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  11. 里神楽

里神楽

ジャパンナレッジで閲覧できる『里神楽』の国史大辞典・世界大百科事典のサンプルページ

国史大辞典
里神楽
さとかぐら
宮廷以外の諸社・民間で奏される神楽。里は平安京の内裏の外の市街地をいう。平安時代には、石清水・賀茂・祇園・北野・大原野・吉田・春日・住吉などの諸社に、宮廷の楽人を差し向けて奏する場合に里神楽と称した。このとき宮廷では試楽があり、社から帰ると還立(かえりだち)の御神楽があった。また北御門神楽・気比神楽の古謡が残っていることから、地方諸社伝来の神楽もあったことがわかる。民間の神楽は、その様式の上から、(一)巫女神楽、(二)出雲流神楽、(三)伊勢流神楽、(四)獅子神楽の四種に分類できる。また、内容を基準にして、以上の(一)(二)類を採物神楽、(三)類を湯立神楽、(四)類を獅子神楽とする分類法もあるが、実際には、各流の神楽要素が混合している。神社付属の神楽でなく、神事舞太夫が氏子の求めに応じて、神社の祭祀で演じたのが江戸の里神楽。その他、舞楽・田楽と称すべきものを、奉納舞という意味で神楽・太々神楽と呼ぶところもある。→出雲神楽(いずもかぐら),→伊勢神楽(いせかぐら),→石清水八幡の神楽(いわしみずはちまんのかぐら),→岩戸神楽(いわとかぐら),→神楽(かぐら),→霜月神楽(しもつきかぐら),→太神楽(だいかぐら),→太々神楽(だいだいかぐら)
[参考文献]
早川孝太郎『花祭』(『早川孝太郎全集』一・二)、西角井正慶『神楽研究』、本田安次『陸前浜乃法印神楽』、同『山伏神楽・番楽』、同『霜月神楽の研究』、同『神楽』、芸能史研究会編『神楽』(『日本の古典芸能』一)
(小林 茂美)


改訂新版 世界大百科事典
里神楽
さとかぐら

郷神楽とも書く。広義には宮中の御神楽(みかぐら)に対して,民間で行われる伊勢流の神楽(霜月神楽など),出雲流の神楽(佐陀神能(さだしんのう)など),巫女(みこ)神楽,獅子神楽(獅子舞,山伏神楽など),祭文・奏楽神楽をいう。とくに巫女舞を指すこともある。狭義には,江戸時代中期以降に江戸に伝承された埼玉県北葛飾郡鷲宮(わしのみや)神社の〈土師(はじ)一流催馬楽神楽〉を流祖とする江戸里神楽を指す。江戸里神楽は東京を中心に関東一円で行われ,仮面をつけ,神話や神社の縁起を黙劇形式で演じ,ひょっとこ,おかめの滑稽(こつけい)もからむ。演目を座と呼ぶが,多いところでは60座以上を有し,おもに専門の神楽師によって演じられる。能楽風の神楽面や衣装をつけ,大拍子,太鼓,笛などの囃子が入る。
→神楽 →御神楽
[西角井 正大]

[索引語]
土師(はじ)一流催馬楽神楽 江戸里神楽
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検索ヒット数 146
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検索コンテンツ
1. 里神楽
日本大百科全書
1690年(元禄3)成立の『楽家録(がっかろく)』でも諸社の巫女舞を里神楽と称しており、古来、里神楽には諸社の巫女舞が含まれていた。(3)民間の里神楽。民俗芸能 ...
2. 里神楽
世界大百科事典
埼玉県北葛飾郡鷲宮(わしのみや)神社の〈土師(はじ)一流催馬楽神楽〉を流祖とする江戸里神楽を指す。江戸里神楽は東京を中心に関東一円で行われ,仮面をつけ,神話や神 ...
3. さと‐かぐら【里神楽】
日本国語大辞典
祇部一二・祭祀「里神楽 さとかぐら〈略〉禁裏内侍所の御神楽に対て、諸社の神楽を里神楽と云ふなり」*蓼喰ふ虫〔1928~29〕〈谷崎潤一郎〉一一「騒いでゐる様子は ...
4. さとかぐら【里神楽】
国史大辞典
石清水・賀茂・祇園・北野・大原野・吉田・春日・住吉などの諸社に、宮廷の楽人を差し向けて奏する場合に里神楽と称した。このとき宮廷では試楽があり、社から帰ると還立( ...
