(ゾクラテンゴ)
ジョゼフ・ヘルマン 著/新村 猛・国原吉之助 共訳
普通ラテン語と呼ばれるのは、古典ラテン語、つまり古代ローマの知識人の書き言葉であるのに対し、無学の大衆の話し言葉が俗ラテン語と呼ばれ、これが進化してフランス語、スペイン語などいわゆるロマンス諸語となった。本書はその進化の歴史をかなり高度に解説した、現在望みうる最良の入門書。
(キゴウガク イミサヨウトコミュニケイション)
ピエール・ギロー 著/佐藤信夫 訳
現代の知的関心と話題の中心となって久しい記号学を包括的な形で紹介する。星占いから神話の人類学的構造にいたるまでの現代のすべての文化事象にひそむ記号性を捉え、その意味作用とコミュニケーション構造を分析する。構造言語学的視野を超えた現代記号学の格好の概説書。
(ゲンゴガク)
ジャン・ペロ 著/高塚洋太郎、内海利朗、滝沢隆幸、矢島猷三 訳
ことばの科学である言語学とは何か。資料収集の領域と方法、社会集団により変化することばの外的性格、音・語彙・文法などの内的性格、ことばの起源や歴史を探る比較の方法、通時と共時、類型・記号・構造などの一般言語学の現在について、多種多様な理論を概説し、参考文献も豊富に網羅した格好の入門書。
(フランスゴシ)
ジャック・ショーラン 著/川本茂雄、高橋秀雄 訳
フランス語の歴史を、その起源から現在にいたるまで、簡潔に叙述したもの。主としてフランス語の内的進化、すなわち音韻、文法(形態法、統辞法)、語彙の変遷を描く。新しい研究を採り入れてある、フランス語学の好伴侶。
(ラテンアメリカブンガクシ)
ジャック・ジョゼ 著/高見英一、鼓 直 訳
ボルヘスやガルシア・マルケスをはじめとするラテンアメリカ文学の邦訳が盛んである。その歴史は比較的新しいが、ラテンアメリカ文学はすでに確固たる国際性を勝ち得ている。本書は、ラテンアメリカの作家・詩人たちがたどった精神の軌跡を簡潔に描き出し、現代文学への新たな展望を拓く。
(エイゴノゴイ)
ポール・バケ 著/森本英夫、大泉昭夫 訳
英語のヴォキャブラリーの充実の「されかた」教えます! 英語の語彙をその歴史的な発展から捉える本書は、キリスト教化、ヴァイキングの渡来、ルネサンスなど、時代の重要な出来事の折りに、諸外国語からの借用語により絶えず自己を豊かにしてきた英語の語彙の歴史を、効率よく簡潔にまとめた基本文献。
(エイゴノゴゲン)
ポール・バケ 著/大泉昭夫、森本英夫 訳
英語の語源と語源研究を主題とする本書は、関連分野からのさまざまな手がかりを活用しながら、英語というこのもっとも活力にあふれた国語のもつ豊かな語彙創造の過程を体系づけて示す。日頃見なれた語のときには思いがけない出生を学ぶうちに、読者は語源学の扉にまで導かれることになろう。
(ラブレートルネサンス)
マドレーヌ・ラザール 著/篠田勝英、宮下志朗 訳
フランス・ルネサンスは『ガルガンチュワ=パンタグリュエル物語』という壮大な文学をわれわれに残した。今日、ラブレーを読むとはどういうことなのか? 本書は最新の研究成果を取り入れ、この問いに答えてくれる。バフチーンの著名な『ラブレー論』に比し、ユマニストとしてのラブレーの姿を明確にした好著。
(モジトコミュニケーション)
ロべール・エスカルピ 著/末松 壽 訳
一方向的な情報でなく、自由な主体性をもった多方向的コミュニケーションの確立を目指し、構造主義における言語学、記号論などの成果を取り入れつつ、テクストの機能に注目したユニークな読書論や印刷マスコミ論を展開する。更に統計を駆使し、世界の文字コミュニケーションの現状と今後をも展望する。
(フランス・ロマンシュギ)
フィリップ・ヴァン・チーゲム 著/辻 昶 訳
16~17世紀に支配的であった古典主義に反抗して起こったロマン主義は、外国文学に範を仰ぎつつ、フランス近代文学を準備していった。ロマン主義の詩、演劇、小説、哲学などの展開を、比較文学の視点を取り入れながら、後の写実主義・象徴主義との関係にも言及して概説した。人名索引・参考文献収録。