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  11. 組織培養

組織培養

ジャパンナレッジで閲覧できる『組織培養』の岩波 生物学辞典・日本大百科全書のサンプルページ

岩波 生物学辞典
組織培養
[tissue culture]

多細胞生物の個体から無菌的に組織片・細胞群を取り出し,適当な条件において生かし続ける技術.広義には,組織片培養と細胞培養を包含する.組織培養では,分離された組織片を同一個体または他の生物体のある場所に移して育てる生体内培養(culture in vivo)と,硬質プラスチック・ガラス器内で育てるガラス器内培養(culture in vitro)とがある.前者の場合には,培養する組織片などが,できるだけその生物体内の特異的影響を受けることが少ないような環境におく.一般に組織培養と呼ぶときは後者である場合が多い.狭義の組織培養は小さな組織片から出発する.その最初の成功は,R.G.Harrison(1907)がカエルの神経組織片をカエルのリンパ液を培地として行ったもの(懸滴培養).植物では単細胞から個体を再生することもでき,現在では,遺伝子導入や細胞の増殖・分化・がん化の基礎研究,創薬スクリーニング,毒性試験,ワクチン製造といった応用面にも活用される.組織培養にはいくつかの様式がある.動物の細胞培養はトリプシンなどの処理で組織片を解離して得た細胞(⇒細胞解離)から出発するもので,単層培養と,懸濁培養とがある.植物では機械的あるいは酵素的に遊離させた細胞や,カルスに由来する細胞を懸濁培養する.動物では培養液(培地)にはかつては凝固血漿のような生物由来のものが使用されたが,現在では主として無機塩類のほかに多種類のビタミン類やアミノ酸を加えた合成培地に血清や成長因子を添加したものが用いられる.植物ではココナツウォーターや酵母の抽出液,あるいは植物ホルモンなどを加えることで分化や成長を制御できる.培養には用いられた材料に応じて温度を制御し,培養液の蒸発を防ぐために湿度を保ち,また動物ではpH調節のため,気相を5%COX2-95%空気となるよう制御できる恒温器が用いられる(⇒炭酸ガスインキュベーター).動物では個体から取り出したものを培養し(初代培養)増殖したところで植え継いで(継代培養)いくうちに不死化するものが現れることがある.これが無限に増殖し続ける株細胞となる.ヒトも含めていろいろな動物の正常組織やがん組織から,株細胞(樹立細胞株)が得られている.(⇒器官培養



日本大百科全書(ニッポニカ)
組織培養
そしきばいよう

生物組織の小片をとってガラス器内で適当な栄養を与えて生存、増殖させることをいう。器官培養とともに、生体構成要素を生成から切り離して培養、観察するための主要な技術であり、細胞培養は組織培養の特殊な場合と考えることができる。組織培養はR・G・ハリソンのカエルの神経の培養に始まり、その後カレルなどによって改良され、現在では種々の組織の培養が可能である。培養液としては、生理的塩類溶液に血清を添加したものが多用されるが、完全合成培地も用いられる。組織培養は癌(がん)化、組織間相互作用、組織に対する化学物質の影響、組織の運動性など、広範囲な研究においてきわめて重要な解析手段を提供している。

[八杉貞雄]

植物における組織培養

広義では、プロトプラスト(原形質体)、細胞、花粉粒、卵細胞、細胞の集合体である組織、組織が集合し機能的に分化した器官、諸器官の集合体である個体および幼胚(ようはい)などを、それぞれ特定の目的をもって、無菌状態下で人為的培地を用いて培養することをいう。培養に供する置床(ちしょう)材料をエクスプラントexplant(外植(がいしょく)体)とよぶ。同一個体では、その個体が遺伝的にホモ(同型)の場合にはすべての細胞が、ヘテロ(異型)の場合には生殖細胞を除くすべての細胞がもっている遺伝的情報は、それら細胞の由来する組織や器官の種類のいかんにかかわらず潜在的には同じであると考えられる。したがって、これらを置床材料として行う組織培養の用途は広く多岐にわたる。そのおもな面をあげると、(1)形態形成、代謝生理その他基礎生物科学の研究、(2)細胞やプロトプラストを材料として、プロトプラスト融合による細胞雑種の育成、マイクロ・インジェクション(顕微注射)、諸プラスミド利用による組換えDNAなど細胞や染色体工学、遺伝子工学など先端技術応用の場とする、(3)培地添加物質、培養細胞照射などにより培地細胞の遺伝的変異を拡大(高光合成機能、貯蔵タンパク質の改変と増大、成長促進、特定有用物質生産、ストレス抵抗性、病害虫抵抗性など)し、育種素材を提供する、(4)細胞培養による物質の直接生産、(5)茎頂(成長点)培養によるウイルス・フリー(ウイルス無病)個体の育成、(6)同一遺伝子系をもった栄養系(クローン)の急速増殖、(7)花粉粒由来半数性(染色体数が普通の半分)植物の育成とその染色体倍加による遺伝的ホモ個体の短期間育成、(8)培養茎頂、培養個体などによる栄養繁殖作物遺伝資源の長期保存への適用、などである。