5. 里神樂(さとかぐら)
古事類苑
樂舞部 洋巻 第1巻 195ページ ...
6. 【里神楽(樂)】さとかぐら
新選漢和辞典Web版
《国》宮中以外の各神社で行うかぐら。  ...
7. さとかぐら【里神楽】[標準語索引]
日本方言大辞典
だいだい / ゆたら ...
8. さとかぐら【里神楽】[標準語索引]
日本方言大辞典
だいだい / ゆたら ...
9. 丹前里神楽(著作ID:366529)
新日本古典籍データベース
たんぜんさとかぐら 浄瑠璃/河東  ...
10. あかがわむら【赤川村】山形県:東田川郡/羽黒町
日本歴史地名大系
後田山山札年貢米一斗を上納している。地内の八幡神社は古くは赤川館の守護神であったと伝え、かつて例祭では相撲・里神楽などが奉納され、多くの参詣者を集めたという(「 ...
11. あご‐かぐら【安居神楽】
日本国語大辞典
〔名〕古く、山城国(京都府)石清水八幡宮で一二月に行なわれた里神楽。*楽家録〔1690〕一・安居神楽説「安居神楽於〓男山八幡 ...
12. あなざわてんじんしや【穴沢天神社】東京都:稲城市/矢野口村地図
日本歴史地名大系
天神社縁起・風土記稿)。近代に入って合祀された国安社の神主であった山本家(山本社中)が伝える里神楽は、応安六年(一三七三)の創始といわれ、国の重要無形民俗文化財 ...
13. アリストパネス
世界文学大事典
に隠れている。諸都市の農民からなるコロス(合唱隊)と一緒に女神を引き出し,女神の侍女竜田姫と里神楽姫を手に入れ,彼は竜田姫と結婚することになる。劇冒頭では,セン ...
14. いさわぐん【胆沢郡】岩手県
日本歴史地名大系
れているほか、稲作地帯であるため正月の予祝行事としての田植踊、旧仙台藩領に分布している農民の里神楽としての南部神楽、精霊供養と豊作祈願のための鹿踊(太鼓系)も盛 ...
15. いせかぐら【伊勢神楽】
国史大辞典
は神前の釜で湯立(ゆたて)を行い、その芸能内容は神歌を歌い、神楽舞をまうことを主とし、一般の里神楽のごとき演劇的なものを有しないことを特色とした。この系統は湯立 ...
16. いと‐たれ【糸垂】
日本国語大辞典
〔名〕能や里神楽で、女神や花鳥の精などが付ける垂らし髪。天冠の下に垂らす。*歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)〔1859〕大詰「下手に臼女神子、天冠、糸たれ、 ...
17. 新日吉神宮
世界大百科事典
を行い,後白河上皇はしばしば御幸して参籠し,献馬献物をした。中宮もまた安産をこの社に祈願し,里神楽を奏した。1212年(建暦2)5月9日,後鳥羽上皇が参詣したが ...
18. いわい‐ごと[いはひ‥]【祝言・斎言】
日本国語大辞典
袋に縫ひて』などあるは、母代(ははしろ)が、ならはし聞えたるいはゐごとなめりと見ゆるに」(2)里神楽で行なわれる大和舞の一つ。歌詞は「千歳(せんざい)や、ちとせ ...
19. いわい‐づき[いはひ‥]【祝月・斎月】
日本国語大辞典
整ふ」*常磐津・薪荷雪間の市川(新山姥)〔1848〕「待宵過て菊の宴、はや祝月(イハヒヅキ)里神楽」 ...
20. 石清水祭
世界大百科事典
幡三座の神霊を鳳輦(ほうれん)3基に移して山を下り,二の鳥居に設けられた絹屋殿に着く。ここで里神楽と奏楽があり,勅使以下の奉迎をうける。これより行幸に準じた行列 ...
21. いわしみずはちまんのかぐら【石清水八幡の神楽】
国史大辞典
れた恒例の「初卯の神楽」、三月の「臨時祭の神楽」、十二月の「安居神楽」、ほかに「高良神楽」「里神楽」「八幡職掌人等の神楽」などがあった。「初卯の神楽」(二季御神 ...
