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  11. 葵(源氏物語)
新編 日本古典文学全集

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葵(源氏物語)
あふひ
日本古典の最高傑作――光源氏の波瀾万丈の生涯を描いた大長編
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇跡といえる。藤原為時の女(むすめ)で歌人の紫式部が描いた長編で、「桐壺(きりつぼ)」から「夢浮橋(ゆめのうきはし)」までの54巻からなる。
[中古][物語]
校注・訳:阿部秋生 秋山 虔 今井源衛 鈴木日出男

〔一〕桐壺帝譲位後の源氏と藤壺の宮
〔一〕 御代が改まってから後、源氏の君は、何かにつけてお気が進まず、それにご身分の尊さも加わったせいか、軽率なお忍び歩きもはばかられるので、こちらの女(ひと)もあちらの女(ひと)も君を待ち遠しく心もとない嘆きを重ねておられる、その報いであろうか、君ご自身としても、やはり自分につれないお方のお心をどこまでも恨めしくお嘆きになっていらっしゃる。その藤壺の宮は、帝(みかど)がご譲位あそばした今は、以前にもまして、常に、まるで臣下の夫婦のようにおそばに付ききりでいらっしゃる、それを、このたび皇太后になられた弘徽殿(こきでん)はおもしろからずおぼしめすのか、始終宮中にばかりいらっしゃるので、院の御所では、藤壺の宮と肩を並べて競う人もなく、気がねのいらぬご様子である。院は、何かの折々につけて、管絃(かんげん)のお遊びなどを世間の評判になるくらい趣向をこらして盛大にお催しになっては、今のお暮しのほうが、ご在位のころよりもかえって申し分なくお幸せな有様とお見えになる。ただ、おそばにおられぬ東宮をまことに恋しくお思い申しあげあそばす。東宮の御後見がないのを気がかりに思い申しあげて、大将の君に万事ご依頼あそばすにつけても、君は、気が咎(とが)めはするものの、うれしく思っていらっしゃる。〔二〕 それはそうと、あの六条御息所(ろくじようのみやすどころ)を御母
葵(源氏物語)〔一〕桐壺帝譲位後の源氏と藤壺の宮
〔二〕伊勢下向を思案する御息所と源氏の心境
まことや、かの六条御息所の御腹の前坊の姫宮、斎宮にゐたまひにしかば、大将の御心ばへもいと頼もしげなきを、幼き御ありさまのうしろめたさにことつけて下りやしなまし、とかねてより思しけり…
〔三〕朝顔の姫君の深慮、葵の上の懐妊
かかることを聞きたまふにも、朝顔の姫君は、いかで人に似じと深う思せば、はかなきさまなりし御返りなどもをさをさなし。さりとて、人憎くはしたなくはもてなしたまはぬ御気色を、君も、なほこ…
〔四〕新斎院御禊ごけいの日、葵の上物見に出る
そのころ、斎院もおりゐたまひて、后腹の女三の宮ゐたまひぬ。帝、后いとことに思ひきこえたまへる宮なれば、筋異になりたまふをいと苦しう思したれど、他宮たちのさるべきおはせず、儀式など、…
〔五〕葵の上の一行、御息所の車に乱暴をする
日たけゆきて、儀式もわざとならぬさまにて出でたまへり。隙もなう立ちわたりたるに、よそほしうひきつづきて立ちわづらふ。よき女房車多くて、雑々の人なき隙を思ひ定めてみなさし退けさする中…
〔六〕見物の人々源氏の美しさを賛嘆する
ほどほどにつけて、装束、人のありさまいみじくととのへたりと見ゆる中にも、上達部はいとことなるを、一ところの御光にはおし消たれためり。大将の御仮の随身に殿上の将監などのすることは常の…
〔七〕源氏、葵の上と御息所の車争いを聞く
祭の日は、大殿には物見たまはず。大将の君、かの御車の所争ひをまねびきこゆる人ありければ、いといとほしううしと思して、なほ、あたら、重りかにおはする人の、ものに情おくれ、すくすくしき…
