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  11. 鞍馬天狗

鞍馬天狗

ジャパンナレッジで閲覧できる『鞍馬天狗』の日本架空伝承人名事典・世界大百科事典のサンプルページ

新版 日本架空伝承人名事典

鞍馬天狗
くらまてんぐ
 大仏次郎の連作時代小説の主人公。『鬼面の老女』(一九二四)から『西海道中記』(一九五九)まで三六編の作品があり、いずれも鞍馬天狗を主人公としている。『御用盗異聞』『角兵衛獅子』『天狗廻状』『宗十郎頭巾』『江戸日記』『雁のたより』などがとくに名高い。作者はこの主人公を謡曲『鞍馬天狗』から思いついて、不死身の超人的な武士にふさわしい命名をした。倉田典膳、館岡弥吉郎、海野雄吉などの仮名もあるが、本名は不明である。初登場時には一八六二年(文久二)に四〇歳近かったのが、後年の作品では六九年(明治二)に三〇そこそこと逆に若返った。鞍馬天狗は薩長と協力して倒幕運動に挺身する勤王の志士だが、初期作品中でもすでに、無益な殺生を好まず、また目的と手段とのかかわりについて悩む人間的な性格を示している。大仏次郎の戦後の現代小説に登場する同タイプの人物(『旅路』の瀬木義高、『帰郷』の守屋恭吾など)との比較などから、鞍馬天狗は作者の市民精神の形象化といわれる。
[村上 光彦]
映画
 鞍馬天狗の映画化は、大仏次郎の原作の発表の翌年から行われたが、その後、数多くの映画が作られて、鞍馬天狗は丹下左膳などとともに、時代劇の大ヒーローとなった。鞍馬天狗を最も多く演じたのは嵐寛寿郎であって、一九二七年(当時は嵐長三郎)のデビュー作『鞍馬天狗余聞・角兵衛獅子』以来、戦前・戦後あわせて四〇本に出演している。嵐寛寿郎演ずる鞍馬天狗は黒紋付の着流しに宗十郎頭巾=黒覆面姿で、鞍馬天狗の視覚的イメージの形成・定着に決定的な役割を果たし、鞍馬天狗といえばすぐにアラカンが連想されるようになった。主人公鞍馬天狗は、彼を「天狗のおじさん」と慕う角兵衛獅子の少年、杉作をお供にし、時代劇のヒーローにありがちな陰湿なニヒリズムではなく、明朗闊達で、正しく、強く、やさしい人物として描かれている。
[山内 吉蔵]
鞍馬の天狗
 天狗は、日本の深山に棲むという想像上の魔物である。その姿形は、顔は赤く高い鼻をもち、山伏に似ているが、背に翼をもって空を飛ぶことができる。金剛杖や羽根の扇子を持ち、神通力を有している。こうしたイメージは、中世の中頃にはできあがっていたらしい。鞍馬山にはその天狗が棲み、牛若丸すなわちのちの源義経に兵法を授けたという。義経がいつ鞍馬寺に預けられたのかは史実として不明だが、七歳か八歳の頃、鞍馬寺の塔頭東光坊の阿闍梨に預けられ、遮那王と呼ばれたという。遮那王は鞍馬寺で学問のみならず武芸や兵法も学んだとされるが、具体的なことは分かっていない。物語や伝説によれば、鞍馬山の山中深くの僧正ヶ谷で、天狗に武芸や兵法を授けられたことになっている。こうした義経伝説をもとに創られたのが、能(謡曲)の『鞍馬天狗』である。あるとき、鞍馬寺に僧らが稚児たちを連れて花見に出かける。すると山伏が現われたので、僧たちは稚児を一人残して引き揚げてしまう。皆にのけ者にされていたその稚児が、牛若(遮那王=義経)であった。山伏は実は鞍馬山の大天狗で、牛若に同情し、山々の桜を見せたのち、再会を約して僧正ヶ谷へと立ち去った。後日、牛若は多くの天狗を従えた大天狗と会い、僧正ヶ谷に通って兵法を授けられた。この能は、やがて義経が鬼一法眼の娘と通じて兵法の秘伝書『六韜三略』を盗み、兵法を学んだという人形浄瑠璃『鬼一法眼三略巻』などへと広がりを見せる。
[高橋 千劔破]
僧正の中て鞍馬ハうでをこき
編者/評者:編者未詳
出典:『柳多留拾遺』
編・相印(月)・番号(枚、丁、日):5‐19
刊行/開き:1796~97(寛政8~9)(刊)
田舎医者使ハ来たり馬に鞍
編者/評者:編者未詳
出典:『柳多留拾遺』
編・相印(月)・番号(枚、丁、日):4‐12
刊行/開き:1796~97(寛政8~9)(刊)
第一句、「き」は力や技をふるう意、腕扱きは武芸などに優れた者をいう。この僧正は大天狗僧正そうじょう坊。第二句、山里の医師は患家から迎えが来れば馬に乗って駈けつける。謡曲『鞍馬天狗』中の文句とり、「花咲かば告げんといひし山里の、使は来たり馬に鞍」。
僧正坊はねがぬけるとうちハにし
編者/評者:初世川柳(評)
出典:『川柳評万句合勝句刷』
編・相印(月)・番号(枚、丁、日):礼‐4
刊行/開き:1762年(宝暦12)(開き)
牛若ハおれが弟子だと鼻に懸ヶ
編者/評者:呉陵軒可有ら(編)
出典:『誹風柳多留』
編・相印(月)・番号(枚、丁、日):145‐35
刊行/開き:1765~1840年(明和2~天保11)(刊)
第一句、自分の翼の羽を羽団扇に? 第二句、天狗だけあって、自慢(鼻にかける)。


