1. 愛護若
日本大百科全書
紀海音きのかいおんの『愛護若塒箱ねぐらのはこ』、近松半二らの『愛護若名歌勝鬨めいかのかちどき』などが現れ、とくに菅専助すがせんすけらの『摂州合邦辻せっしゅうがっ
2. 愛護若
世界大百科事典
内容が複雑で前後二つの部分から成る。主人公愛護若が父二条蔵人清衡の後妻雲井の前の邪恋を拒んだため,激しい憎しみを買って館を追放されるまでの前半と,館を出た愛護若
3. あいごのわか【愛護若】
国史大辞典
貴公子受難物語の説経代表作。六段。愛護若は二条蔵人前左大臣清平の一子で、夫婦が長谷観音に祈請してもうけた申し子。嵯峨天皇の時代、若十三歳の時母が死に、継母の八
4. あいごのわか【愛護若】
日本人名大辞典
説経節「愛護若」の主人公。前左大臣二条清平の子。13歳で母に死別。継母の邪恋をこばんだため汚名をきせられ,さまざまな責め苦にあい,ついに自殺。のち疑いはれて日吉
5. あいごのわか【愛護若】
日本架空伝承人名事典
愛護の創造とその死は、近世的なものへの懸橋として、歴史的な意味を担っている。[岩崎 武夫]愛護若と山王 説経『愛護若』は近江の民間伝承の流れとともに、山の霊童を
6. 愛護若一代記(著作ID:594989)
新日本古典籍データベース
あいごのわかいちだいき 八文字自笑一世(はちもんじじしょう1せい) 江島其磧(えじまきせき) 浮世草子 天明八刊
7. 愛護若塒箱(著作ID:595006)
新日本古典籍データベース
あいごのわかねぐらのはこ 紀海音(きかいおん) 浄瑠璃/義太夫 正徳四初演
8. 愛護稚名歌勝鬨(著作ID:10071)
新日本古典籍データベース
あいごのわかめいかのかちどき 愛護若名歌勝鬨 竹田出雲二世(たけだいずも2せい) 吉田冠子一世(よしだかんし1せい) 中邑阿契(なかむらあけい) 近松半二(ちか
9. 女帝愛護若(著作ID:125348)
新日本古典籍データベース
おんなみかどあいごのわか 中村清五郎二世(なかむらせいごろう2せい) 狂言本 宝永四刊
10. あ‐が・く【足掻】
日本国語大辞典
がきふためけば身を失ぞ祿を求、財宝をほしがってあがけば、わざわい恥辱なことが来ぞ」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕二「去られた男の門内へ入らんとあがくは推参な
11. あさ=に なるとも[=を 蒔(ま)くとも]苧(お)になるな
日本国語大辞典
護の若が、麻が風でなびいたため悪人に見つけられ、それを恨んで書きつけたという文句。*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕四「我を打ったる其仇に、花は咲くとも桃なるな
12. 麻(あさ)=になるとも〔=を蒔(ま)くとも〕苧(お)になるな
故事俗信ことわざ大辞典
に見つけられ、それを恨んで書きつけたという文句。「苧」は、麻の繊維からつくった糸。 浄瑠璃・愛護若塒箱(1715頃)四「我を打ったる其仇に、花は咲くとも桃なるな
13. 穴蔵(あなぐら)で雷(かみなり)聞(き)く
故事俗信ことわざ大辞典
ばかばかしい程用心することのたとえ。 浄瑠璃・愛護若塒箱(1714)二「畳の上で舟を漕ぎ穴蔵(アナクラ)で雷聞く、用心深う養生も全うなさるる」
14. あひる‐とび【家鴨飛】
日本国語大辞典
〔名〕あひるのように、飛び立とうとして飛ぶことができず、尻を振って進む様子をあざけっていうことば。*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕三「杖にはぐれし座頭の坊、滅
15. いい‐ばれ[いひ‥]【言晴】
日本国語大辞典
*仮名草子・大仏物語〔1642〕下「是は我がひけをいひはれするといひ、世間の六借をのがるるといひ」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕三「日待に召されし芸者共、罷
16. い‐おん【医陰】
日本国語大辞典
陰両道、病人免
之」*浄瑠璃・
愛護若塒箱〔1715頃〕一「医陰(イオン)の両道術尽きて諸仏の悲願空しきを、神明和光の力により、平復ならせ給ふ故」
17. いし に 立(た)つ矢(や)
日本国語大辞典
は〈略〉此題は生きたる虎の事なれば、虎ふす野べも、石にたつ矢など読みたるがよき也」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕一「恋のそめ羽の色に出て、思ひ込んだる一念の
