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ジャパンナレッジで閲覧できる『仮名草子』の辞書・事典・叢書別サンプルページ

国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典

国史大辞典
仮名草子
かなぞうし
仮名草子は中世の小説と本格的な近世小説である浮世草子との過渡的な存在である。当時仮名和書とか草紙とか呼ばれた種類の作品を指すが、内容的には案内記や教訓書のような文学性の稀薄なものも含まれている。仮名和書とは漢籍に対して俗耳に入りやすい通俗的な仮名書きの和書の総称であるから、実用性・教訓性の濃い作品が混在することも当然であるし、また戦乱終熄後の大衆の知的・道徳的教育を意図した江戸幕府の文教政策と考え合わせても、この文学性と実用性ないしは教訓性の混在は、新旧勢力の交替する、いわゆる啓蒙期的世相の反映ということができる。しかし、初期の仮名草子には前代小説の傾向が持続され、貴人の御伽の料としての娯楽性が強く、安楽庵策伝の『醒睡笑』などの笑話本、『犬枕』『尤之草紙』などの模擬物、太田牛一の『信長記』、小瀬甫庵の『太閤記』などの武功譚などがある。また『恨之介』や『薄雪物語』などの恋愛物の系列にも前代の小説の名残りを見ることができる。なお、この種の中から『露殿物語』をはじめとする遊女評判記類が発生したことは注目に価する。戦火も遠のき平和が恢復するに従って、諸国諸街道が整備されて日本全国の交通が発達し、磯田道治の『竹斎』、浅井了意の『東海道名所記』などの名所記・遊覧記的傾向をもつ作品が出て来たことは、民衆の実用的要求に応ずるものといえよう。仮名草子の特徴の一つとして、教訓性が挙げられるが、特に思想啓蒙・教訓を主とした作品に如儡子の『可笑記』、三教一致を説く『百八丁記』、儒教を勧める朝山意林庵の『清水物語』、その反駁書で仏教を旨とする『祇園物語』がある。また中世の懺悔物の系統を引くものとして、阿弥陀信仰を説いた『七人比丘尼』、その影響作で鈴木正三の『二人比丘尼』などがある。なお、翻訳物として『伊曾保物語』や北村季吟の『仮名列女伝』、辻原元甫の『女四書』などが刊行されたことは、まさに啓蒙期的現象といえよう。はじめはいわゆる御伽草子と併存していた仮名草子が、幕府の文教政策や印刷術の発達、また一般庶民階層の向上などの諸条件のもとに、ようやくその本質を固定化しようとする段階に至って、浅井了意や山岡元隣らの代表的作家が出現した。了意の『浮世物語』には新しい時代の息吹きが窺われ、中国怪談を翻案した『御伽婢子』などの一連の作品は近世怪異小説の基盤となった。仮名草子の作家たちは、朝山意林庵や北村季吟らの学者、三浦為春・如儡子・浅井了意らの武士階級出身者、あるいは鈴木正三のごとき僧侶というように、ほとんどが前時代の知識階級であって、庶民文学の黎明期とはいえ、あくまで対象である読者が庶民層であるのみで、知識人による一般民衆の啓蒙教化の段階でしかなかった。真の意味での町人文学としての小説の出現は井原西鶴の『好色一代男』の刊行をまたねばならなかった。
(堤 精二)


日本大百科全書(ニッポニカ)
仮名草子
かなぞうし

近世初期の慶長(けいちょう)年間(1596~1615)から井原西鶴(さいかく)の『好色一代男』が刊行された1682年(天和2)までの約80年間に著作・刊行された、多少とも文学性の認められる散文作品で、中世の御伽(おとぎ)草子の後を受け、西鶴の浮世草子に接するものをいう。しかし学術用語としてはあいまい不完全な名称で、古く室町時代にこの語が記録にあり、また西鶴の作品をも当時は仮名草子と称していた。語の意味は、真名(漢字)本に対する仮名本という用字による区別にすぎない。当時の出版書肆(しょし)によって編集された書籍目録の分類にみられる仮名とか双紙とかいわれていたものがこれに該当すると考えられる。結局、漢籍仏典医書などの学術書でなく、平仮名で書かれた娯楽・啓蒙(けいもう)的な読み物といえよう。これらは写本で行われたものもあったが、近世初期以来の出版に取り上げられて多く流布した。したがって、従来の文学作品と異なった条件として考える必要がある。
 仮名草子の作者はごくわずかしか知られていない。大部分が作者不詳であり、さいわい作品に署名があったり、書籍目録に作者名が記されていても、伝記を明らかにしえない場合が多い。作者層は、浪人・民間の国学者、漢学者、僧侶(そうりょ)、医師、俳諧(はいかい)師などであったと考えられる。読者は、ごく初期は上層階級であったが、のちに印刷術の発達とともに庶民階級にまで読者層が拡大した。
