「添い寝・フレンド」の略語。「セフレ」(=セックス・フレンド。夫婦、彼氏・彼女としてのステディーな交際までには到っていない男女が、性欲発散のみを目的とし、性交だけの関係を結ぶ相手のこと)、「キスフレ」(=キス・フレンド。夫婦、彼氏・彼女としてのステディーな交際までには到っていない男女が、性交の事後処理や妊娠などの煩わしさを避け、ライトな接触関係を結ぶ相手のこと)の進化形。

 「挿入や接吻での粘膜接触行為は、なんとなく不潔っぽくて(また、それをかならず要求してくるステディーな相手も)面倒臭いけど、なんとなく人肌は恋しい」という、デリケートかつアンニュイな今どきの若者心理から生まれた、“安眠”のみを目的とする、草食的な男女関係。

 全裸同士で添い寝するフレンドも稀に実在するが、そうすると下手すれば「ペフレ」(=ペッティング・フレンド)に発展(退化?)しかねないので、パジャマかTシャツにジャージやスエットを着用し、あえて狭いシングルベッド上で行なうのが一般的。

 

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   



 大路小路で京都を東西南北に区切ったブロックシステムは、平安京のころから形づくられてきた。西陣(上京区)や朱雀(下京区)などの古い町で、名称のある通りから細い横道へ迷い込むと、そこには無数の複雑そうな小径があり、その周辺には小さな長屋がたくさん建ち並んでいる。このような奥へ通じる小径には、二つの呼称がある。

 一つは「ろうじ」。ひらがなを使うのが一般的だが、漢字ならば「路地」や「路次」と書く。これは道の行き先がドンツキ(突き当たり)の、いわゆる袋小路になった道のことである。もう一つは「ずし」。「辻子」や「図子」と書く。こちらはカクカクと曲がった道や意外に太い道までにも使われ、大路と小路、小路と小路をつなぎ、通り抜けることができる通り道をいう名称である。

 「ろうじ」の原点は、豊臣秀吉が聚楽第(じゅらくだい)を営んだ16世紀ごろから見られるようになったといわれ、もともとは、表通りに面した建物の裏地に行くためにつくられた私的な通路であったという。当時、大路小路に面して店舗兼用の住宅が建ち並んでおり、その裏地は空き地同然で、近所で共用された憩いの場であった。徐々にこの裏地を各家が裏庭として囲い込み、そこに離れ家や借家をつくるようになっていった。表通りからそこへ直接入れるようにしたのが、「ろうじ」の始まりなのである。一方、「ずし」は大路小路を連絡するために設けられた名前のない道のこと。例えば、西陣地域では、南北に走る大路小路を連絡する東西を結ぶ「ずし」がたくさんある。この理由は、昔の西陣が南北の通りを基準にして町家が建ち並んでいたためで、東西に橋渡しをする目的で、小径「ずし」が後から設けられたのである。

 

   

京都の暮らしことば / 池仁太   



 1922年に『ロンドン・タイムズ』のようなニュース誌と『エコノミスト』のような経済誌、大衆向け情報誌を目指し創刊された朝日新聞社の週刊誌(最初は旬刊)。毎日新聞社の『サンデー毎日』は1か月遅れで創刊されている。

 アメリカン・コミックス「ブロンディ」を日米対訳式で載せたり、吉川英治の『新・平家物語』を連載、大家が描く表紙の絵を読者プレゼントにするなどで着実に部数を伸ばした。扇谷正造(おうぎや・しょうぞう)編集長時代の1954年9月に100万部を突破し、1958年新年号は150万部に達した。

 だが1956年に初の出版社系週刊誌『週刊新潮』が発売され、『週刊文春』『週刊現代』などが次々に出てくると勢いを失い、現在の実売部数は13万部(2012年上半期、ABC調査より)にまで落ち込んでいる。

 2012年10月26日号で、佐野眞一氏と週刊朝日取材班による連載第1回「ハシシタ 奴の本性」を掲載し、橋下徹(はしもと・とおる)大阪市長の父親の出身地を公表したことで、「差別を助長する」と橋下市長などから猛烈な抗議を受け、朝日新聞社が謝罪し、河畠大四(かわばた・だいし)編集長は更迭、発行元の朝日新聞出版神徳(こうとく)英雄社長は辞任に追い込まれてしまった。

 立て直しを図るべく小境(こざかい)郁也氏(53)が編集長になったのだが、その小境編集長が「セクハラ常習者」だったというのだから、お粗末すぎて開いた口が塞がらない。