〔八〕祭の日、源氏、紫の上と物見に出る
今日は、二条院に離れおはして、祭見に出でたまふ。西の対に渡りたまひて、惟光に車のこと仰せたり。源氏「女房、出でたつや」とのたまひて、姫君のいとうつくしげにつくろひたてておはするをう…
〔九〕源氏、好色女源典侍と歌の応酬をする
今日も所もなく立ちにけり。馬場殿のほどに立てわづらひて、源氏「上達部の車ども多くて、もの騒がしげなるわたりかな」とやすらひたまふに、よろしき女車のいたう乗りこぼれたるより、扇をさし…
〔一〇〕車争いのため、御息所の物思い深まる
御息所は、ものを思し乱るること年ごろよりも多く添ひにけり。つらき方に思ひはてたまへど、今はとてふり離れ下りたまひなむはいと心細かりぬべく、世の人聞きも人笑へにならんことと思す。さり…
〔一一〕懐妊中の葵の上、物の怪に悩まされる
大殿には、御物の怪めきていたうわづらひたまへば、誰も誰も思し嘆くに、御歩きなど便なきころなれば、二条院にも時々ぞ渡りたまふ。さはいへど、やむごとなき方はことに思ひきこえたまへる人の…
〔一二〕源氏、物思いに乱れる御息所を訪問
かかる御もの思ひの乱れに御心地なほ例ならずのみ思さるれば、他所に渡りたまひて御修法などせさせたまふ。大将殿聞きたまひて、いかなる御心地にかと、いとほしう思し起こして渡りたまへり。例…
〔一三〕御息所、物の怪となり葵の上を苦しめる
大殿には、御物の怪いたう起こりていみじうわづらひたまふ。この御生霊、故父大臣の御霊など言ふものありと聞きたまふにつけて、思しつづくれば、身ひとつのうき嘆きよりほかに人をあしかれなど…
〔一四〕源氏、不意に御息所の物の怪と対面する
まださるべきほどにもあらずと皆人もたゆみたまへるに、にはかに御気色ありてなやみたまへば、いとどしき御祈祷数を尽くしてせさせたまへれど、例の執念き御物の怪一つさらに動かず、やむごとな…
〔一五〕葵の上、男子を出産し、御息所の苦悩深し
すこし御声も静まりたまへれば、隙おはするにやとて、宮の御湯持て寄せたまへるに、かき起こされたまひて、ほどなく生まれたまひぬ。うれしと思すこと限りなきに、人に駆り移したまへる御物の怪…
〔一六〕源氏、左大臣家の人々、すべて参内する
若君の御まみのうつくしさなどの、春宮にいみじう似たてまつりたまへるを見たてまつりたまひても、まづ恋しう思ひ出でられさせたまふに忍びがたくて、参りたまはむとて、源氏「内裏などにもあま…
〔一七〕留守中に葵の上急逝、その葬送を行う
殿の内人少なにしめやかなるほどに、にはかに、例の御胸をせきあげていといたうまどひたまふ。内裏に御消息聞こえたまふほどもなく絶え入りたまひぬ。足を空にて誰も誰もまかでたまひぬれば、除…
〔一八〕源氏、葵の上の死去を哀悼する
殿におはし着きて、つゆまどろまれたまはず、年ごろの御ありさまを思し出でつつ、などて、つひにはおのづから見なほしたまひてむとのどかに思ひて、なほざりのすさびにつけても、つらしとおぼえ…
〔一九〕源氏と御息所和歌を贈答、ともに悩む
深き秋のあはれまさりゆく風の音身にしみけるかな、とならはぬ御独り寝に、明かしかねたまへる朝ぼらけの霧りわたれるに、菊のけしきばめる枝に、濃き青鈍の紙なる文つけて、さし置きて往にけり…
〔二〇〕時雨の日源氏・三位中将・大宮、傷心の歌
御法事など過ぎぬれど、正日まではなほ籠りおはす。ならはぬ御つれづれを心苦しがりたまひて、三位中将は常に参りたまひつつ、世の中の御物語など、まめやかなるも、また例の乱りがはしきことを…
〔二一〕源氏、時雨につけ、朝顔の姫君と歌を贈答
なほいみじうつれづれなれば、朝顔の宮に、今日のあはれはさりとも見知りたまふらむと推しはからるる御心ばへなれば、暗きほどなれど聞こえたまふ。絶え間遠けれど、さのものとなりにたる御文な…
