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  11. 隈取

隈取

ジャパンナレッジで閲覧できる『隈取』の新版 歌舞伎事典・日本国語大辞典・世界大百科事典のサンプルページ

新版 歌舞伎事典

隈取
くまどり
 歌舞伎独自の化粧法。江戸荒事劇にはじまり、時代物一般に用いられる。各種地色へ紅・青黛などの油性顔料で片ぼかしに筋を描き、血気・怪異・姦佞かんねいなど、役柄を誇張して表現する。荒事の英雄とこれに対する敵役や鬼畜・神仏の化身など、非写実的・ロマン的演劇が、隈取の発達の基礎をなした。元禄‐正徳(1688‐1716)のころにはすでにその複雑多岐なパターンが成立していたとみられる。中国演劇の臉譜れんぷが仮面から発展したのに対し、隈取は顔面筋肉を基調として成立しているところから臉譜とはやや性格を異にする。初世・二世市川団十郎や山中平九郎、中村伝九郎ら、元禄期の諸優の工夫が、隈取創始に果たした役割は大きい。四・五世の団十郎に至り、役柄の範囲が広がるとともに、実悪じつあく系の凄みの隈も加えられた。隈取は取りかたと色彩とにより、約五〇種ほどに大別され、役々を類型化してとらえる思考によって、一種類の隈が諸種の役々に併用されるのがふつうで、〈猿隈〉が朝比奈役にのみ用いられるなどは、むしろ例外といえよう。また同一の役でも、たとえば《菅原伝授手習鑑》の梅王が〈車引の場〉と〈賀の祝の場〉とでは隈取に変化があり、《国性爺合戦》の和藤内は〈鴫蛤しぎはまぐりの場〉〈千里ヶ竹の場〉〈楼門の場〉までと、〈紅流しの場〉以降とでは、それぞれに用いる隈を変えるなど、人物の性格に即するというより、場面場面における役割を役柄とする思考がこうした変化を生むとみられよう。隈は大別して荒事・半道敵はんどうがたき系の紅隈と、実悪・鬼畜・怨霊系の藍・墨・黛赭たいしゃなどによる隈とに区分される。これらのうち代表的なものを列挙すると以下のようなものがある。〈筋隈〉は《車引》の梅王、《暫》の鎌倉権五郎、《矢の根》の五郎など。〈一本隈〉は《千里ヶ竹》《獅子ヶ城》の和藤内、《暫》の腹出しなどが用いる。その変形の〈二本隈〉があり、これは眉上にさらに〈芝翫筋〉と称する紅の筋が加わる。〈むきみ隈〉は助六、《対面》の五郎など。奴系の役はこの〈むきみ隈〉に青髭を加えたものと考えられる。〈半隈〉は墨(青)髭を頬部と顎部にほどこし、筋隈と同形、これは景清役に用いる。〈猿隈〉は額に複数の横筋を入れるところからの称で、鼻下と顎部に墨髭を入れる〈弁慶猿隈〉などの変形もみられるが、《対面》の朝比奈の用いるもの。〈火焰隈〉は筋隈の形態で額部の筋が火焔状をなす。《義経千本桜》〈鳥居前の場〉の忠信などがこれである。〈なまず隈〉は鼻脇から下部へかけて墨の鯰髭を描くのが特徴で、《暫》の鯰坊主に用いる戯隈ざれぐまの一種、同想のものに〈蟹隈〉がある。そのほか、〈大入隈〉〈日の出烏の隈〉など、ひねった趣向のものも戯隈に類別される。藍・茶・墨系の隈の典型的なものには〈公家荒くげあれ〉があり、《車引》の時平、《暫》のウケ、《妹背山婦女庭訓》の入鹿などの役々に用いる。そのほか〈般若隈〉〈うわなり隈〉など、謀反人・鬼畜・化身系の役々に多数がある。
押隈化粧
[小池 章太郎]