 しかし、未解決の問題も多く、それらには、(1)培養で得られる個体のなかには、遺伝子的あるいは染色体的突然変異が現れる、(2)培養細胞や組織からは物質生産が行われないことがある、(3)置床材料の種類によっては、培養からの個体再生はかならずしも全植物で容易とはいえない、などをあげることができよう。

 培地には固形培地、液体培地などがあるが、それらの成分は、植物対象の場合、水、無機要素(N、P、K、Ca、Mg、Feなどのほか微量金属としてMn、Cu、Zn、Mo、B)、ビタミン(チアミン、ピリドキシン、ニコチン酸など)、ミオイノシトール、有機窒素源(アミノ酸)、植物成長調節物質(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブシシン酸、エチレン、その他)、ときによりココナッツミルク、カゼイン加水分解物、炭素源(ショ糖、ブドウ糖など)、寒天(0.6~1.0%)などである。培地をつくるには、これらを適当に熱をかけてよく溶かし、適当の水素イオン濃度(普通pH5.4~6.0)に調整すればよい。固形培地ではムラシゲとスクーグの考案した組成がもっともよく使用されている。培地の組成、とくに添加するホルモンの種類や濃度によって、置床材料から増殖する細胞が脱分化(カルスが生じることをいう)をおこし、無定形のカルス状となる場合と、直接、根、茎葉などを分化する場合とがある。また分化に際し、受精胚と類似した胚様体を経て個体を形成する場合もある。脱分化した材料が培地をかえて器官や個体を分化することを再分化という。組織培養における分化は、置床材料、培地組成、培地環境(固形培地、液体静置、液体振盪(しんとう)、光の有無と強弱、温度など)に大きく左右される。

[飯塚宗夫]