〔二二〕女房ら、源氏との別離近きを悲しむ
暮れはてぬれば、御殿油近くまゐらせたまひて、さるべきかぎりの人々、御前にて物語などせさせたまふ。中納言の君といふは、年ごろ忍び思ししかど、この御思ひのほどは、なかなかさやうなる筋に…
〔二三〕源氏参院、涙ながらに左大臣家を辞去
君は、かくてのみもいかでかはつくづくと過ぐしたまはむとて、院へ参りたまふ。御車さし出でて、御前など参り集まるほど、をり知り顔なる時雨うちそそきて、木の葉さそふ風あわたたしう吹きはら…
〔二四〕源氏去って左大臣家の寂寥せきりようさらに深まる
うち見まはしたまふに、御几帳の背後、障子のあなたなどの開き通りたるなどに、女房三十人ばかりおしこりて、濃き薄き鈍色どもを着つつ、みないみじう心細げにてうちしほたれつつゐ集まりたるを…
〔二五〕源氏、桐壺院並びに藤壺の宮に参上する
院へ参りたまへれば、院「いといたう面痩せにけり。精進にて日を経るけにや」と心苦しげに思しめして、御前にて物などまゐらせたまひて、とやかくやと思しあつかひきこえさせたまへるさま、あは…
〔二六〕源氏、二条院に帰り紫の上の成人を知る
二条院には、方々払ひ磨きて、男、女待ちきこえたり。上臈どもみな参上りて、我も我もと装束き化粧じたるを見るにつけても、かのゐ並み屈じたりつる気色どもぞあはれに思ひ出でられたまふ。御装…
〔二七〕源氏、紫の上と新枕にいまくらをかわす
いとつれづれにながめがちなれど、何となき御歩きもものうく思しなられて思しも立たれず。姫君の何ごともあらまほしうととのひはてて、いとめでたうのみ見えたまふを、似げなからぬほどにはた見…
〔二八〕源氏、三日夜の餅を紫の上に供する
その夜さり、亥の子餅参らせたり。かかる御思ひのほどなれば、ことごとしきさまにはあらで、こなたばかりに、をかしげなる檜破子などばかりをいろいろにて参れるを見たまひて、君、南の方に出で…
〔二九〕紫の上と新枕にいまくらの後の源氏の感懐
かくて後は、内裏にも院にも、あからさまに参りたまへるほどだに、静心なく面影に恋しければ、あやしの心やと我ながら思さる。通ひたまひし所どころよりは、恨めしげにおどろかしきこえたまひな…
〔三〇〕源氏、参賀の後、左大臣家を訪れる
朔日は、例の、院に参りたまひてぞ、内裏、春宮などにも参りたまふ。それより大殿にまかでたまへり。大臣、新しき年とも言はず、昔の御事ども聞こえ出でたまひて、さうざうしく悲しと思すに、い…
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1. アオイ
日本大百科全書
、『古今和歌集』『枕草子(まくらのそうし)』や『源氏物語』にも取り上げられて、現代まで続いている。また有名な「の紋」とよばれる徳川家の三葉も、フタバアオイの ...
2. あおい【葵】
デジタル大辞泉
源氏物語第9巻の巻名。光源氏21歳から22歳。の上と六条御息所(みやすどころ)との車争い、夕霧の誕生、御息所の生き霊にとりつかれたの上の急逝、源氏と紫の上と ...
3. あおい[あふひ]【葵】
日本国語大辞典
也〉」*俳諧・猿蓑〔1691〕二「日の道や傾くさ月あめ〈芭蕉〉」*大和本草〔1709〕七「蜀(アフヒ)五月に花さく」(5)ウマノスズクサ科の多年草「かんあお ...
4. 源氏物語
日本大百科全書
萩原(はぎわら)広道『源氏物語評釈』等の、国学者たちによる優れた注釈が続出した。 明治期以後、現在まで『源氏物語』の注釈、研究書、研究論文の数量は膨大である。そ ...
5. 源氏物語
世界大百科事典
表現の特徴 《源氏物語》が古来賞揚されてきた主因はその名文とされたことにある。しかし現代では,それを西洋風の近代散文に比較して〈朧写〉などとおとしめるようにもな ...
