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ジャパンナレッジで閲覧できる『雨月物語』の辞書・事典・叢書別サンプルページ

新編 日本古典文学全集・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典

新編 日本古典文学全集
雨月物語
うげつものがたり
逢坂の関の番士に通行を許され、東への道をとってから、秋が来て燃え立つような山々の紅葉の美しさをも見捨てがたく、そのまま東下りの旅は、浜千鳥が足跡をつけて遊ぶ鳴海潟、富士山の雄大な噴煙、浮島が原、清見が関、大磯小磯の浦々の風光。更に紫草の咲きにおう武蔵野の原、下っては塩釜の海の穏やかな朝景色、象潟の鄙びた苫葺きの漁師の家々の眺め、佐野の舟橋、木曾の桟橋など、どの一つとして、心魅かれぬ所はなかったが、その上もなお、西国の名所・歌枕をぜひ見たいことよと、仁安三年の秋には、葭の花散る難波を経て、須磨・明石の海辺の風をしみじみと身に感じながら、旅を重ね歩を進めて四国讃岐の真尾坂の林という所まで行き着いて、しばらくそこに滞在することにした。野宿を重ねてきた長旅の疲れを休めるためではなく、仏法を思念し修行するための便宜として草庵を結んだというわけである。

この里に近い白峰という所に、崇徳院の御陵があると聞いて、拝み申し上げようと思い立ち、十月の初旬ごろにその山に登った。松や柏が薄暗いまでに奥深く茂り合っていて、白雲がたなびく晴天の日さえ小雨がそぼ降るような感じで、児が嶽という険しい峰が背後にそそり立ち、その深い谷底から雲霧が這い上ると、目の前さえおぼつ


雨月物語 巻之一 白峯

雨月物語(扉)
凡例

雨月物語 巻之一
白峯
菊花の約
雨月物語 巻之二
浅茅が宿
夢応の鯉魚
雨月物語 巻之三
仏法僧
吉備津の釜
雨月物語 巻之四
蛇性の婬
雨月物語 巻之五
青頭巾
貧福論




日本大百科全書(ニッポニカ)
雨月物語
うげつものがたり

上田秋成(あきなり)作の怪異小説集。5巻9話。1768年(明和5)の自序(剪枝畸人(せんしきじん))をもつが、実際の初刊は1776年(安永5)。初期読本(よみほん)を代表する作品で、幕末まで同一板木によって数版を重ねた。『白峰(しらみね)』『菊花(きっか)の約(ちぎり)』『浅茅(あさじ)が宿(やど)』『夢応(むおう)の鯉魚(りぎょ)』『仏法僧(ぶっぽうそう)』『吉備津(きびつ)の釜(かま)』『蛇性(じゃせい)の婬(いん)』『青頭巾(あおずきん)』『貧福論(ひんぷくろん)』の9話からなる。
(1)『白峰』 讃岐(さぬき)白峰の崇徳(すとく)上皇陵に詣(もう)でた西行(さいぎょう)が、上皇の怨霊(おんりょう)と皇位継承について議論を闘わせる話で、上皇は、魔王の本姿を現じ、復讐(ふくしゅう)の実現を予告して消え去る。
(2)『菊花の約』 丈部左門(はせべさもん)と義兄弟の契りを結び、重陽(ちょうよう)の日の再会を約して別れた赤穴宗右衛門(あかなそうえもん)は、尼子(あまこ)の城に幽閉されて出ることを許されず、自害し、魂魄(こんぱく)となってその約を果たす。
(3)『浅茅が宿』 家運挽回(ばんかい)のために上京、7年を過ごして帰国した勝四郎は、荒れ果てたわが家にひとり夫を待ち続ける妻宮木(みやぎ)の姿を見る。喜ぶ妻と一夜語らったあとみいだしたものは、いまわの心を歌に記した一枚の那須野紙(なすのがみ)であった。
(4)『夢応の鯉魚』 鯉(こい)の絵の名手興義(こうぎ)が、鯉魚に変身して琵琶湖(びわこ)を遊泳する綺談(きだん)。
(5)『仏法僧』 高野山(こうやさん)に参籠(さんろう)した夢然(むぜん)父子が、修羅道(しゅらどう)に落ちた殺生(せっしょう)関白豊臣秀次(とよとみひでつぐ)一行に出会う話。
(6)『吉備津の釜』 井沢庄太夫(しょうだゆう)は、一子正太郎の素行を修めさせるため吉備津神社の神主香央(かんざねかさだ)家の娘磯良(いそら)を迎えるが、正太郎は遊女袖(そで)を伴って出奔、裏切られて物の怪(もののけ)と化した磯良は、袖を取り殺し、陰陽師(おんみょうじ)の助けを借りる正太郎も食い殺してしまう。
(7)『蛇性の婬』 蛇の化身(けしん)真女児(まなご)と文雅な若者豊雄(とよお)の愛の葛藤(かっとう)が描かれている。愛欲におぼれかけた豊雄は、雄々しさに目覚め、法力を借りて蛇妖(じゃよう)を調伏(ちょうぶく)する。
(8)『青頭巾』 寵童(ちょうどう)の屍肉(しにく)を食って鬼となった僧侶(そうりょ)が、快庵禅師(かいあんぜんじ)の一喝(いっかつ)によって頓悟(とんご)、青頭巾と骨のみを残して消じ去る話。
(9)『貧福論』 奇人岡左内のもとに黄金の精霊が現れ、金銭の論理について語る話。
 都賀庭鐘(つがていしょう)の『英草紙(はなぶさぞうし)』の様式を継承、『古今(ここん)小説』や『警世通言(けいせいつうげん)』など、当時流行の中国白話(はくわ)小説に想をとる翻案小説の形がとられているが、『源氏物語』『今昔物語』、謡曲など、古典の撮合重層化を通して、自国の風土と人間の構造に光があてられており、和漢を折衷した簡潔で視幻的な文辞、知的な構成力と相まって、小説として高度な結晶をみせている。いずれの登場人物も、執念の哀(かな)しさと恐ろしさがリアルに描き出されていて、単なる怪異を超えて人間性の深淵(しんえん)が可視化されている。山東京伝(さんとうきょうでん)や曲亭馬琴(きょくていばきん)など、後続の作家たちに大きな影響を与えた。
[中村博保]