22. いわとかぐら【岩戸神楽】
国史大辞典
里神楽の一種。天岩屋戸の前で演じた天鈿女(あめのうずめ)命の鎮魂舞踊に、神楽が起源するという伝えに基づいて、神々の舞を仕組んだもの。秩父神楽・江戸神楽も同じ系 ...
23. いわとびらき[いはとびらき]【岩戸開】
日本国語大辞典
【一】里神楽の曲名。天の岩屋の神話を脚色したもの。天鈿女命(あめのうずめのみこと)が舞い、手力男命(たぢからおのみこと)が天の岩戸を押し開く所作を見せる。*歌舞 ...
24. うしごえむら【牛越村】福島県:原町市
日本歴史地名大系
神社がある。後者は社伝によると中郷総鎮守で、寛永年間から明治初年までは郷内各村から毎年三月に里神楽を出し、社前に奉奏して五穀豊穣を祈願したという(原町市史)。 ...
25. うそ‐ふき【嘯】画像
日本国語大辞典
〔名〕(「うそぶき」とも)狂言面の一つ。狂言や里神楽などに用いる、うそぶいて口をとがらした形の仮面。蚊、蝉の精や、かかし、石神などに用いる。ひょっとこ面。*虎明 ...
26. えちご‐じし[ヱチゴ‥]【越後獅子】画像
日本国語大辞典
【一】〔名〕(1)越後国(新潟県)西蒲原郡の神社の里神楽の獅子舞。(2)越後国西蒲原郡、月潟(つきがた)地方から出る獅子舞。正月などに、子供が小さい獅子頭(がし ...
27. えどがわく【江戸川区】東京都地図
日本歴史地名大系
れる葛西のおしゃらく、葛西の里神楽は都指定無形民俗文化財。「おしゃらく」は江戸時代から農村地帯に伝わる歌と踊の郷土芸能の一つで、念仏踊の流れをひくとされる。里神 ...
28. おおいしむら【大石村】新潟県:岩船郡/関川村
日本歴史地名大系
文政年中(一八一八―三〇)に形が整えられたもので、毎年四月二〇日の祭礼に奉納されていた。まず里神楽に始まり笛・太鼓の囃子に合せて獅子舞が行われ、ひょっとこやおか ...
29. おおみわのやしろ【大神社】新潟県:西頸城郡/能生町/平村
日本歴史地名大系
森本集落で祀るようになったともいう。祭日は一月二八日・七月一六日・一一月初卯日で、社殿わきの舞台で里神楽が舞われ、一段下の土俵場では草相撲が行われる。室町時代の ...
30. おかめ
日本大百科全書
里神楽(さとかぐら)(民間の神楽)に使われる中年女性の道化面。鼻が低く、額(ひたい)やあごが平らで、ほおが丸く出っ張って下膨(しもぶく)れにつくられ、俗に三平二 ...
31. お亀
世界大百科事典
訛ともいわれるように,お多福,お亀も同様の役柄の近世芸能に使用される。特にお亀の名称は江戸の里神楽で使われ,ひょっとこと対で道化やもどき役をつとめて人気が高く, ...
32. おかめ【お亀】
日本架空伝承人名事典
ともいわれるように、お多福、お亀も同様の役柄の近世芸能に使用される。とくにお亀の名称は江戸の里神楽で使われ、ひょっとこと対で道化やもどき役をつとめて人気が高く、 ...
33. 神楽(歌舞)画像
日本大百科全書
春日(かすが)、住吉(すみよし)などの諸社において、宮廷の楽人が奏した神楽も里神楽と称した。民間の神楽は全国各地に分布し多種多様であるが、里神楽の語は東京を中心 ...
34. 神楽画像
世界大百科事典
たのは石清水八幡宮を経た八幡系の安曇氏の鎮魂作法だったようである。→神楽歌 里神楽 御神楽以外の民間の神楽を里神楽と総称するが,別して江戸で発達した神楽を187 ...
35. かぐら【神楽】
日本国語大辞典
社、民間に行なわれる芸能。すなわち、巫女が舞う巫女神楽、神話・伝説を黙劇または科白劇で演じる里神楽・太太神楽(だいだいかぐら)、清めの湯をふりかける湯立神楽、家 ...
36. かぐら【神楽】画像
全文全訳古語辞典
たいて、和琴・横笛・篳篥などを奏して神楽歌を歌い、舞を舞う。民間の神社で行われるのを、特に「里神楽」と呼ぶこともある。  ...
