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浮世草子

ジャパンナレッジで閲覧できる『浮世草子』の日本大百科全書・世界大百科事典のサンプルページ

日本大百科全書(ニッポニカ)
浮世草子
うきよぞうし

1682年(天和2)刊の井原西鶴(さいかく)作『好色一代男』を起点に、100年間主として京坂で行われた、社会の風俗描写を基本的な方法とする小説群の総称。
[長谷川強]

第1期(1682~1699年)

『好色一代男』は当時の現実肯定的風潮の下に、着想、描写の奇警さで歓迎され、西鶴自身『好色二代男』以下の好色物を出すとともに、『武道伝来記』などの武家物、『日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)』『世間胸算用(むねさんよう)』などの町人物、『西鶴諸国ばなし』などの雑話物と対象を広げ、題材、方法ともに新境地を開き、以後の作者の指針となった。同時期に京都の本屋西村市郎右衛門の作(西村本)があるが、西鶴に及ばない。西鶴の好色物はとくに歓迎され、1693年(元禄6)の西鶴没後も亜流の好色短編集が多出したが、雲風子林鴻(うんぷうしりんこう)の『好色産毛(うぶげ)』、夜食時分(やしょくじぶん)の『好色万金丹(まんきんたん)』はそのなかの秀作である。
[長谷川強]

第2期(1700~1711年)

第1期末の好色物一辺倒の風潮を破ったのが、西沢一風(いっぷう)の『御前義経記(ごぜんぎけいき)』(1700)と江島其磧(えじまきせき)の『けいせい色三味線(いろじゃみせん)』(1701)である。前者は古典、演劇の利用により伝奇化、長編化の道を開き、後者は構成の整正、複雑と趣向の奇で人気を得た。後者の版元の京都の八文字屋(はちもんじや)八左衛門(号自笑(じしょう))の才と、一風、其磧両者の競作がこの期の浮世草子界の動向を定めた。古典利用による長編化と新題材の採取、演劇色導入による筋の複雑化、演劇と同一事件を取り上げての長編事実小説、それらを覆う構成、趣向の重視などが作品にうかがえる。都の錦(みやこのにしき)は和漢古典利用による衒学的(げんがくてき)な作品を出し、北条団水(だんすい)、青木鷺水(ろすい)、月尋堂(げつじんどう)などが和漢説話に題材を得た短編集を出し、錦文流(にしきぶんりゅう)に長編の事実小説の作がある。しかし一風、其磧の抗争は、1711年(正徳1)の其磧の『傾城禁短気(けいせいきんたんき)』という当期の趣向重視の傾向の頂点となる作により、其磧の勝利に終わり、一風は浮世草子の作から遠ざかるようになる。
[長谷川強]

第3期(1712~1735年)

其磧は八文字屋より作品を出していたが、1711年前後より利益配分をめぐって八文字屋と抗争する。其磧に有利な解決を得られぬままに和解に至るが、その間に八文字屋を圧倒しようと新趣向の作を出すことに努力し、『世間子息気質(むすこかたぎ)』(1715)などの気質物を創始したこと、実際事件と浄瑠璃(じょうるり)、歌舞伎(かぶき)の趣向、構成法を結び付けた長編の時代物を書き始めたことは注目される。和解後、浮世草子界は本屋八文字屋と作者其磧の制圧下に置かれ、江戸移出のルートもできた。後年八文字屋本の称が生まれるのもこの全盛を背景とする。この間、其磧の作の多くは浄瑠璃、歌舞伎翻案の時代物で、長編小説構成技法の進歩にみるべきものがあるが、前期の作の緊張は失われるに至る。この期は其磧の死をもって終わる。
[長谷川強]

第4期(1736~1766年)

八文字屋は其磧にかわって多田南嶺(ただなんれい)を作者に起用する。南嶺は学者であるが、余技に筆をとり、浄瑠璃、歌舞伎翻案の時代物が多い。気質物の『鎌倉諸芸袖日記(そでにっき)』(1743)が代表作である。彼の作は皮肉で才気に満ち、複雑で技巧的であるが、余技の気安さからか質的にむらが多い。1750年(寛延3)の彼の死後、自笑の孫八文字瑞笑(ずいしょう)らが時代物を出すが、力量不足のうえに、時代物の基盤であった上方(かみがた)の浄瑠璃界の衰退という事情もあり、振るわず、1766年(明和3)八文字屋は従来出版の版木の大部分を他に譲渡し、浮世草子出版の第一線から退くに至る。
[長谷川強]