映画

日本映画。1953年(昭和28)作品。溝口健二(みぞぐちけんじ)監督。上田秋成の『雨月物語』全9話から、「浅茅が宿」と「蛇性の婬」をもとに川口松太郎と依田義賢(よだよしかた)が脚色。戦さに翻弄(ほんろう)される貧農の兄弟が、焼物を町に売りに行って儲(もう)け、兄源十郎(森雅之(もりまさゆき))は織田信長に滅ぼされた城主の娘、実は死霊の若狭(わかさ)(京マチ子(きょうまちこ)、1924―2019)に夢中になるが、その間に妻宮木(みやぎ)(田中絹代(たなかきぬよ))は落ち武者に刺されて果てる。弟藤兵衛(とうべえ)(小沢栄(おざわさかえ)(本名小沢栄太郎(えいたろう))、1909―1988)は侍になるのを夢見て出世するが、置き去りにされた女房阿浜(おはま)(水戸光子(みとみつこ)、1919―1981)は娼婦(しょうふ)となっていた。男たちの欲望・無謀と女たちの受難を、夢幻的な能の様式も取り入れながら、溝口流の確かなリアリズムで描き、溝口作品の一つの到達点となった。琵琶湖を行く舟のシーンなど、宮川一夫(みやがわかずお)(1908―1999)カメラマンの撮影も、モノクロの陰影美を極めた画面となっている。ベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞し、フランスのゴダール監督も激賞して、世界的な評価を集めた。
[千葉伸夫]