世界大百科事典

鞍馬天狗
くらまてんぐ

大仏次郎の連作時代小説で,短編《鬼面の老女》(1924)から《西海道中記》(1959)まで36編の作品をさす。いずれも鞍馬天狗を主人公としている。《御用盗異聞》《角兵衛獅子》《天狗廻状》《宗十郎頭巾》《江戸日記》《雁のたより》などがとくに名高い。作者はこの主人公を謡曲《鞍馬天狗》から思いついて,不死身の超人的な武士にふさわしい命名をした。倉田典膳,館岡弥吉郎,海野雄吉などの仮名もあるが,本名は不明である。初登場時には1862年(文久2)に40歳近かったのが,後年の作品では69年(明治2)に30そこそこと逆に若返った。鞍馬天狗は薩長と協力して討幕運動に挺身する勤王の志士だが,初期作品中でもすでに,無益な殺生を好まず,また目的と手段とのかかわりについて悩む人間的な性格を示している。大仏次郎の戦後の現代小説に登場する同じタイプの人物(《旅路》の瀬木義高,《帰郷》の守屋恭吾など)との比較などから,鞍馬天狗は作者の市民精神の形象化といわれている。
[村上 光彦]

映画

映画化作品は,尾上松之助主演《鞍馬天狗》となって早くも翌1925年に現れた。以後,その本数は63本を数え(61本との説もある),歴代の鞍馬天狗俳優は,尾上松之助のあと,嵐長三郎(のち寛寿郎),市川百々之助,坂東好太郎,斯波大輔,榎本健一,杉山昌三九,佐分利信,島田正吾,小堀明男,東千代之介,市川雷蔵である。鞍馬天狗役を最大の当り役としたのはアラカンこと嵐寛寿郎で,27年のデビュー作《鞍馬天狗余聞・角兵衛獅子》から56年の《疾風!鞍馬天狗》まで,前記63本のうち40本に出演した。マキノ映画からはじまって,かかわった映画会社のどこでも必ず鞍馬天狗役を演じたことになり,アラカン=鞍馬天狗というイメージは不動のものとなった。この間,原作者の大仏次郎があまりに人を斬りすぎるなどの理由で異を唱え,1954年,みずから〈鞍馬天狗プロダクション〉を設立,東宝と組んで,小堀明男を鞍馬天狗役に3本の作品を製作したが,興行的に成功せず,56年にはアラカン=鞍馬天狗が復活した。40年以上の長命をもつ,おそらく日本映画史上最長といえる《鞍馬天狗》シリーズの魅力は,むろん主人公鞍馬天狗の痛快なヒーローぶりにあるが,そこには一種の二重性が感じられる。まず鞍馬天狗は,倉田典膳という仮の名以外,本名が不明で,年齢,出身地も定かではない。つまり,黒覆面(宗十郎頭巾)が象徴するように,勤皇派という立場を除けば,すべてはなぞに包まれていて,まさしく〈怪人〉と呼びうる。だが,この〈怪人〉はつねに明朗闊達で,正しい,強い,やさしい人物として行動する。とくにやさしさの一面は,角兵衛獅子の孤児,杉作から〈天狗のおじさん〉と慕われるように,子ども好きの性格として強調され,嵐寛寿郎の天狗に対して美空ひばりや松島トモ子が杉作を演じた作品は,幼少ファンの心をとらえ,〈怪人〉ならぬ〈快人〉鞍馬天狗となり,その〈快人〉ぶりは,〈怪人〉性によっていっそう際だつという二重性をもつことになった。勤皇派とはいえ,狭い党派性にとらわれず,いわば自由人の雰囲気をただよわせていて,たとえばそれは,宿敵近藤勇を〈あなた〉と呼び,フェア・プレーの勝負を行うことに現れている。個としての自己に立った自由人というイメージによって,時代劇でありつつ強い現代性をもつことに成功した。このシリーズの魅力はそこにあったといえよう。
[山根 貞男]

