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  10. 節用集

ジャパンナレッジで閲覧できる『節用集』の辞書・事典・叢書別サンプルページ

日本大百科全書・世界大百科事典・日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

節用集
せつようしゅう

国語辞書。もと一巻、のち二巻または三巻の体裁をとる。編者は特定できず、改編増補の過程でさまざまな人が手を入れたと考えられる。室町中期ごろに成立し、江戸初期にかけて多くの写本が成立するが、このころのものを「古本 (こほん)節用集」と称して、近世の版本と区別する。古本節用集は、い部天地門の最初の語が何であるかによって、伊勢 (いせ)本系、印度 (いんど)本系、乾 (いぬい)本系に大別される。天正 (てんしょう)年間(1573~92)以後は乾本系を中心として発達し、また増補や改編された本も数多く刊行された。当時の日常語彙 (ごい)を第一音節によっていろは順に配列し、そのなかを天地(乾坤 (けんこん))から言語(言辞)に至る12門ほどに意義分類し、京師九陌名 (けいしきゅうはくのな)、十干十二支などを付す。各語は漢字と仮名(多くは片仮名)で示され、ときに意味や語源などを記す。読みからその語の漢字表記を調べるための実用的辞書で、書名の節用は「しょっちゅう」の意ともいう。

[沖森卓也]



『節用集』[百科マルチメディア]
『節用集』[百科マルチメディア]

『饅頭屋本節用集(まんじゅうやぼんせつようしゅう)』 伊勢本(いせぼん) 室町末期国立国会図書館所蔵


世界大百科事典

節用集
せつようしゅう

室町時代中期,文明年間(1469-87)を下らないころにできた,いろは引きの国語辞書。このような体裁および性質の辞書としては,ほとんど皮切りであったとともに,当時としてはその簡便な点が実用的な書として,一般の歓迎をうけ,以後,種々の訂補や改編を経ながら,明治時代の初期までおこなわれた。このようにながい生命をもっていた点で,本書は,日本における辞書および文字教育の文化史の上に,きわめて重要な位置を占めている。〈節用集〉とは,今日の言葉でいえば,〈用字便覧〉などにあたるが,江戸時代の一般民衆のあいだでは,節用集といえば,いろは引きの辞書の代名詞でさえあったものである。おそらく《節用集》の編者は,《下学集》をいっそう検索に便利な実用的なものにしようとして,その形式を《色葉字類抄》のごときにならい,新たにいろは引きの体裁を選んだものとおもわれ,したがって,《節用集》の原形は,《下学集》の1本を粉本とし,これの語彙(ごい)に取捨を加えて成ったものであろう。しかし,現存の〈古本節用集〉は,〈い〉の部(天地門)が〈印度〉ではじまるか,〈伊勢〉ではじまるかで,語彙の配列を互いに異にする大きな2系統に分かれ,その関係は複雑である。刊記の明らかな板本では,天正18年(1590)本が最も古く,これは伊勢本であるが,慶長(1596-1615)の初め易林が印行したいわゆる易林本は,〈い〉の部が〈乾(いぬい)〉ではじまるので,分類上は,乾本とよばれる。江戸時代におこなわれたのは,これをもととするもので,その数は180種以上にのぼるという。はじめは易林本の内容には手を加えず,外形の面で,行書や草書を加える程度の改変がおこなわれるにとどまったが,しだいに,種々の増補がくわだてられて,のちには,一種の百科辞書の体裁にまで発展したものもある。
[亀井 孝]

[索引語]
古本節用集 易林本 乾本


日本国語大辞典

せつようしゅう[セツヨウシフ] 【節用集

解説・用例

(室町時代には「せっちょうしゅう」とも)

