(チョウミンゾクゴ)
ルイ=ジャン・カルヴェ 著/田中克彦 解説 林 正寛 訳
地域や民族の壁を越えて広まる「超民族語」に着目する本書は、具体的な事例研究をふまえて従来の言語学の思想基盤に挑戦し、言語社会や国語に対する新たな視点を提起する。さらに言語・民族・国家の根本問題に迫る議論が、民族対立の時代に近代の国民・国家観を見直すうえでも、多大の示唆を与えている。
(ブンガクシサイコウ)
クレマン・モワザン 著/広田昌義 訳
伝統的文学史の枠組みの見直しにはじまり、あらたに問われつつある文学史の意味、20世紀後半における文学研究法の革新と文学史との関係、文学研究と歴史研究との連関性などの諸問題を再検討し、文学史の新しい構想を模索する。仏文学の研究者・学生、文学研究に関心のある読者一般に必携の概説書。
(イディッシュゴ)
ジャン・ボームガルテン 著/上田和夫、岡本克人 訳
ユダヤ人の絶えざる移住は、多くの非ユダヤ言語との接触をもたらし、ユダヤ人はそれらを吸収し、変形させ、独自の文化を培ってきた。本書は、彼らの用いてきたイディッシュ語とその文学・文化を通じて、ディアスポラやショーアーの刻まれた、一千年以上にわたるユダヤ人の有為転変の歴史を概説する。
(ゴゲンガク)
シャルル・ブリッュケル 著/内海利朗 訳
うまく引き出されたひとつの語源は、人間がいかに、その知覚している世界を把握しているのかという情報を教えてくれる。本書は、多くの事例に語の起源を求め、抽出・鑑定したうえで語源辞典・語源研究の展望へと踏み込む。ピエール・ギローの業績を継承しつつ、新たな語源学の可能性を探る導きの書。
(ダンテ)
マリーナ・マリエッティ 著/藤谷道夫 訳
本書は、ダンテの生きた時代がその作品といかに深くかかわりあっているかという視点から、当時の政治、経済、哲学、宗教、芸術に光を当て、ダンテの生涯と作品を立体的に描いている。
(ゾラトシゼンシュギ)
アンリ・ミットラン 著/佐藤正年 訳
19世紀パリの風俗をナチュラルに描きつづけたエミール・ゾラ。本書は、その自然主義と写実主義を見きわめ、小説家ゾラの才能に迫る! 略年譜・小説全作品梗概一覧を巻末に収録。
(エイゴゴゲンガク)
ジャン=ジャック・ブランショ 著/森本英夫、大泉昭夫 訳
「世界の共通語」としての英語の本質に迫るために! 英語語源学の学問的性格とその方法をくわしく紹介する。巻末に網羅収録した文献リストは、英語史・歴史英語学研究にも有益。
(ゲンゴセイサクトハナニカ)
ルイ=ジャン・カルヴェ 著/西山教行 訳 三浦信孝 解説
「国語」や「標準語」は、どのようなメカニズムでつくられるのか? 本書は、言語政策とその科学的方法を詳しく紹介し、言語と社会の関係を考察するための明快な視座を提供する。
(クレオールゴ)
ロベール・ショダンソン 著/糟谷啓介、田中克彦 訳
ヨーロッパの植民地で生まれ、特別な歴史を体現する言葉――クレオール語はどのように発生したのか、社会言語学に基づきながら概説。クレオール文化にも、音楽・料理の観点から迫る。
(レトリック)
オリヴィエ・ルブール 著/佐野泰雄 訳
ギリシア時代から育まれつづけてきた、「誰であろうが説得してしまう術」として知られるレトリック。その歴史と仕組みを、本書は具体的な事例もふんだんに、わかりやすく解説する。