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空蝉(源氏物語)

ジャパンナレッジで閲覧できる『空蝉(源氏物語)』の新編 日本古典文学全集のサンプルページ

空蝉(源氏物語)
うつせみ
日本古典の最高傑作――光源氏の波瀾万丈の生涯を描いた大長編
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇跡といえる。藤原為時の女(むすめ)で歌人の紫式部が描いた長編で、「桐壺(きりつぼ)」から「夢浮橋(ゆめのうきはし)」までの54巻からなる。
[中古][物語]
校注・訳:阿部秋生 秋山 虔 今井源衛 鈴木日出男

〔一〕源氏、空蝉を断念せず、小君を責める
〔一〕 お寝(やす)みになれぬままに、「わたしは、こうも人に憎まれたことはこれまでもなかったのに、今夜という今夜は、はじめて人の世がままならぬものと身にしみて分ったから、恥ずかしくて、もうこのまま生きてはおられそうもない気がする」などとおっしゃるので、小君は涙をさえこぼして横になっている。ほんとにこの子はかわいいと源氏の君はお思いになる。手触りから知った、ほっそりと小柄な女の体つきや、髪のあまり長くなかった感じがこの子の様子に似通っているのも、気のせいであろうか、しみじみと愛着をそそられる。無理に女にかかわりあって、尋ね寄ったりするのも体裁がわるかろうと思い、心底(しんそこ)からいまいましいお気持で夜をお明かしになっては、いつものように小君にあれこれとお頼みになることもせず、まだ暗いうちにお帰りになるので、この子は、じっさい君がおいたわしく、また物足りない思いでいる。 その後、女もひとかたならず気がかりでいたたまれない気持なのだが、それきり君からのお便りも絶えている。もう懲(こ)り懲(ご)りというお気持になってしまわれたのかと思うにつけても、もしこのまま、何事もなくそれきりになってしまうのだったら、恨めしいことだろうに、かといって、むりやり無体ななさり方がこれからも続くのであっ
空蝉(源氏物語)〔一〕源氏、空蝉を断念せず、小君を責める
〔二〕源氏、空蝉と軒端荻のきばのおぎの碁打つ姿をのぞく
幼き心地に、いかならんをりと待ちわたるに、紀伊守国に下りなどして、女どちのどやかなる夕闇の道たどたどしげなる紛れに、わが車にて率てたてまつる。この子も幼きをいかならむと思せど、さの…
〔三〕源氏、空蝉の寝所に忍び、軒端荻と契る
渡殿の戸口に寄りゐたまへり、いとかたじけなしと思ひて、小君「例ならぬ人はべりてえ近うも寄りはべらず」、源氏「さて今宵もやかへしてんとする。いとあさましうからうこそあべけれ」とのたま…
〔四〕源氏、老女に見咎められ、危ない目をみる
小君近う臥したるを起こしたまへば、うしろめたう思ひつつ寝ければふとおどろきぬ。戸をやをら押し開くるに、老いたる御達の声にて、「あれは誰そ」とおどろおどろしく問ふ。わづらはしくて、小…
〔五〕源氏、空蝉、ともに歌に思いを託す
小君、御車のしりにて、二条院におはしましぬ。ありさまのたまひて、源氏「幼かりけり」とあはめたまひて、かの人の心を爪はじきをしつつ恨みたまふ。いとほしうてものもえ聞こえず。源氏「いと…
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検索コンテンツ
1. うつせみ【空〓】[能曲名]
能・狂言事典
(宝生) 宝生大夫(養阿弥?) 三番目物・本鬘物・大小物 前ジテ・里の女・[唐織着流女出立(紅入)]後ジテ・空〓の霊・[ ...
2. うつせみ【空蝉】
デジタル大辞泉
妹が手にせり欲しと思ふ/誓子」 「―の身をかへてける木(こ)のもとになほ人がらのなつかしきかな」〈源・空蝉〉作品名別項。→空蝉  ...
3. うつせみ【空蝉】[巻名]
デジタル大辞泉
源氏物語第3巻の巻名。光源氏17歳。源氏が空蝉の寝所に忍びこむが拒まれることなどを描く。  ...
