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洒落本

ジャパンナレッジで閲覧できる『洒落本』の日本古典文学全集・国史大辞典・世界大百科事典のサンプルページ

新編 日本古典文学全集
洒落本
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洒落本 全体

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洒落本 拡大

【目次】
洒落本(扉)
凡例
跖婦人伝(扉)
色説序
跖婦人伝序
跖婦人像
跖婦人伝
色説序
色説
遊子方言(扉)
遊子方言叙
目録
発端
夜のけしき
宵の程
更の体
しのゝめのころ
甲駅新話(扉)
甲駅新話

目録
甲駅新話

古契三娼(扉)
古契三娼自叙

古契三娼
古契三娼大尾
傾城買四十八手(扉)
四十八手叙
傾城買四十八手 総目
○しつぽりとした手
○やすひ手
○見ぬかれた手
○そはそはする手
○真の手
傾城買四十八手 畢
自跋
繁千話(扉)
繁千話
洞房妓談 繁千話叙
繁々千話 人物名目録
繁千話
洞房妓談 繁千話 畢
傾城買二筋道(扉)

目録
傾城買二筋道
○夏の床
○冬の床
自跋
解説
跖婦人伝
遊子方言
甲駅新話
古契三娼
繁千話
傾城買四十八手
傾城買二筋道
参考文献



国史大辞典
洒落本
しゃれぼん
江戸時代中期以降の小説形態の一種。京坂で行われた浮世草子のあとをついで、遊里に取材した文芸で、享保の中ごろに始まり、文政末年ごろまで出版された。典型的なものは、遊客・遊女などの姿態言動を会話を主とする文章で写実的に描き、簡単な小説的構成をとるものであるが、また戯文調の漢文や狂文をもってする遊里案内・遊客心得、あるいは遊里風俗誌・色道遊興論などもあり、趣向を凝らした絵本風のものなどをも含む。体裁は半紙本の半分の大きさの小本一冊が多いが、半紙本・中本で二冊以上数冊にわたるものもある。その表紙の色や形から茶表紙・蒟蒻(こんにゃく)本などの異称もあり、内容から粋書(すいしょ)・通書(つうしょ)などとも呼ばれた。洒落本の「洒落」とは、遊里社会を中心に発達した「通」という美的生活理念を軸として、人間の滑稽な生活を描くことを意味する。最初は漢学の素養のある人々が、慰みに中国の遊里文学「艶史(えんし)」の類を真似たものから始まる。江戸吉原の遊里の情景風俗などを漢文で叙述し、遊女屋と遊女の名寄せ細見(さいけん)風のものを加えた享保十三年(一七二八)の『両巴巵言(りょうはしげん)』(撃鉦(どらうつ)先生作)が洒落本の始祖とされるが、やがて、声色物真似芸の示唆を受け、また浄瑠璃の文体や歌舞伎狂言本のト書きの形をとり入れて、会話中心の新文体による写実描写技法が確立された。延享三年(一七四六)の『月花余情』(献笑閣主人作)以来、この技法によって洒落本は清新で精細な人物情景描写を多く試みたが、またこの技法にとらわれて、広い現実世界から隔絶された遊里という特殊な世界に閉じこもって、その事相を暴露する「うがち」という発想のもとに、作者の通を誇り、半可通や野暮を嘲笑する優越感にひたる態度を脱し得ず、真に大衆的な文芸に徹することができなかった。洒落本の展開はおおよそ三期に分けられ、第一期は宝暦を経て明和六年(一七六九)に至る発生期で、知識人の余技的な慰みの域を出でず、宝暦七年(一七五七)の『聖遊廓(ひじりのゆうかく)』(作者未詳)、『異素六帖(いそろくじょう)』(沢田東江作)など、卑俗な遊里の事象を古典にこじつけたり、他のものに見立てたりするおかしさを主とする。第二期は明和七年の『遊子方言(ゆうしほうげん)』(田舎老人多田爺(ただのじじい)作)、『辰巳之園(たつみのその)』(夢中散人寝言(ねごと)先生作)などに始まる。江戸を中心とする洒落本が完成された写実描写技法をもって、安永・天明から寛政初期に至る全盛期を迎え、あらゆる遊里を対象として、強烈な通の意識をもって、遊里の人間の諸類型や遊びの手くだの虚実表裏をうがって心理の内奥にも及び、また滑稽感を十分に盛り上げて短編小説としてすぐれた作品を多く出した。代表的作家である山手馬鹿人(やまのてのばかひと)・田にし金魚・蓬莱山人帰橋・万象(まんぞう)亭(森羅万象)の活躍につづいて、山東京伝があらわれ、天明七年(一七八七)の『通言総籬(つうげんそうまがき)』『古契三娼(こけいのさんしょう)』や寛政二年(一七九〇)の『傾城買四十八手(けいせいかいしじゅうはって)』その他多くの傑作を出して、洒落本の第一人者の名をほしいままにした。しかし寛政の改革の文教政策による洒落本禁令が寛政二年に出され、京伝は翌三年の作品がこれを犯したかどによって処罰され、洒落本の制作刊行は一時中絶した。やがてこの禁令の抑圧も緩んだ寛政後半期に洒落本は第三期の衰退転成期を迎える。式亭三馬・梅暮里谷峨(うめぼりこくが)・十返舎一九らが活躍し、在来の通の意識から脱して、遊里の「うがち」よりも、男女の人情を主とした恋愛や真情を、複雑な筋の展開のなかに描こうとする風潮が支配的となり、芝居がかった感傷的な描写なども多くみられた。おのずから長編化して続編を必要とすることにもなって、これが人情本という新しい形態を生み出す素地を作った。一方、京伝などにみる細密な描写技法は三馬などに受けつがれ、さらに卑俗な笑いを大きく求めようとする一九などとともに、市井風俗に取材する別の滑稽本という形態の成立を招くこととなり、洒落本はその役目を果たして消滅する。
[参考文献]
水野稔『黄表紙・洒落本の世界』(『岩波新書』青九八六)、山口剛「洒落本について」(『山口剛著作集』三所収)、中村幸彦「洒落本の発生」(『中村幸彦著述集』五所収)、同「通と文学」(同所収)
(水野 稔)


