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  11. 若紫(源氏物語)
新編 日本古典文学全集

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若紫(源氏物語)
わかむらさき
日本古典の最高傑作――光源氏の波瀾万丈の生涯を描いた大長編
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇跡といえる。藤原為時の女(むすめ)で歌人の紫式部が描いた長編で、「桐壺(きりつぼ)」から「夢浮橋(ゆめのうきはし)」までの54巻からなる。
[中古][物語]
校注・訳:阿部秋生 秋山 虔 今井源衛 鈴木日出男

〔一〕源氏、瘧病わらわやみをわずらい、北山の聖を訪れる
〔一〕 源氏の君は、瘧病をおわずらいになって、あれこれと手を尽してまじないや加持などおさせになるけれども、効験がなくて、たびたび発作をお起しになったので、ある人が、「北山でございますが、何々寺という所に、すぐれた修行者がおります。去年の夏も世間に流行して、さまざまの人がまじなったのですが効きめがなく、てこずっておりましたのを、即座になおした例がたくさんございました。こじらせてしまいますと厄介なことになりますから、早くお試しになるがよろしゅうございましょう」などと申しあげるので、お召しに使者をお遣わしになったところが、「年老いて腰もまがって室(むろ)の外にも出ませぬ」とお答え申したので、「それでは是非もない。ごく内密に出かけることにしよう」と仰せになって、お供には親しくお仕えする者四、五人ばかりを連れて、まだ夜の明けぬうちにお出ましになる。 その寺は少し山深く入った所なのであった。三月の末であるから、京の花はもうみな盛りを過ぎてしまっていた。山の桜はまだ盛りであって、だんだんと分け入っていらっしゃるにつれて、霞(かすみ)のかかった景色も興深く眺められるので、こうしたお出歩きはめったにないことだし、しかも窮屈なご身分のこととて、珍しくお思いになるのだ
若紫(源氏物語)〔一〕源氏、瘧病(わらわやみ)をわずらい、北山の聖を訪れる
〔二〕源氏、なにがし僧都の坊に女人を見る
すこし立ち出でつつ見わたしたまへば、高き所にて、ここかしこ、僧坊どもあらはに見おろさるる、ただこのつづら折の下に、同じ小柴なれど、うるはしうしわたして、きよげなる屋、廊などつづけて…
〔三〕ある供人、明石の入道父娘のことを語る
君は行ひしたまひつつ、日たくるままに、いかならんと思したるを、供人「とかう紛らはさせたまひて、思し入れぬなんよくはべる」と聞こゆれば、背後の山に立ち出でて京の方を見たまふ。はるかに…
〔四〕源氏、紫の上を見いだして恋慕する
日もいと長きにつれづれなれば、夕暮のいたう霞みたるにまぎれて、かの小柴垣のもとに立ち出でたまふ。人々は帰したまひて、惟光朝臣とのぞきたまへば、ただこの西面にしも、持仏すゑたてまつり…
〔五〕源氏、招かれて僧都の坊を訪れる
うち臥したまへるに、僧都の御弟子、惟光を呼び出でさす。ほどなき所なれば、君もやがて聞きたまふ。僧都「過きりおはしましけるよし、ただ今なむ人申すに、驚きながらさぶらふべきを、なにがし…
〔六〕源氏、紫の上の素姓を聞き僧都に所望する
僧都、世の常なき御物語、後の世のことなど聞こえ知らせたまふ。わが罪のほど恐ろしう、あぢきなきことに心をしめて、生けるかぎりこれを思ひなやむべきなめり、まして後の世のいみじかるべき思…
〔七〕源氏、尼君に意中を訴え、拒まれる
君は心地もいとなやましきに、雨すこしうちそそき、山風ひややかに吹きたるに、滝のよどみもまさりて音高う聞こゆ。すこしねぶたげなる読経の絶え絶えすごく聞こゆるなど、すずろなる人も所がら…
〔八〕暁方、源氏再び僧都と対座、和歌の贈答
暁方になりにければ、法華三昧おこなふ堂の懺法の声、山おろしにつきて聞こえくるいと尊く、滝の音に響きあひたり。源氏吹き迷ふ深山おろしに夢さめて涙もよほす滝の音かな僧都「さしぐみに袖ぬ…
〔九〕僧都らと惜別 源氏、尼君と和歌を贈答
御迎への人々参りて、おこたりたまへるよろこび聞こえ、内裏よりも御とぶらひあり。僧都、見えぬさまの御くだもの、何くれと、谷の底まで掘り出でいとなみきこえたまふ。僧都「今年ばかりの誓ひ…
〔一〇〕源氏、君達と帰還 紫の上、源氏を慕う
御車に奉るほど、大殿より、「いづちともなくておはしましにけること」とて、御迎への人々、君たちなどあまた参りたまへり。頭中将、左中弁、さらぬ君たちも慕ひきこえて、君達「かうやうの御供…
