ジャパンナレッジは約1500冊以上の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書」サービスです。
➞ジャパンナレッジについて詳しく見る
  1. トップページ
  2. >
  3. カテゴリ一覧
  4. >
  5. 社会
  6. >
  7. 祭・祭事・イベント
  8. >
  9. >
  10. アカマタ・クロマタ
改訂新版 世界大百科事典・日本大百科全書

世界大百科事典
アカマタ・クロマタ
あかまた・くろまた

八重山群島西表(いりおもて)島の古見を中心とする村々で旧6月におこなわれる豊年祭〈プール〉に登場する仮面仮装の神。野生の草木におおわれた全身を微細なリズムに揺らしつつ森の奥深くから村の中に立ち現れるこの仮面神の祭祀には,一定の通過儀礼をへた成人男子の構成する秘密結社の成員だけが直接参与できる。女・子どもは祭祀の中核から排除される。だが興味深いのは,この仮面神自身が排除されたはずの女・子どもの本性につながる外部性,他界性,非社会性などと深い象徴的な結びつきをもっていることである。この祭祀はまず村落の全体を象徴的に二分化しながら,この二分化論理を固定化させない要素を内部に導入し,村の社会的宇宙を分裂的な生成状態として柔らかく作りあげようとしているわけである。この祭祀は厳重な秘儀性と豊かな象徴性をたたえているために,はやくから多くの民俗学者や人類学者の関心をあつめてきた。柳田国男はこの祭祀に日本全土に分布する小正月の子ども行事との関連を考え,折口信夫は彼の説く〈まれびと〉信仰の鮮やかな実証を見,また岡正雄は根茎栽培型南方基層文化の重要なあらわれを指摘した。
→プール
[中沢 新一]

[索引語]
プール(祭り)


日本大百科全書(ニッポニカ)
アカマタ・クロマタ
あかまたくろまた

沖縄県八重山(やえやま)列島の稲の豊作祈願の行事。石垣市宮良(みやら)では、アカムタ・クロムタといい、「赤い人・黒い人」の意とする。仮面をつけ、草で装い、稲の豊作をもたらす世持神(よもちがみ)に扮(ふん)した若者が、聖地から現れて、村の家々を訪れ、祝福する。西表(いりおもて)島古見(こみ)が本源で、各地に広まった。旧暦6月の豊年祭の一部で、『八重山島諸記帳』(1727)にもみえる。古見の三離御嶽(みつはなれおたけ)に稲を頭にのせた世持神が現れると豊作であったが、それが絶えたので、人を神の姿にして祀(まつ)り、古見の3部落から1艘(そう)ずつの船を出して競漕(きょうそう)して豊作を祈ったとある。アカマタもクロマタもその仮装神の名で、古見にはほかにシロマタもあり、一神ずつ各部落で祀る。クロマタは親神で、三離御嶽に出現するという。青年になって、この行事に参加するときには、村人としての厳重な資格審査があり、いまも宗教的神秘性が保持されている。石垣市川平(かびら)のマユンガナシ、伊平屋(いへや)諸島のテルコガミも同系統の行事であるが、海神祭(うみがみまつり)とも通じるところがある。
[小島瓔〓]