18. 石(いし)に立(た)つ矢(や)
故事俗信ことわざ大辞典
ては〈略〉此題は生きたる虎の事なれば、虎ふす野べも、石にたつ矢など読みたるがよき也」浄瑠璃・愛護若塒箱(1715頃)一「恋のそめ羽の色に出て、思ひ込んだる一念の
19. いし を 打(う)つ
日本国語大辞典
紋尽し「町人民家の嫁どりにこそ石をうつ法はあれ、弓矢取の婚礼〈略〉今宵石打狼藉者」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕二「妻迎へ舟寿(ことぶき)に、一家一門上下を
20. 梅若丸画像
日本大百科全書
説経浄瑠璃では『梅若』または『隅田川すみだがわ』の題名で、『苅萱かるかや』『山荘太夫さんしょうだゆう』『愛護若あいごのわか』などとともに五説経のなかに加える者も
21. かめ の 浮木(うきき・うきぎ)
日本国語大辞典
〕釈教・二六三三「目しひたる亀の浮木にあふなれやたまたまえたる法のはし舟〈高弁〉」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕四「年月沈む恋の海、亀の浮木(ウキギ)は得た
22. 亀(かめ)の浮木(うきき)
故事俗信ことわざ大辞典
玉葉(1312)釈教・二六三三「目しひたる亀の浮木にあふなれやたまたまえたる法のはし舟〈高弁〉」浄瑠璃・愛護若塒箱(1715頃)四「年月沈む恋の海、亀の浮木(ウ
23. がく‐ち【学知・学智】
日本国語大辞典
学問。*ぎやどぺかどる〔1599〕上・二・三「学智といふは、是非を糺し明むる智恵也」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕一「六条の右大将有雄卿と聞えしは、させる学
24. 貴種流離譚
日本大百科全書
『義経記ぎけいき』の義経よしつねなどの古代・中世の物語や語物を経て、小栗判官おぐりはんがん、愛護若あいごのわか、俊徳丸などの説経節の悲しい主人公まで、その類型は
25. 近世説美少年録 29ページ
日本古典文学全集
そのなかでは近松門左衛門の浄瑠璃『双生隅田川』が有名。馬琴にも『墨田川梅柳新書』(文化四年刊)がある。愛護若。古浄瑠璃の主人公。
26. くらい‐だおし[くらゐだふし]【位倒】
日本国語大辞典
〔名〕「くらいだおれ(位倒)」に同じ。*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕一「直ぐな心の清平公、邪智貪慾(どんよく)は有雄卿(ありをきゃう)、位倒(クラヰダフ)し
27. くわ‐がまち[くは‥]【鍬框】
日本国語大辞典
〔名〕鍬の金具の部分。*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕二「在所喧嘩(けんくゎ)の手習ひに、小鍛冶(こかぢ)が打った鍬がまち、いざ参らうと振上ぐれば」
28. こい は 互(たが)い
日本国語大辞典
浮世草子・傾城色三味線〔1701〕江戸・一「恋は互(タガイ)なれば情をかけてやれ」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕一「ちょっとちょっとと手を引いて誘ひ給へば、
29. 恋(こい)は互(たが)い
故事俗信ことわざ大辞典
」浮世草子・傾城色三味線(1701)江戸・一「恋は互(タガイ)なれば情をかけてやれ」浄瑠璃・愛護若塒箱(1715頃)一「ちょっとちょっとと手を引いて誘ひ給へば、
30. 広益俗説弁 続編 108ページ
東洋文庫
同国阿拝郡一宮奥観音谷に在」と見へたり。此説、証とするにたらんか。 愛護若が説 俗説云、むかし二条蔵人といふ人の子に、愛護若といふ美少人あり。継母これを恋慕し文
31. 広益俗説弁 続編 109ページ
東洋文庫
遺骨を首にかけて諸国を修行し、亡跡ねんごろに弔ける」とあり〔以上『長物語』説〕。此聖護院の梅若を愛護若とし、三条京極に住せる花園左大臣を二条蔵人とし、叡山の教戒
32. 広益俗説弁 続編 396ページ
東洋文庫
『日本書紀』『神代直指抄』や『薛方山紀述』を引いて説明している。また、遺編巻二十七「愛護若が説」では、愛護若の俗説の原話が『秋夜長物語』に基づいて作られたと指摘
33. 幸若舞 1 百合若大臣(ゆりわかだいじん)他 100ページ
東洋文庫
『太平記』巻 一一をはじめ中世の諸書に散見する。また、「一念無量劫、繋念無量罪」となる場合(説経節「愛護若」、浄瑠璃「燦静胎内据」など)もある。「一念五百生、繋
34. こ‐じつこ・し
日本国語大辞典
