NHK大河ドラマ「光る君へ」特集
ジャパンナレッジは約1700冊以上の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書」サービスです。
➞ジャパンナレッジについて詳しく見る
  1. トップページ
  2. >
  3. カテゴリ一覧
  4. >
  5. 社会
  6. >
  7. 祭・祭事・イベント
  8. >
  9. 盆踊り・舞踊
  10. >
  11. 綾子舞

綾子舞

ジャパンナレッジで閲覧できる『綾子舞』の歌舞伎事典・世界大百科事典・日本大百科全書のサンプルページ

新版 歌舞伎事典
綾子舞
あやこまい
新潟県柏崎市(旧刈羽郡黒姫村)下野しものおよび高原田たかはらだに伝わる民俗芸能。少女によって踊られる優美な小歌踊と、男性による狂言がある。踊の扮装や振、歌詞、また囃子に三味線が入らないことなど、女歌舞伎の踊にきわめて似通うものがあり、狂言にも、現存三流の曲目になく、若衆歌舞伎の演目にあるものを伝えているなど、初期歌舞伎のおもかげを残す芸能として注目される。土地に伝わる由来伝承には、京都北野神社の巫子みこ文子あやこが舞ったものが伝わったとするものと、上杉房能の奥方綾子が伝えたとするものがあるが、いずれもこの芸能が京から伝来したことをうかがわせる。ことに京で北野神社を本拠地としていた出雲のお国が、歌舞伎踊以前に名のっていた〈ややこ踊〉との名称の相似も考え合わせると、女歌舞伎の踊歌に伝わる〈ややこ〉と同じ歌詞の曲を〈常陸ひたち踊〉として伝承していることなどからも、この芸能がお国もしくはその模倣者の女歌舞伎の座によってこの地に伝えられたことはほぼ確実であろう。おそらくはお国自身の座によると思われる。
また、香川県仲多度郡仲南村(現まんのう町)佐文さぶみにも〈綾子踊〉という雨乞踊が伝承されており、歌詞に共通するものがある。都から来た巫子または遊女によって伝えられたとの由来があり、これも女歌舞伎の座によると考えられる。こういった民俗芸能は各地に散在している。
女歌舞伎
[小笠原 恭子]


改訂新版 世界大百科事典
綾子舞
あやこまい

新潟県柏崎市女谷下野(しもの),高原田(たかはらだ)(旧,刈羽郡黒姫村)に伝わる民俗芸能。少女によって踊られる小歌踊と,男性による囃子舞,狂言がある。踊りの扮装や振り,歌詞,また囃子に三味線が入らないことなど,女歌舞伎の踊りにきわめて似通うものがあり,狂言にも,現存3流の曲目になく,若衆歌舞伎の演目にあるものを伝えているなど,初期歌舞伎のおもかげを残す芸能として注目される。土地に伝わる由来伝承には,京都北野神社の巫子(みこ)文子(あやこ)が舞ったものが伝わったとするものと,上杉房能の奥方綾子が伝えたとするものがあるが,いずれもこの芸能が京から伝来したことをうかがわせる。ことに京で北野神社を本拠地としていた出雲のお国が,歌舞伎踊以前に名のっていた〈やや子踊〉との名称の相似も考え合わせると,女歌舞伎の踊歌に伝わる〈ややこ〉と同じ歌詞の曲を〈常陸(ひたち)踊〉として伝承していることなどからも,この芸能がお国もしくはその模倣者の女歌舞伎の座によってこの地に伝えられたことはほぼ確実であろう。おそらくお国自身の座によると思われる。

また,香川県仲多度郡まんのう町の旧仲南村佐文(さぶみ)にも〈綾子踊〉という雨乞踊が伝承されており,歌詞に共通するものがある。都から来た巫子または遊女によって伝えられたとの由来があり,これも女歌舞伎の座によると考えられる。こういった民俗芸能は各地に散在している。
[小笠原 恭子]