 研究史としては、明治の後半期に水谷不倒(ふとう)、藤岡作太郎らによって仮名草子が研究対象として取り上げられ、今日に及んでいる。いわゆる仮名草子と称される作品群は、その内容がきわめて多種多様で多方面に分岐し交錯しているため、当然なんらかの整理を加える必要があった。そこで分類の作業を中心に研究が進められ、第二次世界大戦前は潁原(えばら)退蔵、戦後は野田寿雄(ひさお)、暉峻康隆(てるおかやすたか)、田中伸らによって分類が試みられた。次にあげる野田寿雄の分類などが妥当といえよう。(1)教義教訓的なもの 朝山意林庵(あさやまいりんあん)の『清水(きよみず)物語』(1638刊)、辻原元甫(つじはらげんぽ)の『智恵鑑(ちえかがみ)』(1660刊)。(2)娯楽的なもの 三浦為春の『あだ物語』(1640刊)、浅井了意の『御伽婢子(おとぎぼうこ)』(1666刊)。(3)実用本位のもの 中川喜雲の『京童(きょうわらべ)』(1658刊)、浅井了意の『江戸名所記』(1662刊)。
 仮名草子は種類が多様多岐であり、内容も文学性の希薄なものが多いことから、従来は過渡期の文学ということで西鶴研究の階梯(かいてい)として付随的にみる傾向が強かった。作品個々の研究、作者の研究、周辺との関連など残された課題は多いが、今日ではむしろ、未成熟ではあるが仮名草子の多様な性格のなかに、あるいは仮名草子を支えた基盤のうちに、近世文学全般の源流や胎動萌芽(ほうが)を積極的にみていこうとする姿勢が定着しつつある。
[坂巻甲太]



改訂新版 世界大百科事典
仮名草子
かなぞうし

江戸初期にあらわれた仮名書きの小説類の総称。そのころ日本でも急激に木版印刷術が発達したが,それにつれて流行したもの。すなわち井原西鶴によって確立された浮世草子以前の,主として京都を中心に出版された小説類であって,烏丸光広,如儡子(じよらいし),鈴木正三(しようざん),野々口立圃,山岡元隣,中川喜雲,浅井了意などがおもな作者である。その期間はだいたい1600年(慶長5)ころから82年(天和2)(西鶴《好色一代男》発表年)にわたる。この期は徳川家康の江戸幕府の成立(1603)あるいは鎖国(1634)などがあり,徳川封建体制確立の時期だったので,その文治政策を反映して,思想的には儒教や仏教による民間教化の傾向が強かった。ために仮名草子も第1に啓蒙的・教訓的な色彩がはなはだ強い。第2には,貨幣経済の発展によって新しく町人の登場があり,その要求を反映した名所案内記や見聞記,遊女評判記などの実用的なものが多い。第3には,まだ新時代の文学観念が成熟していないために,室町時代小説のなごりがあり,題材に新しさが加わったにせよ,文体や描写態度にはまだ古い要素が多く見うけられる。

 第1類に属するものとしては,《清水(きよみず)物語》《二人比丘尼(ににんびくに)》のような作中の人物の対話をとおして儒教や仏教の教義を解説したもの,あるいは《可笑記》《悔草(くやみぐさ)》のような随筆的なもの,《仮名列女伝》《本朝女鑑(じよかん)》のような古来の名女賢女の逸話を集めて女性の道を鼓吹したもの,《堪忍記》《智恵鑑(ちえかがみ)》《因果物語》のような説話集がある。第2類としては,京都または東海道の名所案内をこころみながら作中人物のこっけいや狂歌をふくませた《竹斎》《東海道名所記》のようなものや,大坂の陣を叙した《大坂物語》,明暦の江戸大火を叙した《武蔵鐙(あぶみ)》,キリシタンの日本渡来の状況を記した《吉利支丹(キリシタン)物語》のような見聞記,さらにこの時期に栄えた遊里を紹介し評判した《あづま物語》《田夫(でんぷ)物語》《難波鉦(なにわどら)》などの遊女評判記,また金持になる心得を説いた《長者教》などがこれにあたり,第3類としては,《恨の介》《薄雪物語》《ねごと草》《浮世物語》など数多いが,なお《枕草子》や《伊勢物語》をもじった《尤(もつとも)草紙》《仁勢(にせ)物語》,翻訳物の《伊曾保物語》《棠陰比事(とういんひじ)》《御伽婢子(おとぎぼうこ)》,また,噺本としての《醒睡笑》などもこれに入れてよい。以上のように仮名草子の特色がいろいろであるのは,まだほんとうの小説観念が確立せず,時代の要求であった啓蒙性,教訓性,実用性が前面に出ているからである。だが未熟とはいえ,この時期にあらわれた小説形態がその後の江戸時代小説の大きな類型となり,とくに井原西鶴の小説出現の前駆となったことは見のがせない。
[野田 寿雄]

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検索コンテンツ
1. かなざうし【仮名草子】
全文全訳古語辞典
[近世小説のジャンル名]江戸初期、慶長年間(一五九六~一六一五)頃から、井原西鶴の浮世草子『好色一代男』が出版された一六八二年(天和二)までの、約八十年間の小説 ...