6. げんじものがたり【源氏物語】
デジタル大辞泉
蝉(うつせみ)・夕顔・若紫・末摘花(すえつむはな)・紅葉賀(もみじのが)・花宴(はなのえん)・(あおい)・賢木(さかき)・花散里(はなちるさと)・須磨・明石・ ...
7. げんじものがたり【源氏物語】
日本国語大辞典
桐壺・帚木(ははきぎ)・空蝉(うつせみ)・夕顔・若紫・末摘花(すえつむはな)・紅葉賀(もみじのが)・花宴・・賢木(さかき)・花散里(はなちるさと)・須磨・明石 ...
8. げんじものがたり【源氏物語】
国史大辞典
池田亀鑑編『源氏物語事典』、重松信弘『新攷源氏物語研究史』、玉上琢弥『源氏物語評釈』、阿部秋生・岡一男・山岸徳平編『源氏物語』(『国語国文学研究史大成』三・四) ...
9. あおい‐ぐさ[あふひ:]【葵草】
日本国語大辞典
に」*俳諧・増山の井〔1663〕四月「(アフヒ)草 二葉草 かづら」(2)「ふゆあおい(冬)」の異名。植物、ぜにあおい(銭)。《あおいぐさ》島根県美濃郡 ...
10. あおいのうえ【葵の上】
デジタル大辞泉
〓源氏物語の主人公の一人。光源氏の最初の妻。六条御息所(みやすどころ)の生き霊に苦しめられ、夕霧を出産後、急死。  ...
11. あおい‐の‐うえ[あふひのうへ]【葵上】
日本国語大辞典
四番目物。各流。近江系の古作を世阿彌が改作したものか。「源氏物語」による。六条御息所の生霊が、上を責めさいなむが、横川(よかわ)の小聖(こひじり)に祈り伏せら ...
12. 葵上
日本大百科全書
世阿弥が改作した曲。出典は『源氏物語』の「」の巻。高貴な女性の心理の深層に潜む嫉妬(しっと)の恐ろしさを、みごとな詞章、作曲と、華麗な演出の妙で見せる名作。物 ...
13. 葵上
世界大百科事典
り,顧みる人さえなくなったのが恨めしいとかきくどき,光源氏の愛を奪った上をののしる。なおも高まる悔しさに,御息所の霊は上の枕元に寄って来て打ちたたきなどする ...
14. あおいのうえ【葵上】
国史大辞典
源氏物語』の巻に取材した四番目物に属する能の曲目。六条御息所が光源氏の寵愛の衰えたのを恨み、生霊となって光源氏の正妻上につきこれをなやますが、ついに比叡 ...
15. あおいのうえ【葵上】
日本人名大辞典
源氏物語」に登場する女性。左大臣の長女。母は桐壺帝の妹大宮。4歳年下の光源氏と結婚するが,源氏にうとまれる。26歳のとき男子夕霧を出産直後,源氏の愛人のひとり ...
16. あおいのうえ【葵上】[能曲名]
能・狂言事典
を述べ、光源氏の愛を奪った上を恨む。かきくどくうちに悔しさは高まり、御息所の霊は上の枕元にせまり、打ちたたきなどするが、のろいを残して姿を消す(〈枕ノ段〉) ...
17. 葵祭
日本大百科全書
明治以前は4月中(なか)の酉(とり)の日(二の酉の年は下の酉の日)であった。祭の名称は、祭員の挿頭(かざし)にを用い、神社や家々にを飾り、物忌(ものいみ) ...
18. 源氏物語/おもな登場人物
日本大百科全書
光源氏のとだえがちな関係に自尊心の傷つけられた思いで嘆息する。祭で源氏の正妻方と車争いとなり、屈辱感が強まり、その魂が意思とは無関係に身体から抜け出て、の上 ...
19. びろう‐げ[ビラウ:]【檳榔毛・蒲葵毛】
日本国語大辞典
通用、非参議不立榻」*宇津保物語〔970〜999頃〕春日詣「御車、糸毛十、ひらうげ十なり」*源氏物語〔1001〜14頃〕宿木「廂(ひさし)なき絲毛三つ、黄金づく ...
20. Arthur David Waley【ウェーリー】[人名]
能・狂言事典
)、『李白』(一九五〇)などの研究書がある。日本文学の古典では一九二五年から三三年にかけて『源氏物語』を全訳し、『枕草子』の抄訳(一九二八)も刊行している。それ ...