ジャパンナレッジは、自分だけの専用図書館。
すべての辞書・事典・叢書が一括検索できるので、調査時間が大幅に短縮され、なおかつ充実した検索機能により、紙の辞書ではたどり着けなかった思わぬ発見も。
パソコン・タブレット・スマホからご利用できます。
アカマタ・クロマタの関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 23
検索コンテンツ
1. アカマタ・クロマタ
日本大百科全書
沖縄県八重山(やえやま)列島の稲の豊作祈願の行事。石垣市宮良(みやら)では、アカムタ・クロムタといい、「赤い人・黒い人」の意とする。仮面をつけ、草で装い、稲の豊 ...
2. アカマタ・クロマタ
世界大百科事典
八重山群島西表(いりおもて)島の古見を中心とする村々で旧6月におこなわれる豊年祭〈プール〉に登場する仮面仮装の神。野生の草木におおわれた全身を微細なリズムに揺ら ...
3. あらぐすくじま【新城島】沖縄県:八重山諸島/竹富町
日本歴史地名大系
(男性神役)が中心となって行っている。島の代表的な祭祀はプーリィ(稲の豊穣感謝祭)で、アカマタ・クロマタとよばれる仮面・草装の神が御嶽に現れ村の各戸を訪問し、豊 ...
4. いしがきじま【石垣島】沖縄県:八重山諸島/石垣市
日本歴史地名大系
の祭祀がみられる。もう一つの事例は宮良のプーリィ(豊年祭)に出現する仮面・草装の来訪神アカマタ・クロマタの祭祀である。これは明和大津波の後、宮良村を再建するため ...
5. いりおもてじま【西表島】沖縄県:八重山諸島/竹富町
日本歴史地名大系
いる。なかでも古見の稲の豊穣感謝・祈願祭であるプーリィ(豊年祭)には仮面・草装神であるアカマタ・クロマタが出現する。また祖納・干立のシチ(節祭)は、一年の年の改 ...
6. 沖縄(県)画像
日本大百科全書
その鍛錬にいそしむ人が多い。沖縄独特の年中行事、民俗芸能も各地で盛んであり、ウヤガン(宮古島)、アカマタ・クロマタ(八重山)などの神秘的な神行事もなお受け継がれ ...
7. 沖縄[県]画像
世界大百科事典
アワの収穫祭が行われ,西表島古見など4ヵ所ではこの祭りに豊穣をもたらす仮面仮装神であるアカマタ・クロマタが登場する。沖縄島北部の沿岸では7月20日以後の亥の日ま ...
8. 神
世界大百科事典
とっていることである。たとえばその典型的事例は,正月の来訪神であり,東北のなまはげから,沖縄のアカマタ・クロマタに至るまでよく知られている。異装の来訪神について ...
9. くんむら【古見村】沖縄県:八重山諸島/竹富町
日本歴史地名大系
、よくよく見たいものだ)」とある(琉歌全集)。西の祖納村とともに西表島を代表する村で、アカマタ・クロマタ神事の発祥の地といわれる(→八重山)。三離・大枝・平西の ...
10. こはまじま【小浜島】沖縄県:八重山諸島/竹富町
日本歴史地名大系
なかでも稲の豊穣感謝・祈願祭であるポーリィ(豊年祭)は仮面・草装神であるアカマタ・クロマタが出現する特色ある祭祀である。アカマタ・クロマタの神事は古見村・高那村 ...
11. しいかむら【四箇村】沖縄県:八重山諸島/石垣市
日本歴史地名大系
また西表島古見・小浜島・新城島(現竹富町)、石垣島の宮良などではこの日の夕刻に仮面・草装の来訪神アカマタ・クロマタが出現し、豊穣を村にもたらす祭儀が行われる。な ...
12. たかなむら【高那村】沖縄県:八重山諸島/竹富町
日本歴史地名大系
特別に許可されている(同書)。同三三年の間切改正で宮良間切に属した。また古見村・小浜村とともにアカマタ・クロマタの神事を行っていた(与世山親方八重山島規模帳)。 ...
13. 洞窟
世界大百科事典
,大己貴(おおなむち)神の試練と放浪の神話とも呼応する。沖縄の八重山の来訪神祭祀では,アカマタ・クロマタが,ナビンドゥという洞窟から生まれて村を訪れ,豊饒を約束 ...
14. 秘密結社
日本大百科全書
、東北地方の「隠し念仏」、九州西部海岸や離島の「隠れキリシタン」などがあり、南西諸島でアカマタ・クロマタとよばれる秘儀団体も、こうした入社的秘密結社のうちに数え ...
15. びたき【美御嶽】沖縄県:八重山諸島/竹富町/新城村
日本歴史地名大系
神庭とその周辺を囲う石垣に連続する。門の右脇には二基の香炉が置かれている。豊年祭の来訪神アカマタ・クロマタはこの御嶽に出現したあと村の各戸を訪れる。 ...
16. プール
世界大百科事典
々の行事であったと考えられる。古家 信平 プールィ プイ プーズ ウププーズ ツカサ アカマタ・クロマタ ...
17. みちやーりうつかん【三離御嶽】沖縄県:八重山諸島/竹富町/三離村
日本歴史地名大系
古見三ヵ村(三離・大枝・平西)で船競漕をして豊年祭の規式としたといい、当御嶽は豊年祭に行われるアカマタ・クロマタの神事の発祥地とされる(→八重山)。古見ではアカ ...
18. めーらむら【宮良村】沖縄県:八重山諸島/石垣市
日本歴史地名大系
形行書)。現小浜御嶽は小浜村からの移住者が故郷の照後御嶽を勧請したもので、彼らによってアカマタ・クロマタの祭祀も伝えられた。新村敷の漢田は万事不便であったようで ...
19. やいま【八重山】沖縄県:八重山諸島
日本歴史地名大系
の三神、新城ではアカマタ・クロマタの二親神と一子神の三神、小浜・宮良ではアカマタ・クロマタの二神である。アカマタ・クロマタの語源は赤顔のモノ、黒顔のモノを意味す ...
20. やえやましょとう【八重山諸島】
国史大辞典
られ、川平(かびら、石垣市)のマユンガナシ、古見(こみ)・小浜(八重山郡竹富町)などのアカマタ・クロマタの行事は、農耕の節目に、神を迎え、豊作を祈り、さらに予祝 ...
21. 来訪神
世界大百科事典
島(こしきじま)のトシドン,吐噶喇列島悪石島のボセ,宮古のパーント,八重山のアンガマ,アカマタ・クロマタ,ミルク(弥勒),マユンガナシ,フサマラーなどがある。仮 ...
22. 【総論】沖縄県
日本歴史地名大系
八重山には稲の豊年祭に伴ってアカマタ・クロマタとよばれる来訪神の祭祀がある。ウンジャミにおける来訪神が具象的な形をとらずに神女たちに寄り憑くと考えられているのに ...
「アカマタ・クロマタ」の情報だけではなく、「アカマタ・クロマタ」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る

