神奈川県の海南神社(三浦市三崎)の1月15日の祭りに踊られる小歌(こうた)踊。花暮(はなぐれ)と仲崎(なかさき)地区の7歳から13歳ぐらいまでの少女約20名で踊るが、歌は中年の女性たちが受け持つ。伝承曲目は『ハツイセ』『チャッキラコ』『二本踊』『よささ踊』『鎌倉節』『お伊勢(いせ)参り』の6曲。2本のこきりこ(綾竹(あやたけ))をチャッ・キラ・コと打ちながら踊るところから出た名称という。他の曲は無伴奏。『お伊勢参り』は柄杓(ひしゃく)を持って踊り、伊勢参宮の風俗を写したものと思われる。その他は扇踊形式。阿国歌舞伎(おくにかぶき)の前身ややこ踊との関連が考えられるが不詳。明治末ごろから白拍子(しらびょうし)風の扮装(ふんそう)になったが、今日では昔に戻して晴れ着で踊る。国の重要無形民俗文化財(1976)に指定された。
また、2009年(平成21)ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。
神奈川県三浦市三崎町で,漁港の総鎮守海南神社の1月15日の祭りに,少女が踊る踊りの総称とその演目の名称。〈チャッキラコ〉は,2本の小切子(こきりこ)(綾竹)を打ち合わせる音から転訛した名称で,〈左義長(さぎちよう)の舞〉〈ひやり踊〉〈よささ〉などとも称した。本来,正月の晴着で,中年以上の女性の歌にあわせて踊るものであったが,千早(ちはや)に緋の袴,金色の前折烏帽子の仕度で踊ったこともある。《ハツイセ》《チャッキラコ》《二本踊》《よささ節》《鎌倉節》《お伊勢参り》の6曲あるが,《チャッキラコ》以外は扇を持ち,2列に向かい合って立ったり,円陣をつくって踊る。
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