日本国語大辞典

くま‐どり 【隈取・暈取】

解説・用例

〔名〕

(1)陰影や濃淡などで境をつけること。また、そのもの。くま。

*小学読本〔1874〕〈榊原・那珂・稲垣〉三「辛夷も此類にして、花小く紅の暈(クマトリ)あり」

*春の城〔1952〕〈阿川弘之〉四・一「段々畠の輪郭を、一つ一つ彫ったように隈取(クマドリ)鮮かにあらわしていた」

*白い髪の童女〔1969〕〈倉橋由美子〉「宿の娘は隈どりの濃い眼を大きくみひらいて」

(2)東洋画の技法の一つ。遠近や高低などを表わすために、墨や色の濃淡をぼかしてかくこと。また、その部分。暈染(うんぜん)。くま。

*日葡辞書〔1603~04〕「Cumadori (クマドリ)〈訳〉絵に陰を描き入れてその作品を一段と引き立たせ、よく見えるようにすること」

*文芸類纂〔1878〕〈榊原芳野編〉八「暈(クマトリ) ぼかしと称す。又同色上の暈(クマトリ)をはきかけといふ。皆顔料を塗り湿巾にて拭ひ其界を模糊ならしむ」

(3)歌舞伎で行なわれる舞台化粧の一つで、荒事(あらごと)などを演じる俳優が、その人物の性格や表情を誇張して見せるため、顔に赤、青、茶などの絵の具で線状の模様を描くこと。文楽では、歌舞伎の手法を採り入れて、人形のかしらに、線をかきこんだり、彩色をしたりする。隈絵取。くま。

*談義本・根無草〔1763~69〕前・二「大薩摩尊浄瑠理をかたり給へば、切幕をさっと明、柿のすはうに大太刀はき、市川流の〓(かほ)のくまどり」

*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕四・下「『敵役(かたきやく)の面(つら)が藍隈(あいぐま)とやらいってネ、彼(かの)ソレ、隈ゑどりが』『ヘン、隈取(クマドリ)といひなせへ。隈ゑどりだけ古風で素(しろ)ッぽひ』」

*海に生くる人々〔1926〕〈葉山嘉樹〉三〇「彼の手や顔は、夫で彩られて、隈取りしたやうに見えた」

発音

〓[リ][ド][0]〓[ド]