2. 仮名草子画像
日本大百科全書
研究史としては、明治の後半期に水谷不倒(ふとう)、藤岡作太郎らによって仮名草子が研究対象として取り上げられ、今日に及んでいる。いわゆる仮名草子と称される作品群は ...
3. 仮名草子
世界大百科事典
ったので,その文治政策を反映して,思想的には儒教や仏教による民間教化の傾向が強かった。ために仮名草子も第1に啓蒙的・教訓的な色彩がはなはだ強い。第2には,貨幣経 ...
4. かな‐ぞうし[‥ザウシ]【仮名草子】
日本国語大辞典
。〈行成仮名草子云々〉」*実隆公記‐明応六年〔1497〕八月二二日「仮名草子(〈注〉とはずかたり)挽合事被 ...
5. かなぞうし【仮名草子】
国史大辞典
仮名草子は中世の小説と本格的な近世小説である浮世草子との過渡的な存在である。当時仮名和書とか草紙とか呼ばれた種類の作品を指すが、内容的には案内記や教訓書のよう ...
6. 【仮名草子】かな ぞう(ざう)し
新選漢和辞典Web版
《国》江戸時代初期の短編小説の一種。啓蒙的・教訓的な物語、あるいは小説。  ...
7. 仮名草子集
日本古典文学全集
井原西鶴の浮世草子『好色一代男』の出た1682年までの約80年間に著述刊行された小説類のことを総称して「仮名草子」と言う。出版され、世間に流布した。浅井了意によ ...
8. あい[あひ]【間・合】
日本国語大辞典
*咄本・新板一口ばなし〔1839〕八「とし玉に酒一升おくれ。あいは頼まぬ」(2)とき。折。機会。場合。*仮名草子・都風俗鑑〔1681〕四「又都のわけをつとめたる ...
9. あいあい‐し・い【愛愛】
日本国語大辞典
趣に対して、散り残った帰花(かへりばな)の風情に見えた」(2)あいそがいい。なれなれしい。*仮名草子・露殿物語〔1624頃〕「かの君の御事を、くわしくかたり申さ ...
10. あいあい‐と
日本国語大辞典
aito (アイアイト) シタ ヒトヂャ〈訳〉あいそのよいあたたかい人だ。また親切な人だ」*仮名草子・長者教〔1627〕「人にはなさけをかけ、人の物をもむさぼら ...
11. あいぎょう‐づ・く[アイギャウ‥]【愛敬付】
日本国語大辞典
空蝉「頭つき額つき物あざやかに、まみ、口つき、いとあいぎゃうづき、はなやかなるかたちなり」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・九「うるはしき物のしなじな〈略〉心う ...
12. あい‐けん【愛見】
日本国語大辞典
愛見悲〓」*仮名草子・夫婦宗論物語〔1644~46頃〕「夫(それ)法花経の註にいはく、恩愛あひけんの涙は四大海よ ...
13. あい‐し・る[あひ‥]【相知】
日本国語大辞典
子〉」*伊勢物語〔10C前〕一九「御達なりける人をあひしりたりける、ほどもなくかれにけり」*仮名草子・仁勢物語〔1639~40頃〕上・一九「男、都人なりける女の ...
14. あい‐しる[あゐ‥]【藍汁】
日本国語大辞典
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕六「藍 澱附 〈略〉澱〈音殿阿井之流〉藍澱也。本草云木藍堪作澱」*仮名草子・悔草〔1647〕中「一日種疔の類は、白礬(はくはん)を ...
