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  11. 帚木(源氏物語)

帚木(源氏物語)

ジャパンナレッジで閲覧できる『帚木(源氏物語)』の新編 日本古典文学全集のサンプルページ

帚木(源氏物語)
ははきぎ
日本古典の最高傑作――光源氏の波瀾万丈の生涯を描いた大長編
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇跡といえる。藤原為時の女(むすめ)で歌人の紫式部が描いた長編で、「桐壺(きりつぼ)」から「夢浮橋(ゆめのうきはし)」までの54巻からなる。
[中古][物語]
校注・訳:阿部秋生 秋山 虔 今井源衛 鈴木日出男

〔一〕源氏の君のあやにくなご本性
〔一〕 「光源氏」と、その名だけは仰山(ぎようさん)にもてはやされており、それでも、あげつらい申すにははばかられるような過(あやま)ちが多いということだのに、そのうえさらに、こうした色恋沙汰(ざた)の数々を後々の世にも聞き伝えて、軽薄なお方との浮名(うきな)を流すことになりはせぬかと、ご自分では秘密にしていらっしゃった裏話までも語り伝えたという人の、なんとまあ口さがないことか。しかし実際のところ、源氏の君は、ほんとにひどく世間に気がねをして、まじめにふるまっていらっしゃったのだから、色めかしくおもしろい話はなくて、交野(かたの)の少将のような達人からは一笑に付されておしまいになったことだろうよ。 まだ中将などでいらっしゃった時分には、好んで帝(みかど)のおそばにばかり控えておいでになり、左大臣家へのご退出もとだえがちでいらっしゃる。人目忍んでご執心の女(ひと)でも、と左大臣家ではお疑い申しあげることもあったけれど、そんなふうに浮気っぽい、ありふれた出来心の色事などは好まれぬご性
帚木(源氏物語)〔一〕源氏の君のあやにくなご本性
〔二〕五月雨さみだれの夜の宿直とのいに、女の品定め始まる
長雨晴れ間なきころ、内裏の御物忌さしつづきて、いとど長居さぶらひたまふを、大殿にはおぼつかなく恨めしく思したれど、よろづの御よそひ何くれとめづらしきさまに調じ出でたまひつつ、御むす…
〔三〕頭中将の弁—女の三階級について
中将「なり上れども、もとよりさるべき筋ならぬは、世人の思へることも、さは言へど、なほことなり。また、もとはやむごとなき筋なれど、世に経るたづき少なく、時世にうつろひておぼえ衰へぬれ…
〔四〕左馬頭の弁—中流の女のおもしろさ
馬頭「もとの品、時世のおぼえうち合ひ、やむごとなきあたりの、内々のもてなしけはひ後れたらむはさらにも言はず、何をしてかく生ひ出でけむと言ふかひなくおぼゆべし。うち合ひてすぐれたらむ…
〔五〕左馬頭の弁—理想の妻は少ないこと
さまざまの人の上どもを語りあはせつつ、馬頭「おほかたの世につけてみるには咎なきも、わがものとうち頼むべきを選らむに、多かる中にもえなむ思ひ定むまじかりける。男の朝廷に仕うまつり、は…
〔六〕左馬頭、夫婦間の寛容と知性を説く
馬頭「今は、ただ、品にもよらじ、容貌をばさらにも言はじ、いと口惜しくねぢけがましきおぼえだになくは、ただひとへにものまめやかに静かなる心のおもむきならむよるべをぞ、つひの頼みどころ…
〔七〕左馬頭の弁—芸能のたとえごと
馬頭、物定めの博士になりて、ひひらきゐたり。中将はこのことわり聞きはてむと、心入れてあへしらひゐたまへり。 馬頭「よろづのことによそへて思せ。木の道の匠のよろづの物を心にまかせて作…
〔八〕左馬頭の体験談—指喰ゆびくいの女
馬頭「はやう、まだいと下臈にはべりし時、あはれと思ふ人はべりき。聞こえさせつるやうに、容貌などいとまほにもはべらざりしかば、若きほどのすき心地には、この人をとまりにとも思ひとどめは…
