1. 松浦宮物語
日本大百科全書
平安時代最末期の擬古(ぎこ)物語。三巻。作者は藤原定家(ていか)か。『源氏物語』以後その模倣作が多いなかで、時代を奈良時代以前に設定し、舞台を日本と中国とに広げ
2. 松浦宮物語
世界大百科事典
擬古物語。藤原定家作とする説が有力。鎌倉時代初期成立。3巻。弁少将橘氏忠は神奈備(かんなび)の皇女(みこ)との恋にやぶれ,遣唐副使となって唐に渡る。唐の皇帝の妹
3. まつらのみやものがたり【松浦宮物語】
日本国語大辞典
鎌倉初期の物語。三巻。作者は未詳。「無名草子」に従って、作者は藤原定家説が有力。成立年未詳。弁少将氏忠が皇女との恋に破れて唐に渡り、唐帝の妹華陽公主と契りをかわ
4. まつらのみやものがたり【松浦宮物語】
国史大辞典
所収。 [参考文献]中野幸一『物語文学論攷』、石田吉貞「松浦宮物語の作者は藤原定家か」(『国語と国文学』一七ノ六)、萩谷朴「松浦宮物語作者とその漢学的素養」(同
5. 松浦宮物語(まつらのみやものがたり)
古事類苑
樂舞部 洋巻 第2巻 993ページ
6. 松浦宮物語
日本古典文学全集
主人公の弁少将氏忠は、皇女との恋に破れ、失意の中、遣唐副使として唐に渡る。そこで、2人の貴女(皇帝の妹や后)と恋に落ち、さらには内乱に巻き込まれ、后の頼みで合戦
7. 松浦宮物語(著作ID:500083)
新日本古典籍データベース
まつらのみやものがたり 松浦物語 松浦宮 藤原定家(ふじわらていか) ? 鎌倉物語
8. 松浦宮物語考(著作ID:1725242)
新日本古典籍データベース
まつらのみやものがたりこう 小山田与清(おやまだともきよ) 注釈 文政一二
9. い[ヰ]【威】
日本国語大辞典
武力。武威。*今昔物語集〔1120頃か〕二五・一一「此の頼信が兵の威糸(いと)止事无し」*松浦宮物語〔12C終〕中「燕王のつはもののこはく、むかふ所のかならずや
10. うかがい‐よ・る[うかがひ‥]【窺寄・伺寄】
日本国語大辞典
*平中物語〔965頃〕一七「とばかり帰らざりければ、あやしさに、みそかに草隠れにうかがひよりて」*松浦宮物語〔12C終〕中「やうやうおくざまへあゆみいれば、その
11. 宇治拾遺物語 389ページ
日本古典文学全集
た。恐れ、驚き、あきれること。何になろうか(むなしいことだ)。十二世紀後半の成立とされる『松浦宮物語』に「和国は兵の国として、小さけれども、神の守り強く、人の心
12. ぎこ‐ものがたり【擬古物語】
日本国語大辞典
〔名〕平安時代の物語を模して、鎌倉時代に作られた物語。「源氏物語」を模倣したものが多い。「住吉物語」「松浦宮物語」など。
13. 国文学全史 1 平安朝篇 141ページ
東洋文庫
しといえるに反して、或いは竹取物語の著作の時代を貞観以前に置くものあり。世に伝わるところ、松浦宮物語というものありて、その巻末には貞観三年四月十八日、染殿の院の
14. 国文学全史 2 平安朝篇 11ページ
東洋文庫
296. 1【 71,159 H g n205松島日記 1281松浦宮物語 1141真名伊勢物語 1113
15. こころ‐ぎも【心肝・心胆】
日本国語大辞典
*宇津保物語〔970~999頃〕蔵開上「『まじらへば、心きもやすからぬ事』とこそは泣き給ふなれ」*松浦宮物語〔12C終〕下「あけながら夜をふるいたども、まことに
16. すみ‐まさ・る【澄増】
日本国語大辞典
頃〕椎本「例の、かう世離れたる所は、水の音も、もてはやして、ものの音すみまさる心地して」*松浦宮物語〔12C終〕中「やうやうふけゆく空、物のねはすみまさりて」*
17. ちゅうせい【中世】
国史大辞典
る姫君』『恋路ゆかしき大将』など、多くのいわゆる擬古物語が生まれたが、藤原定家作とされる『松浦宮物語』などは例外で、大部分は作者も成立年次も明らかではない。概し
18. 中世和歌集 222ページ
日本古典文学全集
詠んだもの。『拾遺愚草』二三一六。三十四歳の建久六年(一一九五)秋ごろ、良経家にての詠。『松浦宮物語』の下巻終りに、主人公弁が贈皇后の形見の鏡を見る場面に「見し
19. はか・る【計・量・測・図・謀・諮】
日本国語大辞典
阿比論須」*宇津保物語〔970~999頃〕忠こそ「いささかなる事、はかり聞えむとてぞや」*松浦宮物語〔12C終〕二「我もとより嘆きいためど、又とどめむはかりごと
20. 浜松中納言物語画像
日本大百科全書
本質的にはその模倣の域を出ない。しかし、その浪漫的精神の特異性に目を向ければ、これが定家の『松浦宮物語(まつらのみやものがたり)』や、三島由紀夫(ゆきお)の『豊
