1. 好色敗毒散(浮世草子集)
日本古典文学全集
降、約100年間、上方を中心に流行した近世小説のことを「浮世草子」という。遊里遊びを描く『好色敗毒散(こうしょくはいどくさん)』(夜食時分・作)、女色と男色の両
2. 好色敗毒散
世界大百科事典
浮世草子。夜食時分(やしよくじぶん)作。1703年(元禄16)刊。5巻。大坂の新町を主に,京の島原,江戸の吉原に関する15章の好色短編より成る。珍奇なケースを設
3. 好色敗毒散(著作ID:178847)
新日本古典籍データベース
こうしょくはいどくさん 風流敗毒散 夜食時分(やしょくじぶん) 浮世草子 元禄一五序、同一六刊
4. あいて の 持(も)たする心(こころ)
日本国語大辞典
人の心は相手の出方次第であるの意にいう。*俳諧・毛吹草〔1638〕二「あひてのもたするこころ」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕二・一「川新も相手(アヒテ)のも
5. 相手の持たする心
故事俗信ことわざ大辞典
人の心は、相手の出方次第で変わる。 俳諧・毛吹草(1638)二「あひてのもたするこころ」浮世草子・好色敗毒散(1703)二・一「川新も相手(アヒテ)のもたする心
6. あ・く【明・開・空】
日本国語大辞典
ウタルレバ キョウヤウ ヲ シテ イミ ガ aite (アイテ)ノチ ニ ヨセ」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕二・一「此女郎勤めの年(ねん)もあきて、廓を出
7. あさくさ‐まいり[‥まゐり]【浅草参】
日本国語大辞典
〔名〕東京の浅草観音に参詣すること。また、その道中。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕五・一「浅草(アサクサ)参りの下向には必ずおとづるる事なりしを」
8. あし も たし合(あ)う
日本国語大辞典
互いに助け合う。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕一・二「荷物をつける上客など、一会かの里にともなへば、足もたしあふ馴染(なじみ)に、すゑずゑ大分の勝手(かって
9. あずけ‐ぎん[あづけ‥]【預銀】
日本国語大辞典
(アヅ)け銀の先々へも自身の付届して慥(たしか)に借所をしる事今時の大事なり」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕一・二「売掛(うりかけ)預(アヅ)け銀に損する事
10. あべかわ‐なすび[あべかは‥]【安倍川茄子】
日本国語大辞典
〔名〕静岡県安倍川の付近で産するなすび。近世以来早作りで知られる。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕五・一「但安部川茄子(アベカハナスビ)ぢゃと申事に候以上とし
11. あまざけ 箸(はし)に刺(さ)す
日本国語大辞典
無理なことのたとえにいう。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕一・三「『せめて大夫が俤(おもかげ)を、幻(まぼろし)に今一たび見えしならば、何か思ひのあるべき』と
12. 甘酒箸に刺す
故事俗信ことわざ大辞典
とてもできないこと、無理なことのたとえ。 浮世草子・好色敗毒散(1703)一・三「『せめて大夫が俤(おもかげ)を、幻(まぼろし)に今一たび見えしならば、何か思ひ
13. あみだ‐どう[‥ダウ]【阿彌陀堂】
日本国語大辞典
三月六日「ゐろり 釜 あみだたう 水指 わげもの 今やき茶椀道具入てめんつう」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕三・二「糸竹の音を阿彌陀堂の熱(へに)にやつし、
14. ある にも あられず
日本国語大辞典
いま一たびことの葉をかわさせ給へとて、あるにあられぬ御ありさま、げにことはりとぞしられけり」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕二・一「文が来れども手に触れず、品
15. あん‐がい[‥グヮイ]【案外】
日本国語大辞典
漱石〉三「主人は案外真面目(まじめ)で」(2)非常識なこと。無礼なこと。慮外。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕二・三「我儘(わがまま)ばかり案外(アングヮイ)
16. あんらくあん の 袋(ふくろ)
日本国語大辞典
安楽庵の裂(きれ)で作った茶器の袋。*浮世草子・
好色敗毒散〔1703〕一・二「挙句(あげく)のはてに、
と首筋と安楽庵(アンラクア
17. い‐いき[‥ヰキ]【意域】
日本国語大辞典
〔名〕精神の状態。心境。境地。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕四・一「此意域(イヰキ)にいたる事稀なる故、只一向に無用無用と諫むる人の親の心汲みて知るべし」
