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  11. 水無瀬三吟百韻
国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典

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国史大辞典
水無瀬三吟百韻
みなせさんぎんひゃくいん
長享二年(一四八八)正月二十二日、後鳥羽院の二百五十年の忌日に水無瀬宮法楽として同御影堂に奉納した何人(なにびと)連歌。一冊。正しくは「水無瀬三吟何人百韻」という。何人が賦物(ふしもの)で、発句の一字「山」と熟して山人と賦す。発句「雪ながら山もと霞む夕哉 宗祇(句数三十四句、六十八歳)」は院の「見渡せば山本霞む水無瀬川夕べは秋となに思ひけむ」の本歌取。脇は肖柏(句数三十三句、四十六歳)、第三宗長(句数三十三句、四十一歳)と、師弟三人で付け合ったもので、揚句は「人におしなべ道ぞ正しき 長(宗長)」と乱世に政道の正しさを宣揚する。賦詠の場所は「於種玉庵」とも「山崎にとまり給て」ともいわれ、後世、宗祇連歌の代表的規範作品と看傚される。昌休・宗養共著の『連歌天水抄』以下、山田孝雄ら(『俳句研究』(昭和十年(一九三五)―十九年))などに解説注解がある。『続群書類従』連歌部に収められる。
[参考文献]
『群書解題』一一、福井久蔵『水無瀬三吟評釈』、同『連歌文学の研究』、金子金治郎編『宗祇連歌古注』、伊地知鐵男『連歌の世界』(吉川弘文館『日本歴史叢書』)
(伊地知 鐵男)


日本大百科全書
水無瀬三吟百韻
みなせさんぎんひゃくいん

連歌百韻。1488年(長享2)1月22日張行。宗祇(そうぎ)、肖柏(しょうはく)、宗長による三吟。22日は後鳥羽院(ごとばいん)の月忌で、後鳥羽院の水無瀬の廟(びょう)に奉納。張行場所には諸説あるが、発句に「雪ながら山もとかすむ夕かな」(宗祇)と水無瀬の廟からの眼前の眺望を詠んでおり、山崎(京都府大山崎町)あたりかと思われる。『湯山(ゆのやま)三吟』とともにもっとも規範的な作品とされ、昌休(しょうきゅう)、宗養の『連歌天水抄』には、その表八句の句さばきの巧妙さが解説されている。
[島津忠夫]



改訂新版・世界大百科事典
水無瀬三吟百韻
みなせさんぎんひゃくいん

室町時代の連歌。1巻。後鳥羽院の水無瀬の廟に奉納するために,宗祇とその高弟の肖柏,宗長を連衆(れんじゆ)として,1488年(長享2)正月22日の院の月忌に山城国山崎で張行された〈賦何人連歌(ふすなにひとれんが)〉の通称。宗祇の発句〈雪ながら山もとかすむ夕かな〉および宗長の挙句〈人をおしなべみちぞただしき〉は,それぞれ《新古今和歌集》所収の院の〈見わたせば山もと霞む水無瀬河夕は秋となに思ひけむ〉(巻一),〈おく山のおどろがしたもふみわけてみちある代ぞと人に知らせむ〉(巻十七)を本歌とする。脇句〈行く水とほく梅にほふ里〉(肖柏),第三〈川かぜに一むら柳春みえて〉(宗長)以下,一巻の展開や式目の運び方に円熟期の宗祇のゆきとどいた捌きがみられ,のちに昌休,宗養の《連歌天水抄》をはじめ,連歌百韻の規範として尊重された。宗長の自筆本が伝存する。同じ連衆により,3年後の《湯山(ゆのやま)三吟百韻》がある。
[光田 和伸]

