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  11. 銭形平次

銭形平次

ジャパンナレッジで閲覧できる『銭形平次』の日本架空伝承人名事典のサンプルページ

新版 日本架空伝承人名事典

銭形平次
ぜにがたへいじ
 野村胡堂が一九三一年(昭和六)から五七年まで書き継いだ『銭形平次捕物控』シリーズ(長・短編合わせて総計三八三編)の主人公。江戸神田明神下の長屋に住む「江戸一番の捕物名人」の御用聞(岡っ引き)。犯罪者の捕縛に際して、投げ銭の特技を見せるところから、銭形の異名がついた。年齢は、シリーズを通して三一歳。恋女房のお静は二三歳、子分のガラッ八こと八五郎は三〇歳の独身と、これも変わることがない。物語の時代背景が、シリーズ当初は江戸時代初期の慶安から承応にかけてのころだったのが、第三十話あたりから江戸時代の後期、文化・文政期あたりにいつのまにか変化していった。このシリーズを手がけるにあたって、容易に罪人をつくらないこと、町人に愛情を持っていること、侍や遊び人を徹底的にやっつけること、明るくて健康的であることを心がけた、と野村胡堂は述懐している。また、江戸という望景詩の中に「法の無可有郷」を求めたとも述べていた。こうした特色がヒーロー像にも反映されており、庶民性、明朗性、健康性、そして正義派的なモラリズムといった要素が、主人公のキャラクターの特色となっている。罪を憎んで人を憎まずで犯人を見逃してやる平次親分のヒューマニストぶりに人気が集まり、戦前から戦後にかけてという息の長いシリーズとなった。戦後のワンマン宰相吉田茂が愛読書の一つに挙げたことでも知られる。映画化、テレビドラマ化も数多いが、映画では長谷川一夫主演の、テレビでは大川橋蔵主演のシリーズが人気を博した。
[清原 康正]
 「御用ッ、神妙にせい」
闇の中から不意に飛出した平次とガラッ八。
 「何をッ」
手が廻ったと見るや、井崎八郎早くも一刀を引抜いて身構えました。番頭風の男と勘次の手には夜目にも閃めく匕首あいくち
 「親分、三人じゃ手におえねえ。銭をッ」
 「おうッ」
 三方から斬りかかるのを引っ外して、平次の手が懐中に入ると、久振りの投げ銭。闇を剪って一枚、二枚、三枚ヒュッ、ヒュッと飛びます。
 「あッ」
 一番先に匕首を叩き落とされた勘次は、ガラッ八の糞力にひしがれて、蛙のように平たばりました。
 続く一枚は番頭の額をつんざき、最後の一枚は井崎八郎の拳を打ちます。
銭形平次捕物控
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検索コンテンツ
1. ぜにがた‐へいじ【銭形平次】
日本国語大辞典
野村胡堂作の小説「銭形平次捕物控」の主人公の名。江戸の目明かしで、銭を投げて武器とする。
2. ぜにがた-へいじ【銭形平次】
日本人名大辞典
野村胡堂(こどう)の小説「銭形平次捕物控」の主人公。江戸神田明神下の長屋にすむ岡っ引きで,恋女房のお静,子分のガラッ八こと八五郎がいる。投げ銭の特技で犯人を逮捕
3. ぜにがたへいじ【銭形平次】
日本架空伝承人名事典
野村胡堂が一九三一年(昭和六)から五七年まで書き継いだ『銭形平次捕物控』シリーズ(長・短編合わせて総計三八三編)の主人公。江戸神田明神下の長屋に住む「江戸一番の
4. 『銭形平次』シリーズ
日本大百科全書
野村胡堂のむらこどうの小説『銭形平次捕物控とりものひかえ』。1931年(昭和6)文芸春秋発行の『文芸春秋オール読物号』創刊号に掲載された、銭形平次を主人公とする
5. 銭形平次捕物控
日本大百科全書
昭和32)8月まで主として『オール読物』に掲載。383編。『銭形平次捕物控』全3巻(1932~1933・春陽堂)をはじめ、『銭形平次捕物全集』全26巻(1956
6. 銭形平次捕物控
世界大百科事典
野村胡堂作の小説。1931-57年(昭和6-32)《オール読物》などに発表。長編21,中編18,短編341,掌編3,計383編。神田明神下の長屋に住む,投げ銭の
7. 市川崑
日本大百科全書
952)あの手この手(1952)プーサン(1953)青色革命(1953)天晴れ一番手柄 青春銭形平次(1953)愛人(1953)わたしの凡すべてを(1954)億
8. おおかわ-はしぞう【大川橋蔵】画像
日本人名大辞典
時代劇の二枚目スターとして「若さま侍捕物帳」「新吾十番勝負」のシリーズなどで活躍。テレビの「銭形平次」は40年から18年間もつづいた。昭和59年12月7日死去。
9. 喜劇映画
世界大百科事典
得意とする作家としては,〈軽薄才子〉と評された初期の市川崑が,《足にさわった女》(1952),《青春銭形平次》《愛人》(ともに1953)などで発揮したモダニズム
10. 時代劇映画