アカマタ・クロマタと同じカテゴリの記事
(日本大百科全書(ニッポニカ))
一般に公的でめでたい祝いの宗教的儀式、つまり祝祭を意味する。多くの人を集め、酒や食料が大量に消費されることも多い。そこから「お祭り騒ぎ」などの表現も出てくる。本来は宗教的行為であるが、単に多くの人を集め、にぎやかさや華やかさが強調されて宗教的意味がなくなると、「港祭」とか商店街の「○○祭」
管絃祭(日本大百科全書(ニッポニカ))
神事には往々にして管絃を奉奏することが行われるが、とくにその規模を大きくして神輿(みこし)を船中に奉安し、管絃を吹奏して神霊をなぐさめる神事。広島県廿日市(はつかいち)市宮島町の厳島(いつくしま)神社、福井県敦賀(つるが)市の金崎宮(かねがさきぐう)などで行われている。
忌籠祭(改訂新版・世界大百科事典)
斎籠祭,居籠祭とも記す。祭りの執行に際して,神職など祭りに直接関与する者は外部との関係を絶ち,神霊を迎えることができる心身になるために,特定の期間・場所で心身を慎む。これが氏子全員に課せられている祭りをとくに忌籠祭という。
悪態祭(日本大百科全書(ニッポニカ))
集まった群衆が互いに悪口を言い合うことが特徴の祭礼。悪口(あっこう)祭、悪たれ祭、喧嘩(けんか)祭などともいう。相手を言い負かせば幸運を得るとしたことに基づくらしいが、年頭の祭りに多く、もと年占(としうら)の意味が濃かったようである。
坂部冬祭(日本大百科全書(ニッポニカ))
長野県の諏訪(すわ)神社(下伊那(しもいな)郡天龍村坂部(さかべ))で1月4日に行われる祭り。もと霜月祭とよばれ、旧暦11月14日の湯立神楽(ゆだてかぐら)で、神社の拝殿を舞処として拝殿の炉に湯立の釜(かま)をかけ、徹夜で行われる。
祭と同じカテゴリの記事をもっと見る


「アカマタ・クロマタ」は祭・祭事・イベントに関連のある記事です。
その他の祭・祭事・イベントに関連する記事
祭囃子(日本大百科全書・世界大百科事典)
祭礼囃子ともいう。神輿(みこし)が御旅所(おたびしょ)に渡御(とぎょ)するいわゆる神幸(しんこう)祭に、付祭(つけまつり)と称して氏子たちが出す山車(だし)(山、鉾(ほこ)、だんじり、屋台など車付きのもの、山笠(やまがさ)、きりこのように担ぐもの
日吉山王祭(国史大辞典)
近江坂本(滋賀県大津市)日吉大社の祭礼のこと。各地の山王祭はこの祭の伝わったもの。平安時代以来日吉祭、近世には山王祭または日吉山王祭とよばれる。古来、四月の中の申の日を中心に午から酉の日まで四日間行われた。平安時代から多くの書物にみえるが
長浜曳山狂言(日本大百科全書(ニッポニカ))
滋賀県の長浜八幡宮(はちまんぐう)(長浜市宮前(みやまえ)町)の春祭(4月13~16日)に曳山(ひきやま)の上で行われる子供歌舞伎(かぶき)。羽柴(はしば)(豊臣(とよとみ))秀吉が城主のとき男子出生を祝って町民に賜った砂金を基金として曳山を整えた
神幸祭(国史大辞典・世界大百科事典)
神社祭祀のうち、神霊が本社より他所に渡御する祭。「おわたり」「みゆき」「おいで」などとも称し、その帰りを還幸祭と呼ぶ場合もある。起源は不詳であるが、古代末期にはすでに行われていた社があり、中世以降多くの社でなされるようになったものとみられる
秩父夜祭(日本大百科全書・世界大百科事典)
埼玉県秩父市の秩父神社で12月2、3日に行われる例祭の夜間行事。華やかなので夜祭として有名。近世は霜月(旧暦11月)1、2、3日であった。祭りでもっとも盛大で重要なものは、神馬(しんめ)の奉献と、二台の笠鉾(かさぼこ)、四台の屋台が神輿(みこし)に続いて巡行
祭・祭事・イベントに関連する記事をもっと見る
ジャパンナレッジは約1500冊以上(総額600万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のインターネット辞書・事典・叢書サイト」です。日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る