〔九〕左馬頭の体験談—浮気な女
馬頭「さて、また同じころ、まかり通ひし所は、人も立ちまさり、心ばせまことにゆゑありと見えぬべく、うち詠み、走り書き、掻い弾く爪音、手つき口つき、みなたどたどしからず見聞きわたりはべ…
〔一〇〕頭中将の体験談—内気な女
中将、「なにがしは、痴者の物語をせむ」とて、中将「いと忍びて見そめたりし人の、さても見つべかりしけはひなりしかば、ながらふべきものとしも思ひたまへざりしかど、馴れゆくままにあはれと…
〔一一〕式部丞しきぶのじようの体験談—博士の娘
中将「式部がところにぞ、気色あることはあらむ。すこしづつ語り申せ」と責めらる。式部丞「下が下の中には、なでふことか聞こしめしどころはべらむ」と言へど、頭の君、まめやかに、「おそし」…
〔一二〕左馬頭、女性論のまとめをする
馬頭「すべて男も女も、わろ者は、わづかに知れる方のことを残りなく見せ尽くさむと思へるこそ、いとほしけれ。三史五経、道々しき方を明らかに悟り明かさむこそ愛敬なからめ、などかは女といは…
〔一三〕品定めの翌日、源氏、左大臣邸へ退出
からうじて、今日は日のけしきもなほれり。かくのみ籠りさぶらひたまふも、大殿の御心いとほしければ、まかでたまへり。おほかたの気色、人のけはひも、けざやかに気高く、乱れたるところまじら…
〔一四〕源氏、紀伊守きのかみ邸へ方違かたたがえにおもむく
暗くなるほどに、「今宵、中神、内裏よりは塞がりてはべりけり」と聞こゆ。さかし、例は忌みたまふ方なりけり。源氏「二条院にも同じ筋にて、いづくにか違へむ。いとなやましきに」とて、大殿籠…
〔一五〕方違かたたがえの夜、源氏、空蝉うつせみと契る
君は、とけても寝られたまはず、いたづら臥しと思さるるに御目さめて、この北の障子のあなたに人のけはひするを、こなたやかく言ふ人の隠れたる方ならむ、あはれや、と御心とどめて、やをら起き…
〔一六〕源氏、小君を召して文使いとする
このほどは大殿にのみおはします。なほ、いとかき絶えて、思ふらむことのいとほしく御心にかかりて、苦しく思しわびて、紀伊守を召したり。源氏「かの、ありし中納言の子は得させてむや。らうた…
〔一七〕源氏、再び紀伊守の邸を訪れる
例の、内裏に日数経たまふころ、さるべき方の忌待ち出でたまふ。にはかにまかでたまふまねして、道の程よりおはしましたり。紀伊守おどろきて、遣水の面目とかしこまり喜ぶ。小君には、昼より、…
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検索ヒット数 1538
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検索コンテンツ
1. 帚木(源氏物語)
日本古典文学全集
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇 ...
2. ははき‐ぎ【箒木・帚木】
日本国語大辞典
[キ]日葡・書言・言海【地膚】書言【帚木】言海 ...
3. ほうきぎ【帚木】[標準語索引]
日本方言大辞典
ほーきない / ほーきぼ / ほーきぼー / ほーけんげよ仏前の御飯に立てる、麻幹おがらやほうきぎ:帚木しゅーろばし ...
4. ははき‐ぎ【箒木/帚木】
デジタル大辞泉
〈栄花・駒競べの行幸〉〓帚木)源氏物語第2巻の巻名。光源氏17歳。源氏の、友人たちとの雨夜の品定めや、空蝉(うつせみ)との恋の前半部 ...
5. はわき‐ぎ【箒木/帚木】
デジタル大辞泉
⇒ははきぎ  ...
6. ハハキギ
日本大百科全書
→ホウキギ ...
7. ははきぎ‐ばはき【帚木箒】
日本国語大辞典
〔名〕(「はわきぎばわき」の時代も)箒木(ほうきぎ)で作った箒。*訓蒙図彙〔1666〕一一「独(とく)帚 ははきぎばはき」 ...