改訂新版 世界大百科事典
洒落本
しゃれぼん

江戸時代の小説形態の一種。享保(1716-36)後半から始まり,文政(1818-30)ころまでに多く刊行された,遊里に取材する短編の小冊子(小本(こほん))。遊客遊女などの姿態言動を,会話を主とした文章で写実的に描き,かんたんな小説的構成をとるものが多いが,漢文体,狂文体の遊里繁盛記・風物誌,あるいは遊興論もある。〈洒落〉とは,遊里を中心に生まれた〈通(つう)〉という美的生活理念を中軸として,人間の言動の滑稽味を描くことを意味する。最初は,漢学の教養ある人士などが中国の艶史類をまねて遊里の情景風俗をしかつめらしい漢文で叙述した慰みから始まり,やがて会話本位の新しい文体による描写が,1757年(宝暦7)の《異素六帖》《聖(ひじり)遊廓》などで確立された。さらに1770年(明和7)の《遊子方言》(多田爺(ただのじじい)),《辰巳之園》(夢中散人)などから,細密な写実手法を用い,類型的な性格描写による小説的構成が完成され,やがて安永・天明期(1772-89)の全盛を迎える。江戸市中の多くの遊里を対象として,特殊な知識を提示する〈うがち〉が細かくなされ,半可通や野暮のおかしさが強調されて,山手馬鹿人(やまのてのばかひと),田螺金魚(たにしきんぎよ),蓬萊山人帰橋,万象亭(まんぞうてい)(森羅万象)らを経て,天明半ばに洒落本の第一人者山東京伝が出る。温かい人間味に裏づけられた鋭い観察とすぐれた表現描写によって,《通言総籬(そうまがき)》(1787),《傾城買(けいせいかい)四十八手》(1790)ほか多くの傑作を出したが,寛政改革の風俗教化政策による禁令を破ったため処罰され,洒落本は一時衰えた。やがて寛政(1789-1801)後半に復活,式亭三馬,十返舎一九,梅暮里谷峨(うめぼりこくが)らが活躍したが,〈通〉の意識は希薄となり,〈うがち〉よりも人情を表面に押し出し,恋愛や真情を比較的複雑な筋のなかに描くようになる。おのずから長編化を招くことになって人情本へと変化し,一方その写実技法は市井の生活の笑いに焦点をおく滑稽本にうけつがれた。
[水野 稔]