世界大百科事典
雨月物語
うげつものがたり

溝口健二監督の映画。1953年製作。《西鶴一代女》の1952年ベネチア映画祭国際賞受賞に次いで翌年同映画祭銀獅子賞を受賞し,溝口の名を国際的に高めた。上田秋成の《雨月物語》の中の〈浅茅が宿〉と〈蛇性の淫〉に,モーパッサンの短編小説《勲章》を加えて川口松太郎が小説化したものから,依田義賢と川口が共同で脚本を書いた。溝口は上田秋成の原作を愛読していて,〈この物語の中からさまざまな幻想が頭の中に浮かび,できた映画〉だと書き残している。戦国時代を舞台に,男たちの野望の卑小さに対して女たちの生活や欲望や官能を生き生きと描いた〈女性映画〉で,妻と母の座を守りぬく女,宮木(田中絹代),娼婦に身を堕とす女,阿浜(水戸光子),現世にさまよい出て男を誘惑する女,若狭(京マチ子)という3人のヒロインについて,溝口は〈女三人を匂ひで云ひますと,普通の香,仏だんの中でじめじめと宮木。野外の墓場で盛んにくすぶってゐる安物の線香,阿浜。四畳半のあやしげな安待合の部屋や便所で匂ふ香水線香,若狭〉といっている(依田義賢あての書簡)。溝口はまた,この映画の真髄を〈芝居と詩〉ということばでいい表しており,一方では〈講談映画〉ではないリアルな戦乱の描写と生きた人間の出る〈真の時代劇〉を目ざすと同時に,深い霧につつまれた夜の琵琶湖に小舟を漕ぎ出す有名なシーンに見られるように,若き日に水墨画を修業した宮川一夫(1908-99)のカメラを通してポエティックな〈幽玄美〉を生み出すことに成功している。
[宇田川 幸洋+山田 宏一]