辞書

日葡・言海

正式名称と詳細

表記

暈取言海




世界大百科事典

隈取
くまどり

歌舞伎の化粧法。江戸荒事劇にはじまり,時代物一般に用いられる。顔面筋肉を基調に各種地色へ紅,青黛(せいたい)などの油性顔料で片ぼかしに筋を描き,血気,怪異,姦佞(かんねい)など,役柄を誇張して表現する。荒事の英雄とこれに対する敵役や鬼畜・神仏の化身など,非写実的・ロマン的演劇が,隈取の発達の基礎をなした。元禄~正徳(1688-1716)のころにはすでにその複雑多岐なパターンが成立していたとみられる。初世・2世市川団十郎や山中平九郎,中村伝九郎ら,元禄期の諸優のくふうが,隈取創始に果たした役割は大きい。4・5世の団十郎に至り,役柄の範囲が広がるとともに,実悪(じつあく)系の凄みの隈も加えられた。隈取は取りかたと色彩とにより,約50種ほどに大別され,役々を類型化してとらえる思考によって,1種類の隈が諸種の役々に併用されるのがふつうで,〈猿隈〉が朝比奈役にのみ用いられるなどは,むしろ例外といえよう。また同一の役でも,たとえば《菅原伝授手習鑑》の梅王が〈車引の場〉と〈賀の祝の場〉とでは隈取に変化があり,《国性爺合戦》の和藤内は〈鴫蛤(しぎはまぐり)の場〉〈千里ヶ竹の場〉〈桜門の場〉までと,〈紅流しの場〉以降とでは,それぞれに用いる隈を変えるなど,人物の性格に即するというより,場面場面における役割を役柄とする思考がこうした変化を生むとみられよう。隈は大別して荒事・半道敵(はんどうがたき)系の紅隈と,実悪・鬼畜・怨霊系の藍・墨・黛赭(たいしや)などによる隈とに区分される。これらのうち代表的なものを列挙すると以下のようなものがある。〈筋隈〉は《車引》の梅王,《暫(しばらく)》の鎌倉権五郎,《矢の根》の五郎など。〈一本隈〉は《千里ヶ竹》《獅子ヶ城》の和藤内,《暫》の腹出しなどが用いる。その変形の〈二本隈〉があり,これは眉上にさらに〈芝翫(しかん)筋〉と称する紅の筋が加わる。〈むきみ隈〉は助六,《対面》の五郎など。奴系の役はこの〈むきみ隈〉に青髭を加えたものと考えられる。〈半隈〉は墨(青)髭を頰部と顎部にほどこし,筋隈と同形,これは景清役に用いる。〈猿隈〉は額に複数の横筋を入れるところからの称で,鼻下と顎部に墨髭を入れる〈弁慶猿隈〉などの変形も見られるが《対面》の朝比奈の用いるもの。〈火焰隈〉は筋隈の形態で額部の筋が火焰状をなす。《義経千本桜》〈鳥居前の場〉の忠信などがこれである。〈鯰(なまず)隈〉は鼻脇から下部へかけて墨の鯰髭を描くのが特徴で,《暫》の鯰坊主に用いる戯隈(ざれぐま)の一種,同想のものに〈蟹隈〉がある。〈六十三日隈〉〈日の出烏の隈〉〈蝙蝠(こうもり)隈〉など,ひねった趣向のものも戯隈に属する。藍・茶・墨系の隈の典型的なものには〈公家荒(くげあれ)〉があり,《車引》の時平,《暫》のウケ,《妹背山婦女庭訓》の入鹿(いるか)などの役々に用いる。ほかに〈般若隈〉〈鬼女(きじよ)隈〉など謀反人・鬼畜・化身系の役々に多数がある。演技が終わったあと,隈取を紙または羽二重などに押しあてて写しとったものは〈押隈〉といい,好劇家に愛蔵されている。
[小池 章太郎]

臉譜

中国では隈取を〈臉譜(れんぷ)〉という。もと古代の仮面に源を発し,それから発達してきたといわれ,宋・元の演劇にはすでに用いられていたが,長い年月を経て複雑化し,今日みられるような多彩な様式に変化してきた。この特殊な化粧法を用いるのは,浄(じよう)(豪傑役,敵役)と丑(ちゆう)(道化役,端敵役)の二つの役柄で,浄が〈花臉〉といって顔の全面に隈取するのに対し,丑は〈小花臉〉ともいわれ,顔の中央を白く塗るだけである。色彩によって人物の性格を表し,たとえば正義と熱血の士である関羽は赤塗り,狡猾で陰険な趙高は白塗り,また愚直な豪傑の張飛や,剛直な正義派の包拯は黒塗りにする。このほか,紫は廉直な人物,黄は一種の腹黒い人物,青は凶猛な性格,緑は妖魔,金銀は神仙妖怪のたぐいをそれぞれ表す。鮮やかな色彩と大胆な図案によって,仮面のように見える濃厚なそれは,京劇における重要な演出技術の一部になっている。
[岡 晴夫]

