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安康天皇

ジャパンナレッジで閲覧できる『安康天皇』の国史大辞典・日本大百科全書のサンプルページ

国史大辞典
安康天皇
あんこうてんのう
『日本書紀』では第二十代の天皇。諱は穴穂皇子。允恭天皇第二子。母は忍坂大中姫命。兄の木梨軽皇子を物部大前宿禰の家に殺して即位し、宮を大和山辺郡石上(奈良県天理市)に移して、石上穴穂宮と称した。さらに大草香皇子を殺し、その妻を皇后としたため、皇后が大草香皇子との間に生んだ眉輪王に殺され、三年の後、菅原伏見西陵に葬られたという。『宋書』の倭五王のうち、済の世子興をあてるのが定説で、宋の太祖元嘉二十八年(四五一)、済(允恭)死し、興貢献し、世祖大明六年(四六二)、興死し、弟武(雄略)立つという記事をみると、系譜はよく合うが、書紀の在位年数三年と食い違い、また書紀には外交関係記事のないのが特色である。いずれにせよ、五世紀半ばの在位は確実と思われる。→倭の五王(わのごおう)
(平野 邦雄)

菅原伏見西陵(すがわらのふしみのにしのみささぎ)

奈良市宝来町字古城にあり、垂仁天皇陵の西北に位置する。墳丘は不整形で四周に小溝と土塁を設け、当初の形を失っているが、南方の接続地から埴輪が出土したという。古くは菅原伏見陵・伏見山陵・菅原伏見野中陵とも記す。霊亀元年(七一五)四月守戸四烟を充てたが、『延喜式』諸陵寮には遠陵として、「兆域東西二町、南北三町、守戸三烟」と記し、守戸を減じている。後世久しく所在不明であったが、文久三年(一八六三)十一月現地に考定した。
[参考文献]
『奈良市史』考古編、上野竹次郎『山陵』上
(石田 茂輔)


日本大百科全書(ニッポニカ)
安康天皇
あんこうてんのう

記紀によれば第20代天皇。穴穂天皇(あなほのすめらみこと)ともいう。『宋書(そうじょ)』にみえる倭王(わおう)の興(こう)にあたるとされている。父は允恭(いんぎょう)天皇。母は忍坂大中姫命(おしさかのおおなかつひめのみこと)。允恭天皇の太子軽(かる)皇子を殺して即位し、大和(やまと)の石上(いそのかみ)穴穂宮(天理市田町付近)に都した。元年2月、坂本臣(さかもとのおみ)の祖根使主(ねのおみ)の讒言(ざんげん)を信じて叔父の大草香(おおくさか)皇子を殺し、その妻中蒂(なかし)姫を宮中に入れて皇后とし、はなはだ寵愛(ちょうあい)した。3年8月、皇后の膝枕(ひざまくら)で昼寝中に、中蒂姫と大草香皇子の間に生まれた7歳の眉輪(まよわ)王に刺殺された。ときに56歳。3年ののち菅原伏見(すがわらのふしみ)陵(奈良市宝来町)に葬られた。
[志田諄一]