37. かぐら【神楽】
国史大辞典
大別すると、宮中および伊勢神宮・賀茂神社などで行われる御神楽と、それ以外の諸社・民間で奏される里神楽とに分けられる。宮廷式楽として大成した内侍所御神楽は、一条天 ...
38. 神楽歌
世界大百科事典
の所在は一定しないが,後者は越前一宮の気比神社のものであろう。宮廷御神楽(みかぐら)のほかに里神楽が存し,しかも豊かなものであったことが察せられる。 鍋島家本《 ...
39. かぐらうた【神楽歌】
国史大辞典
に分けられる。内容は『梁塵秘抄』の神歌系統の、素朴で清らかなものが多い。出雲神楽には、関東の里神楽のように歌を省略して黙劇に近いものもある。伊勢神楽は湯立の間や ...
40. かぐら‐し【神楽師】
日本国語大辞典
〔名〕里神楽を舞うのを業とする人。*東京風俗志〔1899~1902〕〈平出鏗二郎〉上・四・神社「これ都下の神楽と称するは、神子の榊、幣などを持ち鈴を振りて舞ふも ...
41. かぐら‐どう[‥ダウ]【神楽堂】
日本国語大辞典
〔名〕(1)神社の境内にあって、里神楽を演ずる建物。神楽殿。神楽屋。*浮世草子・色里三所世帯〔1688〕中・四「神楽堂(カグラダウ)の舞姫みなみなとしはよれ共、 ...
42. 神楽面
世界大百科事典
下に製作されたものである。柳神楽の鬼面も猿楽などの仮面の転用かもしれない。品川神社(東京)の里神楽の仮面の中には舞楽面の二ノ舞面が混入したりしている。仮面劇もし ...
43. かしいおうじあと【樫井王子跡】大阪府:泉佐野市/樫井村地図
日本歴史地名大系
相待相幸、良久臨幸了、御奉幣、里神楽訖、乱舞拍子及相府、次又白拍子加以五房・友重二人舞、次相撲三番訖競出騎馬」とあり、一行は佐野王子を経て当王子に参拝、奉幣・里 ...
44. かまくら‐びょうし[‥ビャウシ]【鎌倉拍子】
日本国語大辞典
〔名〕鎌倉の鶴岡八幡宮の神楽太鼓(かぐらだいこ)の拍子の名(屠龍工随筆{1778})。また、それからきた東京の里神楽や馬鹿囃子(ばかばやし)の太鼓の拍子の名。 ...
45. かもじんじゃ【賀茂神社】群馬県:桐生市/下広沢村
日本歴史地名大系
一〇月一四日・一五日が祭日で、文化年間(一八〇四―一八)に神官飯塚伊豆正が発起した宮比神楽とよばれる里神楽が演じられる。 ...
46. かもんちょうじゃやしきあと【掃部長者屋敷跡】岩手県:水沢市/上葉場村
日本歴史地名大系
者物語の長者屋敷に擬せられる屋敷跡。この長者物語は水沢市や胆沢郡地方で語り継がれ、奥浄瑠璃や里神楽に演じられて流布してきた。この長者は代々富貴で屋形の数は二二棟 ...
47. 雅楽画像
日本大百科全書
春分の日の皇霊祭に行われる東遊など、宮中の特定の儀礼において非公開で奏されることが多い。神楽は里神楽と区別して御神楽(みかぐら)ともいう。神楽歌・東遊歌などと称 ...
48. がっき【楽器】[舞台・道具類]
能・狂言事典
記す頭付ケがある。演奏者は笛方と呼ばれ、現在、一噌流、森田流、藤田流がある。能管は歌舞伎囃子、江戸の里神楽、京都の祇園囃子などでも用いられる。 ...
49. 近世俳句集 123ページ
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阪市住吉区にある住吉神社。元禄元年(一六八八)十一月の作か。「夜神楽」は禁中以外の諸社で行う里神楽であろう。仮面をかぶって無言で舞う。鳴物には笛・大太鼓・銅拍子 ...
50. 近世俳句集 166ページ
日本古典文学全集
浮かれて秋祭りの馬鹿囃子の稽古を夜ふけまで続けている、の意。名月を仰ぎながら荒れた境内で聞く里神楽には旅愁が感じられる。季語は「名月」で秋。 『浪化上人発句集 ...
「里神楽」の情報だけではなく、「里神楽」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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