21. あい[あひ]【合・会・相】
日本国語大辞典
り)古波陀嬢子(こはだをとめ)を神の如(ごと)聞えしかども阿比(アヒ)枕まく」*源氏物語〔1001〜14頃〕「人とあひ乗りて、すだれをだに上げ給はぬを」*大慈 ...
22. あいぎょう の 始(はじ)め
日本国語大辞典
ほのめかしていうことば。新婚の夫婦和合のこと。新枕(にいまくら)。新手枕(にいたまくら)。*源氏物語〔1001〜14頃〕「げに、あいぎゃうのはじめは、日えりし ...
23. あいな‐だのめ【─頼】
日本国語大辞典
又きゃうにものぼらざりける時、まうけたりけるとかや。〈略〉されば、あいなたのめにもあらじや」*源氏物語〔1001〜14頃〕「うちとけおはします事は侍ざりつれど ...
24. あか‐ぎ【赤木】
日本国語大辞典
」*梁塵秘抄〔1179頃〕二・四句神歌「小磯の浜にこそ、紫檀あかぎは寄らずして、流れ来で」*謡曲・上〔1435頃〕「赤木の数珠の苛高(いらたか)を」*義経記〔 ...
25. あか‐つき【暁】
日本国語大辞典
晨朝(ありあけ)のつれなくみえし別れよりあか月ばかりうき物はなし〈壬生忠岑〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕「あか月深くかへり給ふ」*玉葉和歌集〔1312〕雑 ...
26. あから‐さま
日本国語大辞典
る。*宇津保物語〔970〜999頃〕俊蔭「あからさまの御ともにもはづし給はず」*源氏物語〔1001〜14頃〕「大将の君は、二条の院にだに、あからさまにも渡り給 ...
27. あき‐とお・る[:とほる]【明通】
日本国語大辞典
〔自ラ四〕戸などがあいていて通り抜けになる。*源氏物語〔1001〜14頃〕「障子(さうじ)のあなたなどの、あきとおりたるなどに、女房卅人ばかりおしこりて」 ...
28. あき‐は・てる【飽果】
日本国語大辞典
「刈れる田におふるひづちのほにいでぬは世を今更に秋はてぬとか〈よみ人しらず〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕「もし世の中にあきはてて、くだり給ひなば、さうざう ...
29. あ・く【飽・厭・倦】
日本国語大辞典
諸の衣服宝飾珍財少きひとは、光明に照らさるるが故に、念に随ひて皆足(アキ)ぬ」*源氏物語〔1001〜14頃〕「うちそばみて、わらひ給へる御さま、あかぬ所なし」 ...
30. あくがれ‐は・つ【憧果】
日本国語大辞典
〔自タ下二〕(1)居所から、すっかり離れ遠ざかる。その所へ全く寄りつかなくなってしまう。*源氏物語〔1001〜14頃〕「いふかひなき御事は、ただかきくらす心地 ...
31. あく‐が・れる【憧・憬】
日本国語大辞典
の、らうらうじう愛敬(あいぎゃう)づきたる、いみじう心あくがれ、せんかたなし」*源氏物語〔1001〜14頃〕「物おもふ人のたましひはげにあくがるる物になむあり ...
32. あさぎのほう【浅黄袍】
国史大辞典
」としている。これに対し、六位の緑衫(ろうそう)を『源氏物語』乙女に、夕霧が「浅黄の心やましければ」とあるように浅黄と呼んだので『御暦』寛治元年(一〇八 ...
33. あさまし・い【浅】
日本国語大辞典
ねたく思ひ」*枕草子〔10C終〕九・うへにさぶらふ御猫は「あさましう、犬なども、かかる心あるものなりけり」*源氏物語〔1001〜14頃〕桐壺「物の心知り給ふ人は ...
34. あさまし‐げ【浅─】
日本国語大辞典
接尾語「げ」の付いたもの)(1)あきれたと思っているその人のさま。驚いたという様子。*源氏物語〔1001〜14頃〕「たぐひおはせぬをだに、さうざうしく思しつる ...
