1. かなざうし【仮名草子】
全文全訳古語辞典
[近世小説のジャンル名]江戸初期、慶長年間(一五九六~一六一五)頃から、井原西鶴の浮世草子『好色一代男』が出版された一六八二年(天和二)までの、約八十年間の小説 ...
2. 仮名草子画像
日本大百科全書
研究史としては、明治の後半期に水谷不倒(ふとう)、藤岡作太郎らによって仮名草子が研究対象として取り上げられ、今日に及んでいる。いわゆる仮名草子と称される作品群は ...
3. 仮名草子
世界大百科事典
ったので,その文治政策を反映して,思想的には儒教や仏教による民間教化の傾向が強かった。ために仮名草子も第1に啓蒙的・教訓的な色彩がはなはだ強い。第2には,貨幣経 ...
4. かな‐ぞうし[‥ザウシ]【仮名草子】
日本国語大辞典
。〈行成仮名草子云々〉」*実隆公記‐明応六年〔1497〕八月二二日「仮名草子(〈注〉とはずかたり)挽合事被 ...
5. かなぞうし【仮名草子】
国史大辞典
仮名草子は中世の小説と本格的な近世小説である浮世草子との過渡的な存在である。当時仮名和書とか草紙とか呼ばれた種類の作品を指すが、内容的には案内記や教訓書のよう ...
6. 【仮名草子】かな ぞう(ざう)し
新選漢和辞典Web版
《国》江戸時代初期の短編小説の一種。啓蒙的・教訓的な物語、あるいは小説。 ...
7. 仮名草子集
日本古典文学全集
井原西鶴の浮世草子『好色一代男』の出た1682年までの約80年間に著述刊行された小説類のことを総称して「仮名草子」と言う。出版され、世間に流布した。浅井了意によ ...
8. あい[あひ]【間・合】
日本国語大辞典
*咄本・新板一口ばなし〔1839〕八「とし玉に酒一升おくれ。あいは頼まぬ」(2)とき。折。機会。場合。*仮名草子・都風俗鑑〔1681〕四「又都のわけをつとめたる ...
9. あいあい‐し・い【愛愛】
日本国語大辞典
趣に対して、散り残った帰花(かへりばな)の風情に見えた」(2)あいそがいい。なれなれしい。*仮名草子・露殿物語〔1624頃〕「かの君の御事を、くわしくかたり申さ ...
10. あいあい‐と
日本国語大辞典
aito (アイアイト) シタ ヒトヂャ〈訳〉あいそのよいあたたかい人だ。また親切な人だ」*仮名草子・長者教〔1627〕「人にはなさけをかけ、人の物をもむさぼら ...
11. あいぎょう‐づ・く[アイギャウ‥]【愛敬付】
日本国語大辞典
空蝉「頭つき額つき物あざやかに、まみ、口つき、いとあいぎゃうづき、はなやかなるかたちなり」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・九「うるはしき物のしなじな〈略〉心う ...
12. あい‐けん【愛見】
日本国語大辞典
愛見悲
」*
仮名草子・夫婦宗論物語〔1644~46頃〕「夫(それ)法花経の註にいはく、恩愛あひけんの涙は四大海よ
...13. あい‐し・る[あひ‥]【相知】
日本国語大辞典
子〉」*伊勢物語〔10C前〕一九「御達なりける人をあひしりたりける、ほどもなくかれにけり」*仮名草子・仁勢物語〔1639~40頃〕上・一九「男、都人なりける女の ...
14. あい‐しる[あゐ‥]【藍汁】
日本国語大辞典
*十巻本和名類聚抄〔934頃〕六「藍 澱附 〈略〉澱〈音殿阿井之流〉藍澱也。本草云木藍堪作澱」*仮名草子・悔草〔1647〕中「一日種疔の類は、白礬(はくはん)を ...
15. あい‐じゃく[‥ヂャク]【愛着・愛著】
日本国語大辞典
アイヂャク」*日葡辞書〔1603~04〕「アイシュウ。すなわち、フカクaigiacu (アイヂャク) スル」*仮名草子・二人比丘尼〔1632頃〕上「火はしんゐの ...
16. あいぜん‐おう[‥ワウ]【愛染王】
日本国語大辞典
〔名〕仏語。(1)「あいぜんみょうおう(愛染明王)」の略。*伊呂波字類抄〔鎌倉〕「愛染王」*仮名草子・恨の介〔1609~17頃〕上「仏にだにもあいぜんわう、神だ ...
17. あい‐そむ・く[あひ‥]【相背】
日本国語大辞典
改まった言い方)反対する。言うことをきかない。*文明本節用集〔室町中〕「相背 アイソムキ」*仮名草子・竹斎〔1621~23〕下「堅く切腹の所を制し止めよ。もしあ ...