[索引語]
ややこ踊 常陸(ひたち)踊 綾子踊


日本大百科全書(ニッポニカ)
綾子舞
あやこまい

風流踊(ふりゅうおどり)の一つ。新潟県柏崎(かしわざき)市黒姫町女谷(おなだに)の下野(しもの)、高原田(たかんだ)両地区に伝わる民俗芸能。踊りと囃子舞(はやしまい)と狂言からなるが、初期歌舞伎(かぶき)踊りのおもかげを今日に残している点に特色があるとされる。起源については、1509年(永正6)この山間に落ち延びた国守上杉房能(ふさよし)の奥方綾子にちなむとも、菅原道真(すがわらのみちざね)が大宰府(だざいふ)に左遷のとき、京七条坊門の文(あや)という娘が綾を着て舞を奏したが、それがのちに北面の武士によりこの地に伝授されたとも伝えられる。江戸時代後期には江戸で興業を行い、明治の中ごろまで近郷一帯を巡って演じたが、いまは9月第2日曜日に現地公開されている。踊りは、もとは少年が女装したが、いまは下野3人1組、高原田2人1組の20歳くらいまでの少女たちが踊る。いずれも頭にユライとよばれる赤布の被(かぶ)り物をつけ、後ろに長く垂らす。下野では振袖(ふりそで)に中幅の帯をだらりに結び、白足袋(しろたび)。高原田では振袖に緋(ひ)の袴(はかま)をつける点が多少異なる。手には扇を持つ。囃子は大太鼓、締(しめ)太鼓、笛、鼓、銅拍子(どうびょうし)、拍子木。現在伝わる曲名は踊り11曲、囃子舞22曲、狂言28番。このうち「小切子踊(こきりこおどり)」「常陸踊(ひたちおどり)」など踊り数曲のほか囃子舞、狂言あわせて十数番が今日上演できるといわれる。
[高山 茂]

上記は、日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書サービス「ジャパンナレッジ」のサンプル記事です。

ジャパンナレッジは、自分だけの専用図書館。
すべての辞書・事典・叢書が一括検索できるので、調査時間が大幅に短縮され、なおかつ充実した検索機能により、紙の辞書ではたどり着けなかった思わぬ発見も。
パソコン・タブレット・スマホからご利用できます。