[索引語]
溝口健二 上田秋成 川口松太郎 宮川一夫
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1. 『雨月物語』
日本史年表
1768年〈明和5 戊子〉 この年 上田秋成 『雨月物語』 成る。 1776年〈安永5 丙申〉 4・‐ 上田秋成 『雨月物語』 刊。  ...
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中村博保映画日本映画。1953年(昭和28)作品。溝口健二(みぞぐちけんじ)監督。上田秋成の『雨月物語』全9話から、「浅茅が宿」と「蛇性の婬」をもとに川口松太郎 ...
3. 雨月物語
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映画祭国際賞受賞に次いで翌年同映画祭銀獅子賞を受賞し,溝口の名を国際的に高めた。上田秋成の《雨月物語》の中の〈浅茅が宿〉と〈蛇性の淫〉に,モーパッサンの短編小説 ...
4. 雨月物語
世界大百科事典
読本。剪枝(せんし)畸人(上田秋成)著。1768年(明和5)成立,76年(安永5)刊。半紙本5巻5冊。初版初刷は大坂野村長兵衛,京都梅村判兵衛合梓本だが,幕末ご ...
5. うげつものがたり【雨月物語】
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江戸中期の読本。五巻五冊。上田秋成作・桂眉仙画。正称「近古奇談雨月物語」。安永五年(一七七六)、大坂、野村長兵衛刊。「剪燈新話(せんとうしんわ)」「古今小説」「 ...
6. うげつものがたり【雨月物語】
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7. うげつものがたり【雨月物語】
国史大辞典
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8. 雨月物語
日本古典文学全集
満ちた怪異小説集で、幕末まで同一板木によって数版を重ねた江戸のベストセラー。正称は「近古奇談雨月物語」。『剪燈新話(せんとうしんわ)』など中国の小説を題材に、流 ...
9. 雨月物語(著作ID:13218)
新日本古典籍データベース
うげつものがたり 上田秋成(うえだあきなり) 読本 明和五自序 ...
10. 【雨月物語】うげつ ものがたり
新選漢和辞典Web版
《国》書名。上田秋成の著。怪談集。  ...
11. あい‐よく【愛欲・愛慾】
日本国語大辞典
心に繋(か)けて恋ふ」*十善法語〔1775〕三「五欲のなかに触欲尤おもし、情欲のなかに愛欲尤ふかし」*読本・雨月物語〔1776〕青頭巾「一たび愛慾(アイヨク)の ...
12. あお‐えり[あを‥]【青衿】
日本国語大辞典
〔名〕(「せいきん(青衿)」の訓読)青いえり。あおくび。学生の衣服のことから粗末な衣服をたとえていう。*読本・雨月物語〔1776〕浅茅が宿「家貧しければ身には麻 ...
13. あお‐ずきん[あをヅキン]【青頭巾】
日本国語大辞典
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14. あがない‐いだ・す[あがなひ‥]【贖出】
日本国語大辞典
〔他サ四〕代価を支払ってうけ出す。身請けをする。*読本・雨月物語〔1776〕吉備津の釜「いつの比より鞆(とも)の津の袖といふ妓女(あそびもの)にふかくなじみて、 ...
15. あき‐びと【商人】
日本国語大辞典
aqibitono (アキビトノ) タヨリニ フミ ナドノ ヲノヅカラ カヨウニモ」*読本・雨月物語〔1776〕貧福論「百姓(よたから)は勤て穀(たなつもの)を ...
16. あき‐もの【商物】
日本国語大辞典
の人、ここに来りとどまりてあきものするあり」(2)商売する品物。あきないもの。商品。*読本・雨月物語〔1776〕菊花の約「けふは誰某(たれがし)がよき京入なる。 ...
17. あきら・める【明】
日本国語大辞典
aqiramuru (アキラムル)〈略〉ダウリヲ aqiramuru (アキラムル)」*読本・雨月物語〔1776〕貧福論「徃古(いにしへ)に富る人は、天の時をは ...
18. あきれ‐まど・う[‥まどふ]【呆惑】
日本国語大辞典
殿に走り来て」*源氏物語〔1001~14頃〕総角「あさましげにあきれまどひ給へるを」*読本・雨月物語〔1776〕蛇性の婬「聞くにあさましう、身の毛もたちて恐しく ...
19. あぎ‐と【〓門・顎・顋・鰓】
日本国語大辞典
草苅鎌といふものをもちて、あぎとをかききりて」*観智院本類聚名義抄〔1241〕「鰓 アギト」*読本・雨月物語〔1776〕夢応の鯉魚「文四はやく糸を収めて我を捕ふ ...
20. あく‐いん【悪因】
日本国語大辞典
三「頼をかけし御本尊、只今土足にかけん事いか成悪業(あくごう)、悪因(あくイン)と」*読本・雨月物語〔1776〕青頭巾「あさましとも哀しとも、ためしさへ希なる悪 ...