世界大百科事典
50-51)がチャンバラの魅力を見せた。嵐寛寿郎の《右門捕物帖》《鞍馬天狗》,長谷川一夫の《銭形平次》,片岡千恵蔵の《遠山金四郎》,市川右太衛門の《旗本退屈男》
11. じんぼ-ともよ【神保朋世】
日本人名大辞典
伊東深水にまなぶ。美人画をえがきながら,大正15年「国民新聞」連載の講談の挿絵をかく。野村胡堂の「銭形平次捕物控」,邦枝完二の「振袖(ふりそで)役者」の挿絵で知
12. 推理小説
世界大百科事典
は1917年1月《文芸俱楽部》に発表)が最初にして最高の模範例となっている。以後,野村胡堂(銭形平次),佐々木味津三(右門),横溝正史(人形佐七)など数多くの作
13. 大衆文学
世界大百科事典
却した長谷川伸,子母沢寛らの史伝ものへの接近などを生む。直木三十五《南国太平記》,野村胡堂《銭形平次捕物控》,邦枝完二《お伝地獄》,三上於菟吉《雪之丞変化》,鷲
14. 捕物帖/捕物帳[文芸]
イミダス 2018
時代小説の舞台設定で描かれるミステリーの一種。岡本綺堂の「半七捕物帳」を嚆矢として、野村胡堂の「銭形平次」、横溝正史の「人形佐七」、佐々木味津三の「むっつり右門
15. 捕物帳
日本大百科全書
どうの『半七捕物帳』をはじめ、佐々木味津三みつぞうの『右門うもん捕物帳』、野村胡堂こどうの『銭形平次捕物控』、久生十蘭ひさおじゅうらんの『顎あご十郎捕物帳』、城
16. にんぎょうさしち【人形佐七】
日本架空伝承人名事典
解決して名を上げ、捕物にかけても「三国一」と称されるようになる。作中の人間関係は、野村胡堂『銭形平次捕物控』と同じく、親分‐子分に恋女房、ライバルの図式を踏襲し
17. 野村胡堂画像
日本大百科全書
でん』の没羽箭張清ぼつうせんちょうせいの百発百中の投石の特技から銭形平次ぜにがたへいじを創造する。27年間にわたる連載『銭形平次捕物控ひかえ』により1958年第
18. 野村胡堂
世界大百科事典
はじめ人物評論や科学小説を書いていたが,31年《オール読物》創刊に際し,依頼されて捕物帳シリーズ《銭形平次捕物控》を発表,好評を博す。他に《三万両五十三次》(1
19. のむら‐こどう【野村胡堂】
日本国語大辞典
小説家。岩手県出身。本名長一。東京帝大法科中退後、報知新聞社に入社。「銭形平次捕物控」などの大衆小説で作家的地位を築く。音楽評論家としても「あらえびす」の名で知
20. のむらこどう【野村胡堂】
国史大辞典
同四十五年に報知新聞社に入社、昭和十七年(一九四二)まで在社、小説、レコード評論などの筆を執った。『銭形平次捕物控』(昭和六―三十二年)で知られるほか、時代物に
21. のむら-こどう【野村胡堂】画像
日本人名大辞典
社,社会部長,学芸部長を歴任。その間,小説,人物評論を発表,とくに昭和6年からかきはじめた「銭形平次捕物控」383話は好評を博した。「あらえびす」の名で音楽評論
22. 野村胡堂[文献目録]
日本人物文献目録
類館」』水曜荘主人『最後のレコード・ファン 野村胡堂の死』西条卓夫『書斎訪問記』八木福次郎『銭形平次半生記』野村胡堂『啄木と野村胡堂』遊座昭吾
23. 長谷川一夫
日本大百科全書
座を結成して舞台出演を始めた。第二次世界大戦後は東宝から大映に移り、『地獄門』『近松物語』「銭形平次」シリーズなど数多くに主演、1963年(昭和38)、300本
24. 長谷川一夫
世界大百科事典
《月の渡り鳥》1951,《花の渡り鳥》1956,《雪の渡り鳥》1957,等々)から捕物帖(《銭形平次》シリーズ,1951-61)に至る数々の娯楽時代劇に出演した
25. はんしち【半七】
日本架空伝承人名事典
東京・浅草の金竜山浅草寺の境内に、捕物作家倶楽部が四九年(昭和二四)に建立した半七塚がある。塚の裏面には、『銭形平次捕物控』の作者野村胡堂の撰文になる「半七は生
26. 森一生
日本大百科全書
)ごろつき船(1950)阿修羅判官(1951)銭形平次(1951)花ある怒濤(1951)逢魔が辻の決闘(1951)決闘鍵屋の辻(1952)銭形平次捕物控 地獄の
27. 【総論】岩手県
日本歴史地名大系
設立するなど農芸科学者としても知られ、宗教思想家でもあった。ほかに新体詩・言文一致体の先駆者山田美妙、「銭形平次捕物控」で知られる野村胡堂らがおり、萬鉄五郎は日
「銭形平次」の情報だけではなく、「銭形平次」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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「銭形平次」は人物に関連のある記事です。
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