綾子舞の関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 28
※検索結果は本ページの作成時点のものであり、実際の検索結果とは異なる場合があります
検索コンテンツ
1. 綾子舞画像
日本大百科全書
風流踊(ふりゅうおどり)の一つ。新潟県柏崎(かしわざき)市黒姫町女谷(おなだに)の下野(しもの)、高原田(たかんだ)両地区に伝わる民俗芸能。踊りと囃子舞(はやし ...
2. 綾子舞[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
柏崎(かしわざき)市女谷(おなだに)の下野(しもの)、高原田(たかんだ)両地区に伝わる民俗芸能。若い女性による小歌踊、男性が演ずる囃子舞(はやしまい)、狂言から ...
3. 綾子舞
世界大百科事典
新潟県柏崎市女谷下野(しもの),高原田(たかはらだ)(旧,刈羽郡黒姫村)に伝わる民俗芸能。少女によって踊られる小歌踊と,男性による囃子舞,狂言がある。踊りの扮装 ...
4. あやこまい【綾子舞】
歌舞伎事典
新潟県柏崎市(旧刈羽郡黒姫村)下野(しもの)および高原田(たかはらだ)に伝わる民俗芸能。少女によって踊られる優美な小歌踊と、男性による狂言がある。踊の扮装や振 ...
5. あやこ‐まい[‥まひ]【綾子舞】
日本国語大辞典
「あやこおどり(綾子踊)」に同じ。 ...
6. あやこ‐おどり[‥をどり]【綾子踊】
日本国語大辞典
新潟県柏崎市女谷に伝わる民俗芸能で、踊り、囃子舞(はやしまい)、狂言がある。綾子舞。あやこ。 ...
7. いなばおどり【因幡踊】
国史大辞典
ったように、小歌をいくつも続け、その間に囃子詞を挿入した構成のもの。現在、新潟県柏崎市黒姫の綾子舞の中に、同名の、ほとんど同じ歌詞による踊が伝えられている。 [ ...
8. えんげきおんがく【演劇・音楽】 : 近世
国史大辞典
改良した三味線を主要楽器とするようになった舞台芸術で、人形芝居は語りものが主体であり、歌舞伎は、念仏踊・綾子舞はじめ、民俗芸能や民謡などを巧みに消化して、宮廷・ ...
9. おなだにむら【女谷村】新潟県:柏崎市
日本歴史地名大系
計六二石六斗。明治元年(一八六八)の郡中惣高家数取調写帳(柏崎市立図書館蔵)では家数一〇〇。綾子舞は高原田・下野地区に伝わる芸能で、踊・囃子舞・狂言の三種に分れ ...
10. おはらぎおどり【小原木踊】
国史大辞典
おびただしい類歌が認められ、江戸時代初期には非常に流行したものだったらしい。現在、新潟県柏崎市の「綾子舞」や東京都西多摩郡旧小河内村の「鹿島踊」ほかに同じような ...
11. 柏崎(市)画像
日本大百科全書
ある。年中行事では7月の柏崎祭と、9月の第2日曜日に現地公開される国指定重要無形民俗文化財の綾子舞(あやこまい)が知られる。山崎久雄 ...
12. 閑吟集 431ページ
日本古典文学全集
類歌も継承歌謡もきわめて豊富である。特にこの放下歌は、東京都小河内の鹿島踊、新潟県柏崎市黒姫の綾子舞などで今もうたわれている。保安五年(一一二四)二月十二日、白 ...
13. 閑吟集 483ページ
日本古典文学全集
小靨の中へ身を投げばやと 思へど底の邪が怖い小今朝の嵐は 嵐ではなげに候よの 大井川の 河の瀬の音ぢやげに候よなう小水が凍るやらん 湊河が細り候よなう われら ...
14. きんせい【近世】画像
国史大辞典
改良した三味線を主要楽器とするようになった舞台芸術で、人形芝居は語りものが主体であり、歌舞伎は、念仏踊・綾子舞はじめ、民俗芸能や民謡などを巧みに消化して、宮廷・ ...
15. 小歌踊画像
日本大百科全書
踊りによってよりよく表現しようとする。全国的に広く散在するが、次の三つが代表的である。(1)綾子舞(あやこまい)(新潟県柏崎市女谷(おなだに)) 2~3名の少女 ...
16. 小切子/筑子
世界大百科事典
富山県五箇山の〈こきりこ踊〉などの民俗芸能のなかで用いられ,新潟県柏崎市女谷(おなだに)の〈綾子舞〉の演目にも〈こきりこ踊〉がある。長尾 一雄 ...
17. こきりこ踊画像
日本大百科全書
は七寸五分じゃ、長いは袖(そで)の金鉤(かなかい)じゃ」とある。新潟県柏崎(かしわざき)市の綾子舞(あやこまい)の一曲にも小切子(こきりこ)踊がある。渡辺伸夫 ...
18. 晒(邦楽・舞踊)
日本大百科全書
的な時代物の立回り、幕切れに使う。(4)民俗芸能。布晒しのさまを演ずるもので、新潟県黒姫村の綾子舞(あやこまい)の狂言や、沖縄の八重山(やえやま)舞踊などにあり ...
19. 篠原踊
日本大百科全書
『田舎下(いなかくだ)り踊』『吉野桜踊』の3曲は、代表的小歌踊の新潟県柏崎(かしわざき)市の綾子舞(あやこまい)や東京都下小河内(おごうち)の鹿島(かしま)踊と ...
20. 杓子舞
世界大百科事典
見さいな〉などと演者が歌いながら舞う囃子舞である。現行曲ではないが,新潟県柏崎市女谷(おなだに)の綾子舞(あやこまい)の囃子舞25曲の一つに見え,中世末から近世 ...
21. 東海道名所記 2 180ページ
東洋文庫
・ヲトリに対するとも説かれ、岐阜県南宮神社の伝承芸能中の赤子を背負ったのをさすかとも言 われる。また、越後の綾子舞中の少女の踊にそれが見られると、近時強く説かれ ...
22. 新潟(県)画像
日本大百科全書
郷土芸能や風俗習慣面では、弥彦(いやひこ)神社の灯籠(とうろう)おしと舞楽、柏崎市女谷(おなだに)の綾子舞(あやこまい)、長岡(ながおか)市、魚沼(うおぬま)市 ...
23. 囃子舞
世界大百科事典
に伝承される綾子舞(あやこまい)には,《恵比寿舞》《大黒舞》《亀の舞》《猩々舞》《鶉舞》などがあり,青森,岩手,秋田の各県にも伝えられている。吉川 周平 鶉舞( ...
24. ややこおどり【ややこ踊】
国史大辞典
ころに、芸能史上画期的な意義がある。今日、民俗芸能として伝わる新潟県柏崎市女谷(おなだに)の綾子舞、香川県仲多度郡仲南町佐文の綾子踊、東京都西多摩郡旧小河内村の ...
25. 【総論】新潟県
日本歴史地名大系
ぜられる稚児舞楽を伴っており、奈良や大阪四天王寺などより習授したと伝える。柏崎市女谷に伝わる綾子舞は古歌舞伎踊の風を残す踊・囃子舞・狂言などから構成され、京より ...
「綾子舞」の情報だけではなく、「綾子舞」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶

綾子舞と同じ盆踊り・舞踊カテゴリの記事
綾子舞(歌舞伎事典・世界大百科事典・日本大百科全書)
新潟県柏崎市(旧刈羽郡黒姫村)下野(しもの)および高原田(たかはらだ)に伝わる民俗芸能。少女によって踊られる優美な小歌踊と、男性による狂言がある。踊の扮装や振、歌詞、また囃子に三味線が入らないことなど、女歌舞伎の踊にきわめて似通うものがあり
風流踊(改訂新版 世界大百科事典)
趣向をこらした扮装の者たちが,集団で笛・太鼓・鉦(かね)・鼓などの伴奏にあわせて踊る踊り。歌は室町時代後期から近世初期にかけて流行した小歌を,数首組歌にして歌う場合が多い。現在風流踊は民俗芸能として,太鼓踊,カンコ踊,神踊(かみおどり)
チャッキラコ(日本大百科全書・世界大百科事典)
神奈川県の海南神社(三浦市三崎)の1月15日の祭りに踊られる小歌(こうた)踊。花暮(はなぐれ)と仲崎(なかさき)地区の7歳から13歳ぐらいまでの少女約20名で踊るが、歌は中年の女性たちが受け持つ。伝承曲目は『ハツイセ』『チャッキラコ』『二本踊』
出雲神楽(国史大辞典・日本大百科全書)
出雲地方の神楽。佐太神社(島根県八束郡鹿島町)の神楽をその中心とする。佐太神社の「御座替祭」(九月二十五日、もと八月二十四日・二十五日)に、古くは島根・秋鹿・楯縫・意宇(西半分)の三郡半の神職が祭事に奉仕し、その後に天下国家の御祈祷として
神楽(日本大百科全書・世界大百科事典)
神前に奏される歌舞。神座を設けて神々を勧請(かんじょう)して招魂・鎮魂の神事を行ったのが神楽の古い形で、古くは神遊(かみあそび)とも称した。神楽の語源は、神座(かむくら)の約音とするのが定説である。神楽の起源説話として有名なのは
盆踊り・舞踊と同じカテゴリの記事をもっと見る


「綾子舞」は祭・祭事・イベントに関連のある記事です。
その他の祭・祭事・イベントに関連する記事
初詣(日本大百科全書・世界大百科事典・平成ニッポン生活便利帳)
新年最初に神仏に参詣(さんけい)すること。大晦日(おおみそか)の晩から元日にかけては、村の氏神にこもって起き明かすものであったが、前半は除夜の鐘を聞き、後半は初詣でと、二つを別々の行事に分けたのであろう。恵方(えほう)参りともいって、その年の明きの
書初(日本国語大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
解説・用例〔名〕新年に初めて毛筆で文字を書く正月の行事。昔から、一月二日(江戸時代、寺子屋などでは五日)に恵方(えほう)に向かってめでたい意味の詩歌成句などを書いた。ふではじめ。吉書初(きっしょはじ)め。試筆。かきはじめ。《季・新年》*満済准后日記
初夢(日本国語大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
解説・用例〔名〕年の初めに見る夢。(イ)節分の夜から立春の明けがたに見る夢。*山家集〔12C後〕上「たつ春の朝よみける年くれぬ春来べしとは思ひ寝にまさしく見えてかなふ初夢」*俳諧・増山の井〔1663〕正月「初夢立春の朝の夢也」*随筆・嬉遊笑覧
大晦日(国史大辞典・日本大百科全書・日本国語大辞典・日本の歳時記・日本方言大辞典)
一年の最終の日。毎月ある晦日(「みそか」とは三十日の意)に大の字をつけたのである。大つごもり(「つごもり」は月籠りの義)ともいう。商家では決算に忙しく、家庭では正月祝いの準備を整える。この夜は除夜とも大年の夜とも呼ばれ、その夜半をもって新年の訪れ
新嘗祭(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
「にいあえのまつり」、また音読して「しんじょうさい」ともいう。「にいなめ」は古代の稲の収穫祭であるが、民間儀礼と宮廷祭祀に分化している。民間の新嘗としては、『万葉集』の東歌(あずまうた)に女性だけで祭を行なっていたことを示す歌二首がみえる
祭・祭事・イベントに関連する記事をもっと見る


ジャパンナレッジは約1700冊以上(総額750万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のインターネット辞書・事典・叢書サイト」です。日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