1. 義経記
日本大百科全書
はほとんど省略された変則的な伝記となっている。その点で語り本『平家物語』と相補関係にある。『義経記』成立期の義経伝説が幼少の貴公子牛若と流離の判官殿に集約されて ...
2. 義経記
世界大百科事典
倉の勝長寿院の法師,熊野神社の系統の修験道の山伏,奥州の座頭などが想定されている。それらを《義経記》として編成したのは,京都の都市生活者として白河の印地打(いん ...
3. ぎけいき【義経記】
日本国語大辞典
室町中期の軍記物語。八巻。作者、成立年代ともに未詳。源義経の生涯を、鞍馬山での不遇な幼年時代と、兄頼朝との不和から没落するに至る悲劇的な後半生を中心に、伝説など ...
4. ぎけいき【義経記】
全文全訳古語辞典
[書名]室町前期の軍記物語。作者、成立年代ともに未詳。源義経の生涯を描くが、不遇な幼少期と悲劇的な後半生を同情的に扱い、最も隆盛な時期はない。一代記になっている ...
5. ぎけいき【義経記】
国史大辞典
にその動乱の記録としての『明徳記』や『応永記』など群小軍記が多く生み出された。その一方で、『義経記』同様に、貴種流離譚の構造を踏まえた、神変性と様式性の濃い義経 ...
6. 義経記
日本古典文学全集
源義朝(よしとも)の末子として鞍馬(くらま)寺に預けられた源義経(幼名・牛若)の成長から、弁慶の物語、吉野潜行、奥州落ち、奥州平泉での衣川合戦まで、九郎判官(く ...
7. ぎけいき【義経記】
歌舞伎事典
源平合戦物 ...
8. 義経記 1
東洋文庫
義経を愛する「判官びいき」が育てた非運の英雄「義経」の物語。民衆のつくりあげた数多くの「義経」イメージの祖型と,その成立過程を解明する豊富な注を加えた現代語訳。 ...
9. 義経記 2
東洋文庫
義経を愛する「判官びいき」が育てた非運の英雄「義経」の物語。民衆のつくりあげた数多くの「義経」イメージの祖型と,その成立過程を解明する豊富な注を加えた現代語訳。 ...
10. 『義経記』[百科マルチメディア]
日本大百科全書
古活字版(挿絵入り) 巻1 元和・寛永(1615~1644)ごろ刊 国立国会図書館所蔵 ...
11. 御前義経記
日本大百科全書
外題(げだい)は「風流」の角書(つのがき)がある。主人公元九郎今義(げんくろういまよし)の行動を、『義経記(ぎけいき)』、謡曲、舞曲、浄瑠璃(じょうるり)、伝説 ...
12. ごぜんぎけいき【御前義経記】
日本国語大辞典
江戸前期の浮世草子。八巻八冊。西沢一風作。元祿一三年(一七〇〇)刊。「義経記」、謡曲などの義経伝説を近世の好色生活にやつして翻案する。主人公元九郎今義が母と妹と ...
13. あい‐あい[あひあひ]【間間】
日本国語大辞典
〔名〕(1)たくさんある物と物とのそれぞれの空間。また、所々の間。あいだあいだ。*義経記〔室町中か〕一・遮那王殿鞍馬出の事「あひあひ引柿(ひきがき)したる摺尽( ...
14. あい‐きゃく[あひ‥]【相客】
日本国語大辞典
(2)(宿屋などで)二人以上の客が、同室に泊まり合わせること。また、その客。*浮世草子・御前義経記〔1700〕二・四「相客(アヒキャク)なきを幸に」*滑稽本・東 ...
15. あい‐ざしき[あひ‥]【相座敷】
日本国語大辞典
〔名〕(「あい」は接頭語)「あいやど(相宿)」に同じ。*浮世草子・御前義経記〔1700〕三・三「相座敷(アヒザシキ)に勧進比丘尼の美しき者が二人泊ってゐると」 ...
16. あいそう が 尽(つ)きる
日本国語大辞典
「あいそ(愛想)が尽きる」に同じ。*義経記〔室町中か〕六・判官南都へ忍び御出ある事「明日門外に候事御覧じ候ひなば、義経があいそうもつきて思召されんずる」*浮世草 ...
17. あい た 口(くち)が塞(ふさ)がらぬ
日本国語大辞典
(1)あきれ返った状態。あきれてものも言えないさま。*浮世草子・御前義経記〔1700〕五・二「茶くれし女は、現(うつつ)かふしぎと、あいた口のふさがらず」*譬喩 ...
18. あい‐つ・ける[あひ‥]【相付】
日本国語大辞典
*曾我物語〔南北朝頃〕七・勘当ゆるす事「心のはやるままに、人のあひつけたる鹿(しし)、いたまふべからず」*義経記〔室町中か〕五・忠信吉野山の合戦の事「づと登り上 ...