第5期(1767~1783年)

この期の初めに上田秋成(あきなり)が和訳(わやく)太郎の筆名で出した気質物『諸道聴耳世間猿(しょどうききみみせけんざる)』(1766)、『世間妾形気(てかけかたぎ)』(1767)は秀作であるが、気質物を多作したのは永井堂亀友(ながいどうきゆう)で、奇を求め人情を離れた極端な性格を描き、凡作が多い。大雅舎其鳳(たいがしゃきほう)(荻坊奥路(おぎのぼうおくろ))を作者に大坂の吉文字屋(きちもんじや)市兵衛が浮世草子を多く出し、当時流行の中国白話(はくわ)小説の利用など努力はみられるが、才能不足で浮世草子回生の効はなかった。江戸の地の新興文学隆盛に反し、浮世草子はやがて衰滅するのである。
[長谷川強]



改訂新版 世界大百科事典
浮世草子
うきよぞうし

1682年(天和2)の井原西鶴の《好色一代男》より約100年,天明初年までのあいだ,主として京坂の地で行われた,現実的な態度で風俗・人情を描くことを基本的な姿勢とする小説の総称。西鶴の活動によって,町人はみずからの文学をはじめて獲得したといってよい。浮世草子の語の用例は1600年代末より散見するが,好色物を主とする理解がなされており,使用は一般的でなく,明治以後文学史の術語として採用された。当時の現実肯定的な風潮と遊女評判記の盛行の下に成った《一代男》は絶大な人気を得,西鶴はつぎつぎと好色物を書き,人間臭い奇異談集《西鶴諸国ばなし》(1685)などの雑話物,武士を扱う《武道伝来記》(1687)などの武家物,町人の経済生活を扱う《日本永代蔵》(1688)などの町人物と,金銭など従来文学で避けられたものまでを対象に,鋭利な人間観察と印象鮮烈な表現による新境地を開いた。1700年(元禄13)ごろまで西鶴追随の好色短編集が多出し,夜食時分の《好色万金丹》(1694),雲風子林鴻(うんぷうしりんこう)の《好色産毛(うぶげ)》(1692-96)などが優れる。1700年刊の西沢一風の《風流御前義経記(ごぜんぎけいき)》,翌年の江島其磧(きせき)の《けいせい色三味線》より浮世草子は新方向をとる。演劇色・古典色の導入,世相への敏感な反応,趣向重視,整合性志向,長編化の傾向がそれで,頂点に立つ作は其磧の《傾城禁短気》(1711)であり,その間の都の錦,北条団水,青木鷺水(ろすい),月尋堂,錦文流の雑話物,武家物や実際の事件を脚色した長編作にも同じ風潮の反映がある。其磧は次いで《世間子息気質(むすこかたぎ)》(1715)などの気質物に新味を出し,1710年代以後人気歌舞伎・浄瑠璃翻案の長編の時代物を作る。演劇の人気で世人の関心をひき,武士的道義を盛り込んだうえに趣向をこらすことができ,没年1735年(享保20)に至るまで多くの作がある。次いで多田南嶺(なんれい)(1750没)に時代物の作が多く,気質物《鎌倉諸芸袖日記》(1743)は佳作。其磧,南嶺の作の多くは京都の八文字屋から刊行,主人八左衛門の商才もあって小説界を制圧,これを〈八文字屋本〉という。末期の作者に永井堂亀友,大雅舎其鳳(荻坊奥路)などがあるが凡作多く,和訳太郎(上田秋成)の気質物《諸道聴耳(ききみみ)世間猿》(1766)など2作が優れるのみである。小説の近世的方法は西鶴にはじまったといってよい。以後の技法面の細緻化,技巧重視は当時の工芸,芸能,文学全般とも歩調を合わせたもので,後期江戸文学にも影響を与えている。出版ジャーナリズムという面からも八文字屋の活躍は注目される。しかし特定業者の寡占が作者の独自性をそこない,新しい文学の波に乗りきれずに衰滅に至る。
[長谷川 強]