8. ははきぎ-ほうせい【帚木蓬生】
日本人名大辞典
1947− 昭和後期-平成時代の小説家,医師。昭和22年1月22日生まれ。東大卒業後,TBS勤務をへて九大医学部にまなび,精神科医となる。平成5年八幡厚生病院副 ...
9. あいなだのみ【―頼】[方言]
日本方言大辞典
当てにならない頼み。《あいだのみ》とも。 新潟県佐渡352佐渡方言辞典(広田貞吉)1974源氏帚木「年月を重ねんあいなたのみは、いと苦しくなんあるべければ」 ...
10. おがら【麻幹】[標準語索引]
日本方言大辞典
けるための松やにを塗ったおがら:麻幹らっちょく / らっつく仏前の御飯に立てる、おがら:麻幹や帚木しゅーろばし盆の十四日、十五日の晩に墓前でおがら:麻幹をたくこ ...
11. おがら【麻幹】[標準語索引]
日本方言大辞典
けるための松やにを塗ったおがら:麻幹らっちょく / らっつく仏前の御飯に立てる、おがら:麻幹や帚木しゅーろばし盆の十四日、十五日の晩に墓前でおがら:麻幹をたくこ ...
12. おびえる【怯】[方言]
日本方言大辞典
屋梅園)1887 島根県「夢におびえた」725島根県方言辞典(広戸惇・矢富熊一郎)1963源氏帚木「物におそはるる心地して、『や』とおびゆれど、かほに衣のさはり ...
13. からに[方言]
日本方言大辞典
福岡県北九州市「嫁さんのもろうちからにこれで大安堵じゃなあ」057方言研究年報(広島大学方言研究会)源氏帚木「などかは女と言はんからに世にある事の公、私につけて ...
14. しょーりょーばし【精霊箸】[方言]
日本方言大辞典
(1)仏前の御飯に立てる、麻幹おがらや帚木ほうきぎ。《しゅーろばし》 長崎県五島054方言(雑誌)1931~1938(2)(うら盆会の仏前に箸はしとして供えると ...
15. そぞろぐ【漫】[方言]
日本方言大辞典
会なものだから気が落ち着かないで飯も食わないでいる)」054方言(雑誌)1931~1938源氏帚木「この男、いたうそぞろきて、門近き廊の簀の子だつ物に、尻かけて ...
16. なん【難】[方言]
日本方言大辞典
付つくる非難する。揚げ足を取る。 長崎市906長崎方言集覧(古賀十二郎)=長崎市史1925源氏帚木「女の、これはしもとなんつくまじきは、かたくもあるかな」 ...
17. ははき【帚】[方言]
日本方言大辞典
はぎ(萩)。《ほーき》 長野県北佐久郡485佐久の植物方言(佐藤邦雄)1950(2)ほうきぎ(帚木)。《はき》 秋田県131秋田の植物方言(水口清)1930 鹿 ...
18. ほーきぐさ【帚草】[方言]
日本方言大辞典
植物(1)ほうきぎ(帚木)。《はーぎくさ》 岩手県九戸郡088九戸郡志(岩手県教育会九戸郡部会)1936(2)こうやぼうき(高野帚)。 茨城県036日本主要樹木 ...
19. ほーきぼー【帚―】[方言]
日本方言大辞典
植物(1)ほうきぎ(帚木)。 佐州※039重訂本草綱目啓蒙(小野蘭山)1847《ほーきぼ》 佐州※039重訂本草綱目啓蒙(小野蘭山)1847 北海道一部030農 ...
20. みたて【見立】[方言]
日本方言大辞典
新潟県佐渡352佐渡方言辞典(広田貞吉)1974 徳島県三好郡814祖谷山民俗誌(武田明)1955源氏帚木「よろづにみたてなく、物げなき程を見すぐして」《みだて ...
21. やや[方言]
日本方言大辞典
福井県427福井県方言集(福井県福井師範学校)1931 鳥取県西伯郡719西伯方言集(生田弥範)1953源氏帚木「かき抱きて、障子のもと出で給ふにぞ、もとめつる ...
