語釈
- 常用漢字を用い、現代仮名遣いを原則とした。
- 説明は平易な現代語によって表現することを原則とし、一つの見出し語の説明に関して種々の表現が可能な場合は、できる限りそれを列挙して示した。
- 一つの見出し語に二つ以上の異なった意味があるときは、①②③......によって区分けし示した。
- 異なった解釈がある場合には、「一説によると」「~との説もある」などの表現のもとに、これをあげた。
- 他の、より包括的な見出し語のもとで詳細に説明されている場合には、多くの語釈をつけずに → によってその見出し語を見るように指示した。また、細目の見出し語を見た方がよい場合、あるいは、語釈があっても、他の見出し語を参照すればなお一層厳密にその語義が理解される場合にも、→ によって指示した。
- 見出し語の特殊な用例を「 」で示し、対応するパーリ語・サンスクリット語等がある場合は、可能な限りこれを付記し、あわせて出典もあげた。その用例の語釈は( )内に、また出典等に関連する補足的な説明は〔 〕内に示した。
- 見出し語に対して、日本人の先学の加えた古来の解釈を解釈例としてまとめてしめした。それらは、明治維新以前の日本の学僧・文人たちの解釈であり、出典に即して旧仮名遣いのまま記し、出典も付記した。また、時にはサンスクリット語等の原語や漢文による解釈を解釈例として示した場合がある。
- 〔表現例〕とあるのは、解釈としては必ずしも正確とはいえないが、宗教家・教育家が教化のために用いる表現として参考になるものである。
- 仏教思想のうえで特に重要な見出し語については〔解説〕を付け、思想的変遷や厳密な概念規定を平易に解説してある。比較思想において、また、文化の交流のうえで重要である場合には、広く比較思想ないし世界思想史的観点から解説した。
- 〔参考〕とあるのは、見出し語の理解を助けるために参考までに説明を補ったものである。
- 原語や用例・出典が、見出し語のもつ①②③......以下の種々の意味のうち、そのいずれにも相当するか、いずれに相当するかにわかに決し難い場合には、サンスクリット語等の原語や用例・出典に先立って「*」が付してある。ただしまれに、①②③......と分けていなくとも「*」を付した場合がある。
- 今まで比較的なおざりにされてきた仏教漢文の構文については、仏教漢文を正確に読むためには構文法(syntax)の知識が不可欠と考えられるので、日本の学者の研究成果を採録するとともに、特にフランスの中国学の成果を可能な限り採録するよう努めた。