15. あい‐じゃく[‥ヂャク]【愛着・愛著】
日本国語大辞典
アイヂャク」*日葡辞書〔1603~04〕「アイシュウ。すなわち、フカクaigiacu (アイヂャク) スル」*仮名草子・二人比丘尼〔1632頃〕上「火はしんゐの ...
16. あいぜん‐おう[‥ワウ]【愛染王】
日本国語大辞典
〔名〕仏語。(1)「あいぜんみょうおう(愛染明王)」の略。*伊呂波字類抄〔鎌倉〕「愛染王」*仮名草子・恨の介〔1609~17頃〕上「仏にだにもあいぜんわう、神だ ...
17. あい‐そむ・く[あひ‥]【相背】
日本国語大辞典
改まった言い方)反対する。言うことをきかない。*文明本節用集〔室町中〕「相背 アイソムキ」*仮名草子・竹斎〔1621~23〕下「堅く切腹の所を制し止めよ。もしあ ...
18. あい‐どの[あひ‥]【相殿】
日本国語大辞典
3〕上・雄略「天孫瓊瓊杵(あめみまににぎ)の尊(みこと)此宮の相殿(アヒドノ)にまします」*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕四「されば素盞烏尊(そさの ...
19. あい‐の‐て[あひ‥]【合手・間手】
日本国語大辞典
地唄や箏曲(そうきょく)では手事(てごと)と呼ぶ。琵琶楽では弾法(だんぽう)ともいう。間の曲。*仮名草子・恨の介〔1609~17頃〕上「今様の三味線を転手(てん ...
20. あい は 屋上(おくじょう)の=烏(からす)[=鳥(とり)]にも及(およ)ぶ
日本国語大辞典
」による)人やものを熱愛するあまりに、それにすこしでも関係あるものを広く愛するの意。屋烏(おくう)の愛。*仮名草子・可笑記〔1642〕五「古き詞に、いかりは水中 ...
21. 愛(あい)は屋上(おくじょう)の鳥(とり)にも及(およ)ぶ
故事俗信ことわざ大辞典
「愛、屋烏(おくう)に及ぶ」に同じ。 仮名草子・可笑記(1642)五「古き詞に、いかりは水中の蟹(かに)にもうつり愛(アイ)は屋上の鳥(トリ)にも及(オヨ)ぶと ...
22. あい‐ぼれ[あひ‥]【相惚】
日本国語大辞典
〔名〕(1)互いに愛し合うこと。また、愛し合う恋人同士。相思相愛。*仮名草子・犬枕〔1606頃〕「したたるき物、あひぼれの目元」*俳諧・若狐〔1652〕上・六「 ...
23. あい‐ま・つ[あひ‥]【相待】
日本国語大辞典
「扶等陣を張り、将門を相待」*愚管抄〔1220〕四・後白河「今は参るらん。しばしあいまて」*仮名草子・竹斎〔1621~23〕上「御通り候はば、道にて直(じき)に ...
24. あい‐もち[あひ‥]【相持】
日本国語大辞典
(3)両方、優劣のないこと。あいこ。ひきわけ。もち。(4)互いに助け合う関係にあること。持ち合い。*仮名草子・祇園物語〔1644頃〕下「衆生は互にたすけたすけら ...
25. あい‐やど[あひ‥]【相宿】
日本国語大辞典
または同じ部屋に泊まり合わせること。また、その人。同宿。相部屋。相やどり。相どまり。相ざしき。*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕四「座しきもきれいな、 ...
26. あい‐よみ[あひ‥]【相読】
日本国語大辞典
*日葡辞書〔1603~04〕「Aiyomi (アイヨミ)〈訳〉同じ物を他の者といっしょに数える」*仮名草子・仁勢物語〔1639~40頃〕上・三七「札立ちて極めし ...
27. あい‐よめ[あひ‥]【相嫁】
日本国語大辞典
〈逐理二音和名阿比与女〉」*日葡辞書〔1603~04〕「Aiyome (アイヨメ)〈訳〉兄弟の妻」*仮名草子・都風俗鑑〔1681〕三「いつしかにそろそろと行儀み ...
28. あい を 通(とお)る
日本国語大辞典
中間に位置する。*仮名草子・都風俗鑑〔1681〕四「風呂屋者一流、此風に上中下の品あり。茶屋女と、やす傾城の相(アヒ)をとをりたるものなり」 ...