18. い‐き【依稀】
日本国語大辞典
)。俗に人の面影の能似たるを、いきじゃといふは則此字なり。さもにたりとよむ也」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕二・三「隣の医師どの、あるひは内の手代、按摩の竹
19. いくたま【生玉】
日本国語大辞典
足島神(たるしまのかみ)。本殿の屋根の構造が特異で、生玉造り(生国魂造り)とよばれる。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕三・一「押照る浪花も古き都とはいへども、
20. いごき が 取(と)れぬ
日本国語大辞典
うごきがとれない。*歌舞伎・いとなみ六方〔1674頃〕「八まんいごきがとられ申さぬ」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕一・二「顔の異風なるも、是が道具の景ぢゃと
21. いち‐ぶん【一分】
日本国語大辞典
675〕上「ふらるるうらみ山の端の色〈雪柴〉 一分は男自慢の花ざかり〈一鉄〉」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕五・一「是皆身より出たる錆刀、一分に瑕がついたる
22. いっ‐かん【一貫】
仏教語大辞典
いっ‐かん 一貫 頓悟の地 一つの道理で万事に通用し、即座に悟りに達することができるような境地。 好色敗毒散 一・二 「此外に無上無極の本粋、一貫頓悟の地といふ
23. いっかん 頓悟(とんご)の地(じ)
日本国語大辞典
一つの道理で万事に通用し、即座に悟りに達することができるような境地。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕一・二「此外に無上無極の本粋、一貫頓悟(イックヮントンゴ)
24. 一貫頓悟の地
仏教語大辞典
一つの道理で万事に通用し、即座に悟りに達することができるような境地。 好色敗毒散 一・二 「此外に無上無極の本粋、一貫頓悟の地といふ事一つあり」
25. いっ‐こ【一炬】
日本国語大辞典
同じ。*日葡辞書〔1603~04〕「Icco (イッコ)。ヒトツノ タイマツ」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕四・一「咸陽宮も一炬(イッコ)に野原となる」日葡
26. いっすん の 光陰(こういん)は沙裏(しゃり)の金(きん)
日本国語大辞典
*世阿彌筆本謡曲・盛久〔1423頃〕「百年の富貴は塵中の夢、一寸の光陰な沙裏の金」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕五・一「あだ口聞けば日午になりぬ。『南無三宝
27. 一寸の光陰は沙裏の金
故事俗信ことわざ大辞典
世阿弥筆本謡曲・盛久(1423頃)「百年の富貴は塵中の夢、一寸の光陰な沙裏の金」浮世草子・好色敗毒散(1703)五・一「あだ口聞けば日午になりぬ。『南無三宝、一
28. いっぱい なる口(くち)
日本国語大辞典
一杯いける口。酒の飲める口。酒の好きな人。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕一・二「愛染様も一盃(イッパイ)なる口と見えたり」*浮世草子・傾城歌三味線〔1732
29. いま‐りふじん【今李夫人】
日本国語大辞典
〔名〕(「李夫人」は漢の武帝の寵姫)今の世の李夫人と評判されるほどの美人。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕三・二「内儀は今李夫人とて、美容の誉れ高く」
30. いろ‐たまずさ[‥たまづさ]【色玉章】
日本国語大辞典
〔名〕恋愛の手紙。艷書(えんしょ)。いろぶみ。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕三・一「我はもと人間にあらず、色玉章(イロタマヅサ)の封じめにしるす道祖神なり」
31. いろ‐やど【色宿】
日本国語大辞典
さてもさても替(かはる)は色(イロ)宿のならひ、人の情は一歩小判あるうちなり」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕一・二「かの人の遊ぶ色宿(イロヤド)にたよりて、
32. いん‐きん【印金】
日本国語大辞典
書〔1603~04〕「Inqin (インキン)〈訳〉金箔をおいたある種の反物」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕四・三「古金襴(こきんらん)の夜着蒲団(よぎふと
33. うお‐に[うを‥]【魚荷】
日本国語大辞典
賀茂屋八兵衛より此文(ふみ)の届賃十文魚荷(ウヲニ)に相わたし申候との断り書」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕四・二「京の御状の御返事と魚荷がせがめども」