【一】

室町中期の用字集、国語辞書。文明年間(一四六九~八七)以前の成立。編者は未詳だが、建仁寺の僧かとする説がある。語の頭字のイロハ順と意味分類とで用字を検索する。用字には必要に応じて語義・語源などにも触れることがある。各種の写本・板本を生み、本書名は類書の総称の観すら呈するに至り、昭和初年まで刊行をみた。慶長以前のものは、「い」部天地門の初出の語が、「伊勢」で始まる伊勢本、同じく「印度」で始まる印度本、乾坤門初出の語が「乾」で始まる乾本(いぬいぼん)の三種に分けられる。主な諸本に、黒本(くろもと)本(写本)、天正一八年本・饅頭屋本・易林本(以上板本)、書名を異にする伊京集・和漢通用集(以上写本)などがある。

*吉川家文書別集‐(年未詳)〔室町〕二月二七日・吉川元長自筆書状(大日本古文書・四二)「近比御六ケ敷儀にて候へ共、節用集を遊候て給候はば可〓〓祝着〓候」

*咄本・軽口露がはなし〔1691〕二・一一「その方は物知り顔な事を云。あれは庭訓にてはない。節用集(セツヨウシウ)といふ謡の本に有事じゃ」

*浮世草子・西鶴織留〔1694〕一・二「節用集(セツヨウシウ)に見えわたらぬ難字を、庄屋殿より度々たづね給ふに」

*雑俳・絹はかま〔1701〕「すいりゃうが、此返状は節用集

【二】〔名〕

実用的な教養書、雑学集。

*婦人文庫〔1914〕三・節用「本書は婦人文庫第三巻節用集として、女学範、和漢筆道手習指南、教訓歌絵、都風俗化粧伝、当流節用料理大全、四季漬物早指南、菓子話船橋の七部十巻を収む」

語誌

(1)「節用」の意味については、「時々要(い)る」の意(俚言集覧・橋本進吉)とも、「論語‐学而」の「節〓用而愛〓人」から出た(中田祝夫)ともいわれるが、後者の説が妥当か。

(2)近世では、乾本系のものが行なわれたが、一八世紀以降、教養全書風の付録や挿絵が併載されるようになり、一九世紀には最盛期をむかえた。近代になると、【二】の用法で使われることが多くなり、辞書部分のない教養全書が「節用(集)」と称されるにいたる。

(3)一八世紀後半には、イロハ二重引き、特殊仮名(濁音・撥音・引音)の有無で引くものなどが考案されたが、イロハ・仮名数引きの早引節用集が他を圧するようになる。ただし、明治中期から、近代的な国語辞書の小型判が刊行されるにしたがい、淘汰された。

発音

セツヨーシュー

〓[ヨ]〓[ー]<1>

辞書

日葡

正式名称と詳細


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検索コンテンツ
1. 『節用集』
日本史年表
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2. 節用集画像
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4. せつようしゅう[セツヨウシフ]【節用集】
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5. せつようしゅう【節用集】
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6. 節用集(せつようしゅう)
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7. 節用集
図書館情報学用語辞典
室町時代から編纂され始めた簡易通俗ないろは引きの分類漢和辞書.巻首の語彙排列の異同によって,例えば,巻頭が「伊勢」で始まるものを伊勢本と呼ぶように,印度本,乾本
8. 節用集(著作ID:277485)
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13. 節用集(著作ID:345108)
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せつようしゅう 辞書 節用集 
14. 【節用集】せつよう しゅう(しふ)
新選漢和辞典Web版
《国》書名。室町・江戸時代の手軽な和漢字書。
15. 寿海節用万世字典(著作ID:225650)
新日本古典籍データベース
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16. 節用集
古事類苑
文學部 洋巻 第3巻 1062ページ
17. せっちょうしゅう[セツヨウシフ]【節用集】
日本国語大辞典
(「せつようしゅう」の連声)〓せつようしゅう(節用集
18. せっちょうしゅう【節用集】
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⇒せつようしゅう
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45. 傾城節用集(著作ID:920161)
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46. 広益字典節用集(著作ID:951042)
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47. 広益二行節用集(著作ID:951086)
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48. 合類節用集(著作ID:26653)
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50. 五十三次都々逸節用集(著作ID:4366923)
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