29. あう は 別(わか)れ
日本国語大辞典
恋ひける〈藤原定家〉」*謡曲・班女〔1435頃〕「よしや思へばこれもげに、逢ふは別かれなるべき」*仮名草子・恨の介〔1609~17頃〕下「素(もと)よりあふは別 ...
30. 会(あ)うは別(わか)れ
故事俗信ことわざ大辞典
恋ひける〈藤原定家〉」謡曲・班女(1435頃)「よしや思へばこれもげに、逢ふは別かれなるべき」仮名草子・恨の介(1609~17頃)下「素(もと)よりあふは別れ、 ...
31. あう は 別(わか)れの始(はじ)め
日本国語大辞典
ふは別れの始とは申せども、加様にはか無い御別に成(なら)うと存じたらば、御馴染申まい物を」*仮名草子・竹斎〔1621~23〕上「会者定離(ゑしゃでうり)と聞く時 ...
32. 会(あ)うは別(わか)れの始(はじ)め
故事俗信ことわざ大辞典
逢ふは別れの始とは申せども、加様にはか無い御別に成(なら)うと存じたらば、御馴染申まい物を」仮名草子・竹斎(1621~23)上「会者定離(ゑしゃでうり)と聞く時 ...
33. あお‐いし[あを‥]【青石】
日本国語大辞典
蝉石(せみいし)等の結晶片岩など。特に庭石に用いる。秩父青石、紀州青石、伊予青石などをいう。*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・七「きれいなる物の品々〈略〉庭に青 ...
34. あおい の 祭(まつり)
日本国語大辞典
「あおいまつり(葵祭)」に同じ。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一〇「鴨の宮居に詣でつつ、葵(アフヒ)のまつり、競馬(きそひむま)見しは昔に成にけり」*雑 ...
35. あおい‐まつり[あふひ‥]【葵祭】
日本国語大辞典
意味した。賀茂の祭。北祭。みあれ。《季・夏》*俳諧・毛吹草〔1638〕二「四月〈略〉葵祭 中酉」*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕六「此神のまつりはま ...
36. あお‐うめ[あを‥]【青梅】
日本国語大辞典
《季・夏》*御湯殿上日記‐文明一〇年〔1478〕六月一八日「きたのの御し。あをむめまいらする」*仮名草子・竹斎〔1621~23〕下「御悪阻(つはり)の癖としてあ ...
37. あお‐うり[あを‥]【青瓜】
日本国語大辞典
瓜也」*塵芥〔1510~50頃〕「青瓜 アヲウリ」*仮名草子・仁勢物語〔1639~40頃〕上・一二二「山城の狛(こま)の青ふり手に握り契りし甲斐も無き世 ...
38. あおぎ‐け・す[あふぎ‥]【扇消】
日本国語大辞典
*御伽草子・業平夢物語(岩波文庫所収)〔室町末〕「ともし火をあふぎ消してみすおろしければ」*仮名草子・恨の介〔1609~17頃〕下「詰(つま)り詰りの燈火(とも ...
39. あお・ぐ[あふぐ]【仰】
日本国語大辞典
すなはち座をたたれにけり」*平家物語〔13C前〕五・富士川「孤嶋の幽祠に詣で、瑞籬の下に明恩を仰ぎ」*仮名草子・伊曾保物語〔1639頃〕中・一五「されば人間天道 ...
40. あお‐さぎ[あを‥]【青鷺】
日本国語大辞典
寝屋中〓」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・二九「あをき物のしなじな〈略〉青鷺(サギ)の汁に、あをひばり、青じと ...
41. あお‐ちゃ[あを‥]【青茶】
日本国語大辞典
上揃(うわぞろえ)。*日葡辞書〔1603~04〕「Auocha (アヲチャ)〈訳〉甚しく緑色をした茶」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・二九「あをき物のしなじな ...
42. あお‐つづら[あを‥]【青葛】
日本国語大辞典
しづがつま木のおのの音、これらが音信(をとづれ)ならでは、まさ木のかづら青つづら、くる人まれなる所なり」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・一「ながき物のしなじな ...
43. あお‐どうしん[あをダウシン]【青道心】
日本国語大辞典
熊野新宮軍事「入道宣ひけるは、大方発(おこ)すまじきは、弓取の青(アヲ)道心にて有りけり」*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕一「青道心(アヲダウシン) ...
44. あお‐なし[あを‥]【青梨】
日本国語大辞典
〓進御贄〈略〉甲斐。青梨子」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・二九「あをき物のしなじな〈略〉あをな、青のり、青なしや、色々のくゎし ...