[索引語]
後鳥羽天皇(院,上皇) 宗祇 肖柏 宗長
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1. 水無瀬三吟百韻
日本大百科全書
連歌百韻。1488年(長享2)1月22日張行。宗祇(そうぎ)、肖柏(しょうはく)、宗長による三吟。22日は後鳥羽院(ごとばいん)の月忌で、後鳥羽院の水無瀬の廟( ...
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6. あだ‐の‐おおの[‥おほの]【阿太大野・安太大野】
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たみこそあだの大野の萩の露うつろふ色はいふかひもなし〈藤原定家〉」*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻注〔室町末〕「小萩はらうつろふ露も明日やみん〈宗長〉 あだ ...
7. あや‐にく【生憎】
日本国語大辞典
愚管抄〔1220〕三・桓武「淳和と嵯峨とは、あやにくに御中よくて」*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻〔1488〕「むかしよりただあやにくの恋の道〈肖柏〉 わす ...
8. いまわ の 齢(よわい)
日本国語大辞典
死期の近づいた年齢。*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻〔1488〕「契りはやおもひたえつつ年もへぬ〈肖柏〉 今はのよはひ山もたづねじ〈宗祇〉」 ...
9. おもい の 露(つゆ)
日本国語大辞典
(1)悲しんだり人を思慕したりする気持からこぼれる涙を露にたとえた表現。*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻〔1488〕「逢ふまでとおもひの露のきえかへり〈宗祇 ...
10. くさ 枯(か)る
日本国語大辞典
「山里は冬ぞさびしさまさりける人めも草もかれぬと思へば〈源宗于〉」*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻〔1488〕「なく虫の心もとなく草かれて〈宗祇〉 垣根をと ...
11. こけ の 袂(たもと)
日本国語大辞典
C後〕中「袈裟の色や若紫に染めてけるこけのたもとをおもひかへして」*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻〔1488〕「秋はなどもらぬ岩やも時雨るらん〈宗祇〉 こけ ...
12. こころ とも なく
日本国語大辞典
心にもあらず。思わず知らず。いつのまにか。無意識に。*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻〔1488〕「霜おく野はら秋は暮れけり〈宗長〉 なく虫の心ともなく草かれ ...
13. この 岸(きし)
日本国語大辞典
頃〕明石「世を海にここらしほじむ身と成て猶このきしをえこそ離れぬ」*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻〔1488〕「此岸をもろこし舟のかぎりにて〈宗長〉 又生ま ...
14. しば の=戸(と)[=門(かど)]
日本国語大辞典
原入御事「里遠く、人も通はぬ柴の戸に、奇(あや)しや誰か事問はん」*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻〔1488〕「山がつになど春秋のしらるらん〈宗祇〉 植ゑぬ ...
15. せうはく【肖柏】
全文全訳古語辞典
[人名]室町後期の連歌師。牡丹花などと号した。宗祇の弟子で、『水無瀬三吟百韻』などで知られる。家集『春夢草』、連歌論書『肖柏口伝抜書』などを残している。  ...
16. せん【詮】
日本国語大辞典
のことをふかく案ずるに、ただせんは仏法にて王法をばまもらんずるぞ」*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻注〔室町末〕「雪にさやけき四方のとほ山〈宗長〉 嶺の庵木の ...
17. ひとむら‐やなぎ【一叢柳】
日本国語大辞典
〔名〕ひとところにむらがって生えている柳。*長享二年正月二十二日水無瀬三吟百韻〔1488〕「川風に一むら柳春見えて〈宗長〉 舟さす音もしるきあけがた〈宗祇〉」ヒ ...
18. ひゃくいん【百韻】
国史大辞典
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19. みなせじんぐう【水無瀬神宮】大阪府:三島郡/島本町/広瀬村地図
日本歴史地名大系
上皇の二百五十年遠忌に際し、連歌師宗祇とその高弟肖柏・宗長の三人が御影堂法楽のため、後に「水無瀬三吟百韻」の名で知られる「何人百韻」を作っている。また時代は下る ...
20. 湯山三吟百韻
世界大百科事典
下100句で,挙句は肖柏の〈一(ひと)むらさめに月ぞいさよふ〉。同じ連衆による3年前の《水無瀬三吟百韻(みなせさんぎんひやくいん)》とならんで宗祇一座の連歌の圧 ...
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