[索引語]
猿隈 筋隈 一本隈 二本隈 むきみ隈 半隈 火焰隈 鯰(なまず)隈 蟹隈 公家荒 般若隈 鬼女(きじよ)隈 押隈 臉譜 花臉 小花臉
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検索コンテンツ
1. 隈取
日本大百科全書
得たという説もある。しかし「隈」とは、奥まって隠れたところ、かげのあるところを意味するものであり、「隈取」とは顔面にかげをつけることでもあって顔面の骨格に沿って
2. 隈取画像
世界大百科事典
郎ら,元禄期の諸優のくふうが,隈取創始に果たした役割は大きい。4・5世の団十郎に至り,役柄の範囲が広がるとともに,実悪(じつあく)系の凄みの隈も加えられた。隈取
3. くまどり【隈取】
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→赤面(あかっつら) [参考文献]相馬皓『歌舞伎―衣裳と扮装―』、森田拾史郎他『隈取り』、小林勝『歌舞伎隈取概観』、加賀山直三「隈取」(『歌舞伎の型』所収) (
4. くまどり【隈取】
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劇が、隈取の発達の基礎をなした。元禄‐正徳(1688‐1716)のころにはすでにその複雑多岐なパターンが成立していたとみられる。中国演劇の臉譜(れんぷ)が仮面か
5. くま‐どり【隈取・暈取】
日本国語大辞典
彼(かの)ソレ、隈ゑどりが』『ヘン、隈取(クマドリ)といひなせへ。隈ゑどりだけ古風で素(しろ)ッぽひ』」*海に生くる人々〔1926〕〈葉山嘉樹〉三〇「彼の手や顔
6. 【隈取】くまどり
新選漢和辞典Web版
《国》 ①ふちどる。 ②日本画で濃淡のぼかしによって遠近・高低などを表現すること。 ③歌舞伎で、役の性格を誇張するために役者の顔にぬる色どりの線。
7. くまどり【隈取】[標準語索引]
日本方言大辞典
びんきゃーくまどり:隈取をするえどる俳優などが、顔にくまどり:隈取をするだみゆん
8. くまどる【隈取】[標準語索引]
日本方言大辞典
なべ墨などで顔をくまどる:隈取にぐむ / にごむ / みごむ顔をくまどる:隈取えごむ環状にくまどる:隈取たり汚したりするがえぐます
9. くまとり‐コイル【隈取─】
日本国語大辞典
〔名〕(コイルは{英}coil )(1)単相誘導電動機の始動装置の一つ。固定子主巻線のそばの、突極の一部に巻いたコイルで、その部分の磁束の位相を遅らせ、移動磁界
10. くまとり‐ぼくち【隈取火口】
日本国語大辞典
〔名〕植物「やまぼくち(山火口)」の異名。*日本植物名彙〔1884〕〈松村任三〉「ヤマゴバウ ヤマボクチ クマトリボクチ」
11. くまどりあたかのまつ【隈取安宅松】
日本国語大辞典
歌舞伎所作事「安宅(あたか)」の本名題。
12. くまどり‐ふで【隈取筆】
日本国語大辞典
〔名〕墨や絵の具をぼかすために用いる筆。やわらかい毛で作り、穂先は短く、水の含みに適するようになっている。くまふで。
13. くま‐ど・る【隈取・暈取】
日本国語大辞典
一〉八「谷間の道を覆ふ木々が、月の光に隈取られて、凍てついたやうな冷たさに輝いてゐた」(2)べに、おしろいなどで、化粧をする。特に、歌舞伎俳優が、顔に隈取りをす
14. 隈取安宅松(著作ID:164205)
新日本古典籍データベース
くまどりあたかのまつ 金井 三笑(かない さんしょう) 長唄 明和六初演
15. あお‐くまどり[あを‥]【青隈取】
日本国語大辞典