22. あ【彼】
日本国語大辞典
初〕「あの書き置きし文を読みて聞かせけれど」*歌仙本人麿集〔11C前か〕「梢のみあはと見えつつ帚木のもとをもとより見る人ぞなき」*源氏物語〔1001〜14頃〕明 ...
23. あ【有】
日本国語大辞典
〕四六「世の中の人の心は、目かるれば忘れぬべきものにこそあめれ」*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「一つ二つのふしは、過ぐすべくなんあべかりける」 ...
24. あい‐そ・う[あひそふ]【相添】
日本国語大辞典
に親死にければ、をばなむ親のごとくに、若くよりあひそひてあるに」*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「あしくもよくもあひそひて、とあらむ折もかからんきざみをも見過 ...
25. あいな‐だのみ【─頼】
日本国語大辞典
まらない頼み。むだな頼み。あてにならない期待。また、法外な期待。*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「つらき心を忍びて『思ひなほらん折を見つけん』と、年月を重ねん ...
26. あい‐の・る[あひ:]【相乗】
日本国語大辞典
けるをとこ、御葬(はぶり)見むとて女車にあひのりて出でたりけり」*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「ある上人来あひて、この車にあひのりて侍れば」*日葡辞書〔16 ...
27. あ・う[あふ]【合・会・逢・遭】
日本国語大辞典
〜10C初〕「竹取の家にかしこまりて請(しゃう)じ入れてあへり」*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「心やましき物越しにてなんあひて侍る」(ロ)(相手を主語にして ...
28. あえ‐しら・う[あへしらふ]
日本国語大辞典
ば、わづらはしとて、ことにあへしらはず、几帳へだててあるなめり」*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「中将はこのことわり聞き果てむと心にいれてあへしらひゐ給へり」 ...
29. あえ‐な・い【敢え無い】
デジタル大辞泉
しかたがない。 「みづから額髪(ひたひがみ)をかきさぐりて、―・く心細ければ、うちひそみぬかし」〈源・帚木〉3 張り合いがない。手ごたえがない。 「―・きまで御 ...
30. 葵(源氏物語) 19ページ
日本古典文学全集
挿入句的な文脈。桃園式部卿宮の姫君。源氏が、朝顔の花にそえて歌を贈ったことからこの名がある。→帚木[1]九五ページ。具体的には六条御息所をさす。源氏から、朝顔の ...
31. 明石(源氏物語) 223ページ
日本古典文学全集
結果的には自他ともに流罪同然に意識している。深山に入るのは、山林での修行を旨とする遁世者、あるいは修験者の姿。帚木冒頭の「かかるすき事どもを(中略)、語りつたへ ...
32. 明石(源氏物語) 225ページ
日本古典文学全集
日未刻、雷鳴、氷降ル。大ナルコト梅李ノ如シ」とある。「をり」は、かしこまって控えていること。→帚木[1]八八ページ注一〇。須磨巻末に続く天変は、その異常さで人々 ...
33. 明石(源氏物語) 235ページ
日本古典文学全集
種松に比すれば、はるかにつつましく現実的であるが、京官を捨てて受領となったことによる裕福さは、帚木巻「雨夜の品定め」にいう中流像の典型で、その雅びな生活ぶりが語 ...
34. 明石(源氏物語) 242ページ
日本古典文学全集
娘のことを言われたとうれしくて、ついほほえんだ。そのことについて語り手は「あいなし」と揶揄的に語る。帚木巻([1]八八ページ)にも、「いづこのさる女かあるべき」 ...
35. 明石(源氏物語) 244ページ
日本古典文学全集
ここの「琴」は箏の琴。「くだもの」は、原義の木の実を含めて、酒に添えるさかなの総称。「強ひそす」の「そす」→帚木[1]七三ページ注二四。「もの忘れ」は憂いを忘れ ...
36. 明石(源氏物語) 248ページ
日本古典文学全集
場所の意。案外な美人が。意外の所に美女を発見する楽しみについては、帚木巻の「雨夜の品定め」以来、繰り返し語られていた。→帚木[1]六〇ページ、夕顔[1]一四四ペ ...