[索引語]
西鶴 好色産毛(うぶげ) 江島其磧 傾城禁短気 鎌倉諸芸袖日記
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検索ヒット数 27282
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検索コンテンツ
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〔名詞〕江戸時代の小説の一部門。当世風の草子(=物語・話)の意。現実の世相を写実的に描いた。扱う題材により、好色物・町人物・武家物・気質物などがある。井原西鶴の ...
2. 浮世草子画像
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3. 浮世草子
世界大百科事典
基本的な姿勢とする小説の総称。西鶴の活動によって,町人はみずからの文学をはじめて獲得したといってよい。浮世草子の語の用例は1600年代末より散見するが,好色物を ...
4. うきよ‐ぞうし[‥ザウシ]【浮世草子】
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安永(一七七二~八一)頃までの約一〇〇年間、主として上方を中心に出版された写実的な庶民文学をさす。浮世本。*浮世草子・風流比翼鳥〔1707〕一〇「末はよし原細見 ...
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6. 浮世草子
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7. 【浮世草子】うきよ ぞう(ざう)し
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8. 浮世草子集
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井原西鶴の『好色一代男』(1682年)以降、約100年間、上方を中心に流行した近世小説のことを「浮世草子」という。遊里遊びを描く『好色敗毒散(こうしょくはいどく ...
9. 逸題浮世草子(著作ID:4372307)
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10. ああ〓(え)ず
日本国語大辞典
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11. ああら
日本国語大辞典
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12. あい【愛】[方言]
日本方言大辞典
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13. あい[方言]
日本方言大辞典
日本放送協会)1966~67 宮崎県西臼杵郡038全国方言資料(日本放送協会)1966~67浮世草子好色一代女三・四「呼もあそばさぬにあいあいと御返事申て」《あ ...
14. あい【愛】
日本国語大辞典
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15. あい‐あい
日本国語大辞典
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16. あい‐あい[あひあひ]【相合・相相】
日本国語大辞典
られる。*禅鳳雑談〔1513頃〕中「おさないの能、にあいたる能を、あひあひとし候てよく候」*浮世草子・昼夜用心記〔1707〕二・一「ここは隣の旅籠屋と田楽茶屋と ...
17. あいあい‐いど[あひあひゐど]【相合井戸】
日本国語大辞典
〔名〕近所の者が共同で使う井戸。*浮世草子・本朝桜陰比事〔1689〕三・目録「あいやい井戸は水汲ため、金はわかぬに極まれる事」*浄瑠璃・傾城八花形〔1703〕三 ...
18. あいあい‐よぎ[あひあひ‥]【相合夜着】
日本国語大辞典
〔名〕同じ夜具を二人で用いること。また、共寝するときの夜具。相夜着。相合蒲団。*浮世草子・商人軍配団〔1712か〕四・正直の頭にやどる紙屋の仕合「女夫(めをと) ...
19. あい‐おい[あひおひ]【相生】
日本国語大辞典
*雑俳・芥子かのこ〔1716~36〕「相生をそっと見て置く斗り也」(5)「あいおいざし(相生挿)」の略。*浮世草子・西鶴織留〔1694〕一・一「立花は池の方に相 ...
20. あいおい の 松(まつ)
日本国語大辞典
き」*御伽草子・唐糸草子〔室町末〕「一千年の寿命も、あひ生(ヲヒ)のまつにしぐことはなし」*浮世草子・俗つれづれ〔1695〕三・四「なを相生(アヒヲヒ)の松餝り ...