21. あくぎゃく‐づか【悪逆塚】
日本国語大辞典
京都市中京区石屋町瑞泉寺にある塚。豊臣秀次とその妻子を葬ったもの。「秀次悪逆塚」の銘がある。*読本・雨月物語〔1776〕仏法僧「一日(あるひ)夢然三条の橋を過ぐ ...
22. あけ を そそぐ
日本国語大辞典
赤色になってゆく。朱(しゅ)をそそぐ。*読本・雨月物語〔1776〕白峰「光の中につらつら御気色(みけしき)を見たてまつるに、朱(アケ)をそそぎたる龍顔(みおもて ...
23. あ・げる【上・揚・挙】
日本国語大辞典
あ)しきを褒(アゲ)貶(くた)し」*観智院本類聚名義抄〔1241〕「称 アグ ホム」*読本・雨月物語〔1776〕仏法僧「此玉河てふ川は国々にありて、いづれをよめ ...
24. あ‐ご【網子】
日本国語大辞典
1430頃〕「あれご覧ぜよ、御津の浜に網子調ふる網舟の、えいやえいやと寄せ来るぞや」*読本・雨月物語〔1776〕蛇性の婬「『おのれは網子(アゴ)どもの怠るらん』 ...
25. あさづま‐ぶね【朝妻船・浅妻船】画像
日本国語大辞典
松の葉〔1703〕三・朝妻舟「あだしあだ波よせてはかへる浪、あさづまふねの浅ましや」*読本・雨月物語〔1776〕夢応の鯉魚「さしも伊吹の山風に、旦妻船(アサヅマ ...
26. あさ‐びらき【朝開】
日本国語大辞典
四四〇八「安佐婢良伎(アサビラキ) 吾(わ)は漕ぎ出ぬと 家に告げこそ〈大伴家持〉」*読本・雨月物語〔1776〕菊花の約「日和(には)はかばかりよかりしものを、 ...
27. あさまし・い【浅】
日本国語大辞典
・西鶴諸国はなし〔1685〕四・八「此あさましき内助に、さやうの美人なびき申べきや」*読本・雨月物語〔1776〕吉備津の釜「親もなき身の浅ましくてあるを、いとか ...
28. あさみ‐わら・う[‥わらふ]【浅笑】
日本国語大辞典
あさみわらひ、あざける者どももあり」(2)ばかにして笑う。あざけり笑う。あざわらう。*読本・雨月物語〔1776〕蛇性の婬「人々驚(おぢ)隠るるを、法師嘲(アザミ ...
29. あざら‐け【鮮─】
日本国語大辞典
〔名〕(「あさらけ」とも)なまのもの。鮮魚。生魚。*読本・雨月物語〔1776〕夢応の鯉魚「生(しゃう)を殺し鮮(アサラケ)を喰(くら)ふ凡俗の人に、法師の養ふ魚 ...
30. あざら‐けき【鮮】
日本国語大辞典
世をわたるよと推量して、やふやく吟行したれば、又いつくとも知ぬ山里、人煙が見へたぞ」*読本・雨月物語〔1776〕菊花の約「美酒(よきさけ)を沽(か)ひ鮮魚(アサ ...
31. あしかが‐ぞめ【足利染】
日本国語大辞典
〔名〕栃木県足利市で産する染めた織物。*読本・雨月物語〔1776〕浅茅が宿「雀部(ささべ)の曾次といふ人、足利(アシカガ)染の絹を交易するために、年年京よりくだ ...
32. あし‐なえ・ぐ[‥なへぐ]【蹇・跛】
日本国語大辞典
足奈戸久馬」*海道記〔1223頃〕大岳より鈴鹿山「羊腸坂きびしくして駑馬石に足なへく」*読本・雨月物語〔1776〕浅茅が宿「翁も又足蹇(アシナヘギ)て百歩を難し ...
33. あずみのいそら【安曇磯良】
日本架空伝承人名事典
顔の色いと青ざめて、たゆき眼すざましく、我を指たる手の青くほそりたる恐しさに、「あなや」と叫んでたふれ死す。雨月物語巻之三「吉備津の釜」 ...
34. あだ‐ごと【徒言・徒事】
日本国語大辞典
〕絵合「世の常のあだ事のひきつくろひ飾れるにおされて、業平が名をや腐(くた)すべき」*読本・雨月物語〔1776〕吉備津の釜「只かりそめなる徒(アダ)ことに、女の ...
35. あつい 心(こころ)
日本国語大辞典
(1)高い熱のため、からだが燃えているように熱くなっていること。また、その時の浮かされた気分。*読本・雨月物語〔1776〕吉備津の釜「疫(えき)といふものの脳( ...
36. あつら・える[あつらへる]【誂】
日本国語大辞典
かしこの人の集まりたるは」*冥報記長治二年点〔1105〕「慇懃に四たび之を属(アツラフ)」*読本・雨月物語〔1776〕菊花の約「佐用氏にゆきて老母の介抱(いたは ...
37. あて【貴】
日本国語大辞典
み)。かりのこ。削り氷(ひ)にあまつら入れて、あたらしき金鋺(かなまり)に入れたる」*読本・雨月物語〔1776〕蛇性の婬「人々花やぎて出ぬれど、真女子(まなご) ...
38. あと‐な・し【跡無】
日本国語大辞典
4~27〕夏・一一五「郭公あかで過ぎぬる声により跡なき空を眺めつるかな〈藤原孝善〉」*読本・雨月物語〔1776〕一・菊花の約「家眷(いへのこ)ども立騒ぐ間(ひま ...
39. あな
日本国語大辞典
其時初てわらひ給へり」*バレト写本〔1591〕「ana (アナ) カシマシヤ シズマレト」*読本・雨月物語〔1776〕吉備津の釜「あな哀れ。わかき御許(おもと) ...
40. あな‐や
日本国語大辞典