19. あえ・す【落・零】
日本国語大辞典
〔他サ四〕(「あやす(零)」の変化した語か)したたらす。血、汗などをたらす。*義経記〔室町中か〕二・義経鬼一法眼が所へ御出の事「未だ所作も果てざらんに切りて社壇 ...
20. あおがさき【青崎】石川県:金沢市/旧石川郡地区/粟崎村
日本歴史地名大系
けられた橋の下が境界とされていた。関連の絵図も作成されている。室町期の流通ルートを反映した「義経記」巻七の記述では、井上左衛門の配下が源義経主従に教えた逃走経路 ...
21. あお‐どうしん【青道心】
仏教語大辞典
墨の衣の玉襷見物ぞめきに取まかれ」 2 ちょっとした思いつきで起こした信仰心、また、慈悲心。 →生道心 義経記 四・住吉大物二ケ所合戦の事 「末も通らぬ青道心」 ...
22. あお‐ほろ[あを‥]【青保呂】
日本国語大辞典
〔名〕矢羽根の名。青鷺(あおさぎ)の翼の下端に連なる保呂羽(ほろば)を用いたもの。*義経記〔室町中か〕五・忠信吉野山の合戦の事「上矢にはあをほろ・鏑(かぶら)の ...
23. あか‐ぎ【赤木】
日本国語大辞典
紫檀あかぎは寄らずして、流れ来で」*謡曲・葵上〔1435頃〕「赤木の数珠の苛高(いらたか)を」*義経記〔室町中か〕七・判官北国落の事「あかぎの柄(つか)の刀にだ ...
24. あか‐つき【閼伽坏】
日本国語大辞典
鈴虫「わかき尼君たち二三人、花たてまつるとて、ならすあかつきのおと、水のけはひなど聞ゆる」*義経記〔室町中か〕七・判官北国落の事「一挺の笈には鈴(れい)、独鈷( ...
25. あがりぜん を 食(く)う
日本国語大辞典
人の揚げた遊女などと密会すること。*浮世草子・御前義経記〔1700〕一・凡例「あげ屋入の上まへをはね、明がたのわかれ、門の片角はし女郎のあき局にて、あがりぜんを ...
26. あきげ の 行縢(むかばき)
日本国語大辞典
毛皮が寒さに向かって濃さが増し、斑点が明白になった秋毛で老人が多く用いる(了俊大草紙{1395頃})。*義経記〔室町中か〕一・遮那王殿鞍馬出の事「あひあひ引柿( ...
27. あき‐つぼね【空局】
日本国語大辞典
賜はりて、あきつぼねにほこらかして置きたるを」(2)客のない、下級の遊女の部屋。*浮世草子・御前義経記〔1700〕一・凡例「はし女郎(ぢょらう)のあき局(ツボネ ...
28. あくぎょう‐ぶとう[アクギャウブタウ]【悪行無道】
日本国語大辞典
〔名〕(形動)悪行を強めた語。けたはずれの悪行。あくぎょうむどう。*義経記〔室町中か〕六・判官南都へ忍び御出である事「我等南都にてあくぎゃう無道なる名を取りたれ ...
29. あく‐ぎん【悪銀】
日本国語大辞典
〔1688〕五・五「先程の利銀の内三匁五分の豆板悪銀(アクギン)と出しける」*浮世草子・御前義経記〔1700〕四・一「此様な悪銀(アクギン)つかひぬる心からは、 ...
30. あくしょう‐ぎ[アクシャウ‥]【悪性気】
日本国語大辞典
〔名〕遊蕩にふける性質・気分。また、浮気心。*浮世草子・御前義経記〔1700〕七・三「悪性気(アクシャウキ)のつかぬうち、妻に定おかば、身持くづす事有まじ」 ...
31. あく‐ま【悪魔】
日本国語大辞典
川合社前絶入事「且は悪魔をしたがへ、仏法を守り、且は賞罰をあらはして、信心を発さしめ給ふ」*義経記〔室町中か〕六・忠信が首鎌倉へ下る事「剛の者の首を久しく晒して ...
32. あく‐りょう[‥リャウ]【悪霊】
日本国語大辞典
「あくりゃうは執念(しふね)きやうなれど業障(ごふしゃう)にまとはれたる、はかなものなり」*義経記〔室町中か〕三・書写山炎上の事「われ一人の咎ならぬに、残りを失 ...
33. あくろおう【悪路王】
国史大辞典
『元亨釈書』には奥州逆賊「高丸」が駿河国に遠征し、田村麻呂に攻められ奥州へ逃げて殺されたとみえ、『義経記』では「あくじ(悪路・悪事)の高丸」と同一人になる。以後 ...
34. あくんぐるし‐の‐さいなん【─災難】
日本国語大辞典
つけるために添えたものという)悪事災難。心身を苦しめ悩ますわざわい。あっくんぐるしのさいなん。*浮世草子・御前義経記〔1700〕三・三「あくんぐるしのさいなんは ...