[索引語]
大仏次郎 倉田典膳 嵐寛寿郎 杉作
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世界大百科事典
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19. あら‐てんぐ【荒天狗】
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23. いち‐じ【一寺】
日本国語大辞典
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24. いち‐ばん【一番】
日本国語大辞典
るらん。一番見んぞや。鼓撃を召(よ)べとて」*蔭凉軒日録‐延徳元年〔1489〕一一月一四日「鞍馬天狗一番歌〓之」*仮名草子・竹斎〔
25. いっぴつ‐けいじょう[‥ケイジャウ]【一筆啓上】
日本国語大辞典
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26. いで‐たち【出立】
日本国語大辞典
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27. いとう-きくぞう【伊藤幾久造】画像
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大正-昭和時代の挿絵画家。明治34年7月13日生まれ。伊東深水にまなぶ。大仏(おさらぎ)次郎の「鞍馬天狗(くらまてんぐ)」や,戦争物の挿絵などで人気をえる。「講
28. 伊藤大輔
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29. うき‐よ【憂世・浮世】
日本国語大辞典
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30. うしわかまる【牛若丸】
日本国語大辞典
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31. うす‐はなざくら【薄花桜】
日本国語大辞典
俳諧・増山の井〔1663〕三月「山桜 花ざくら 紅の薄花桜」(2)薄い桜色。薄紅色。*謡曲・鞍馬天狗〔1480頃〕「沙那王がいでたちには、肌には薄花桜の単に」*
32. うず‐ざくら【雲珠桜】
日本国語大辞典
総称していう。*定頼集〔1053頃〕「是や此音に聞きつるうす桜鞍馬の山に咲ける成るべし」*謡曲・鞍馬天狗〔1480頃〕「鞍馬の山の雲珠桜。手折り、栞(しをり)を
33. うち‐つけ【打付】
日本国語大辞典
上・二一八「打つけに物ぞ悲しき木の葉ちる秋の始めをけふぞとおもへば〈よみ人しらず〉」*謡曲・鞍馬天狗〔1480頃〕「うちつけに、心空に楢柴(ならしば)の、馴れは
34. うち‐わ[‥は]【団扇・団】画像
日本国語大辞典
唐人、仙人、天狗などの持ち物で、唐団扇、羽団扇、葉団扇、魔王団扇などがある。「天鼓(てんこ)」「鞍馬天狗」などに用いる。(4)(1)を図案化した紋所の名。桑名団
35. おう‐ぎ[アウ‥]【奥義・奥儀】
日本国語大辞典
宝物集〔1179頃〕八「物がたりしけるついでに、法文の奥儀、生死の無常など申けるに」*謡曲・鞍馬天狗〔1480頃〕「張良沓(くつ)を捧げつつ、馬の上なる石公に、
36. おおせ‐つ・ける[おほせ‥]【仰付】
日本国語大辞典
義降参の事「六条判官、并(ならび)に子供尋ねまゐらすべきよし、幡磨守に仰せ付けらる」*謡曲・鞍馬天狗〔1480頃〕「それがしもいかに仰せ付けられたとて打ち太刀を
37. おおべし【大ベシ】[技法・演出]
能・狂言事典
後ジテの登場に奏する豪壮で重々しい囃子事。天狗(《鞍馬天狗》)、異相の神(《玉井》)が登場する。大ベシという名称は天狗が大〓
38. おお‐べしみ[おほ‥]【大〓見】
日本国語大辞典
の一種で、天狗、鬼畜を表わす「べしみ」の一つ。口を一文字に引き結んだ魁偉な相貌で大形な面。「鞍馬天狗(くらまてんぐ)」「善界(ぜがい)」などの天狗に用いる。おお
39. おきゃがり‐こぼし【起上小法師】
日本国語大辞典
〔名〕(1)「おきあがりこぼし(起上小法師)」に同じ。*大観本謡曲・鞍馬天狗〔室町末〕「おきゃがり小法師振り鼓。手鞠やおどります小弓」*雑俳・蓍萩〔1735〕「
40. 大仏次郎
日本大百科全書
長谷はせ大仏裏に住んでいたため大仏の筆名を用いる。1924年(大正13)『鬼面の老女』を皮切りに『鞍馬天狗くらまてんぐ』の連作を執筆、26年に初めての新聞小説で
41. 大仏次郎