4. うつせみ【空蝉・虚蝉】
日本国語大辞典
蝉のぬけがらを連想させるところからの名か。【二】(空蝉)〔一〕「源氏物語」第三帖の名。光源氏一七歳の夏。帚木の後半を受ける。源氏が三たび空蝉に近づいたが、空蝉は ...
5. 空蝉(うつせみ)
古事類苑
動物部 洋巻 第1巻 1185ページ ...
6. 空蝉(源氏物語)
日本古典文学全集
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇 ...
7. うつせみ‐おり【空蝉織】
日本国語大辞典
〔名〕経(たていと)が絹、緯(よこいと)がもめんの京都西陣製の羽織地。*万金産業袋〔1732〕四「京西陣織〈略〉うつ蝉織 たてきぬいと横もめん 扨これより以下み ...
8. うつせみ‐の【空蝉の】
デジタル大辞泉
[枕] 1 人間・世間・現世の意から「世」「世の人」などにかかる。 「―世の人なれば」〈万・一七八五〉2 蝉の抜け殻の意から「むなし」「わびし」などにかかる。  ...
9. うつせみ‐の【空蝉─】
日本国語大辞典
〔枕〕(「空蝉」「虚蝉」という表記から「むなしい」という意が生じて)命、身、人、空(むな)し、などにかかる。*源氏物語〔1001〜14頃〕葵「御しつらひよりはじ ...
10. うつせみ の 身柄(みがら)
日本国語大辞典
遺骸。なきがら。*高倉院升遐記〔1182〕「峰の雪汀の氷を踏み分けて、知らざりし山の麓にうつせみのみがらを納めたてまつる」 ...
11. うつせみ の 世(よ)
日本国語大辞典
〉」*万葉集〔8C後〕四・七三三「空蝉乃代(うつせみノよ)やも二(ふた)行く何すとか妹に逢はずて吾(あ)が独り寝む〈大伴家持〉」(2)(「うつせみ」を「空蝉」「 ...
12. あい‐おも・う[あひおもふ]【相思】
日本国語大辞典
ひ思はで離(か)れぬる人をとどめかね我が身は今ぞ消え果てぬめる」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「人知りたることよりも、かやうなるはあはれも添ふ事となむ昔人も ...
13. あいぎょう‐づ・く[アイギャウ:]【愛敬付】
日本国語大辞典
おごりたる声にて、侍の男ども呼びつき、ものなどいひたる、いとをかし」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「頭つき額つき物あざやかに、まみ、口つき、いとあいぎゃうづ ...
14. 葵(源氏物語) 64ページ
日本古典文学全集
「うつせみ」と転じた語で、本来は生身の人間の意。「空蝉」は宛字だが、文字どおり蝉の脱殻のようにうつろであることの意に用いるようになった。「空蝉の」が「むなし」に ...
15. 総角(源氏物語) 256ページ
日本古典文学全集
再度の機会もみごとに失敗。大君にもまして魅力的な中の君と添い臥しながら自抑したところは、源氏が空蝉に逃げられて軒端荻と契った(空蝉[1]〔三〕)のと好対照である ...
16. 総角(源氏物語) 328ページ
日本古典文学全集
→桐壺[1]三六ページ。薫は、大君の顔を覆っている袖を除けた。彼は、はじめて灯下に大君の顔を心ゆくまで見る。「空蝉はからを見つつもなぐさめつ深草の山煙だに立て」 ...
17. あ‐こ【吾子】
デジタル大辞泉
親しみを込めて呼ぶ語。おまえ。 「―はらうたけれど、つらきゆかりにこそ、え思ひはつまじけれ」〈源・空蝉〉2 一人称の人代名詞。中世から近世にかけての幼児語。 「 ...
18. あ‐ご【吾子】
日本国語大辞典
人なくては大事なり。よきあこたちのつかひ人と見置きたりつる物を」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「あこはらうたけれど、つらきゆかりにこそえ思ひはつまじけれ」( ...
19. あざ‐やか【鮮─】
日本国語大辞典
いばし)の〈略〉縁(へり)の紋いとあざやかに黒う白う見えたるを」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「目すこし腫(は)れたる心ちして、鼻などもあざやかなる所なうね ...