〔形ク〕(「こ」は接頭語)いやにしつこい。*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕三「御器量勝れ給ふのが、其身ながらの身の敵、胴欲なげにこじつこう惚れ腐ったと、しゃく
35. こん‐せん【金仙】
日本国語大辞典
仏陀の別称。きんせん。*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕四「愛護並びに鳰照姫が蘇生の効験ならしめ給へ。帰命。頂礼金仙氏(コンセンし)」*釈氏稽古略‐四「二月詔。
36. ご‐せっきょう[‥セッキャウ]【五説経】
日本国語大辞典
説経節のうち、「三荘太夫」「苅萱(かるかや)」「信田妻(しのだづま)」「梅若(隅田川)」「愛護若」をいう。また、これらと「しんとく丸」「小栗判官」「梵天国」と入
37. しげれ‐まつやま【繁松山】
日本国語大辞典
*俳諧・犬子集〔1633〕三・雑夏「酒もりの座にて祝義の心を、さあうたへしげれ松山の千世の宿」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕二「繁れ松山御家の繁昌(はんじゃ
38. しじょう‐こう[シジャウクヮウ]【熾盛光】
日本国語大辞典
ウ)等の大曼陀羅を安置せり」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕四「七仏薬師熾盛光(シジャウクヮウ)、烏芻沙摩随求大仏頂」
39. しんぜん‐みょうう[‥メウウ]【真善妙有】
日本国語大辞典
ので同義か。*貞享版沙石集〔1283〕五・一「法界等流の音声、真善妙有の文字なり」*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕四「三諦即是目前に止観の胸を観念す。浸染妙有
40. 信徳丸
日本大百科全書
四天王寺と清水観音は古くからかかわりがあり、一連の俊徳丸ものは仏教信仰を背景にして生まれた。また、説経浄瑠璃『愛護若あいごのわか』との共通点も多い。『しんとく丸
41. すぎやま‐ごうやく[‥ガウヤク]【杉山膏薬】
日本国語大辞典
〔名〕江戸時代、杉山流の鍼医家で売った塗り薬か。*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕一「恋の矢疵の時花(はやり)医者、其許(そこもと)迄は手が廻らぬ、杉山膏薬(す
42. ずいぐ‐だいぶっちょう[‥ダイブッチャウ]【随求大仏頂】
日本国語大辞典
さす。仏頂尊を祈念すると、衆生の求めるところに随って施しを与えるところから随求という。*浄瑠璃・愛護若塒箱〔1715頃〕四「愛護並びに鳰照姫が、蘇生の効験ならし
43. 説経画像
日本大百科全書
が五説経とされたが、享保きょうほう(1716~1736)のころ「苅萱」「三荘太夫」のほかは「愛護若あいごのわか」「信田妻(信太妻)しのだづま」「梅若」が入れ替わ
44. 説経節
世界大百科事典
ろに見えるが,何をさしたか不明。後には《苅萱(かるかや)》《山荘太夫(さんしようだゆう)》《愛護若(あいごのわか)》《梅若》《信田妻》(《浄瑠璃通鑑綱目》)とも
45. 説経節 山椒太夫・小栗判官他
東洋文庫
中世末の民衆の間に育った芸能,説経節のなかから,とくに著名な「山椒太夫」「苅萱」「信徳丸」「愛護若」「小栗判官」を選んでその語り口をそのままに伝え,「信田妻」を
46. 説経節 山椒太夫・小栗判官他 1ページ
東洋文庫
横山重氏が『説経正本集』および『浄瑠璃正本集』に翻刻された本文をそのまま利用させていただいた。ただし「愛護若」については、横山氏から借覧した赤木文庫蔵の正本を底
47. 説経節 山椒太夫・小栗判官他 2ページ
東洋文庫
太夫未詳『せっきやうかるかや』 同『信徳丸』 天下無双佐渡七太夫正本『せつきやうしんとく丸』 同 『愛護若』 太夫未詳『あいこの若』 赤木文庫蔵 小栗判官』 御
48. 説経節 山椒太夫・小栗判官他 5ページ
東洋文庫
本文をそのまま利用させていただくことをお願いした。先生は快くご承諾くださっただけではなく、「愛護若」については『正本集』所収のものより良
49. 説経節 山椒太夫・小栗判官他 161ページ
東洋文庫
愛護若
50. 説経節 山椒太夫・小栗判官他 184ページ
東洋文庫
せんちよ聞きて、「御先祖1と問いかくる。若君聞こしめし、「今は何をかつつむべし。二条蔵人清平の総領愛護若」と、始め終わりを語らせ給い、消え入るように泣き給う。兄