1. 『浮世物語』
日本史年表
1666年〈寛文6 丙午〉 この頃 浅井了意 『浮世物語』 京版刊(江戸版、寛文10年刊)。
2. うきよ‐ものがたり【浮世物語】
日本国語大辞典
時に好色なはなしをさすこともある。うきよばなし。*浮世草子・庭訓染匂車〔1716〕二・三「ためだめの浮世物語、しらけた空におどろきて」*われから〔1896〕〈樋
3. 浮世物語
日本大百科全書
仮名草子。5巻5冊。浅井了意りょうい作。1665年(寛文5)刊か。主人公浮世房の一代記という構想のもとに、その浮世遍歴を通して、現実社会の諸相を啓蒙けいもう、批
4. 浮世物語
世界大百科事典
仮名草子。浅井了意作。5巻5冊。1665-66年(寛文5-6)ころ京都で刊行され,版を重ねる。別版に70年刊の江戸松会版があり,1737年(元文2)大坂で再版さ
5. うきよものがたり【浮世物語】
全文全訳古語辞典
[書名]江戸前期の仮名草子。浅井了意作。一六六一年(寛文一)成立。主人公浮世房が諸国修業の旅をする間、各地で見聞した話を盛り込むという形式で綴られ、当時の世相を
6. うきよものがたり【浮世物語】
国史大辞典
盛り込んだ仮名草子の傑作。『日本古典文学大系』九〇などに収められている。 [参考文献]前田金五郎「「浮世物語」雑考」(『国語国文』三四ノ六) (前田 金五郎)
7. 浮世物語(仮名草子集)
日本古典文学全集
ことを総称して「仮名草子」と言う。出版され、世間に流布した。浅井了意による『かなめいし』と『浮世物語』、一休禅師のエピソード集『一休ばなし』、遊郭話を扱う『たき
8. 浮世物語(著作ID:663569)
新日本古典籍データベース
うきよものがたり 浮世はなし 浅井了意(あさいりょうい) 仮名草子 寛文初年刊
9. 再来志道軒浮世物語(著作ID:566256)
新日本古典籍データベース
さいらいしどうけんうきよものがたり 滑稽本
10. あおい の 祭(まつり)
日本国語大辞典
「あおいまつり(葵祭)」に同じ。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一〇「鴨の宮居に詣でつつ、葵(アフヒ)のまつり、競馬(きそひむま)見しは昔に成にけり」*雑
11. あか‐がえる[‥がへる]【赤蛙】
日本国語大辞典
り、皮と腸を取り去り、しょうゆで付け焼きにして食べさせる。やまがえる。《季・春》*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・二「疳の虫、癖の病ありとて、痩疲れたるを赤
12. あか‐はじ[‥はぢ]【赤恥】
日本国語大辞典
*俳諧・望一千句〔1649〕一「をしよする源氏の勢に驚て まくりしはたの色も赤はぢ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕三・三「うろたへては逃疵をしたたかに蒙り、
13. あがり‐なまず[‥なまづ]【上鯰】
日本国語大辞典
ていふ」(3)(「ぬめり」を失う意から)遊興で金銭を使い果たした者をいう遊里語。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「三味線を引寄せ、でつるてんと引(ひく)
14. あき‐だり【飽足】
日本国語大辞典
(いも)の命(みこと)は飽足(あきだり)に袖振る見えつ雲隠るまで〈人麻呂歌集〉」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕四・三「上戸の酒に飽足(アキダリ)のなきををか
15. あげや‐まち【揚屋町】
日本国語大辞典
里、島原(下京区西六条西新屋敷)の町名。島原の中央道路の南側の東から三筋目の町。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「衣紋(ゑもん)の馬場、噂(うはさ)町を
16. あ・げる【上・揚・挙】
日本国語大辞典
茶屋に集まるとか〈略〉云ふのが江戸普通の風俗で」(7)寺子屋、学校などに入れる。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・二「寺にあげて手ならひをさすれども、芸能の
17. 浅井了意画像
日本大百科全書
明暦の江戸大火のルポルタージュである『むさしあぶみ』(1661)、現実批判を笑いのなかで行おうとする『浮世物語』(1665ころ)、中国の怪異小説『剪燈新話せんと
18. 浅井了意
世界大百科事典
感と同情,現実社会への慷慨などにささえられ,いずれも読者の好評を博した。なかでも滑稽遍歴談《浮世物語》には,西鶴の《好色一代男》の先駆的要素と,痛烈な現世批判を
19. あさい‐りょうい【浅井了意】