 『週刊文春』(10月17 日号、以下『文春』)で朝日新聞出版関係者がこう話している。

 「いまは朝日新聞社と朝日新聞出版に分社化されていますが、〇八年までは同じ会社だった。社員の行き来がある二つの会社のなかの何人かの女性が、小境氏と関係を持っていたというのです。小境氏には妻子がいますが、長く別居していて現在は一人暮し。ある女性記者と不倫関係にあったのは社内では有名だし、過去にも別の女性問題が取り沙汰されたこともありました」

 別の朝日新聞出版関係者もこう語る。

 「気に入っている女性がいると、『○○と飲んでいるからおいでよ』と誘いだし、女性が来ると同席していた人を帰らせて二人っきりになるのが常套パターン。酔った勢いで抱きついたり、いきなり胸を揉んだり無理やりチューしたり。テーブルの下で強引にスカート内に手を入れ、太ももの奥を触りまくることもありました」

 今回はセクハラを受けていた女性が周囲の女性に相談し、これまで関係があった女性の名前などを書いた連判状のようなものを作り、朝日新聞本社に報告したという。

 だが、文春の取材に対して朝日新聞社側は「現在、事実関係を調査中」と悠長なことをいっていたのだが、文春が発売される前日「週刊朝日編集長を懲戒解雇 重大な就業規則違反」と発表したのである。

 後任編集長には朝日新聞東京本社写真部の長友佐波子(ながとも・さはこ)フィーチャー写真担当部長が10月9日付で就いた。女性ならセクハラはないだろうという、朝日新聞らしい姑息な考えのように思えてならない。

 長友編集長は『週刊朝日』(10/25号)の新任挨拶でこう書いている。

 「前編集長は重大な就業規則違反があり、8日付で懲戒解雇処分となりました。昨年、小誌は橋下大阪市長の差別記事を掲載した反省から『家庭で安心して読めるニュース週刊誌』を目指してスタートしたばかりでした。 1年にも満たない時期での不祥事に読者の皆様の期待と信頼を再度裏切ることになりました。深くお詫びいたします。(中略)
 たいへん厳しい状況ではありますが、 1922年発刊、92 年目を迎えた週刊朝日が社会から信頼される雑誌となるために、編集部一同、初心に帰って努力していきたいと思います」

 次に何か起こせば確実に休刊となる。長友編集長には相当な覚悟で臨んでもらいたいものだ。それと、もっとおもしろい読みでのある雑誌にしてほしいと、お願いをしておく。なんとか創刊100周年までは頑張ってほしいものである。

 

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 ネットショップが身近なものとなり、どこに住んでいても、地方の名物グルメにたどりつくまでの距離感は近くなった。高級品の「お取り寄せ」だけではない。地域では有名、しかし地元を一歩出ると驚くほど知られていない庶民の味が、ネットの口コミによってもてはやされる。愛知県碧南(へきなん)市の小笠原製粉が製造する、即席の袋めん「キリンラーメン」の「復権」もこの流れだ。

 キリンラーメンの誕生は昭和40年代。なんとも趣きがあるレトロなパッケージの解説によれば、「キリンは首が『長く』、子どもから年配まで大変『親しみやすい』動物」。そこに「『末永く』『親しみやすい』商品」の願いを込めた。大手メーカーに押されて1995年に一度姿を消したが、長年親しまれた地元の味の復活を求める声は途切れることなく続いた。その後、何度か限定復活するたびに完売するという愛されぶり。ついには2010年からネット販売もスタートし、すでに通販が浸透していたことと、食にはめざといネットユーザーの口コミによって、大きなヒットになった。最近では、有名商品に負けじとスーパーで見かける機会も多い。ちなみに、筆者も食べているが、いかにも「昭和から変わらずに残った味」という感じで、懐かしく親しみやすいテイストだ。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 洗濯するときに使う柔軟仕上げ剤は、衣類を柔らかく洗い上げることを目的としたもので、最近は香りのよさをアピールした商品が増えている。

 きっかけは、2000年代後半に米国製のダウニー(Downy)など強い香りの外国製柔軟剤がブームになったことだ。以来、国内でも芳香性を重視する商品が増え、販売金額も2008年の618億円から2012年の715億円へと成長している。