35. あさ‐み【浅─】
日本国語大辞典
あさみち。〓深み。*源氏物語〔1001〜14頃〕「あさみにや人はおりたつ我がかたは身もそぼつまで深きこひぢを」*神宮文庫本発心集〔 ...
36. あした【朝・明日】
日本国語大辞典
節のあしたに、かんざしの玉の落ちたりけるをみて、たがならんととぶらひてよめる」*源氏物語〔1001〜14頃〕「大殿ごもりぬ。あしたには若君の御もとに御文奉り給 ...
37. あし 参(まい)る
日本国語大辞典
(「みあし(御足)参る」の形で用いる。「参る」は、奉仕する意)貴人の足をもみさすって差し上げる。*源氏物語〔1001〜14頃〕「中将の君といふ、御あしなどまい ...
38. あたり‐まど・う[:まどふ]【当惑】
日本国語大辞典
〔自ハ四〕物にぶつかったりつまずいたりしてあわてうろたえる。あたりさわぐ。*河内本源氏物語〔1001〜14頃〕「今はさりともと思したゆみたりつる程に、あさまし ...
39. あだ【徒】
日本国語大辞典
りあたに落けり蝉のから〈芭蕉〉」(3)いいかげんでおろそかなさま。粗略なさま。*源氏物語〔1001〜14頃〕「たしかに、御枕がみに参らすべき、祝ひの物に侍る。 ...
40. あまた‐とし【数多年】
日本国語大辞典
*蜻蛉日記〔974頃〕中・安和二年「あまたとしこゆる山べにいへゐして綱ひく駒もおもなれにけり」*源氏物語〔1001〜14頃〕「あまた年今日あらためし色衣きては ...
41. あめ【雨・下米】
日本国語大辞典
なくたくさん落ちそそぐもの、身にふりかかるものをたとえていう。(イ)涙のあふれでるたとえ。*源氏物語〔1001〜14頃〕幻「せきがたき涙の雨のみ降りまされば」* ...
42. あり‐あけ【有明・在明】
日本国語大辞典
ます頃「あり明のいみじう霧りわたりたる庭に、下(お)りてありくをきこしめして」*源氏物語〔1001〜14頃〕「八月廿余日の有明けなれば、空も気色もあはれ少から ...
43. ありし にも あらず
日本国語大辞典
*小町集〔9C後か〕「ふきむすぶかぜはむかしのあきながらありしにもあらぬそでの露かな」*源氏物語〔1001〜14頃〕「ありしにもあらずなり給へる御有様を、をか ...
44. あるまじ‐げ【有─】
日本国語大辞典
〔形動〕(連語「あるまじ」に接尾語「げ」が付いて一語化したもの)ありそうもないさま。*源氏物語〔1001〜14頃〕「世にもてかしづかれ給へるさま、木草もなびか ...
45. あわただし・い【慌・遽】
日本国語大辞典
度、あわただしい荷ごしらへ」(2)変化がはげしい。状況が不安定で流動的である。*源氏物語〔1001〜14頃〕「木の葉さそふ風あはたたしう吹はらひたるに」*日葡 ...
46. あん‐じろ【網代】
日本国語大辞典
〔名〕(「あみしろ」の変化した語)「あんじろぐるま(網代車)」の略。*源氏物語〔1001〜14頃〕「あんじろのすこしなれたるが、下簾のさまなどよしばめるに、い ...
47. い‐あつま・る[ゐ:]【居集】
日本国語大辞典
99頃〕楼上上「とののうち、宮たち、殿ばら、いだしぐるまし給ふ。ゐあつまれり」*源氏物語〔1001〜14頃〕「みないみじう心ぼそげにてうちしほたれつつゐあつま ...
48. いい‐あらわ・す[いひあらはす]【言表・言顕】
日本国語大辞典
*枕草子〔10C終〕九・うへにさぶらふ御猫は「つひにこれをいひあらはしつることなど笑ふに」*源氏物語〔1001〜14頃〕「さまざまのすきごとどもを、かたみにく ...
49. いい 言(い)いて
日本国語大辞典
つひに本意(ほい)のごとくあひにけり」*土左日記〔935頃〕承平五年一月七日「とかくいひいひて」*源氏物語〔1001〜14頃〕「はてはては、あはれなる世をいひ ...