35. あげ つ 下(お)ろしつ
日本国語大辞典
ば結城判官に預けられ夜昼三日まで、上(アゲ)つ下(ヲロシ)つ拷問(がうもん)せられけるに」*義経記〔室町中か〕四・土佐坊義経の討手に上る事「『さもあるらん、召捕 ...
36. あさ‐えびす【朝恵(ヱ)比須】
日本国語大辞典
朝(アサ)ゑびすに参り給ふに」(2)早朝の客。商人が福の神の恵比須に見立て、縁起を祝っていう。*浮世草子・御前義経記〔1700〕一・三「床(とこ)の男よろこび、 ...
37. あさぎ‐こもん【浅葱小紋・浅黄小紋】
日本国語大辞典
678〕二「浅黄(アサギ)ごもんは、初心めきて当道に嫌ふ、中着には是を許す」*浮世草子・御前義経記〔1700〕五・一「次に流紋(りうもん)の小袖、羅紗(らしゃ) ...
38. あし【足・脚】
日本国語大辞典
て区別する。→足が入る。*高倉院厳島御幸記〔1180〕「御舟のあし深くて湊へかかりしかば」*義経記〔室町中か〕四・住吉大物二ケ所合戦の事「潮干なれども小船なり、 ...
39. あし‐きき【足利】
日本国語大辞典
足立ち。*平家物語〔13C前〕七・火打合戦「馬の足ききよい所で候へば、いそぎわたさせ給へ」*田中本義経記〔室町中か〕三・熊野の別当乱行の事「いで立ってあしききの ...
40. あし‐ばや【足早】
日本国語大辞典
移動のはやいさま。はやあし。*平家物語〔13C前〕四・信連「いとどあしばやに過ぎさせ給ふ」*義経記〔室町中か〕四・土佐坊義経の討手に上る事「聞ゆる足早(アシバヤ ...
41. あし を はかりに
日本国語大辞典
(「はかり」は「限度」の意)「あし(足)を限りに」に同じ。*義経記〔室町中か〕五・静吉野山に棄てらるる事「あしをはかりに行く程に、高き峰に上りて」*虎明本狂言・ ...
42. あせ の 如(ごと)し
日本国語大辞典
汗之綸言、豈如
此哉」*
義経記〔室町中か〕八・継信兄弟御弔の事「侍の言葉は綸言にも同じ。猶しあせのごとしとて、既に自害せんとせしままに」
...43. あせ を 流(なが)す
日本国語大辞典
やぶりてにげしはいかに。御分のよき太刀も、心にくからずといひければ、聞人、みなあせをなかさぬはなかりけり」*義経記〔室町中か〕五・忠信吉野山の合戦の事「大の法師 ...
44. あそば‐・す【遊】
日本国語大辞典
強める場合もある。(イ)動作性の名詞につく場合。接頭語「御」のついた漢語である場合が多い。*義経記〔室町中か〕五・忠信吉野山の合戦の事「一先づ落ちさせ給ふべく候 ...
45. 安宅(能)
日本大百科全書
能の曲目。四番目物。五流現行曲。『義経記(ぎけいき)』などに拠(よ)ったもので、観世小次郎信光(のぶみつ)の作とも、不明ともいわれる。関守の武士の情を強調する歌 ...
46. あたか【安宅】
国史大辞典
主従が現在の不遇をなげいていると富樫のおわびの酒が届く。弁慶の男舞があり、一行は奥州へ下る。『義経記』や幸若舞曲の「富樫」「笈捜」などに素材をあおいでいる。小書 ...
47. あたか【安宅】
国史大辞典
天正七年(一五七九)柴田勝家がこれを焼くまで、しばしば戦場となった記録がある。能楽の「安宅」は、『義経記』に描かれた源義経一行の受難の場面を、一幕に集めたもので ...
48. あたか【安宅】石川県:小松市/旧能美郡地区/安宅町
日本歴史地名大系
室町時代成立の「義経記」巻七(平泉寺御見物の事)によれば、北陸を逃避行中の源義経は「斎藤別当実盛が手塚の太郎光盛に討たれけるあいの池を見て、安宅の渡りを越えて、 ...
49. あたか【安宅】[能曲名]
能・狂言事典
わびて酒を勧めるので、弁慶は杯を受けて舞を舞い(〈男舞〉)、虎口を逃れる思いで道を急ぐ。 『義経記』や幸若舞曲《富樫》《笈(おい)さがし》などと素材を一にし、悲 ...
50. 安宅関
世界大百科事典
《兵部式》は北陸道加賀国に安宅駅を記す。謡曲の《安宅》では,義経追捕のため設けられた新関とするが,出典の《義経記》には〈安宅の渡〉とするのみで,関はなく,《八雲 ...