34. うきよ‐がわ[‥がは]【浮世川】
日本国語大辞典
〔名〕(1)(変化流転するこの世を、川にたとえていう)はかない浮き世。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕一・一「最早十九になるが、息災でゐる事か、または浮世川の
35. 浮世草子集
日本古典文学全集
降、約100年間、上方を中心に流行した近世小説のことを「浮世草子」という。遊里遊びを描く『好色敗毒散(こうしょくはいどくさん)』(夜食時分・作)、女色と男色の両
36. 野白内証鑑(浮世草子集)
日本古典文学全集
降、約100年間、上方を中心に流行した近世小説のことを「浮世草子」という。遊里遊びを描く『好色敗毒散(こうしょくはいどくさん)』(夜食時分・作)、女色と男色の両
37. 浮世親仁形気(浮世草子集)
日本古典文学全集
降、約100年間、上方を中心に流行した近世小説のことを「浮世草子」という。遊里遊びを描く『好色敗毒散(こうしょくはいどくさん)』(夜食時分・作)、女色と男色の両
38. うけ‐おい[‥おひ]【請負】
日本国語大辞典
〔名〕(1)引き受けること。また、その人。保証。約束。うけあい。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕五・一「百年活(い)きる請負(ウケオヒ)があるか」*浄瑠璃・丹
39. うしうま にも 踏(ふ)まれぬ
日本国語大辞典
「うし(牛)にも馬にも踏まれぬ」に同じ。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕一・一「只一人の娘六歳になりけるを諸国順礼の人を頼みて、上方へのぼせ、牛馬(ウシムマ)
40. 牛馬にも踏まれぬ
故事俗信ことわざ大辞典
「牛にも馬にも踏まれぬ」に同じ。 浮世草子・好色敗毒散(1703)一・一「只一人の娘六歳になりけるを諸国順礼の人を頼みて、上方へのぼせ、牛馬(ウシムマ)にも踏ま
41. うし の 角(つの)
日本国語大辞典
ウシノツノ」(2)「はりかた(張形)」の異称。水牛の角で作るところからいう。牛。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕二・三「況や牛の角の見事なるものを抱いて寝て、
42. 牛の角
故事俗信ことわざ大辞典
1 「張形(はりかた)」の異称。水牛の角で作るところからいう。牛。 浮世草子・好色敗毒散(1703)二・三「況や牛の角の見事なるものを抱いて寝て、歌舞妓子共の名
43. うしろ が 見(み)られる
日本国語大辞典
(1)なんとなく後ろを見たくなるようで、気味悪く感ずる。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕二・一「いづれも気味わるく後が見られてつかみたつるやうなり」*歌舞伎・
44. 後ろが見られる
故事俗信ことわざ大辞典
後ろが気になる。気味が悪い。また、悪いことなどして、後ろめたい気持ちである。気がとがめる。 浮世草子・好色敗毒散(1703)二・一「いづれも気味わるく後が見られ
45. うずくま・う[うずくまふ]【蹲】
日本国語大辞典
敷の片隅にお家久しき親仁、肴入(さかないれ)の番の為に独うづくまひてふしける」*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕二・二「人の詣でぬ社の拝殿、風ふせぐばかりの片隅
46. うたい の 師(し)
日本国語大辞典
謡曲を教授する人。うたい屋。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕四・一「近所なる諷師(ウタヒノシ)春藤作兵衛」*雑俳・柳多留‐一一〔1776〕「つげ口をするでふに
47. うち‐あ・ける【打明・打開】
日本国語大辞典
参る程にける程に」(4)心のうちなどを包み隠さないで話す。隠すところなくすっかり語る。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕五・三「打明けたる女の底に俄に隔てを入れ
48. うつ【全・空・虚】
日本国語大辞典
う」など。【二】〔名〕(「うつけ(空)」の略)うっかり者。おろか者。ぼんやり。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕四・二「それがしとても、秤目知らぬほどの虚(ウツ
49. 卯月の潤色(近松門左衛門集) 143ページ
日本古典文学全集
きかせた修辞。白人。私娼の一つ。「島の内にては女郎と総称して白人といひ、又茶立女ともいへり」(好色敗毒散)。→八六ページ注一三。上等の茶。「白茶とは灰汁に不漬し
50. えぐち の 生身(しょうじん)
日本国語大辞典
(伝説上の遊女、江口の君に対して)血の通っている遊女。生き身の遊女。*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕四・一「春日屋の何がし諷講(うたいこう)よりそぞのかし、江