20. あせり‐な・く【焦泣】
日本国語大辞典
〔自カ四〕いらだって泣く。*浄瑠璃・心中天の網島〔1720〕上「エエ、知らせたい呼たいと、心で招く気は先へ身は空蝉(うつせみ)のぬけがらの、格子(かうし)にだき ...
21. あな
日本国語大辞典
中古には「あなおぼえず」〔宇津保‐蔵開中〕、「あな痴(し)れや」〔宇津保‐国譲下〕、「あなはらはら」〔源氏‐空蝉〕、「あなむもれや」〔源氏‐横笛〕などの特異な呼 ...
22. あながち【強】
日本国語大辞典
(ほっ)せざらむを、豈(あに)強(アナガチニ)遣(また)せむや」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「あながちに、かかづらひたどりよらむも、人悪かるべく、まめやか ...
23. あね【姉】
日本国語大辞典
区別しない「いも」「いもうと」もあり、平安時代までは「あね」とも「いもうと」とも呼んだ。例えば「源氏物語」の空蝉(うつせみ)という女性は、弟の小君(こぎみ)から ...
24. アブストラクト
日本国語大辞典
キュービスムやアブストラクトの運動の先駆者とする一面的な考へは」*砂漠の花〔1955〜57〕〈平林たい子〉空蝉・一「彼の絵の教養は、デッサンの修業時代をとび越え ...
25. あゆみ‐い・ず[:いづ]【歩出】
日本国語大辞典
*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保三年「のる所にも、かつがつとあゆみいでたれば」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「やをらあゆみいでて、簾のはざまにいり給ひぬ」*百 ...
26. アラビアン・ナイト 16 36ページ
東洋文庫
神に誓いて、しかと告げん まこと耐える者、いかで望み失するや また次の歌を歌いました。 永ぎ空蝉、いつまでも 汝の無事を願うなら 絶望に打ちひしがれず 喜びに ...
27. あり‐し‐ながら【在りしながら】
デジタル大辞泉
[連語]《「ながら」は接続助詞》昔のとおり。元のまま。 「―の我が身ならば」〈源・空蝉〉 ...
28. あわつけ・し[あはつけし]【淡】
日本国語大辞典
〔形ク〕軽々しい。軽率である。軽薄である。思慮が足りない。*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「あはつけしとは思(おぼ)しながら、まめならぬ御心は、これも、えおぼ ...
29. あわれ【哀れ】
デジタル大辞泉
愛着を感じるさま。いとしいさま。かわいいさま。 「なま心なく若やかなるけはひも―なれば」〈源・空蝉〉5 しみじみとした愛情があるさま。優しいさま。 「見る人も、 ...
30. い【寝】
デジタル大辞泉
寝ること。眠り。 「心とけたる―だに寝られずなむ」〈源・空蝉〉多く、動詞「ぬ(寝)」をあとに伴って「いをぬ」「いぬ」の形で、また、「朝寝(あさい)」「安寝(やす ...
31. いい‐た・てる[いひ:]【言立】
日本国語大辞典
言立てたが」(2)次々と数え上げて言う。列挙して強く述べる。数え立てる。*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「目すこしはれたる心地して、鼻などもあざやかなる所なう ...
32. いかで か
日本国語大辞典
〕「天竺に二となき鉢を百千万里の程行きたりともいかでか取るべき」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「いかでか、さは侍らん」*白氏文集天永四年点〔1113〕三「若 ...
33. いけ り ともなし
日本国語大辞典
ぬれば生友名師(いけりともナシ)〈作者未詳〉」*風雅和歌集〔1346〜49頃〕恋一・一〇二二「空蝉の人めをしげみあはずして年の経ぬればいけりともなし〈よみ人しら ...
34. 十六夜日記(中世日記紀行集) 301ページ
日本古典文学全集
俊成卿女の訴訟の話を聞くと、当時もやはり、「残 のうさにあるにもあらず消ゆる帚木」(源氏物語・帚木 空蝉)。底本「まける」。万治板本により改訂。二六九ページ五行 ...
35. いたま‐く【痛─】
日本国語大辞典
*書陵部本類聚名義抄〔1081頃〕「愴 イタマクハ」*良寛歌〔1835頃〕「今日の日をいかに消たなむ空蝉の浮世の人のいたまくもをし」名義【愴】名義 ...