50. いうかい‐な・し[いふかひ:]【言甲斐無】
日本国語大辞典
*宇津保物語〔970〜999頃〕あて宮「かの君は、いふかひなくなり給ぬるものを」*源氏物語〔1001〜14頃〕「いとどみな泣きて、いふかひなき御事はただかきく ...
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平安時代中期の11世紀初め、紫式部によって創作された長編の虚構物語。正しい呼称は「源氏の物語」で、「光源氏の物語」「紫の物語」「紫のゆかり」などの呼び方もある。後世は「源氏」「源語」「紫文」「紫史」などの略称も用いられた
玉鬘(源氏物語)【玉かづら】(新編 日本古典文学全集)
日本古典の最高傑作――光源氏の波瀾万丈の生涯を描いた大長編 主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇跡といえる。藤原為時の女(むすめ)で歌人の紫式部が描いた長編で
桐壺(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕帝の桐壺更衣(きりつぼのこうい)への御おぼえまばゆし帝(みかど)はどなたの御代(みよ)であったか、女御(にようご)や更衣(こうい)が大勢お仕えしておられた中に、最高の身分とはいえぬお方で、格別に帝のご寵愛(ちようあい)をこうむっていらっしゃるお方があった。
帚木(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕 「光源氏」と、その名だけは仰山(ぎようさん)にもてはやされており、それでも、あげつらい申すにははばかられるような過(あやま)ちが多いということだのに、そのうえさらに、こうした色恋沙汰(ざた)の数々を後々の世にも聞き伝えて、軽薄なお方との浮名(うきな)を流すことになりはせぬかと、ご自分では秘密にしていらっしゃった裏話までも語り伝えたという人の
空蝉(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕源氏、空蝉を断念せず、小君を責める〔一〕 お寝(やす)みになれぬままに、「わたしは、こうも人に憎まれたことはこれまでもなかったのに、今夜という今夜は、はじめて人の世がままならぬものと身にしみて分ったから、恥ずかしくて、もうこのまま生きてはおられそうもない気がする」などとおっしゃるので、小君は涙をさえこぼして横になっている。
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水原抄(日本国語大辞典)
鎌倉時代の「源氏物語」の注釈書。五四巻。源光行・親行著。成立年代未詳。伝本未発見で内容は不明だが、河内(かわち)本の最初の注釈書として注目される。「河海抄」などに一部引用されている。
蓬生(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕源氏謫居(たつきよ)の間、人々ひそかに嘆き悲しむ〔一〕 源氏の君が、須磨の浦で「藻塩(もしお)たれつつ」悲境に沈んでいらっしゃったころ、都でも、さまざまに嘆き悲しんでおられる人が多かったが、それにしても、ご自分の身に頼りどころのある方々は、ただ君を恋い慕うという点では堪えがたそうな有様であったが――二条院の紫の上などもお暮しにご不自由がないので
澪標(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕故院追善の御八講と源氏の政界復帰〔一〕 夢にありありとそのお姿がお見えになってからというものは、源氏の君は、故院の御事をお心におかけになって、どうかして、あの世の悪道でお苦しみあそばす罪障を、お救い申しあげる追善供養(ついぜんくよう)をしてさしあげたいものとお心を痛めていらっしゃるのだったが、こうして都にご帰還になってからは、まずそのご準備をなさる。
明石(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕風雨やまず、京より紫の上の使者来る〔一〕 依然として雨風がやまず、雷のおさまらぬままに幾日にもなった。源氏の君は、いよいよやりきれないことが数限りなく起ってきて、来し方行く末悲しい御身の上なので、もうとても強気でいることもおできにならず、「どうしたものだろう、こうしたことがあったからとて、都に帰ろうものなら、それもまだ世間に許されぬ身であってみれば、なおさらもの笑いになるばかりだろう。
須磨(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕源氏、須磨に退去を決意 人々との別れ〔一〕 世の中の形勢が、源氏の君にとってまことにわずらわしく、居心地のわるいことばかり多くなってゆくので、自分としては、しいて素知らぬ顔でやり過していても、あるいはこれ以上に恐ろしい事態になるかもしれない、という思いになられた。 あの須磨は、昔こそ人の住いなどもあったのだったが、今はまったく人里離れてもの寂しく
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