45. あお‐のうれん[あを‥]【青暖簾】
日本国語大辞典
*俳諧・正章千句〔1648〕七・秋蛍「霞むつぼねのうちはお床し あたたかな青暖簾のかいまみに」*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕六「はし傾城は蜂の巣の ...
46. あお‐ひば[あを‥]【青檜葉】
日本国語大辞典
〔名〕植物「しらびそ(白檜曾)」の異名。*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・七「きれいなる物の品々〈略〉青ひばのかり屋」 ...
47. あお‐ひばり[あを‥]【青雲雀】
日本国語大辞典
の。*日葡辞書〔1603~04〕「Auofibari (アヲヒバリ)」(2)ひばりの一種。*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・二九「あをき物のしなじな〈略〉青鷺の ...
48. あおやぎ の 糸(いと)
日本国語大辞典
まさりゆく」*山家集〔12C後〕上「なかなかに風のほすにぞ乱れける雨に濡れたる青柳のいと」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・一「ながき物のしなじな〈略〉正木のか ...
49. あか‐うら【赤裏】
日本国語大辞典
一三・藤房卿遁世事「其後大理は巻纓の老懸(おいかけ)に赤裏の表の袴、靴(くゎ)の沓はいて」*仮名草子・仁勢物語〔1639~40頃〕下・六一「男、頭巾まで、あかう ...
50. あか‐がえる[‥がへる]【赤蛙】
日本国語大辞典
う俗信があり、皮と腸を取り去り、しょうゆで付け焼きにして食べさせる。やまがえる。《季・春》*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・二「疳の虫、癖の病ありとて、痩疲 ...
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平安時代末期の物語。運命のいたずらで女装、男装を余儀なくされた異腹の兄妹の物語。作者未詳。三巻三冊または四巻四冊。『とりかへばや』には古本と今本とがあり、古本は散佚、古本を改作した「今とりかへばや」が『とりかへばや』『とりかへばや物語』の名で現存する。
今鏡(日本大百科全書・世界大百科事典)
平安末期の歴史物語。1170年(嘉応2)成立説とそれ以後とする説とがあり、作者は藤原為経(寂超)説が有力。『大鏡』を受けて、1025年(万寿2)から1170年までの歴史を、座談形式を用い、紀伝体で叙述したもの。巻1~3は後一条天皇から高倉天皇までの帝紀、巻4~6は藤原氏
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無名草子(日本古典文学全集・日本大百科全書・世界大百科事典)
〔一〕この世に生をうけて以来の八十三年間の年月が、ただ無為に過ぎてしまうことを思うと、大変悲しく、たまたま人間として生れてきた思い出に、死後の形見にするほどのこともなくて生涯が終ってしまいそうな悲しさに、髪を剃り、衣を墨染にして、どうにか姿ばかりは
讃岐典侍日記(日本古典文学全集・国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
〔一〕五月の空も、わたしの心に似て、雲に閉ざされ、雨が降り続いて、田植えに濡れた農夫の着物の裾も、わたしの衣の袖のように、干すことができずに困っているであろうが、それももっともなことと思われ、ただでさえうっとうしい折しも、何かと気を遣うことのない自宅
仮名手本忠臣蔵(日本古典文学全集・日本大百科全書・世界大百科事典)
第一 鶴岡の饗応(兜改め) 〔一〕御馳走があっても食べてみないとそのうまさが味わえないということは、国が平和に治っている時は立派な武士の忠義も武勇も隠れているのに例えられ、それは星が昼には見えないで夜はきらめいて現れるようなものである。その例をここに
西鶴諸国ばなし(日本古典文学全集・世界大百科事典・日本大百科全書)
西鶴諸国ばなし(扉)絵入 西鶴諸国はなし 一(扉)巻一 あらまし大下馬 巻一 目録公事は破らずに勝つ見せぬ所は女大工大晦日はあはぬ算用傘の御託宣不思議のあし音雲中の腕押し狐四天王絵入 西鶴諸国はなし 二(扉)巻二 あらまし大下馬 巻二 目録姿の飛び乗
好色一代女(日本古典文学全集・世界大百科事典・日本大百科全書)
老女の隠れ家 「美女は男の命を断つ斧」と昔の人もいっている。咲いた花がいつか散り、枝は夕の薪となるように、人間もいつか年老いて死んでいくのは誰も逃れられぬ運命である。しかし、それを時ならぬ朝の嵐に散らすように、色道に溺れて若死にする人ほど愚かな者
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