36. いで‐いで
日本国語大辞典
楼上上「『いでいで』とて、おはすれば、いとあさましき心地し給て」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「『いで、この度は負けにけり。隅の所、いでいで』と指(および) ...
37. いと‐な・し【暇無】
日本国語大辞典
とも物をおもふときなどかなみだのいとなかるらむ〈よみ人しらず〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「昼はながめ、夜はねざめがちなれば、春ならぬこのめもいとなくな ...
38. いま 只今(ただいま)
日本国語大辞典
*宇津保物語〔970〜999頃〕春日詣「『いまただいま』とて、うちに参りぬ」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「いまただ今、立ちならび給ひなん」 ...
39. いよ の 湯桁(ゆげた)
日本国語大辞典
けた)。その数が多いということから、数の多いもののたとえにいう。*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「およびをかがめて、とを、はた、みそ、よそなどかざふるさま、い ...
40. いら・う[いらふ]【応・答】
日本国語大辞典
勢物語〔10C前〕六三「二人の子は、なさけなくていらへて止みぬ」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「わづらはしくて、まろぞといらふ」*浄瑠璃・伽羅先代萩〔178 ...
41. う・い【憂】
日本国語大辞典
ほいとゆゆしと思ふに、まいて海女のかづきしに入るはうきわざなり」*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「やがてつれなくてやみ給ひなましかばうからまし、しひていとほし ...
42. うえ[うへ]【上】
日本国語大辞典
御簾の前にて、殿上人、日一日琴笛吹き」(ロ)身分の高い人の部屋。*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「おもとは、今宵はうへにやさぶらひ給ひつる」(3)身分の高い人 ...
43. 浮舟(源氏物語) 194ページ
日本古典文学全集
見やる浮舟の蒼白の顔が夜明けの薄明の中に浮き立つのを見る思いがする。警備の者の目にとまるのを恐れる。参考「空蝉はからを見つつもなぐさめつ深草の山煙だに立て」(古 ...
44. 宇治拾遺物語 264ページ
日本古典文学全集
「藤原敏行朝臣の身まかりける時に、よみてかの家につかはしける 紀友則/寝ても見ゆ寝でも見えけりおほかたは空蝉の世ぞ夢にはありける」。生前にも語っていたこと。経を ...
45. うす‐ぎぬ【薄衣】
デジタル大辞泉
薄い着物。うすごろも。 「かの脱ぎ滑(すべ)したると見ゆる―を取りて」〈源・空蝉〉 ...
46. うす‐ぎぬ【薄衣】
日本国語大辞典
〓厚衣。*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「かのうす衣は小袿(こうちき)のいとなつかしき人香に染(し)めるを」*建礼門院右京大夫集〔13 ...
47. うず・む[うづむ]【埋】
日本国語大辞典
似た人にも会はぬといふは、どこぞへ埋(ウヅ)んだに極まりました」*歌舞伎・色競かしく紅翅〔1808〕三「空蝉の香炉は、七郎助、貴様の所に埋(ウヅ)んであらうがの ...
48. 空蝉(源氏物語) 117ページ
日本古典文学全集
→帚木一〇八ページ注一。なお前に空蝉は「いと小さやかなれば」(帚木一〇〇ページ)とあった。髪が長いのは、美人の重要な条件で、空蝉がそれを備えていない点に注意。小 ...
49. 空蝉(源氏物語) 118ページ
日本古典文学全集
わたれば、わづらはしけれど、かかる方にても、のたまひまつはすはうれしうおぼえけり。〔二〕源氏、空蝉と軒端荻の碁打つ姿をのぞく 幼き心地に、いかならんをりと待ちわ ...
50. 空蝉(源氏物語) 120ページ
日本古典文学全集
「腰ひき結ふ」は袴紐を結ぶ。袴は肌の上に直接着る。「放俗」の意とも、「凡俗」の意ともいう。だらしないさま。以下空蝉とは対照的。背の高いさま。前頭 ...
「空蝉(源氏物語)」の情報だけではなく、「空蝉(源氏物語)」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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