〔一一〕源氏、葵の上と不和 紫の上を思う
君はまづ内裏に参りたまひて、日ごろの御物語など聞こえたまふ。いといたう衰へにけりとて、ゆゆしと思しめしたり。聖のたふとかりけることなど問はせたまふ。くはしく奏したまへば、帝「阿闍梨…
〔一二〕翌日、源氏北山の人々に消息をおくる
またの日、御文奉れたまへり。僧都にもほのめかしたまふべし。尼上には、 源氏もて離れたりし御気色のつつましさに、思ひたまふるさまをもえあらはしはてはべらずなりにしをなむ。かばかり聞こ…
〔一三〕藤壺、宮中を退出 源氏、藤壺と逢う
藤壺の宮、なやみたまふことありて、まかでたまへり。上のおぼつかながり嘆ききこえたまふ御気色も、いといとほしう見たてまつりながら、かかるをりだにと心もあくがれまどひて、いづくにもいづ…
〔一四〕源氏・藤壺の苦悩 藤壺懐妊、宮中に帰参
殿におはして、泣き寝に臥し暮らしたまひつ。御文なども、例の、御覧じ入れぬよしのみあれば、常のことながらも、つらういみじう思しほれて、内裏へも参らで二三日籠りおはすれば、また、いかな…
〔一五〕尼君ら帰京、源氏訪れて紫の上の声を聞く
かの山寺の人は、よろしうなりて出でたまひにけり。京の御住み処尋ねて、時々の御消息などあり。同じさまにのみあるもことわりなるうちに、この月ごろは、ありしにまさるもの思ひに、ことごとな…
〔一六〕翌日、源氏尼君に消息 紫の上への執心
またの日も、いとまめやかにとぶらひきこえたまふ。例の小さくて、源氏「いはけなき鶴の一声聞きしより葦間になづむ舟ぞえならぬ同じ人にや」とことさら幼く書きなしたまへるも、いみじうをかし…
〔一七〕尼君死去 源氏、紫の上をいたわり弔う
十月に朱雀院の行幸あるべし。舞人など、やむごとなき家の子ども、上達部、殿上人どもなどもその方につきづきしきは、みな選らせたまへれば、親王たち大臣よりはじめて、とりどりの才ども習ひた…
〔一八〕源氏、紫の上の邸を訪れ、一夜を過す
忌など過ぎて、京の殿になど聞きたまへば、ほど経て、みづからのどかなる夜おはしたり。いとすごげに荒れたる所の、人少ななるに、いかに幼き人おそろしからむと見ゆ。例の所に入れたてまつりて…
〔一九〕源氏、帰途に忍び所の門を叩かす
いみじう霧りわたれる空もただならぬに、霜はいと白うおきて、まことの懸想もをかしかりぬべきに、さうざうしう思ひおはす。いと忍びて通ひたまふ所の道なりけるを思し出でて、門うち叩かせたま…
〔二〇〕父兵部卿宮、紫の上を訪ね、あわれむ
かしこには、今日しも宮渡りたまへり。年ごろよりもこよなう荒れまさり、広うもの古りたる所の、いとど人少なにさびしければ、見わたしたまひて、宮「かかる所には、いかでかしばしも幼き人の過…
〔二一〕源氏、惟光を遣わし、父宮の意図を知る
君の御もとよりは、惟光を奉れたまへり。「参り来べきを、内裏より召しあればなむ。心苦しう見たてまつりしも静心なく」とて、宿直人奉れたまへり。女房「あぢきなうもあるかな。戯れにても、も…
〔二二〕葵の上と不和、紫の上を邸から連れ出す
君は大殿におはしけるに、例の、女君、とみにも対面したまはず。ものむつかしくおぼえたまひて、あづまをすが掻きて、「常陸には田をこそつくれ」といふ歌を、声はいとなまめきて、すさびゐたま…
〔二三〕紫の上を二条院に迎え、いたわる
二条院は近ければ、まだ明うもならぬほどにおはして、西の対に御車寄せて下りたまふ。若君をば、いと軽らかにかき抱きて下ろしたまふ。少納言、「なほいと夢の心地しはべるを、いかにしはべるべ…
〔二四〕源氏、紫の上に手習を教え、ともに遊ぶ
君は二三日内裏へも参りたまはで、この人をなつけ語らひきこえたまふ。やがて本にと思すにや、手習、絵などさまざまにかきつつ見せたてまつりたまふ。いみじうをかしげにかき集めたまへり。「武…
〔二五〕父兵部卿宮と、邸に残る女房たちの困惑
かのとまりにし人々、宮渡りたまひて尋ねきこえたまひけるに、聞こえやる方なくてぞわびあへりける。「しばし人に知らせじ」と君ものたまひ、少納言も思ふことなれば、切に口かためやりたり。た…
〔二六〕紫の上、無心に源氏と馴れむつぶ
やうやう人参り集りぬ。御遊びがたきの童べ、児ども、いとめづらかにいまめかしき御ありさまどもなれば、思ふことなくて遊びあへり。君は、男君のおはせずなどしてさうざうしき夕暮などばかりぞ…
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1. 若紫(源氏物語)
日本古典文学全集
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇 ...
2. わか‐むらさき【若紫】
デジタル大辞泉
〓 1 薄い紫色。薄紫。 2 植物ムラサキの別名。《季 春》「恋草の―も萌えにけり/麦人」  ...
3. わか‐むらさき【若紫】
日本国語大辞典
(3)藤の花の色の形容にも用いられるが、「久安百首‐春下」の「老ぬれど若紫にかざられて藤にも松はかかる成けり」などのように、若紫の藤の花を若い女性の意味で老松に ...
4. わかむらさき【若紫】
プログレッシブ和英
mauve ...
5. 若紫ノ君
デジタル大辞泉プラス
宝酒造が製造・販売する焼酎の商品名。本格焼酎規格のしそ焼酎。 2011年01月 ...
6. わかむらさき の 帽子(ぼうし)
日本国語大辞典
を隠すためにかぶり始めた紫色の帽子。紫帽子。野郎帽子。*浮世草子・男色大鑑〔1687〕一・一「若紫(ワカムラサキ)の帽子、是ぞ野郎の元祖なるべし」*浮世草子・嵐 ...
7. あそびもの【遊物】[方言]
日本方言大辞典
土史(松尾兼治)1950 熊本県鹿本郡・宇土郡919方言と性格と分布相(田中正行)1942源氏若紫「をかしき絵、あそび物ども、取りにつかはして見せ奉り」《あすん ...
8. おしあて【推当】[方言]
日本方言大辞典
推察。推量。 香川県829香川県方言辞典(近石泰秋)1976源氏若紫「すきずきしかたにはあらで、まめやかにきこゆるなりと、をしあてにの給へば」 ...
9. がっぱり[方言]
日本方言大辞典
長崎県伊王島907伊王島村郷土史(松尾兼治)1950 五島917五島民俗図誌(久保清・橋浦泰雄)1934雑俳若紫「嫁らして夜すがら母のがっぱりと」《がっぱい》  ...
10. こしば【小柴】[方言]
日本方言大辞典
誌)1886~1907 射水郡394富山県射水郡櫛田村方言集(柴山幸)=方言誌131935源氏若紫「同じこしばなれど、うるはしうしわたして」《こしわ》 富山県砺 ...
11. しこじらかす[方言]
日本方言大辞典
吉)1892《しこらす》 愛媛県840愛媛の方言(武智正人)1957「ししこらかす」の例。源氏若紫「ししこらかしつる時は、うたて侍るを、疾くこそ心みさせ給はめ」 ...
12. すぎる【過】[方言]
日本方言大辞典
市史1925万葉一・四七「ま草刈る荒野にはあれど黄葉もみちばの過すぎにし君が形見とそ来し」源氏若紫「あはれにうけたまはる御ありさまを、かのすぎ給にけむ御かはりに ...
13. すなご【砂子】[方言]
日本方言大辞典
墋 石微細而随風飛也 伊佐古 又須奈古」源氏若紫「御殿のつくりざま、しつらひざま、更にもいはず、庭のすなこも、玉を重ねたらむやうに見えて、輝く ...
