(エイブンガクシ)
ルネ・ラルー 著/吉田健一 訳
「黎明期からルネサンスまで、エリザベス時代、古典文学者と清教徒、18世紀の葛藤、浪漫主義、ヴィクトリア時代、現代」の七章に本文を分け、英文学の発展の歴史と特質とをきわめて要領よく概観している。また、各時代の文学傾向を鋭く捉え、主要な文学者と作品を簡明に批評し、英文学全体を鳥瞰する。
(スペインブンガクシ)
ジャン・カン 著/会田 由 訳
著名な作家と、その最も代表的な作品に重点をおきつつスペイン文学を鳥瞰した通史。スペイン文学がルネサンス以降、近代ヨーロッパ文学、ことに小説と戯曲の発展に寄与してきた過程に焦点をしぼり、内実豊かなスペイン文学を概説する。カタルーニャ語による文学の一章を加えてより完全を期す。
(フランスノコトワザ)
ジャック・ピノー 著/田辺貞之助 訳
ことわざとは民衆の英知がその人生経験を表白したものである。永い間につみ重なった生活の経験が機智とまじり合い、短い、それでいて鋭く、意味の深い言葉になる。本書はフランスのことわざを集め、分類し、フランス人のものの考え方、生活の智慧が集約されたことわざの意味を解説する。
(ジュウキュウセイキフランスブンガク)
V.-L.ソーニエ 著/篠田浩一郎、渋沢孝輔 訳
著者は19世紀を「ロマン的」と名づけ、フランス文学の全体の流れのなかに、この世紀の文学の意味を明らかにする。文学的事実の細部にあくまでも拘泥しつつ、同時に社会的歴史的背景への考察に配慮する。
(ブンタイロン コトバノスタイル)
ピエール・ギロー 著/佐藤信夫 訳
「文体」(スタイル)とは一般に文章の書き方のことであり、かつては修辞学の対象であった。だが現在修辞学は「表現の科学」ともいえる文体論に取って代わられている。日常生活から諸学問にいたるまで切実に関わってくる文体の問題を考える本書は、「ことばのスタイルブック」ともいえる書である。
(オンセイガク)
ベルティル・マルンベリ 著/大橋保夫 訳
音声学は言語学の一部門をなすものであるが、本書はこの分野の知識を最新の学問的動向を紹介しつつ、総合的・体系的に解説している。一般音声学、歴史的音声学、規範的音声学にまでふれる広範な内容を要領よくまとめ、英語、フランス語などの豊富な実例を用いた、洞察に富む解説書である。
(ラテンブンガクシ)
ピエール・グリマル 著/藤井 昇、松原秀一 訳
ラテン文学はギリシア文学とともに、近代ヨーロッパ文学の基礎をなしている。本書は、初期の詩から、古典期の詩人たち、セネカ、タキトゥスにいたるラテン文学を扱い、ローマの文学ともいえるラテン文学の本質を、単に文学上の見地から見るにとどまらず、社会的・政治的・言語学上の見地からも概説する。
(ショウチョウシュギ マラルメカラシュールレアリスムマデ)
アルベール=マリ・シュミット 著/清水 茂、窪田般彌 訳
本書はヨーロッパ文学のみならず、人間の精神史のうえで重要な意味をもつ象徴主義文学の、マラルメからシュールレアリスムにいたる概説書である。読者は本書読了後、ふたたびマラルメのソネット、ランボーのイリュミナシオン、ラフォルグの嘆きぶし……を読めば、楽しみは一層増加することになろう。
(エイゴシ)
アンドレ・クレパン 著/西崎愛子 訳
最新の言語学研究の成果を取り入れて、英語とは何かを多角的に解説した絶好の入門書。英国英語やアメリカ英語など地域や社会層による多様性、正字法や韻律の変遷、文法や語彙の歴史、ラテン語などの英語の源流と派生について簡明にまとめられている。資料として、聖書の英語訳諸本の抜粋と注釈を付した。
(フランスシホウ)
ピエール・ギロー 著/窪田般彌 訳
最新の構造言語学を基盤として書かれた本書は、フランス詩の巧妙な分析研究である。著者は、フランス語の語源を詳細に分析し、ギリシア・ラテン以来の詩の形式を踏まえつつ、ゲルマン語系や英語やラテン語の詩と比較対照しながら、フランス詩の本質を歴史的に解説する。