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洒落本の関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 13582
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検索コンテンツ
1. 洒落本画像
日本大百科全書
いしじゅうはって)』(1790)などの傑作によって洒落本は通の文学としての完成をみせた。 1791年(寛政3)の改革政治による弾圧で、洒落本は一時衰えたが、18 ...
2. 洒落本
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金魚(たにしきんぎよ),蓬萊山人帰橋,万象亭(まんぞうてい)(森羅万象)らを経て,天明半ばに洒落本の第一人者山東京伝が出る。温かい人間味に裏づけられた鋭い観察と ...
3. しゃれ‐ぼん【洒落本】
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4. しゃれ-ぼん【洒落本】
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5. しゃれぼん【洒落本】
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12. ああ‐した
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13. あい
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移ろうとするときなどに、相手に注意を促したり、挨拶のことばの上に軽く添えたりして用いる語。*洒落本・弁蒙通人講釈〔1780〕「アイとさし出す火入を取て」*人情本 ...
14. あい[あひ]【間・合】
日本国語大辞典
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15. あいあい‐あんどう[あひあひ‥]【相合行灯】
日本国語大辞典
〔名〕二軒で共用する行灯(あんどん)。*洒落本〓毛登喜〔1788〕四「大あんどう掛たる家も秋風ぞふく小ろうじの奥へ追やられ、小便 ...
16. あいあい‐かご[あひあひ‥]【相合駕籠】
日本国語大辞典
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17. あい‐うえだ[あゐうへだ]【藍上田】
日本国語大辞典
長野県上田地方に産する藍染めの縞織物。*洒落本・古契三娼〔1787〕「あたまのうへは日日にふえ、藍上田(アイウヘダ)の光も夜夜あきらかになりて呉服屋の屋敷通ひを ...
18. 愛縁(あいえん)奇縁(きえん)
故事俗信ことわざ大辞典
にはあひゑんきゑん血を分けた親子でも中の悪いが有物」類聚世話百川合海(1776)「相縁機縁」洒落本・廓宇久為寿(1818)前「譬へ一夜といへども、百夜の契りを結 ...
19. あいえん‐きえん【愛縁機縁・合(あひ)縁奇縁・相(あひ)縁奇縁】
日本国語大辞典
*浄瑠璃・心中宵庚申〔1722〕下「人にはあひゑんきゑん血を分けた親子でも中の悪いが有物」*洒落本・廓宇久為寿〔1818〕前「譬へ一夜といへども、百夜の契りを結 ...
20. あい‐おなんど[あゐ‥]【藍御納戸】
日本国語大辞典
〔名〕染色の名。藍の濃いお納戸色。*洒落本・二蒲団〔1801〕「おびは、こはくあいおなんど、但しはば二寸ぐらゐを少し左りへまげ」*人情本・仮名文章娘節用〔183 ...