 だが、こうした柔軟剤の強い香りが原因とみられる頭痛、めまい、吐き気などの症状を訴える人も増えている。

 国民生活センターによると、2008年度は14件だった「柔軟仕上げ剤のにおい」に関する相談件数は、2012年度は65件に増加。2013年度は前年同期と比べて増加傾向にある。

 相談内容は、自分が柔軟剤を使用したことで体調不良を訴えたものもあるが、多いのは「隣人の洗濯物のにおいがきつ過ぎて頭痛や吐き気がある」「飲食店で柔軟剤のにおいのする店員に運んでこられると気持ち悪くなる」など、他人が使用した柔軟剤による相談が74%を占めている。

 こうした相談が寄せられるのは、たんににおいに対する嗜好の問題だけではなく、「化学物質過敏症」という深刻な病気の存在がある。

 同センターが実施した商品テストでは、室内干しをした際の室内の総揮発性有機化合物が、柔軟仕上げ剤を使わない場合は1立方メートル約20μgなのに対して、強い香りがする柔軟仕上げ剤を使用すると約70~140μgに上昇している。

 化学物質過敏症は、何らかの化学物質を大量に、または繰り返し曝露することで発症すると考えられており、今回、国民生活センターが発表した柔軟剤のにおいにも何らかの影響があることが考えられている。

 化学物質への感受性は個人差が大きく、同じ環境で過ごしていても発症しない人もいるため、なかなか周囲に理解してもらえない病気でもある。

 国民生活センターは、自分には快適なにおいも、他人には不快に感じることもあることを認識してほしい、と配慮を促す。だが、化学物質過敏症は、他人事ではない。花粉症と同じように、昨日までは何ともなかったのに、ある日突然発症する可能性がある病気だ。

 柔軟剤の使い過ぎは、すでに化学物質過敏症で苦しんでいる人だけではなく、将来の自分や家族を苦しめるかもしれない。適切な使用を心がけたい。

 

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 都市型の現代人は、ビジネスでもプライベートでもスマホやパソコンなしでは生きられない。インターネットをつないでいる状態が当たり前になると、なんとなくモニターの前にいないと落ち着かない「中毒」に陥ることもある。そうでなくとも、SNS全盛の昨今、顔の見えない「つきあい」に疲弊する「ソーシャル疲れ」がよく語られる。であるならば、まったくネットにつなげない日があっていい。生活のコントロールが未熟な若者ならばなおさらだ。

 厚生労働省の調査発表によれば、「ネット依存症」の疑いがある中高生は推計51万8000人(2013年8月)。このたぐいの政府が計算した数字を軽々に信用するのもまた問題だが、ネットのヘビーユーザーならば、生活が夜型になり、一日のリズムが崩れて体調を崩す事態は、実感として想像できるだろう。なんといっても、若者の本分である学業面での悪影響が心配だ。そこで文部科学省は、こうした「依存」の傾向がある学生を集め、ネットのない環境で約1週間の合宿をする、いわば「ネット断食」の調査研究事業を2014年度にも始める予定になっている。

 効果のほどは結果を見るまで判断しかねるが、単純に「未熟な子どもをなんとかしよう」という話ではない。たとえばアメリカでは、こうした「断食」を「デジタルデトックス」と呼び、成人にとっても精神衛生上よいとされている。いま、世界中で「正しいネットとの距離の取り方」が模索されているといった状況なのである。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 復興特別法人税は、東日本大震災の復興財源に充てている臨時増税のうち、企業に課税しているものをいう。2011年に起きた東日本大震災の復興財源に充てるため、12~14年度の時限措置として民主党政権が導入した。安倍自公政権はこれを1年前倒しして、13年度末で打ち切ることを検討している。

 名目は、14年4月からの消費税の8%への引き上げに伴う経済対策として、だ。与党の公明党内には反対論がくすぶっているが、年内中に結論を出すという。

 懸念すべきは、13年度末で廃止することになれば、9000億円の税収減が生じるということだ。政府は、景気回復に伴う13年度税収の上ぶれ分で補うとソロバンをはじいているが、国債増発で穴埋めせざるをえなくなる可能性は否定できない。

 「個人に増税を迫る消費税引き上げへの対策で、企業に法人減税を実施するのは不公平だ」との批判もある。

 政府は復興特別法人税の廃止について「経済成長を賃金上昇につなげることを前提に検討する」としている。不公平論に対し、「企業がもうかって、その分、給料が増えるから、それに期待してもう少しがまんしろ」と釈明しているようにも聞こえる。

 

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


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