「鬼はやひとくちに食ひてけり。『あなや』といひけれど、神鳴るさわぎにえ聞かざりけり」*読本・雨月物語〔1776〕吉備津の釜「顔の色いと青ざめて、たゆき眼(まなこ ...
41. あま‐かか【尼嚊】
日本国語大辞典
*浮世草子・世間娘容気〔1717〕二「お出入の尼嚊々(アマカカ)に着おろしを下され」*読本・雨月物語〔1776〕貧福論「さるを富貴は前生(さきのよ)のおこなひの ...
42. あま‐ぐ【雨具】
日本国語大辞典
(アマグ)」*俳諧・奥の細道〔1693~94頃〕草加「ゆかた、雨具、墨、筆のたぐひ」*読本・雨月物語〔1776〕仏法僧「雨具(アマグ)うち敷き座をまうけて、閑( ...
43. あま‐な・う[‥なふ]【和・甘─】
日本国語大辞典
滅してしまう」*俳諧・むかしを今〔1774〕序「あやしき舎りして市中に閑をあまなひ」*読本・雨月物語〔1776〕菊花の約「清貧を憇(アマナ)ひて、友とする書(ふ ...
44. あみご【網子】[方言]
日本方言大辞典
)1955 東京都新島322伊豆諸島文化財総合調査報告(東京都教育委員会)1958~59読本雨月物語蛇性の婬「おのれは網子あごどもの怠るらん」《あこ》 青森県上 ...
45. あめの 神(かみ)
日本国語大辞典
安女乃加美乃以支保以乎毛〓」*読本・雨月物語〔1776〕白峰「そも保元の御謀叛は天(アメ)の神(カミ)の教給ふことわりにも違はじとておぼし立たせ給ふか」 ...
46. あめの 時(とき)
日本国語大辞典
天が与えてくれる好機会。天運。てんのとき。*読本・雨月物語〔1776〕貧福論「いにしへに富める人は天(アメ)の時に合(かな)ひ、地(くに)の利をあきらめて産を治 ...
47. あや‐にしき【綾錦】
日本国語大辞典
句・夏「いく村も山は若ばのにしきかな 綾錦など一端二たんをば一むら二村などといへり」*読本・雨月物語〔1776〕浅茅が宿「綾錦(アヤニシキ)に裹(つつ)める京女 ...
48. あら‐た【新】
日本国語大辞典
*謡曲・金札〔1384頃〕「四海を治めし、おん姿、あらたに見よや、君守る、八百万代の、しるしなれや」*読本・雨月物語〔1776〕菊花の約「賢弟が老母は即(やがて ...
49. あらの の 煙(けぶり)
日本国語大辞典
火葬の煙。また、火葬。野辺の煙。*読本・雨月物語〔1776〕吉備津の釜「かくてはとて遂に曠野(アラノ)の烟(ケフリ)となしはてぬ」 ...
50. ありあけ‐づき【有明月】
日本国語大辞典
猿蓑〔1691〕五「青天に有明月の朝ぼらけ〈去来〉 湖水の秋の比良のはつ霜〈芭蕉〉」*読本・雨月物語〔1776〕浅茅が宿「屋根は風にまくられてあれば、有明月のし ...
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雨月物語(新編 日本古典文学全集・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
逢坂の関の番士に通行を許され、東への道をとってから、秋が来て燃え立つような山々の紅葉の美しさをも見捨てがたく、そのまま東下りの旅は、浜千鳥が足跡をつけて遊ぶ鳴海潟、富士山の雄大な噴煙、浮島が原、清見が関、大磯小磯の浦々の風光
仮字遣奥山路(仮名遣奥山路)(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
語学書。石塚竜麿著。三巻三冊。寛政十年(一七九八)以前成立。「かなづかいおくのやまじ」とも読む。『日本古典全集』第三期に収め昭和四年(一九二九)刊。奈良時代の文献について、その万葉仮名の用法を検討し
申楽談儀(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
能楽伝書、一冊。正しくは『世子六十以後申楽談儀』。世子とは世阿弥の敬称。世阿弥六十歳、応永二十九年(一四二二)観世大夫を長男元雅に譲って出家したころ、次男元能が、父の芸談を筆記し整理して、この年十一月、元能も芸道を捨て出家する時に、この聞書をまとめて、
正徹物語(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
歌論書。二巻。正徹著。二巻のうち上巻を「徹書記物語」、下巻を「清巌茶話」と称するものもある。下巻は智蘊の聞書と見る説もあるが未詳。成立年時は文安五年(一四四八)とする説と宝徳二年(一四五〇)とする説がある。上・下別々に成立したものか否かもまだはっきりわからない
東野州聞書(国史大辞典・改訂新版 世界大百科事典)
室町時代の歌学書。五巻一冊。東常縁が、宝徳元年(一四四九)七月正徹の歌話を聞書きしたことから始まり、ついで二条派の歌僧堯孝門に入ったので、その歌話の筆録が中心となって成立した書である。所々に自説を加えてもいる。中にみえる年次はほぼ康正二年(一四五六)に至っており
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