21. 婭意忋思(著作ID:79287)
新日本古典籍データベース
甲子夜話後編/婭意忋 梅暮里谷峨一世(うめぼりこくが1せい) 作 栄松斎長喜(えいしょうさいちょうき) 画 洒落本 享和二刊 ...
22. あい‐がえし[あゐがへし]【藍返】
日本国語大辞典
〔名〕(1)染物の名。模様のある上に、さらに藍で染めかえしたもの。*洒落本・一騎夜行〔1780〕三・威猛に詈る天狗「夏冬かけて藍返(アイカヘ)しの三重染」(2) ...
23. あい が 手本(てほん)
日本国語大辞典
する人のすすめに従って、杯のやりとりをするのがよいということ。*洒落本・甲駅新話〔1775〕「あゐは手本とやら、わたしも灰吹にのませやすぜへ」*洒落本・売花新駅 ...
24. あい‐きょう[‥キャウ]【愛敬・愛嬌(ケウ)】
日本国語大辞典
実に見とれるやうな婦人」(3)好ましさ、こっけいさ、ほほえましさなどを人に感じさせる要素やしぐさ。愛想。*洒落本・吉原源氏六十帖評判〔1737〕「酒も少々成て遊 ...
25. 愛敬鶏子/前編(著作ID:594821)
新日本古典籍データベース
あいきょうたまご/ぜんぺん 山頎庵利長(さんきあんとしなが) 洒落本 文化一一 ...
26. あい‐きら[あゐ‥]【藍雲母】
日本国語大辞典
〔名〕藍地に雲母が散らしてあること。また、そのもの。*洒落本・品川楊枝〔1799〕「ふすまはあいきらを引たうへえ狂哥のすりもの」 ...
27. あい‐ぎ[あひ‥]【間着・合着】画像
日本国語大辞典
の類。(ロ)近世、一般には、上着とはだ着の間に着る衣服。*洒落本・禁現大福帳〔1755〕三「肌衣相着(アイギ)は色々を装ひ」*洒落本・遊子方言〔1770〕発端「 ...
28. あい‐ぎし[あゐ‥]【藍岸】
日本国語大辞典
〔名〕絹織物の一つ。藍色の岸縞(きしじま)。*洒落本・箱まくら〔1822〕下「藍(アイ)ぎしの内着、うそよごれたるわた入」 ...
29. あいくろし‐さ【愛─】
日本国語大辞典
〔名〕(形容詞「あいくろしい」の語幹に接尾語「さ」の付いたもの)「あいくるしさ」に同じ。*洒落本・淫女皮肉論〔1778〕新駅の朧月「風ぞくきりゃうたおやかに、こ ...
30. あい‐けん[あひ‥]【相見・合拳】
日本国語大辞典
狩剣本地〔1714〕三「それにお主のじひ心、奥様のあひけんにて、お袖の下より金戴き、夫婦づれでお家を走」*洒落本・箱まくら〔1822〕中「あとにて花車(く ...
31. あい‐こう[あひ‥]
日本国語大辞典
〔名〕(「あいこ(相子)」の変化した語)「あいこ(相子)」に同じ。*洒落本・傾城買二筋道〔1798〕夏の床「手前のかほがばけものとあいかうといふ物だから、むかふ ...
32. あい‐ことば[あひ‥]【合言葉】
日本国語大辞典
室町末~近世初〕「惣じて此やせまつ、こゑまつと申はわれらごときの者の山だちのあひ言葉じゃ」*洒落本・間似合早粋〔1769〕「此外せんぼう、所々のかへことば、合詞 ...
33. あい‐さつ【挨拶】
日本国語大辞典
脱衣之礼儀〓也」*洒落本・遊子方言〔1770〕発端「おかみさま。あれは何かおかしなもので御座りますぞへ。大がいにあいさつ ...
34. あい‐さび[あゐ‥]【藍錆】
日本国語大辞典
〔名〕(1)染色の一つ。藍色の、濃くて赤みを帯びたもの。*洒落本・当世風俗通〔1773〕上之令子風「藍(アヒ)さびに赤くうつるかきつひ味噌」(2)あいさびの色に ...
35. あいさび‐ぞめ[あゐさび‥]【藍錆染】
日本国語大辞典
〔名〕藍錆色に染めること。また、その染物。*洒落本・傾城買指南所〔1778〕「夏はさらしのあひさび染(ゾメ)などめすだらふ」 ...
36. あい‐しら・う[あひしらふ]