日本国語大辞典
どを翻案した「御伽婢子(おとぎぼうこ)」、浮世房の一代記の形をとって現実社会を批判風刺する「浮世物語」などが代表作。享年は八十歳前後と推定される。生年未詳、元祿
20. あさいりょうい【浅井了意】
国史大辞典
りながら、それをはみだして、収奪・誅求に対する厳しい批判を形象化している。その第一の代表作『浮世物語』は、浮世草子への道を開いた楽天的近世的現実主義から注目され
21. あさい-りょうい【浅井了意】
日本人名大辞典
真宗大谷派。明暦元年教訓物「堪忍記」で評判をとり,以後「東海道名所記」,滑稽(こっけい)物「浮世物語」,怪奇物「御伽婢子(おとぎぼうこ)」などを発表。京都正願寺
22. 浅井了意[文献目録]
日本人物文献目録
条秀雄『浅井了意の事』藤井紫影『浅井了意の生涯』北条秀雄『仮名草子における教訓性と文芸性 「浮世物語」の構成をめぐって』鈴木亨『剪燈新話・伽婢子及び金鰲新話の比
23. あさゐれうい【浅井了意】
全文全訳古語辞典
もと摂津国(=大阪府)の住職、了意自身も晩年は京都の住職となる。『堪忍記』『東海道名所記』『浮世物語』『伽婢子』等、仮名草子の新機軸となる作品を次々と発表した。
24. あざむ・く【欺】
日本国語大辞典
もっている人」*日葡辞書〔1603~04〕「ハナヲazamuqu (アザムク) ヨソヲイ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・四「呉子・孫子をあざむき、末代の
25. あし=を[=も]空(そら)
日本国語大辞典
ことごとしくののしりて、あしをそらにまどふが」(2)気もそぞろになって浮かれ歩くさま。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・二「これより身持我儘になりて、足を空
26. 足(あし)を空(そら)
故事俗信ことわざ大辞典
うわついて歩きまわるさま。 落窪(10C後)二「車の男ども足をそらにてまどひ倒れて」仮名草子・浮世物語(1665頃)一・二「これより身持我儘になりて、足を空にな
27. あし を 留(とど)める
日本国語大辞典
留る事を不
得候」*仮名草子・
浮世物語〔1665頃〕二・一一「いざ我等の方へ来りて、足(アシ)を止(トド)め給へ」
28. あずま‐ばしょり[あづま‥]【東端折】
日本国語大辞典
〔名〕「あずまからげ(東紮)」に同じ。*談義本・教訓不弁舌〔1754〕二・老夫浮世物語「年寄(としよっ)たものの若盛の時にはやりし塗笠(ぬりがさ)、吉彌むすび、
29. あぜ‐あ・う[‥あふ]【戯合】
日本国語大辞典
〔自ハ四〕(「あざれあう」の変化した語)たわむれあう。たがいにたわむれる。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕二・一一「浮世房も似非者(えせもの)にて慰みがてらと
30. あたり‐まなこ【当眼】
日本国語大辞典
あたりまなこにねじける。仲ゐどもこまりはて」(2)(形動)目に触れるまま。衝動的なこと。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕五・一「徳もなく、芸も無き者、末を弁(
31. あっ た 物(もの)では無(な)い
日本国語大辞典
ある。この上もなく、最高である。空前絶後である。他に比類がないことをほめていう。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「筍(たかんな)のごとくなる御手にて差し
32. あと を 垂(た)る
日本国語大辞典
*更級日記〔1059頃〕「これもさきの世にこの国にあとをたるべき宿世(すくせ)こそありけめ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一〇「五条西の洞院には天神の御
33. 跡(あと)を垂(た)る
故事俗信ことわざ大辞典
更級日記(1059頃)「これもさきの世にこの国にあとをたるべき宿世(すくせ)こそありけめ」仮名草子・浮世物語(1665頃)一・一〇「五条西の洞院には天神の御社、
34. あながち【強】
日本国語大辞典
玉の村菊「これはさきの斎宮と聞えさすれば、あながちに恐しかるべき事にもあらねど」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕三・六「盗人といふ者、あながちに外より来りて物
35. あぶな‐さ【危─】
日本国語大辞典
と。また、その度合。*日葡辞書〔1603~04〕「Abunasa (アブナサ)」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕五・一「先も見えねばあぶなさ言ふはかりなし」*