18. あい‐どの[あひ‥]【相殿】
日本国語大辞典
3〕上・雄略「天孫瓊瓊杵(あめみまににぎ)の尊(みこと)此宮の相殿(アヒドノ)にまします」*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕四「されば素盞烏尊(そさの ...
19. あい‐の‐て[あひ‥]【合手・間手】
日本国語大辞典
地唄や箏曲(そうきょく)では手事(てごと)と呼ぶ。琵琶楽では弾法(だんぽう)ともいう。間の曲。*仮名草子・恨の介〔1609~17頃〕上「今様の三味線を転手(てん ...
20. あい は 屋上(おくじょう)の=烏(からす)[=鳥(とり)]にも及(およ)ぶ
日本国語大辞典
」による)人やものを熱愛するあまりに、それにすこしでも関係あるものを広く愛するの意。屋烏(おくう)の愛。*仮名草子・可笑記〔1642〕五「古き詞に、いかりは水中 ...
21. 愛(あい)は屋上(おくじょう)の鳥(とり)にも及(およ)ぶ
故事俗信ことわざ大辞典
「愛、屋烏(おくう)に及ぶ」に同じ。 仮名草子・可笑記(1642)五「古き詞に、いかりは水中の蟹(かに)にもうつり愛(アイ)は屋上の鳥(トリ)にも及(オヨ)ぶと ...
22. あい‐ぼれ[あひ‥]【相惚】
日本国語大辞典
〔名〕(1)互いに愛し合うこと。また、愛し合う恋人同士。相思相愛。*仮名草子・犬枕〔1606頃〕「したたるき物、あひぼれの目元」*俳諧・若狐〔1652〕上・六「 ...
23. あい‐ま・つ[あひ‥]【相待】
日本国語大辞典
「扶等陣を張り、将門を相待」*愚管抄〔1220〕四・後白河「今は参るらん。しばしあいまて」*仮名草子・竹斎〔1621~23〕上「御通り候はば、道にて直(じき)に ...
24. あい‐もち[あひ‥]【相持】
日本国語大辞典
(3)両方、優劣のないこと。あいこ。ひきわけ。もち。(4)互いに助け合う関係にあること。持ち合い。*仮名草子・祇園物語〔1644頃〕下「衆生は互にたすけたすけら ...
25. あい‐やど[あひ‥]【相宿】
日本国語大辞典
または同じ部屋に泊まり合わせること。また、その人。同宿。相部屋。相やどり。相どまり。相ざしき。*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕四「座しきもきれいな、 ...
26. あい‐よみ[あひ‥]【相読】
日本国語大辞典
*日葡辞書〔1603~04〕「Aiyomi (アイヨミ)〈訳〉同じ物を他の者といっしょに数える」*仮名草子・仁勢物語〔1639~40頃〕上・三七「札立ちて極めし ...
27. あい‐よめ[あひ‥]【相嫁】
日本国語大辞典
〈逐理二音和名阿比与女〉」*日葡辞書〔1603~04〕「Aiyome (アイヨメ)〈訳〉兄弟の妻」*仮名草子・都風俗鑑〔1681〕三「いつしかにそろそろと行儀み ...
28. あい を 通(とお)る
日本国語大辞典
中間に位置する。*仮名草子・都風俗鑑〔1681〕四「風呂屋者一流、此風に上中下の品あり。茶屋女と、やす傾城の相(アヒ)をとをりたるものなり」 ...
29. あう は 別(わか)れ
日本国語大辞典
恋ひける〈藤原定家〉」*謡曲・班女〔1435頃〕「よしや思へばこれもげに、逢ふは別かれなるべき」*仮名草子・恨の介〔1609~17頃〕下「素(もと)よりあふは別 ...
30. 会(あ)うは別(わか)れ
故事俗信ことわざ大辞典
恋ひける〈藤原定家〉」謡曲・班女(1435頃)「よしや思へばこれもげに、逢ふは別かれなるべき」仮名草子・恨の介(1609~17頃)下「素(もと)よりあふは別れ、 ...
31. あう は 別(わか)れの始(はじ)め
日本国語大辞典
ふは別れの始とは申せども、加様にはか無い御別に成(なら)うと存じたらば、御馴染申まい物を」*仮名草子・竹斎〔1621~23〕上「会者定離(ゑしゃでうり)と聞く時 ...
32. 会(あ)うは別(わか)れの始(はじ)め
故事俗信ことわざ大辞典
逢ふは別れの始とは申せども、加様にはか無い御別に成(なら)うと存じたらば、御馴染申まい物を」仮名草子・竹斎(1621~23)上「会者定離(ゑしゃでうり)と聞く時 ...
33. あお‐いし[あを‥]【青石】
日本国語大辞典
蝉石(せみいし)等の結晶片岩など。特に庭石に用いる。秩父青石、紀州青石、伊予青石などをいう。*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・七「きれいなる物の品々〈略〉庭に青 ...
