじんじゃ【蟻通神社】大阪府:泉佐野市/長滝村地図
日本歴史地名大系
ことがわかる。但し貫之の故事を紀州田辺でのこととし、蟻通神を同地鎮座とする説も古くからある(神道集)。室町時代には世阿弥が謡曲「蟻通」を作っている。戦国時代の兵 ...
40. ありとおしじんじゃ【蟻通神社】和歌山県:田辺市/湊村
日本歴史地名大系
祭神は天児屋根命。旧村社。江戸時代には蟻通明神社または御霊牛頭天王と称し、湊村の地主神(続風土記)。「神道集」に載る「蟻通明神事」は、玄弉三蔵が蟻の腰に糸をつけ ...
41. 蟻通明神
日本大百科全書
『大鏡』昔物語には貫之の逸話を語る(そのほか『俊秘抄(しゅんぴしょう)』上、『袋草子』4、『神道集』7の38、『本朝神社考』も同じ)。江戸期の長唄(ながうた)『 ...
42. あん‐みょう【闇冥・暗冥】
仏教語大辞典
1 暗黒の闇を心の迷いや煩悩に喩えた言葉。 神道集 一・四 「生死頓証暗冥出門戸」 2 暗黒の世界、特に、地獄。冥土。 蓮如遺徳記 「滅後の利益といふは、(略 ...
43. いかほおんせん【伊香保温泉】群馬県:北群馬郡/伊香保町/伊香保村
日本歴史地名大系
石段の温泉として知られる。口碑によれば垂仁天皇の頃に二ッ岳より湧出し、行基により発見されたという。赤木文庫本「神道集」には「伊香保ノ御湯」とみえ、伊香保大明神の ...
44. いかほじんじゃ【伊香保神社】
国史大辞典
れた神である。地名は古く『万葉集』に「上毛野伊香保の沼」「伊香保」とみえ、中世の唱導として『神道集』にはくわしい縁起が語られている。例祭は九月十九日。 (近藤  ...
45. いかほじんじゃ【伊香保神社】群馬県:北群馬郡/伊香保町/伊香保村
日本歴史地名大系
あるとも推定されている。総社本「上野国神名帳」には正一位伊賀保大明神と記される。赤木文庫本「神道集」には「三ノ宮、伊香保ノ大明神ト申、湯前ト崇上ル時ハ本地薬師也 ...
46. いかん‐そくたい[イクヮン‥]【衣冠束帯】
日本国語大辞典
〔名〕衣冠や束帯。公家の正装をいう。主に近世、民間で称した語。*神道集〔1358頃〕一・一「太神宮の祭主神宮寺に衣冠束帯を被〓下」 ...
47. いさまごう【伊参郷】群馬県:上野国/吾妻郡
日本歴史地名大系
中之条町横尾の吾妻神社は、江戸時代和理宮と称されていた。すでに一四世紀には成立したとみられる「神道集」に「和理ノ大明神」と記され、伊参から移されたという伝えがあ ...
48. いし‐からびつ【石唐櫃】
日本国語大辞典
〔名〕石でつくった唐櫃。*神道集〔1358頃〕八・四九「屍をは石唐櫃に入、高井の郷の鳥喰池、辰巳の方に当りたる〓喰池中の、鳴当 ...
49. いずさんじんじゃ【伊豆山神社】
国史大辞典
ついで仁徳天皇の時温泉(走湯)を出して衆生を救い、その霊地に鎮座されたと伝え、また、安居院(あぐい)の『神道集』には箱根権現の出現譚と合わせて説かれ、インドの大 ...
50. 伊豆箱根の本地
日本大百科全書
それぞれが結婚して、父とともに箱根三所権現(ごんげん)、伊豆権現として現ずるという筋(すじ)。『神道集』巻2にあって、その継子譚の原型は、昔話「お銀小銀」型に一 ...
「神道集」の情報だけではなく、「神道集」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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