36. あま‐おち【雨落】
日本国語大辞典
*義経記〔室町中か〕三・書写山炎上の事「ころころと転び落ち、あまおちの石たたきにどうど落つ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕五・七「書院の軒に上りて雨おちへ飛
37. あまくさ‐いっき【天草一揆】
日本国語大辞典
天草・島原のキリシタンが起こした乱。一時幕府勢は苦戦したが、同一五年鎮圧。天草の乱。島原の乱。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・五「肥前の天草一揆(アマクサ
38. あま‐やか・す【甘─】
日本国語大辞典
此間あまやかひておひたに依て、そのつれな事をぬかす」*談義本・教訓不弁舌〔1754〕二・老夫浮世物語「父親(てておや)も娘子息子限らず、稚(おさない)よりあまや
39. あまり‐もの【余者】
日本国語大辞典
4〕「Amarimono (アマリモノ)〈訳〉意地の悪い青年など、手にあまる者」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕三・二「これ誠の道心者にあらず。世に捨てられた
40. あやつり【操】
日本国語大辞典
tçuri (アヤツリ)〈訳〉工夫すること。また技巧をこらすこと」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・三「賽に操(アヤツリ)を仕出し、人を抜きて金銀を取る事」
41. あゆみ を 運(はこ)ぶ
日本国語大辞典
し」*車屋本謡曲・放下僧〔1464頃〕「あゆみをはこふ神墻や、隔てぬ誓たのまん」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一〇「五条西の洞院には天神の御社、〈略〉年
42. あらぬ 事(こと)
日本国語大辞典
『あらぬこと』とだに言ひなされよ」(2)思いもよらぬこと。とんでもないこと。不都合なこと。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・四「只我一人心腹を立て、家に帰り
43. あらぬ 所(ところ)
日本国語大辞典
メヅカイヲ ミシライデaranutocoroye (アラヌトコロエ) スギ ユイタレバ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「この程けしからず行通ひ給ふ所、
44. あらぬ 外(ほか)
日本国語大辞典
とんでもないさま。不都合きわまりないさま。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕五・五「惣じてあらぬほかの悪事をいたす」
45. あら‐みさき【荒御前・荒御裂】
日本国語大辞典
頃か〕下「仍諏方住吉を荒御先として諸神悉都へ神成て、みな本社にはわたらせ給はず」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕二・六「後に神宮皇后三韓を攻め給ひし時に、此明
46. あら‐もの【荒者】
日本国語大辞典
南都へ忍び御出である事「片岡、武蔵などのあらものどもを差遣はし、少々追討し給へ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕三・一四「主君の御子息殊(こと)の外のあらもの
47. あられ‐ぬ【有─】
日本国語大辞典
みる法行はるる。又龍の駒などを見などして、あられぬありさまをして、行ひたる人なり」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕二・九「大酒を飲みて心乱れ、あられぬ口をたた
48. あられん【有―】[方言]
日本方言大辞典
阿蘇郡948北日向方言圏紀行(加藤諄)1952宇治拾遺五・九「あられぬありさまをして、行ひたる人なり」仮名草子浮世物語二・九「大酒を飲みて心乱れ、あられぬ口をた
49. ありがた‐さ【有難─】
日本国語大辞典
いかでか思ひしられざらん」*日葡辞書〔1603~04〕「Arigatasa (アリガタサ)」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「又来(き)さんしたか。早う
50. あり‐よう[‥ヤウ]【有様】
日本国語大辞典
〔室町末~近世初〕「さてはおしりやった物じゃ、有様にいはふ、ありやうにいはしめ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕四・八「医師(くすし)通斎、浮世房に向ひ『其方