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検索コンテンツ
1. 組織培養
日本大百科全書
生体構成要素を生成から切り離して培養、観察するための主要な技術であり、細胞培養は組織培養の特殊な場合と考えることができる。組織培養はR・G・ハリソンのカエルの神
2. 組織培養
世界大百科事典
→培養
3. そしき‐ばいよう[‥バイヤウ]【組織培養】
日本国語大辞典
〔名〕生物体の組織片をとりだして、適当な条件下で培養、増殖させること。生物学の諸分野や病理学などで、研究の手段として利用される。ソシキバイヨー
4. 組織培養
岩波 生物学辞典
その生物体内の特異的影響を受けることが少ないような環境におく.一般に組織培養と呼ぶときは後者である場合が多い.狭義の組織培養は小さな組織片から出発する.その最初
5. アグリジェネティックス[カタカナ語]
イミダス 2018
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6. アデノウイルス
岩波 生物学辞典
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7. アメーバ運動画像
日本大百科全書
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8. 育種
世界大百科事典
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9. 育種学
日本大百科全書
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10. 移植片培養
岩波 生物学辞典
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11. 異目間移植
岩波 生物学辞典
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12. ウイルス画像
世界大百科事典
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13. ウェラー
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14. ウロキナーゼ
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15. 栄養(生物)
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16. 栄養期シュート頂
岩波 生物学辞典
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17. 栄養系
世界大百科事典
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18. 園芸
日本大百科全書
日本や中国での発達が著しいが、近年は欧米各国における栽培熱の向上が目だつ。川上幸男組織培養今日では遺伝子工学の進歩発達による組織培養の分野も、専門の営利、生産の
19. エンダーズ
日本大百科全書
小児中央病院での研究では、ウイルス感染症について目覚ましい成果をあげたが、とくにヒトのポリオウイルスの組織培養に成功を収め、のちにポリオワクチンが製造されるきっ
20. エンダーズ(Enders, John Franklin)
世界人名大辞典
],同教授[56-].ウェラー,F.C.ロビンズと共同して,小児麻痺の病原ウイルスの試験管内組織培養に成功し,小児麻痺ワクチンを開発,共にノーベル生理学・医学賞
21. エンドサイトーシス
世界大百科事典
取り込む現象。アメーバで,この現象が起こっているのが発見されたのは20世紀に入ってからであるが,組織培養中の繊維芽細胞などもこれを行っている。管の太さは2μ前後
22. 花卉園芸画像
日本大百科全書
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23. 角膜移植
日本大百科全書
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24. カレル
日本大百科全書
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25. カレル(Alexis Carrel)
世界大百科事典
修め,1906年ニューヨークのロックフェラー医学研究所に入り,39年まで在職した。簡便な血管縫合術を開発,また組織培養法を開拓して生物学研究に新しい方法を提供し
26. カレル
日本国語大辞典
(Alexis Carrel アレクシス─)フランスの外科医、生理学者。組織培養法を発見し、またデーキンとともに創傷に対するデーキン‐カレル療法をはじめる。一九
27. カレル(Carrel, Alexis)
世界人名大辞典
フランスの生理学者,外科医.渡米して[1905],ニューヨークのロックフェラー医学研究所に入り[06],組織培養法を発見し,また血管縫合術および臓器移植法を創案
28. カレル
岩波 生物学辞典
フランス出身の外科医・生理学者.組織培養法の確立に貢献し,ニワトリ胚の繊維芽細胞の長期培養に成功.また血管縫合術ならびに臓器移植法について研究し,その創案により
29. 感染画像
世界大百科事典
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30. 寒天画像
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31. 外植
岩波 生物学辞典
する影響,あるいは組織の各種栄養物質の利用度を調べるためにも活用される(⇒動物極キャップ).組織培養も外植の一方法と考えてよい.
32. ガラス化
岩波 生物学辞典
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33. 眼球銀行
日本大百科全書
リストの順番に従って連絡される。なお、一部の眼球銀行で導入されている強角膜切片保存の場合は、眼球摘出後、組織培養液を用いて角膜切片を作成し、これを保存液中で管理
34. 器官培養
日本大百科全書
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35. 器官培養
岩波 生物学辞典
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36. 傷ホルモン
世界大百科事典
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37. 傷ホルモン
岩波 生物学辞典
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38. 狂犬病
日本大百科全書
狂犬病発生地域へ渡航する場合には、予防注射が行われる。なお、狂犬病ワクチンは1980年(昭和55)より乾燥組織培養不活化ワクチンが使われるようになり、かつて重大
39. 巨細胞
岩波 生物学辞典
常多数の核を含んだ巨大な細胞.生理的にも存在するほか,種々の疾患に際して出現するものもある.組織培養においてもしばしば観察される.多核の場合は,核だけが分裂して
40. 薬
日本大百科全書
血栓症の治療に用いられるウロキナーゼは健康人の尿から抽出されているが、これも遺伝子工学により組織培養で製造することができるようになり、市場に出ている。遺伝子組換
41. クローン(生物)
日本大百科全書
植物の1個体から挿木や取木などによって栄養繁殖的に生じた個体集団を元来クローンとよんだが、動物においても組織培養で1個の細胞から生じた細胞集団を、また菌類や細菌
42. 形成層
岩波 生物学辞典
射組織以外の部分(道管要素,仮道管,繊維細胞など)を作る.形成層は著しい組織形成能をもつので組織培養や再生の実験によく用いられる.形成層は原理的には1層の細胞層
43. 形態学
日本大百科全書
動物での集積した資料は進化論の誕生の土台となった。実験形態学は、各種の手術(移植、外植、除去、組織培養)、物理的操作(遠心処理、紫外線やX線照射)、薬品処理など
44. 茎頂培養
岩波 生物学辞典
含むシュート頂部を分離して無菌的に培養すること.腋芽の成長点培養も実際には茎頂培養である.植物組織培養のなかでも古くから研究された方法で,シュートの生育,花成な
45. 懸濁培養
岩波 生物学辞典
液体培地に植えて絶えず撹拌しながら行う培養法.静置培養,あるいは表面培養に対していう足場非依存性の培養(⇒組織培養).培養器を種々のやり方で振盪したり(振盪培養
46. 懸滴培養
岩波 生物学辞典
にセットし,その凹みの空間内で,培養する方法.組織片は,培養液中に浮かんだ状態で培養される.組織培養の方式としては最も古典的で,現在ではあまり試みられないが,簡
47. ゲランガム
岩波 生物学辞典
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48. 交雑育種
世界大百科事典
自家不稔のものや種間以上の遠縁のものの交雑では,普通の方法ではなかなか正常な子孫を作ることができないが,細胞・組織培養技術を用いて受精を確実にしたり,受精をさま
49. 交配
世界大百科事典
ある課題の一つであり,現在もあらゆる分野の学問を応用して研究がすすめられている。とくに細胞・組織培養技術や遺伝子工学の技術を利用することによって,種・属間交配は
50. ココナツウォーター
岩波 生物学辞典
ゼアチンなどのサイトカイニンやオーキシン(IAA),ジベレリンを含む.そのため古くから植物の組織培養で,生育や植物体再生を促進する目的で培地に加えられている.通
「組織培養」の情報だけではなく、「組織培養」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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組織培養(岩波 生物学辞典・日本大百科全書)
[tissue culture]多細胞生物の個体から無菌的に組織片・細胞群を取り出し,適当な条件において生かし続ける技術.広義には,組織片培養と細胞培養を包含する.組織培養では,分離された組織片を同一個体または他の生物体のある場所に移して育てる生体内
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mRNAと略記.《同》伝令RNA.遺伝子の情報が蛋白質として発現される過程で,情報の担体として合成されるRNA.ゲノム上の遺伝情報は一定の単位でRNAに転写される.その際,DNA依存性RNAポリメラーゼはDNA上のプロモーター部位を認識してこれと結合
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