21. 相生(あいお)いの松(まつ)
故事俗信ことわざ大辞典
でたき」御伽草子・唐糸草子(室町末)「一千年の寿命も、あひ生(ヲヒ)のまつにしぐことはなし」浮世草子・俗つれづれ(1695)三・四「なを相生(アヒヲヒ)の松餝り ...
22. あい‐おと[あひ‥]【合音】
日本国語大辞典
響。陣中などで、銃、笛、鐘、太鼓その他の音によって合図とするもの。合いことばに類したもの。*浮世草子・忠義太平記大全〔1717〕六・大岸同意の者国分寺に会合する ...
23. あい‐かぎ[あひ‥]【合鍵】
日本国語大辞典
ui (アイカギ)〈訳〉同じ錠前用の鍵。盗人が用いる、錠をこじあける道具。または偽造の鍵」*浮世草子・風流曲三味線〔1706〕五・一「相鍵(アヒカギ)を拵(こし ...
24. あい‐かた[あひ‥]【相方・合方】
日本国語大辞典
三味線を主としたものの名称。俳優の演技やせりふに合わせ、場面の雰囲気を盛り上げる効果をもつ。*浮世草子・傾城歌三味線〔1732〕五・二「真鳥の女勢揃の節所を語て ...
25. あい‐かべ[あひ‥]【合壁】
日本国語大辞典
小家共合壁無為、不思儀也」*俳諧・瀬とり舟〔1704〕「合壁はとらぬ雛子の敵(かたき)猫」*浮世草子・忠孝永代記〔1704〕五「御屋敷の合壁より出火ありし夜」 ...
26. あい‐かんぬし[あひ‥]【相神主】
日本国語大辞典
〔名〕同じ神社に奉仕する神主。*浮世草子・懐硯〔1687〕四・一「相神主(アイカンヌシ)の与五太夫が目をくらまして散銭をみなこちへしてやり」 ...
27. あい‐がしや[あひ‥]【相貸家・相借家】
日本国語大辞典
〔名〕同じ棟の下の貸家。また、同じ家主の家を借りている者同士。あいじゃくや。あいだな。*浮世草子・世間胸算用〔1692〕一・二「此相借(アイカシ)屋六七軒、何と ...
28. あい‐がね[あひ‥]【間金】
日本国語大辞典
〔名〕相場の高低によって、その間に生じる差額の金銭。相場の変動を利用して、さやをかせいだ金。*浮世草子・日本新永代蔵〔1713〕二・四「一とせ金子高下のくるひに ...
29. あい‐がわり[あひがはり]【相代】
日本国語大辞典
交代。(2)(「に」を伴って副詞的に用いられる)入れ代わりに。入り代わり立ち代わり。交代で。*浮世草子・世間妾形気〔1767〕二・一「出入の道具屋衆や医者衆が相 ...
30. あい‐き【〓気】
日本国語大辞典
あいき如何、これはあらいき也、〈荒息也。荒気也〉あら、反りて、あ也。いきに合て ほいき也」*浮世草子・武道伝来記〔1687〕五・一「胸痛 ...
31. あい‐きゃく[あひ‥]【相客】
日本国語大辞典
*虎明本狂言・飛越〔室町末~近世初〕「山一つあなたへ、今日すきにまいるが、あいきゃくは某次第と申てまいった」*浮世草子・好色一代女〔1686〕一・四「相客(アヒ ...
32. あいきょう‐の‐まもり[アイキャウ‥]【愛敬守】画像
日本国語大辞典
たお守り。愛染明王の守護札を雌雄二つに作ったもの。幸いの守り。掛け守り。あいきょうまもり。*浮世草子・好色二代男〔1684〕四・二「いづれ ...
33. 愛敬昔色好(著作ID:79301)
新日本古典籍データベース
あいきょうむかしおとこ 八文字自笑一世(はちもんじじしょう1せい) 浮世草子 正徳四成、享保一五刊 ...
34. あい‐ぎん[あひ‥]【合銀・間銀】
日本国語大辞典
〔名〕(1)手数料。口銭(こうせん)。合銭(あいせん)。*浮世草子・世間胸算用〔1692〕四・三「春のべの米を京の織物屋中間へ、毎年のくれに借入の肝煎(きもいり ...
35. あい‐くぎ[あひ‥]【間釘・合釘】
日本国語大辞典
継ぎ合わせるのに用いる。*俳諧・口真似草〔1656〕四・冬氷「箱樋のあい釘となるつらら哉〈昌次〉」*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・一「湧水(わきみづ)近く ...
36. あいくち の=友(とも)[=友(とも)だち]
日本国語大辞典
たのみとして」*俳諧・西鶴大矢数〔1681〕第一二「料理鍋には相口の友 昼過てまづ夕食をとくせなん」*浮世草子・好色産毛〔1695頃〕二・五「枕さびしく見し、相 ...
37. 合口(あいくち)の友(とも)
故事俗信ことわざ大辞典
たのみとして」俳諧・西鶴大矢数(1681)第一二「料理鍋には相口の友昼過てまづ夕食をとくせなん」浮世草子・好色産毛(1695頃)二・五「枕さびしく見し、相口の友 ...
38. あい‐こん【愛根】
日本国語大辞典
〔名〕執着や迷いをひきおこす原因となるもの。愛執の根源。*浮世草子・近代艷隠者〔1686〕四・五「書置細々(こまごま)と調へ、自ら愛根の髻(もとゆい)を切り捨」 ...