〔名〕「あおぐま(青隈)」に同じ。*歌舞妓年代記〔1811~15〕五・宝暦八年「青隈取(アヲクマドリ)ゑんでん鬘盗人の形(なり)にて切懸(かけ)る」
16. 朝日影霞の隈取(著作ID:82246)
新日本古典籍データベース
あさひかげかすみのくまどり 烏亭 焉二(うてい えんじ) 瀬川 如皐 二世(せがわ じょこう 2せい) 浄瑠璃/清元 天保三初演
17. 源氏雲黄金隈取(著作ID:936765)
新日本古典籍データベース
げんじぐもこがねのくまどり 絵本番附 寛政一二刊
18. 源氏雲黄金隈取(著作ID:4388695)
新日本古典籍データベース
げんじぐもこがねのくまどり 鸚鵡石 
19. 小町紅牡丹隈取(著作ID:195028)
新日本古典籍データベース
こまちべにぼたんのくまどり 鶴屋 南北 四世(つるや なんぼく 4せい) 作 歌川 豊国 三世(うたがわ とよくに 3せい) 画 合巻 文政一四刊
20. うっちいつそう【尉遅乙僧】(Yùchí Yǐsēng
世界人名大辞典
,新疆ホータン)の人.名は「おつそう」ともよむ.父は隋の画家,尉遅跋質那.緊密な線描と西域風の隈取りで,仏画,人物,外国風物を描き,その立体的な花の表現は〈凹凸
21. えんせいかい【袁世海】(Yuán Shìhǎi
世界人名大辞典
袁世海〔1916.2.11~2002.12.11〕 中国の俳優.北京生まれ.富連成科班に入り[1927],浄(隈取り役)を学ぶ.曹操役を好演,郝寿臣(かくじゅし
22. げつじゅん【夏月潤】(Xià Yuèrùn
世界人名大辞典
中国の京劇俳優.清末-民国初期に上海で活躍した.武生(立ち回りを専門とする男性役)と紅生(関羽などの赤い隈取り役を演じる役柄)を専門とした.俳優夏奎章(1824
23. がん【顔輝】(Yán Huī
世界人名大辞典
県の海会寺の壁画などを描く.道釈人物や鬼神を描くのに特に巧みで,粗放な筆致の衣文と,精緻で隈取りを強調した怪異な面貌を強烈に対比させた印象的な画風の人物画で知ら
24. きゅうせいじゅう【裘盛戎】(Qiú Shèngróng
世界人名大辞典
 本名:裘振芳〔1915.8.25~71.10.5〕 中国の俳優.北京生まれ.京劇の浄(隈取り役)役者.幼少時に著名な浄役者であった父の裘桂仙(1878~193
25. そうちゅうたつ【曹仲達】(Cáo Zhòngdá
世界人名大辞典
に至る.北斉で最も巧みといわれ,竹樹や山水も描いたが,外国の仏画は競うものがいなかったとされ,隈取りによる立体表現を主とした南北朝期の外来画風を代表するものであ
26. ちょうそうよう【張僧繇】(Zhāng Sēngyáo
世界人名大辞典
安楽寺の龍図に瞳を点ずると雷電が壁を破り,龍が天上に飛び去った話は有名.西方絵画の影響も受け,隈取りの立体表現に秀で,彼の描いた建康の一乗寺の扁額画は凹凸画,寺
27. あいぜん‐ぐま【愛染隈】
日本国語大辞典
〔名〕歌舞伎の隈取(くまどり)の一種。愛染明王のように赤く顔をいろどるもの。あいぜん。*戯場訓蒙図彙〔1803〕三「隈取の名大概〈略〉愛染くま」アイゼン
28. あお‐くげ[あを‥]【青公卿・青公家】
日本国語大辞典
839〕序幕「うぬ、青公家(アヲクゲ)め、取次ぎせずば無事には帰さぬ」(2)歌舞伎で、顔に青く隈取(くまどり)をして出る悪役の公卿。→青隈(あおぐま)。アオク
29. あお‐ぐま[あを‥]【青隈】
日本国語大辞典
〔名〕(1)歌舞伎の隈取(くまどり)の一つ。幽霊や悪公卿などに扮するとき、藍で青く顔を隈どること。あいぐま。あおくまどり。*劇場新話〔1804~09頃〕上「くま