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検索ヒット数 191
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検索コンテンツ
1. 安康天皇
日本大百科全書
記紀によれば第20代天皇。穴穂天皇(あなほのすめらみこと)ともいう。『宋書(そうじょ)』にみえる倭王(わおう)の興(こう)にあたるとされている。父は允恭(いんぎ ...
2. あんこう‐てんのう【安康天皇】
デジタル大辞泉
記紀で、第20代の天皇。允恭(いんぎょう)天皇の皇子。名は穴穂(あなほ)。皇居は石上穴穂宮(いそのかみあなほのみや)。在位3年余りで眉輪(まよわ)王に暗殺された ...
3. あんこう‐てんのう[アンカウテンワウ]【安康天皇】
日本国語大辞典
第二〇代天皇。允恭(いんぎょう)天皇の第二皇子。名は穴穂命(あなほのみこと)。五世紀半ば即位。「日本書紀」によれば、都を大和石上(いそのかみ)に遷(うつ)して穴 ...
4. あんこうてんのう【安康天皇】
国史大辞典
『日本書紀』では第二十代の天皇。諱は穴穂皇子。允恭天皇第二子。母は忍坂大中姫命。兄の木梨軽皇子を物部大前宿禰の家に殺して即位し、宮を大和山辺郡石上(奈良県天理 ...
5. 安康天皇(あんこうてんのう)
古事類苑
帝王部 洋巻 第1巻 6ページ ...
6. あんこうてんのう【安康天皇】
日本人名大辞典
皇子の妻を皇后としたが,その遺児に殺されたという。「宋書」倭国伝の倭王の興(こう)とされる。安康天皇3年8月9日死去。56歳(「古事記」)。墓所は菅原伏見西陵( ...
7. 安康天皇山陵 (見出し語:安康天皇)
古事類苑
帝王部 洋巻 第1巻 982ページ ...
8. 安康天皇爲眉輪王(見出し語:安康天皇)
古事類苑
帝王部 洋巻 第1巻 286ページ ...
9. 安康天皇討亂而踐祚 (見出し語:安康天皇)
古事類苑
帝王部 洋巻 第1巻 285ページ ...
10. あなほのすめらみこと【穴穂天皇】
日本人名大辞典
安康天皇(あんこうてんのう) ...
11. あなほ‐の‐みこ【穴穂皇子・穴穂御子】
日本国語大辞典
安康天皇の名。 ...
12. あなほのみこと【穴穂尊】
国史大辞典
安康天皇(あんこうてんのう)  ...
13. 穴穂部
世界大百科事典
日本古代に大和朝廷によって設けられた名代(なしろ)の一つ。《日本書紀》では,雄略天皇のとき,兄の穴穂皇子(安康天皇)のために設定したという。皇子の宮は穴穂宮であ ...
14. あなほべ【穴穂部】
国史大辞典
穴穂部〓」とある。穴穂命(安康天皇)のために置かれた部と考えられる。穴太・孔王とも書く。正倉院に蔵する養老五年(七二一)の『下 ...
15. あなほ‐や【穴穂箭】
日本国語大辞典
〔名〕矢の名。穴穂皇子(安康天皇)が作って用いたもので鉄の鏃(やじり)をつけた矢。軽太子による銅鏃の軽箭(かるや)に対していう。*古事記〔712〕下「穴穂御子も ...
16. あゆい【脚帯】
国史大辞典
(たえ)の袴に脚帯をして装束をととのえたことを示し、安康天皇即位前紀には、大前宿禰の歌として「宮人の足結の小鈴」とみえ、ときに鈴をつけたことを伝えているが ...
17. いかいべ【猪飼部】
国史大辞典
古代、猪(豚)を飼うことを職とした部民。猪飼(使)連・猪飼首に管掌される。『古事記』安康天皇段には、意祁王(仁賢天皇)・袁祁王(顕宗天皇)の食事を奪った山代の ...
18. いずみのくに【和泉国】大阪府地図
日本歴史地名大系
なお茅渟宮については後述する。大化前代の和泉と大王権力との関係について多くの問題を含んでいるのは、「日本書紀」安康天皇元年二月条・雄略天皇一四年四月条にみえる根 ...
19. いそのかみ【石上】
日本国語大辞典
【一】〔一〕奈良県天理市石上・布留(ふる)付近の地域名。「日本書紀」によれば、安康天皇の石上穴穂宮(いそのかみのあなほのみや)、仁賢天皇の石上広高宮があった。石 ...
