(ホメロス)
ジャクリーヌ・ド・ロミーイ 著/有田 潤 訳
ヨーロッパ文学の出発点として名高い古代ギリシアの二大叙事詩――『イリアス』と『オデュッセイア』。両詩篇をより深く楽しむための基礎知識を手際よく紹介した、ホメロス入門の決定版。
(ゴノセンタク)
ジャック・クラレ 著/倉田 清、中川恭明 訳
自分が使う言葉に磨きをかける! 文学作品から商業文までさまざまな文体のメカニズムを解明し、記号についての自分の好み――語の選択をレベルアップさせてくれる実践的な読み物。
(ラテンゴノレキシ)
ジャクリーヌ・ダンジェル 著/遠山一郎、髙田大介 訳
西欧で古くから愛されてきた「効率のよい言語」――ラテン語をめぐり、その誕生、繁栄、衰退、そしてロマンス諸語の輩出などを概説。ラテン系言語民族の心性に根づく思考形式がわかる。
(シャカイゲンゴガク)
ルイ=ジャン・カルヴェ 著/萩尾 生 訳
クレオール語や言語政策の問題を視野に収め、社会言語学の現状とその見取り図を提示! ソシュール以降の近代言語学がふるい落としてきた「言語に内在する社会的性格」が、解明される。
【編集者よりひとこと】著者は、1942年に旧フランス植民地チュニジアに生まれたフランスを代表する社会言語学者です。『ロラン・バルト伝』の書き手としても名高いですが、本書では、比喩を巧みに用いながら、「ことばを“食っ”たり、“戦争”をしたり発言を“交換”して利益を追求したりする」のは、言語そのものではなく「それを話す人びとだ」ということに、注意を促します。同じ文庫クセジュから、『超民族語』『言語政策とは何か』の2冊が、同著者の本として刊行されています。
(フランスブンガクノレキシ)
ルネ・バリバール 著/矢野正俊 訳
『ストラスブールの誓約』から、ラブレーを経て、ベケットやイヨネスコの作品まで……数々の名作が書かれてきた背景を、明快に語る。着眼点が面白い、画期的なフランス文学史入門。
(ギリシアブンポウ)
シャルル・ギロー 著/有田 潤 訳
紀元前から使われてきた人類の最も輝かしい文化の道具、ギリシア語。その複雑な系譜を代表する古典期のアッティカ方言を中心に、ギリシア文法を体系的に詳解! 待望久しい改訳版。
(モノガタリロン プロップカラエーコマデ)
ジャン=ミシェル・アダン 著/末松 壽、佐藤正年 訳
魔法昔話や小説をはじめ、新聞記事、広告、漫画、子どもの作文まで……さまざまな物語を、科学的に分析するために! 「知的読解術」の実例を詳しく紹介。文芸評論のための基礎知識。
(サンスクリット)
ピエール=シルヴァン・フィリオザ 著/竹内信夫 訳
「完成された言語」を意味するサンスクリットは、インドにおけるあらゆる知的活動を数千年にわたり支えてきた。現在もインドの公用語のひとつであるが、日常語としての話者はほとんどいない。本書は、その歴史と構造を紹介するとともに、長い生命力・不変性・聖性という特徴について解説してゆく。サンスクリット文法家たちは、その考察を哲学的次元へと高めてゆき、「言葉がブラフマン(梵)であり、意識はそこから生まれるものにすぎない」という境地に達する。彼らによって浄化と贖罪の言語となったこの言葉の有り様がわかりやすく述べられている。
(20セイキフランスショウセツ)
ドミニク・ラバテ 著/三ッ堀広一郎 訳
ル・クレジオ、マンシェット、ペレック、キニャール、エシュノーズ、トゥーサン……いろいろな味わいの樹果を楽しめる現代フランス小説の森。その森に分け入るときに頼りになる地図が本書である。個々の作品の出自と背景、作品どうしの相互関係について知ることによって、読書がもたらす愉悦は倍増する。未邦訳の作品も紹介され、作家たちが小説という形式に込めた思考や、小説というジャンルの特異性と変容があきらかになる。
(ホンヤク ソノレキシ・リロン・テンボウ)
ミカエル・ウスティノフ 著/服部雄一郎 訳
翻訳は、古くから逐語訳と自由訳の二項対立の中で語られてきた。近代は逐語訳でも自由訳でもない第三の翻訳に関する議論が広がる。本書はその歴史を辿り、近現代の翻訳理論をテーマ別に紹介する。更に「起点言語→目標言語」という基本的図式から生まれた派生的理論を解説する。現代の翻訳は、情報の多言語化、マルチメディア化に伴い多様化し、もはや言語の次元のみに限定されない。記号体系間の翻訳という時代を見据えた展望が語られる。豊富な具体例によってそのメカニズムを明快に論じた翻訳論の入門書。プロフィール: ミカエル・ウスティノフ Michaël Oustinoff パリ第三大学(ソルボンヌ・ヌーヴェル)英語圏世界研究所助教授。著書にはベケット、ナボコフ、ジュリアン・グリーンを取り上げたBilinguisme d'ecriture et auto-traduction, L'Harmattan,2001がある。