39. 愛護初冠女筆始(著作ID:594887)
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40. 愛護若一代記(著作ID:594989)
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41. あい‐ごろ[あひ‥]【合頃】
日本国語大辞典
*曾我物語〔南北朝頃〕一・おなじく相撲の事「是こそあひごろの力と聞け。さもあらば入道出でて、行司にたたん」*浮世草子・色縮緬百人後家〔1718〕一・一「くれない ...
42. あい‐さつ【挨拶】
日本国語大辞典
発句または連句において、主人または客が、相手に対する儀礼、親愛の気持をこめて句を詠むこと。*浮世草子・好色万金丹〔1694〕三・二「つむりつき玉のやうなぞ素露( ...
43. あい‐ざしき[あひ‥]【相座敷】
日本国語大辞典
〔名〕(「あい」は接頭語)「あいやど(相宿)」に同じ。*浮世草子・御前義経記〔1700〕三・三「相座敷(アヒザシキ)に勧進比丘尼の美しき者が二人泊ってゐると」 ...
44. あい‐ざめ[あゐ‥]【藍鮫】
日本国語大辞典
*宗五大草紙〔1528〕太刀打刀之作やうの事「をしざめ又あゐざめなどかけたるは、年寄たる人は差れ候し」*浮世草子・好色一代男〔1682〕七・二「七所の大脇指、す ...
45. あいし【相―】[方言]
日本方言大辞典
(1)相添うこと。共にすること。 岐阜県飛驒「あいしで行く」502飛驒のことば(土田吉左衛門)1959浮世草子世間手代気質二・一「三形の何某と相仕にて、大分の金 ...
46. あい‐し【愛子】
日本国語大辞典
か〕上・新院御謀叛思し召し立たるる事「入道殿の公達の御中に、ことさら愛子にてましましけり」*浮世草子・世間子息気質〔1715〕一・二「愛子(アヒシ)の事なれば今 ...
47. あい‐し[あひ‥]【相支】
日本国語大辞典
〔名〕共同で支出すること。または資金を仲間で出し合うことか。*浮世草子・日本新永代蔵〔1713〕一・一「肝ふとく最上の銅山を見立て、泉吉と相支(あひシ)にして、 ...
48. あい‐し[あひ‥]【相衆・相仕】
日本国語大辞典
あいしゅ。*浮世草子・忠孝永代記〔1704〕五「相使(アヒシ)の伝蔵は、其勇血気にして正道をまもらず」*浄瑠璃・博多小女郎波枕〔1718〕上「九右衛門相仕(アヒ ...
49. あい‐じまん[あひ‥]【逢自慢】
日本国語大辞典
〔名〕その人に会うのを自慢すること。遊女がその客に会うのを誇らしげにすること。*浮世草子・好色盛衰記〔1688〕一・三「はじめの程は名代を吟味せし太夫も、いつと ...
50. あい‐じゃく[‥ヂャク]【愛着・愛著】
日本国語大辞典
と成りてむねをやき、水はゐんよくのたねとなりて、あいじゃくにおぼれて、くがいにしづむなり」*浮世草子・新可笑記〔1688〕二・二「諸神に祈誓の七夜まちをけだいな ...
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野白内証鑑一之巻目録自分の行状の弁解をした野郎の話秘密の色遊びはばれたが、始めより末に至って情勢が好転した野郎の大臣。その相手は羽ぶりのよい撞木町の女郎。悪性をささやいてすすめる耳塚の駕籠屋。客に肌を見せない白人の話 外面は菩薩のようだが内情は
豊後国風土記(日本古典文学全集)
豊後の国。郡は八所、〔郷は四十、里は百十〕駅は九所、〔みな小路〕烽は五所、〔みな下国〕寺は二所〔一つは僧の寺、一つは尼の寺〕である。

豊後の国は、本、豊前の国と合わせて一つの国であった。昔、纏向の日代の宮で天下をお治めになった大足彦の天皇
魯迅 その文学と革命(東洋文庫)
中国近代文学の父であり,偉大な思想家でもある魯迅は,知識人としての苦悩のなかで,中国の「寂寞」を見つめ,自らをも傷つける「革命」を志向する。著者会心の魯迅伝。1965年07月刊
論語徴(東洋文庫)
秦・漢以前の古文辞に対する確固たる自信から孔子の言論を読みとく,論語の注釈のなかでもっとも論争的な注釈書。卓抜した孔子論を展開するとともに,徂徠自身の思想も開陳する。第1巻は,学而,為政,八佾,里仁,公冶長,雍也,述而,泰伯。1994年03月刊
近世和歌集(日本古典文学全集)
年内立春 去年と今年の二本の緒で縒り合わせて掛けて同じ年が一本にまとまらないように、こんがらがってなかなか理解できない春はやって来た。やや趣向倒れの感がある。長嘯子としては機知を働かせたのだろうが。鶯 軒端の梅が咲いていて、一晩中鶯の到来を
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