20. いそのかみごう【石上郷】
国史大辞典
するが、古くから大和朝廷と密接な関係をもつ。石上神宮が郷内に鎮座して物部氏と深い関係をもち、安康天皇の皇居穴穂宮、さらに石上溝(『日本書紀』履中紀)・高抜原(雄 ...
21. いそのかみごう【石上郷】奈良県:大和国/山辺郡
日本歴史地名大系
中心とした広い地域を示すものと考えられる。「日本書紀」履中天皇四年四月条に「石上溝を堀る」、安康天皇即位前紀一二月一四日条に「都を石上に遷す。是を穴穂宮と謂す」 ...
22. いそのかみ‐の‐あなほのみや【石上穴穂宮】
日本国語大辞典
安康天皇の皇居。奈良県天理市田町にあったといわれる。穴穂宮。〓[ノ]<1>=[0] ...
23. いそのかみのあなほのみや【石上穴穂宮】
国史大辞典
安康天皇の皇居。『日本書紀』安康天皇即位前紀十二月壬午条に「穴穂皇子(安康天皇)即〓天皇位 ...
24. 市辺押磐皇子
日本大百科全書
蟻臣(ありのおみ)の娘、荑媛(はえひめ)を妻とし、顕宗天皇、仁賢天皇を設けた。『日本書紀』の安康紀には、安康天皇が皇位を、葛城氏を外戚とする有力な皇位継承資格者 ...
25. いちのべのおしわ‐の‐みこ[いちのべのおしは‥]【市辺押磐皇子・市辺之忍歯王子】
日本国語大辞典
履中天皇の第一皇子。顕宗、仁賢天皇、飯豊青皇女(いいとよあおのひめみこ)の父。「日本書紀」によれば、安康天皇四年皇位継承争いで大泊瀬皇子(おおはつせのみこ=雄略 ...
26. いわさかのいちのべのおしはのおうじ【磐坂市辺押羽皇子】
日本人名大辞典
母は黒媛(くろひめ)。妃は〓媛(はえひめ)。安康天皇の死後,皇位をつぐと目されたが,雄略天皇に狩りにさそわれ射殺された。子の億計(おけ)王(仁賢(にんけん)天皇 ...
27. いんしゅ【飲酒】
国史大辞典
『日本書紀』に安康天皇は山宮に行幸し、酒を命じて肆宴(とよのあかりきこしめし)、縮見屯倉首(しじみのみやけのおびと)は縦賞新室(にいむろあそびし)て夜に昼をつ ...
28. えどがわく【江戸川区】東京都地図
日本歴史地名大系
甲和里は里正孔王部荒馬の下で郷戸一七・房戸四四からなり、総戸口数は四五四であった。ほとんどが安康天皇の名代に由来する孔王部姓で、血縁的結合が強かったらしい。奈良 ...
29. おうみのくに【近江国】滋賀県
日本歴史地名大系
穴穂という名称は安康天皇(実名は穴穂)の名代、つまりこの大王の宮廷を支える物資や労働力を提供する隷属民の穴穂部にちなむものであろうし、少なくとも高穴穂宮という名 ...
30. おおくさかのおうじ【大草香皇子】
国史大辞典
ある。『日本書紀』によると仁徳天皇二年に生まれ母を日向髪長媛(ひむかのかみながひめ)という。安康天皇元年二月に、天皇は大草香皇子の妹である幡梭(はたひ)皇女と天 ...
31. おおくさかのおうじ【大草香皇子】
日本人名大辞典
母は髪長媛(かみながひめ)。妻は中蒂姫命(なかしひめのみこと)(のちの安康天皇の皇后)。子に眉輪(まよわの)王。安康天皇元年天皇が大草香皇子の妹草香幡梭姫(くさ ...
32. 大草香皇子
世界大百科事典
その後皇子の妻の中蒂姫(なかしひめ)を妃とした安康天皇は,皇子と中蒂姫との間に生まれた眉輪王によって殺された。川口 勝康 波多毗能太郎子 大日下王 安康天皇 ...
33. おおしまごう【大島郷】東京都:武蔵国/葛飾郡
日本歴史地名大系
、島俣里が四二戸・三七〇人、合計一三〇戸・一千一九一人である。ほとんどの人が孔王部姓であり、安康天皇の名代に由来すると考えられている。郷域で生活する人たちは水稲 ...
34. おきのくに【隠岐国】島根県
日本歴史地名大系
係した部民である鴨部、后妃の諸費用に充てるための私部、反正天皇の名代である蝮王部、穴穂皇子(安康天皇)名代の孔王部、宣化天皇名代の檜前部などがある。ほかに大伴部 ...
35. 忍坂大中姫
日本大百科全書
べ)、別名弟日売真若比売(おとひめまわかひめ)命。『古事記』は忍坂之大中津比売命にもつくる。安康天皇・雄略天皇など五男四女を生む。反正天皇没後、夫の雄朝津間稚子 ...