34. あおい の 祭(まつり)
日本国語大辞典
「あおいまつり(葵祭)」に同じ。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一〇「鴨の宮居に詣でつつ、葵(アフヒ)のまつり、競馬(きそひむま)見しは昔に成にけり」*雑 ...
35. あおい‐まつり[あふひ‥]【葵祭】
日本国語大辞典
意味した。賀茂の祭。北祭。みあれ。《季・夏》*俳諧・毛吹草〔1638〕二「四月〈略〉葵祭 中酉」*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕六「此神のまつりはま ...
36. あお‐うめ[あを‥]【青梅】
日本国語大辞典
《季・夏》*御湯殿上日記‐文明一〇年〔1478〕六月一八日「きたのの御し。あをむめまいらする」*仮名草子・竹斎〔1621~23〕下「御悪阻(つはり)の癖としてあ ...
37. あお‐うり[あを‥]【青瓜】
日本国語大辞典
瓜也」*塵芥〔1510~50頃〕「青瓜 アヲウリ」*仮名草子・仁勢物語〔1639~40頃〕上・一二二「山城の狛(こま)の青ふり手に握り契りし甲斐も無き世 ...
38. あおぎ‐け・す[あふぎ‥]【扇消】
日本国語大辞典
*御伽草子・業平夢物語(岩波文庫所収)〔室町末〕「ともし火をあふぎ消してみすおろしければ」*仮名草子・恨の介〔1609~17頃〕下「詰(つま)り詰りの燈火(とも ...
39. あお・ぐ[あふぐ]【仰】
日本国語大辞典
すなはち座をたたれにけり」*平家物語〔13C前〕五・富士川「孤嶋の幽祠に詣で、瑞籬の下に明恩を仰ぎ」*仮名草子・伊曾保物語〔1639頃〕中・一五「されば人間天道 ...
40. あお‐さぎ[あを‥]【青鷺】
日本国語大辞典
寝屋中
」*
仮名草子・尤双紙〔1632〕上・二九「あをき物のしなじな〈略〉青鷺(サギ)の汁に、あをひばり、青じと
...41. あお‐ちゃ[あを‥]【青茶】
日本国語大辞典
上揃(うわぞろえ)。*日葡辞書〔1603~04〕「Auocha (アヲチャ)〈訳〉甚しく緑色をした茶」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・二九「あをき物のしなじな ...
42. あお‐つづら[あを‥]【青葛】
日本国語大辞典
しづがつま木のおのの音、これらが音信(をとづれ)ならでは、まさ木のかづら青つづら、くる人まれなる所なり」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・一「ながき物のしなじな ...
43. あお‐どうしん[あをダウシン]【青道心】
日本国語大辞典
熊野新宮軍事「入道宣ひけるは、大方発(おこ)すまじきは、弓取の青(アヲ)道心にて有りけり」*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕一「青道心(アヲダウシン) ...
44. あお‐なし[あを‥]【青梨】
日本国語大辞典
進御贄〈略〉甲斐。青梨子」*
仮名草子・尤双紙〔1632〕上・二九「あをき物のしなじな〈略〉あをな、青のり、青なしや、色々のくゎし
...45. あお‐のうれん[あを‥]【青暖簾】
日本国語大辞典
*俳諧・正章千句〔1648〕七・秋蛍「霞むつぼねのうちはお床し あたたかな青暖簾のかいまみに」*仮名草子・東海道名所記〔1659~61頃〕六「はし傾城は蜂の巣の ...
46. あお‐ひば[あを‥]【青檜葉】
日本国語大辞典
〔名〕植物「しらびそ(白檜曾)」の異名。*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・七「きれいなる物の品々〈略〉青ひばのかり屋」 ...
47. あお‐ひばり[あを‥]【青雲雀】
日本国語大辞典
の。*日葡辞書〔1603~04〕「Auofibari (アヲヒバリ)」(2)ひばりの一種。*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・二九「あをき物のしなじな〈略〉青鷺の ...
48. あおやぎ の 糸(いと)
日本国語大辞典
まさりゆく」*山家集〔12C後〕上「なかなかに風のほすにぞ乱れける雨に濡れたる青柳のいと」*仮名草子・尤双紙〔1632〕上・一「ながき物のしなじな〈略〉正木のか ...
49. あか‐うら【赤裏】
日本国語大辞典
一三・藤房卿遁世事「其後大理は巻纓の老懸(おいかけ)に赤裏の表の袴、靴(くゎ)の沓はいて」*仮名草子・仁勢物語〔1639~40頃〕下・六一「男、頭巾まで、あかう ...
50. あか‐がえる[‥がへる]【赤蛙】
日本国語大辞典
う俗信があり、皮と腸を取り去り、しょうゆで付け焼きにして食べさせる。やまがえる。《季・春》*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・二「疳の虫、癖の病ありとて、痩疲 ...