日本国語大辞典
)取り合わせる。添える。*雑俳・柳多留‐一〇〔1775〕「けいせいにざっと柳をあいしらい」*洒落本・雑文穿袋〔1779〕「お噺申す詞をあらましお覚へなさるると〈 ...
37. あい‐じま[あゐ‥]【藍縞】
日本国語大辞典
〔名〕(1)藍色の縞模様。また、その織物。*洒落本・古契三娼〔1787〕「近所のおさな子かりよせても人みしりして、こはく丹後の藍縞(アイジマ)に小便を置き土産に ...
38. あい‐じゃくや[あひ‥]【相借家】
日本国語大辞典
草〔1786〕中「窃(ひそか)に相借屋(アヒジャクヤ)の女見を頼み、吉原へ百両に身を売り」*洒落本・古契三娼〔1787〕「おなじ川竹の末葉とて合借家(アイジャク ...
39. あい‐じるし[あひ‥]【合印】
日本国語大辞典
~04〕「Aijiruxi (アイジルシ)〈訳〉事をなすにあたってあらかじめ定めておく印」*洒落本・禁現大福帳〔1755〕三「肌衣(はだぎ)相着(あいぎ)は色色 ...
40. あい‐そう[‥サウ]【愛想・愛相】
日本国語大辞典
した景こそ風情も面白けれ。更に愛そうもない景ぢゃが、されども、ちっとけうがることがあるぞ」*洒落本・遊子方言〔1770〕発端「ここの女房は、あまり愛想(アイソウ ...
41. あいそう も 小想(こそう)も=尽(つ)きる[=尽(つ)き果(は)てる]
日本国語大辞典
「あいそ(愛想)もこそも尽きる」に同じ。*雑俳・柳多留‐四〔1769〕「ぶつに買あいそうこそうつきたどら」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「講釈 ...
42. あいそ が 尽(つ)きる
日本国語大辞典
*談義本・八景聞取法問〔1754〕一・疱瘡の寄の跡「ぐっとあいそが尽ると俄に不機嫌に成て」*洒落本・三人酩酊〔1799か〕実泪上戸の段「おれが目で見てさへあいそ ...
43. 愛想(あいそ)が尽(つ)きる
故事俗信ことわざ大辞典
〉」談義本・八景聞取法問(1754)一・疱瘡の寄の跡「ぐっとあいそが尽ると俄に不機嫌に成て」洒落本・三人酩酊(1799か)実泪上戸の段「おれが目で見てさへあいそ ...
44. あいそ も 興(きょう)も尽(つ)き果(は)てる
日本国語大辞典
「あいそ(愛想)もこそも尽きる」に同じ。*洒落本・契情買虎之巻〔1778〕瀬川か一念「おのれにほれて、そふいふ心はあるまいと思しに、あいそも、きゃうも、つきはて ...
45. 愛想(あいそ)も興(きょう)も尽(つ)き果(は)てる
故事俗信ことわざ大辞典
「愛想もこそも尽きる」に同じ。 洒落本・契情買虎之巻(1778)瀬川か一念「おのれにほれて、そふいふ心はあるまいと思しに、あいそも、きゃうも、つきはてて」 ...
46. 愛想(あいそ)も臍(へそ)の緒(お)も尽(つ)き果(は)てる
故事俗信ことわざ大辞典
「愛想もこそも尽きる」に同じ。 洒落本・嘉和美多里(1801)「あいそも臍(ヘソ)の尾もつきはてた、あまっちょた」 ...
47. あいそ‐らし・い【愛想─】
日本国語大辞典
という気持に用いられているが、近世以降では、表面上の取り繕いという、マイナスの評価の表現に偏ってくる。洒落本「百安楚飛」の「愛相(アイソウ)らしふ云ふて、内証は ...
48. 愛想(あいそ)を尽(つ)くす
故事俗信ことわざ大辞典
「愛想を尽かす」に同じ。 洒落本・蛇蛻青大通(1782)「仮令(たとへ)気の有女郎でもあいそをつくすは知れた事なり」 ...
49. あい た 口(くち)へ=餠(もち)[=牡丹餠(ぼたもち)]
日本国語大辞典
*黄表紙・金々先生栄花夢〔1775〕「これさいわい福徳の三年目、あいた口へもち、天へもあがるここちして」*洒落本・通言総籬〔1787〕一「喜のは一町目ときいてあ ...