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契機として勤務先の外務省を退いて作家生活に入り,24年に大衆文芸誌《ポケット》に連載を始めた《鞍馬天狗》によって認められた。このあと,《照る日くもる日》(192
42. おさらぎ‐じろう【大仏次郎】
日本国語大辞典
東京帝国大学卒。大衆文学の向上につとめ、知識層を含め幅広い支持をうけた。文化勲章受章。代表作に「鞍馬天狗」「赤穂浪士」「帰郷」「宗方姉妹」「ドレフュス事件」など
43. おさらぎじろう【大佛次郎】
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経て東京帝大政治学科に進み、卒業後、外務省に勤めたが、関東大震災を契機に作家として自立し、『鞍馬天狗』の連作で注目され、『大阪朝日新聞』に連載した『照る日くもる
44. おさらぎ-じろう【大仏次郎】画像
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大正-昭和時代の小説家。明治30年10月9日生まれ。野尻抱影の弟。はじめ外務省につとめる。大正13年からの「鞍馬天狗(くらまてんぐ)」の連作でみとめられ,「赤穂
45. おさらぎじろう【大仏次郎】
歌舞伎事典
横浜生れ。大正一〇(1921)年東京帝国大学政治学科卒業。外務省勤務のかたわら、翻訳・翻案に従い《鞍馬天狗》の連作に好評をえて創作生活に入る。西欧的教養と新感覚
46. 大仏次郎[文献目録]
日本人物文献目録
ラウス『大仏次郎』紅野敏郎『大仏次郎』亀井高孝『大仏次郎今昔』田中純『大仏次郎論』伊集院斉『鞍馬天狗と大仏次郎』古谷綱正『現代日本百人物』-『人物素描 大仏次郎
47. おそ‐ざくら【遅桜】
日本国語大辞典
7〕春下・一〇四「したさゆるひむろの山のおそ桜きえのこりける雪かとぞ見る〈源仲正〉」*謡曲・鞍馬天狗〔1480頃〕「愛宕(あたご)高雄(たかを)の初桜、比良や横
48. おっ‐くだ・す【追下】
日本国語大辞典
〔他サ四〕「おいくだす(追下)」の変化した語。*謡曲・鞍馬天狗〔1480頃〕「驕れる平家を西海に追っ下し」*四河入海〔17C前〕一九・三「短処を護情して、如丹元
49. おっ‐た・てる【追立】
日本国語大辞典
*謡曲・求塚〔1384頃〕「光は飛魄(ひばく)の鬼となって、笞(しもと)を振り上げ追っ立つれば」*謡曲・鞍馬天狗〔1480頃〕「これは近頃狼藉(ろおぜき)なる者
50. 御伽物語(仮名草子集) 447ページ
日本古典文学全集
天台宗鞍馬寺奥の院不動堂から貴船に至る鞍馬山中のこと。「鞍馬の奥僧正が谷に年経て住める大天狗なり」(謡曲・鞍馬天狗)。「仏の毒」。諺に「仏頼んで地獄に堕つる」。
「鞍馬天狗」の情報だけではなく、「鞍馬天狗」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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アメリカの発明家,電気技術者。二重電信機,スズ箔蓄音機,カーボンマイクロホン,白熱電球,映画,アルカリ蓄電池,謄写印刷機などを発明,または改良したことで非常に著名である。貧しい材木商兼穀物商の家に生まれ,小学校には数ヵ月しかいかずに母親から教育を受け
ショパン(日本大百科全書・世界大百科事典)
ピアノ音楽に比類ない境地を開いたポーランド出身の作曲家、ピアニスト。主要な作品のほとんどがピアノ曲で、その個性的で斬新(ざんしん)な書法はリリシズムを基調に、雄々しさ、気品、メランコリーなど多彩な性格をあわせもち、「ピアノの詩人」とたたえられ、世界的
山本周五郎(日本近代文学大事典・日本大百科全書・世界大百科事典)
本文:既存小説家。山梨県北都留郡初狩村八二番戸(現・大月市下初狩二二一番地)生れ。父清水逸太郎、母とくの長男。本名は三十六(さとむ)。家業は繭、馬喰、そのほか諸小売りであった。生前、本籍地の韮崎市若尾を出生地と語ったのは、そこが武田の御倉奉行と伝え
築山殿(日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典)
徳川家康の室。駿河御前(するがごぜん)ともいう。父は関口義広(よしひろ)(一説に氏広、また親永(ちかなが)など)、母は駿河の今川義元の妹。1556年(弘治2)義元の養女として、当時今川氏の人質となり駿府(すんぷ)にあった三河岡崎城主の家康に嫁し
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