30. あお‐ひげ[あを‥]【青髭】
日本国語大辞典
(アヲヒゲ)、ぬれ事師の沙面(いも)の穴までかぞえるには、前土間のちかいがよいと」(2)芝居の隈取(くまどり)の一種。もみあげの辺から顎にかけて青黛(せいたい)
31. あかっつら【赤っ面】
歌舞伎事典
歌舞伎の役柄の一つ。時代物の敵役の中でも、実際に暴力をふるって善人を虐待したり、殺害したりする役。顔を赤く塗って隈取(くまどり)をしているところからその名がある
32. あかっつら【赤面】
国史大辞典
今日の『暫』では、「腹出し」の半道敵に残る。 [参考文献]小林勝『歌舞伎隈取概観』、上野忠雅『歌舞伎隈取図説』、川上邦基編『市川家隈取百種』 (郡司 正勝)
33. あさがおせんぺい‐の‐くま[あさがほセンペイ‥]【朝顔仙平隈】画像
日本国語大辞典
〔名〕隈取(くまどり)の一つ。歌舞伎十八番「助六」に出てくる髭(ひげ)の意休の子分で、半道敵役の朝顔仙平が用いるもので、白塗りの顔に紅と青黛(せいたい)で朝顔に
34. あさひな‐くま【朝比奈隈】画像
日本国語大辞典
〔名〕歌舞伎役者の額に施す隈取(くまどり)の一つ。紅で隈どる猿隈の顔で、「曾我対面」の朝比奈三郎などに用いる。紅で額に三本の横筋を引き、目尻より左右の頬にかけて
35. アジャンター画像
世界大百科事典
描き,かなりの速筆で何本もの線を引き構図をきめているところがある。そして彩色をほどこしたあと輪郭線にそって隈取りをつけハイライトの部分には明るい白色を用いて,肉
36. 安宅
世界大百科事典
慶状(しんぱんたかだちべんけいじよう)》(1702年7月)がある。長唄の名曲として残っている《隈取安宅松(くまどりあたかのまつ)》は《雪梅顔見勢(むつのはなうめ
37. あたか【安宅】
日本国語大辞典
が、弁慶の機転で無事通過する。歌舞伎十八番の「勧進帳」のもとになった曲。〔三〕歌舞伎所作事、「隈取安宅松(くまどりあたかのまつ)」の通称。長唄、富士田吉次作曲。
38. あま‐が‐べに【天紅・尼紅粉】
日本国語大辞典
童謡にもうたひしやうにおもはる」挙例の「随筆・用捨箱」にいう童謡は、「長唄・隈取安宅松」に「後へ退るはおほかみ狐、尼が紅(ベニ)付けて父や母に言はうよ」とひかれ
39. 荒事
日本大百科全書
歌舞伎かぶき独特の演技、演出法。豪傑、神仏、妖魔ようまなどの超人的な強さを表現するために、顔や手足に隈取くまどりをし、鬘かつら、衣装、小道具、動作、発声など、す
40. 荒事
世界大百科事典
梅王丸などに代表される,稚気に溢れ,力に満ちた勇壮活発な人物の行動を表す。六方,見得,つらね,隈取,三本太刀など,独特の表現や小道具を伴うのが常で,7,8歳の子
41. あらごと【荒事】
歌舞伎事典
梅王丸などに代表される、稚気に溢れ、力に満ちた勇壮活発な人物の行動を表す。六方、見得、つらね、隈取、三本太刀など、独特の表現や小道具を伴うのが常で、七、八歳の子
42. いた‐ぼかし【板暈】
日本国語大辞典
鮮血等に相用ひ候処、近年はまた彩色も摺にも此板ぼかしを相用、勇士の面部身体岩石木の枝、其外にも隈取に相用ひ申候」
43. いちかわだんじゅうろう【市川団十郎】
国史大辞典
やがて市川団十郎と改め江戸市民の寵児となった。当り芸は『鳴神』『不動』『曾我五郎』『暫』『不破』などで、荒事の隈取りを創始したり、また三升屋兵庫の筆名で劇作を兼
44. いちかわ-だんじゅうろう【市川団十郎(初代)】
日本人名大辞典