50. 開(あ)いた口(くち)へ=牡丹餅(ぼたもち)〔=餅(もち)〕
故事俗信ことわざ大辞典
い福徳の三年目、あいた口へもち、天へもあがるここちして」洒落本・通言総籬(1787)一「喜のは一町目ときいてあいた口へもちなり」洒落本・虚実情の夜桜(1800) ...
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うつほ物語(宇津保物語)(日本古典文学全集・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典・国史大辞典)
平安時代の物語。題名は首巻の「俊蔭」の巻で、主人公の仲忠が母と杉の洞穴で生活したことによる。従来「宇津保」と書かれていたが、変体仮名の原漢字を用いたもので、題意からは「うつほ(ウツオ)」がよい。成立時代は円融朝(969~984)~
落窪物語(日本古典文学全集・日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典)
〔一〕今は昔のこと、中納言である人で、姫君を大勢持っていらっしゃった方がおられた。長女や次女の君には婿を迎えて、それぞれ西の対、東の対に派手に住まわせ申しあげなさって、「三女、四女の君には裳着の式をして差し上げよう」と、大事にお世話なさる
唐物語(国史大辞典・世界大百科事典)
中国説話二十七篇を歌物語風に翻訳した物語。一冊。前田綱紀の手記『桑華書志』所収の『古蹟歌書目録』は『漢物語』として作者を藤原成範と伝える。これが『唐物語』を指す蓋然性は高く、院政期の成立と見てよい。各話は王朝物語にもしばしば引用される著名な人物が配される。
とりかへばや物語(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
平安時代末期の物語。運命のいたずらで女装、男装を余儀なくされた異腹の兄妹の物語。作者未詳。三巻三冊または四巻四冊。『とりかへばや』には古本と今本とがあり、古本は散佚、古本を改作した「今とりかへばや」が『とりかへばや』『とりかへばや物語』の名で現存する。
今鏡(日本大百科全書・世界大百科事典)
平安末期の歴史物語。1170年(嘉応2)成立説とそれ以後とする説とがあり、作者は藤原為経(寂超)説が有力。『大鏡』を受けて、1025年(万寿2)から1170年までの歴史を、座談形式を用い、紀伝体で叙述したもの。巻1~3は後一条天皇から高倉天皇までの帝紀、巻4~6は藤原氏
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魯迅 その文学と革命(東洋文庫)
中国近代文学の父であり,偉大な思想家でもある魯迅は,知識人としての苦悩のなかで,中国の「寂寞」を見つめ,自らをも傷つける「革命」を志向する。著者会心の魯迅伝。1965年07月刊
論語徴(東洋文庫)
秦・漢以前の古文辞に対する確固たる自信から孔子の言論を読みとく,論語の注釈のなかでもっとも論争的な注釈書。卓抜した孔子論を展開するとともに,徂徠自身の思想も開陳する。第1巻は,学而,為政,八佾,里仁,公冶長,雍也,述而,泰伯。1994年03月刊
近世和歌集(日本古典文学全集)
年内立春 去年と今年の二本の緒で縒り合わせて掛けて同じ年が一本にまとまらないように、こんがらがってなかなか理解できない春はやって来た。やや趣向倒れの感がある。長嘯子としては機知を働かせたのだろうが。鶯 軒端の梅が咲いていて、一晩中鶯の到来を
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