37. 明石(源氏物語) 253ページ
日本古典文学全集
「世ごもる」は、年が若くて将来が長い。未婚の若い女の状態。「あいな頼み」は、頼むべきでないことを頼むこと。→帚木[1]七三ページ注三一。源氏と結婚したら、なまじ ...
38. 明石(源氏物語) 263ページ
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39. 明石(源氏物語) 266ページ
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りに。藤壺と比べてではなく一般的にいう。音楽に精通した源氏の御心にさえも。「心や(病)まし」→帚木[1]七三ページ注二九。もっと聞きたいともどかしく思わせる程度 ...
40. あきた・し【飽】
日本国語大辞典
飽き飽きして、いやだ。うんざりするほどである。御免こうむりたい。*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「かのさがな者も、思ひいである方に、忘れ難けれど、さしあたりて ...
41. あくがら・す【憧らす】
デジタル大辞泉
さまよわせる。 「煩はしげに思ひまつはす気色(けしき)見えましかば、かくも―・さざらまし」〈源・帚木〉 ...
42. あくがら・す【憧・憬】
日本国語大辞典
*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「かくのみあくがらしはつるはいとあしきわざなり」*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「あはれと思ひしほどに、煩はしげに思ひまつは ...
43. あく‐まで【飽迄】
日本国語大辞典
分に。これ以上ないというほどに。限りなく。たっぷりと。徹底的に。*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「ただ、時々うち語らふ宮仕へ人などの、あくまでざればみ、すきた ...
44. 総角(源氏物語) 253ページ
日本古典文学全集
例の実事はなくて、夜を明し給ふよし也」(玉の小櫛)。「しそしつ」の「そし」は、「そす」の連用形。→帚木[1]七三ページ注二四。十分にやってのけた、の意。老女房た ...
45. 総角(源氏物語) 283ページ
日本古典文学全集
宇治橋の守護神。ここでは中の君をさす。去りがてに低迷する体は、後朝の別れを惜しむ常套的表現。→帚木[1]一〇四ページ。「絶えせじ」は、贈歌の「中絶えむ」に対応。 ...
46. 総角(源氏物語) 286ページ
日本古典文学全集
の文章があった。薫、匂宮それぞれのにおい。→匂兵部卿二八ページ。「艶」と「すごし」は対照語。→帚木[1]一〇四ページ。匂宮の夜離れについて。利害のいかんによって ...
47. 総角(源氏物語) 291ページ
日本古典文学全集
冬の更衣は、九月一日から袷に、十月一日から練絹に着替える。ここは練絹の用意。また襲の色目も変る。→帚木[1]七五ページ注二三。母屋と廂との間に垂す帳。三条宮に大 ...
48. 総角(源氏物語) 293ページ
日本古典文学全集
しも待つ」(古今・秋上 読人しらず)。匂宮をさす。漢詩。文章博士。詩を詠進したり講師などの役を勤める。→帚木[1]八五ページ注二一・少女[3]二四ページ注一。対 ...
49. 朝顔(源氏物語) 469ページ
日本古典文学全集
源氏と朝顔の姫君との関係は帚木巻以後十六年の歳月が経過している。姫君が源氏の恋を「わづらはし」と思ったことは、これまでに語られてはいない。散佚した巻の存否に関す ...
50. 朝顔(源氏物語) 475ページ
日本古典文学全集
平安時代に唐から輸入された。舶来の新しい花らしいが、季節にやや不審がある。桔梗、木槿、昼顔などの説もある。→帚木[1]五五ページ注一三。「にほひ」は色彩の美しさ ...
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〔一〕桐壺帝譲位後の源氏と藤壺の宮〔一〕 御代が改まってから後、源氏の君は、何かにつけてお気が進まず、それにご身分の尊さも加わったせいか、軽率なお忍び歩きもはばかられるので、こちらの女(ひと)もあちらの女(ひと)も君を待ち遠しく心もとない嘆きを重ねておられる、その報いであろうか、君ご自身としても、やはり自分につれないお方のお心をどこまでも恨めしくお嘆きになっていらっしゃる。
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