36. おしさかのおおなかつひめ【忍坂大中姫】
国史大辞典
弟百師木伊呂弁別名弟日売真若比売命と伝える。記紀とも子女を九人とし、このなかに木梨軽皇子・穴穂天皇(安康天皇)・軽大娘皇女(軽大郎女)・大泊瀬稚武天皇(大長谷命 ...
37. おしさかのおおなかつひめ【忍坂大中姫】
日本人名大辞典
天皇)が病身のため即位を辞退した際,群臣の意見をまとめ,熱心にすすめて皇位につかせたという。安康天皇,雄略天皇らを生んだ。「古事記」では忍坂之大中津比売命。 ...
38. おはりだ【小墾田】
国史大辞典
飛鳥時代の政治・文化の中心地の一つ。『日本書紀』允恭天皇五年条に小墾田采女がみえ、『古事記』安康天皇段に大長谷王(雄略天皇)が兄の白日子王を小治田に穴を掘って埋 ...
39. おはりだ【小墾田】奈良県:高市郡/明日香村/豊浦村
日本歴史地名大系
ことなどから、いちおう現豊浦付近と考えられよう。しかし範囲については明確ではない。「古事記」安康天皇段に、雄略天皇が兄の白日王子を殺して小治田に穴を掘って埋めた ...
40. 改訂 京都民俗志 297ページ
東洋文庫
同寺(相楽郡下高麗荘稲八間郷)の総社とした。のち天応元辛酉年九月波布利園へ遷座した。 ⇔ 人皇第二十代安康天皇に皇子なく御側女に御子が生まれたもうた。のち皇后に ...
41. か‐しつ【家室】
日本国語大辞典
婢使として仏師の許に遣(つかはし)て仏を令造(つくらし)めき」*十訓抄〔1252〕五・安康天皇召大草香皇子妃給事「安康天皇は、御弟の大草香の皇子の家室、容姿すぐ ...
42. かずらきうじ【〓城氏】画像
国史大辞典
允恭朝に葛城氏と天皇家との間に対立が生じてきたことを物語るものであり、さらに『日本書紀』雄略天皇即位前紀に安康天皇を殺した眉輪(まよわ)王が玉田宿禰の子円(つぶ ...
43. かずらきの-からひめ【葛城韓媛】
日本人名大辞典
記・紀にみえる雄略天皇の妃。葛城円(つぶら)の娘。「日本書紀」によれば,安康天皇を殺害した眉輪(まよわ)王をかくまったため雄略天皇に攻められた父によって贖罪(し ...
44. かずらきのつぶら【〓城円】
国史大辞典
『日本書紀』履中天皇二年十月条に円大使主が平群木菟らとともに国事を執ったとあり、雄略天皇即位前紀に円大臣が安康天皇を殺した眉輪王を自宅にかくまい、大泊瀬皇子(雄 ...
45. かずらきの-つぶら【葛城円】
日本人名大辞典
葛城玉田の子。「日本書紀」によれば,履中天皇の時代に政務をとったという。安康天皇を殺害した眉輪(まよわ)王を邸内にかくまったために,安康天皇の弟大泊瀬(おおはっ ...
46. 敵討
日本大百科全書
人の敵討であった点が異なっているが、記紀にみえる安康(あんこう)天皇3年に眉輪(まよわ)王が安康天皇を弑(しい)した事件も、眉輪王の父大草皇子を殺したのに対する ...
47. かたきうち【敵討】画像
国史大辞典
なかった前近代社会では古今東西を通じて行われた。日本では、眉輪王が、父を殺して母を皇后とした安康天皇を殺した記紀の記事をはじめとして、明治六年(一八七三)二月の ...
48. かたき‐うち【敵討】
日本国語大辞典
してるんぢゃない」(1)文献上最古の敵討は、眉輪王が、父大草皇子を殺した安康天皇にした復讐〔書紀‐安康三年八月〕であるが、中世以降盛んになり、敵討についての法制 ...
49. かつしかく【葛飾区】東京都地図
日本歴史地名大系
大島郷は甲和・仲村・島俣の三里からなり、島俣は当区柴又が遺称地とされる。大島郷は郷長孔王部志己夫以下ほとんどが安康天皇の名代に由来する孔王部姓で占められており、 ...
50. かつしかぐん【葛飾郡】東京都:武蔵国
日本歴史地名大系
島の作である。葛飾郡大島郷戸籍に付されている人の姓のほとんどは孔王部であり、大島郷域にかつて安康天皇の名代が置かれていたとみられるが、ほかに私部・刑部・三枝部・ ...
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