1660−1704 江戸時代前期の歌舞伎役者。万治(まんじ)3年5月生まれ。延宝元年江戸中村座の初舞台で顔を隈取(くまど)りし,荒事(あらごと)を創案した。元禄
45. 市川団十郎(諸世)[文献目録]
日本人物文献目録
【書誌】:0件 【図書】:4件 【逐次刊行物】:4件 『市川家秘伝隈取図巻』川上邦基(編)『市川団十郎の代々 2巻2冊』伊原青々園(編)『団十郎の芝居』伊原青々
46. いっぽん‐ぐま【一本隈】画像
日本国語大辞典
*歌舞妓年代記〔1811~15〕四・寛延二年「一本隈(イッポングマ)とて眼のふちより頬一っぱいに紅の隈取にして」イッポン
47. いれずみ
日本大百科全書
弥生やよい時代には『魏志倭人伝ぎしわじんでん』の記述があるほか、埴輪はにわにもいれずみと思われる隈取くまどりを施したものがある。『古事記』神武じんむ天皇東征の条
48. いんえい‐がほう[‥グヮハフ]【陰影画法】
日本国語大辞典
ために、陰影をつけたり色に濃淡を加えたりするもの。古代絵画や東洋画においては、局部を強調する「隈取り」や、ぼかす「暈染(うんぜん)法」などとして用いた。インエ
49. インド美術画像
世界大百科事典
白と,煤を用いる黒であり,鮮やかな色の対比による装飾的な画面をつくり上げている。輪郭線に沿って隈取りをほどこし,白によってハイライトを強調して立体感を出すところ
50. 唄浄瑠璃
世界大百科事典
内容にも物語的要素が強い。しかし今日のふつうの長唄との区別はつけにくい。代表曲に《吉原雀》(1768),《隈取安宅松(くまどりあたかのまつ)》(1769)がある
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歌舞伎狂言。世話物。一幕。通称《助六》。歌舞伎十八番の一つで三時間近く(現行一時間半から二時間)を要する花やかな大曲。正徳三(1713)年、江戸・山村座上演の《花館愛護桜(はなやかたあいごのさくら)》で二世市川団十郎が助六に扮したのが初演とされる。
隈取(新版 歌舞伎事典・日本国語大辞典・世界大百科事典)
歌舞伎独自の化粧法。江戸荒事劇にはじまり、時代物一般に用いられる。各種地色へ紅・青黛などの油性顔料で片ぼかしに筋を描き、血気・怪異・姦佞(かんねい)など、役柄を誇張して表現する。荒事の英雄とこれに対する敵役や鬼畜・神仏の化身など、非写実的・ロマン的
菊人形(日本大百科全書・世界大百科事典)
人形の衣装を菊の花や葉を組み合わせてつくった細工物。古くは菊細工ともいった。芝居の当り狂言を題材にして人気俳優の似顔につくった生き人形の頭(かしら)を用いるようになってから菊人形とよぶようになった。劇や物語に仕組んだもの、世相風俗に取題したもの
コロボックル(日本大百科全書・世界大百科事典)
アイヌの小人説話。コロボックルともいう。コロポックルは穴の中に住んでいる小さな人であったと伝える。1枚のフキの葉の下に10人入れるほどであった。ササの葉を縫い合わせてつくった小船で漁に出る。ニシンが釣り針にかかると、5艘(そう)、10艘の船が力を
エープリル‐フール(日本国語大辞典)
〔名〕({英}Aprilfool)《エイプリルフール》四月馬鹿。四月一日は嘘をついてもよいという、いたずら御免の日。本来はだまされる人のことで、フランスではpoissond’avril(四月の魚)という。キリストがユダヤ人に愚弄されたのを忘れないためとも、キリストの命日ともいい
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