21. 浜松中納言物語 66ページ
日本古典文学全集
御姿よりも、かかるないがしろなる御ありさまの」。なお『浜松』の影響を強く受けたと思われる『松浦宮物語』では、遣唐副使として渡唐した弁の少将が望郷の想いに誘われ、
22. ひら・く【開・披・拓】
日本国語大辞典
〔稲の穂(大阪市史五){1842~幕末頃}〕【二】〔自カ五(四)〕(1)閉じふさがったものが広がりあく。*松浦宮物語〔12C終〕二四「ひらけるかどよりうちいる道
23. 藤原定家[文献目録]
日本人物文献目録
解 定家の歌学研究』松村英一『毎月抄存疑』八島長寿『毎月抄に於ける有心体と透逸体』広瀬保『松浦宮物語の作者は藤原定家か』石田吉貞『万葉集を定家卿に求めるまで』向
24. 藤原定家(ふじわらのていか)画像
日本大百科全書
特色とする。この年の5月には「百人一首」(原形)を選んでいる。若いころの創作物語とされる『松浦宮物語(まつらのみやものがたり)』が定家の作ならば、散文にも挑戦し
25. まつらぐん【松浦郡】佐賀県:肥前国
日本歴史地名大系
郡」があげられ、「アフコトヲナド」と注するが、これは松浦佐用姫伝説とかかわりがあろうし、「松浦宮物語」にも反映している。「和歌色葉」にも「まつらのこほり」をあげ
26. 松浦宮物語 23ページ
日本古典文学全集
戸我竹垣」とある「寸戸」は「きへ」と訓み、浜松市の貴平町のあたりを指すなどの説があるが、『松浦宮物語』のころは、「簀戸」と解されていたと思われる。『五代簡要』に
27. 松浦宮物語 62ページ
日本古典文学全集
けられており、草野美智子氏が『和歌文学研究』第四十一号の「藤原定家と松浦宮物語」で紹介されていて注意されるが、『松浦宮物語』は、
28. 松浦宮物語 63ページ
日本古典文学全集
『明月記』の記事以前の成立と思われるので、直接の典拠とは考えにくい。また伊井春樹氏は『詞林』第十五号の「松浦宮物語の方法」で、阿修羅が「九つの頭を持っていたこと
29. 松浦宮物語 73ページ
日本古典文学全集
其の三子に及ぶまで金墉城に幽して太子の母謝子を殺す」などと暗い事件の繰り広げられた舞台であった。『松浦宮物語』の作者は『晋書』を読んでいて、燕王とその三人の子を
30. 松浦宮物語 132ページ
日本古典文学全集
→一二四ページ注二。松浦の宮で無事帰国した少将氏忠を迎えた母の明日香の皇女の喜びなどは、『松浦宮物語』の書名からすれば、いま少し詳述されて不思議はないが、物語の
31. 松浦宮物語 137ページ
日本古典文学全集
「このあとも依拠している本の本文が腐りなくなって、本から脱落してしまっている」というのだから、『松浦宮物語』は、〔五〇〕末尾の「恥づかしうぞ思ひ乱れたまふ」以後
32. 松浦宮物語 138ページ
日本古典文学全集
頼みて、わづかに人の命を助けんとするに、道遠く、人疲れて、あたの軍すでに近づきにたり」とある。『松浦宮物語』の第二は五六ページから始まるから、物語の第二から「い
33. 松浦宮物語 139ページ
日本古典文学全集
唐土にはそのような霧があるのかと皮肉っている。「花非花」が『松浦宮物語』の創作に大きく影響していることをユーモラスに告白したものであろう。松浦宮物語松浦宮 一
34. 無名草子 248ページ
日本古典文学全集
「今様の物語」はいわゆる古物語に対する概念であろうが、のちに、隆信の『うきなみ』、定家の『松浦宮物語』など、同時代の作品については「むげにこのごろ出で来たるもの
35. 無名草子 257ページ
日本古典文学全集
物語作品は極めて少ない。評に「あまたはべめるは…むげにまことなきものども」とあるのは不審。『松浦宮物語』。現存。三巻。時代設定は藤原京時代(六九四~七一〇)で、
36. ものがたりそうし【物語草子】 : 中世/(五)
国史大辞典
る姫君』『恋路ゆかしき大将』など、多くのいわゆる擬古物語が生まれたが、藤原定家作とされる『松浦宮物語』などは例外で、大部分は作者も成立年次も明らかではない。概し
37. 物語文学画像
日本大百科全書
平安時代の原作に基づいて改作された作品をはじめ、鎌倉時代以降『石清水物語(いわしみずものがたり)』『松浦宮物語(まつらのみやものがたり)』『苔(こけ)の衣(ころ
38. よ‐の‐なか【世中・世間】
日本国語大辞典
し程に」*山家集〔12C後〕上「よの中は曇りはてぬる月なれやさりともと見し影も待たれず」*松浦宮物語〔12C終〕一「玉の緒の絶ゆるほどなき世の中をなほ乱るべき身