14. ぞ[方言]
日本方言大辞典
おのおの浮かみ出でたるぞや」《ぞよ》 岡山県津山市「もーせんぞよ」040現地採録、または報告によるもの源氏若紫「今は、さは大殿籠るまじきぞよ」《ぞよん》 岐阜県 ...
15. とんてき【頓的】[方言]
日本方言大辞典
州下伊那郡方言集(井上福美)1936評判記剥野老序「前髪の昔を慕ふ初元結、振袖のかほりゆかしき若紫、是にそまるとんてきの魂は、楽屋の油虫となりて思ひにもえ」《と ...
16. あい【愛】
日本国語大辞典
男〔1684〕三・二「まねけばうなづく、笑へばあいをなし、いつとなく消(きへ)にける」*雑俳・若紫〔1741〜44〕「細工名人愛の無い顔」*滑稽本・浮世風呂〔1 ...
17. あ・う[あふ]【合・会・逢・遭】
日本国語大辞典
、木の葉のきほひ散り」(ハ)夢・占い・主張などが事実と一致する。*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「この夢あふまで又人にまねぶなとの給ひて」*浮世草子・好色三代 ...
18. あえ‐しら・う
デジタル大辞泉
式部日記〉2 「あいしらう2」に同じ。 「言少(ことずく)なに言ひて、をさをさ―・はず」〈源・若紫〉3 「あいしらう3」に同じ。 「切り大根(おほね)物の汁して ...
19. あえ‐しら・う[あへしらふ]
日本国語大辞典
ただこれをさまざまにあへしらひ、そぞろごとにつれづれをばなぐさめつつ」*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「さぶらふ人々も思ひ乱れてと、ことずくなに言ひて、をさを ...
20. 葵(源氏物語) 28ページ
日本古典文学全集
「尋」は両手を広げたときの左右の指先間の長さ。紫の上の乳母。この人だけが紫の上について二条院に来ている。→若紫[1]二五五ページ。乳母として感動をおぼえる。「千 ...
21. 葵(源氏物語) 67ページ
日本古典文学全集
中宮はそのままである。中宮方の女房たち。中宮づき女房の一人。王命婦。かつて源氏の手引をしたことがある。→若紫[1]二三一ページ。私も悲しみの思いが尽きない、の意 ...
22. 葵(源氏物語) 70ページ
日本古典文学全集
省いて「男君はとく…朝あり」と、二人の結婚の事実が語られる。二人が一つ御帳の中に寝ることは前からのこと(→若紫[1]〔二三〕)なので、結婚の事実など他者には分ら ...
23. あか【閼伽】
日本国語大辞典
養仏〓也」*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「あか奉り花折りなどするも、あらはに見ゆ」*日葡辞書〔1603〜04〕「Aca (アカ) ムス ...
24. 明石(源氏物語) 230ページ
日本古典文学全集
播磨国の元国司で、新たに発心して仏道に入った者。明石の入道のこと。→若紫[1]二〇二ページ注一二。源氏の従者、源良清の公式の呼び名。良清は、若紫巻([1]〔三〕 ...
25. 明石(源氏物語) 233ページ
日本古典文学全集
去るとともに、源氏の青春期は終り、明石以後には、思慮深い壮年の源氏が生れる。良清が前に話したとおり。→若紫[1]二〇二ページ。「静やかに隠ろふべき隈」(七行前) ...
26. 明石(源氏物語) 235ページ
日本古典文学全集
なれず、たびたび 明石の地名にふさわしい「明らか」な居所に変る。良清が以前報告したとおりに。→若紫[1]二〇三ページ。入道の豪勢な生活ぶりは、先例たる『宇津保物 ...
27. 明石(源氏物語) 236ページ
日本古典文学全集
入道は、娘の将来について格別の宿願を抱いているので、どう扱ってよいか苦慮している。→若紫[1]〔三〕、須磨〔一九〕。若紫巻([1]二〇三~五ページ)で、源氏は、 ...
28. 明石(源氏物語) 238ページ
日本古典文学全集
楚)。「ほる」は、ぼけている、ぼんやりしている、の意。入道は昔宮中に仕え、近衛中将であった。→若紫[1]二〇二ページ。当時、旧事に通暁することは、官人としての重 ...
29. 明石(源氏物語) 245ページ
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。右の若紫巻の記述とは矛盾するが、ここは結婚適齢期の美女を登場させる必要から、前後の統一を無視したか。構想の整合性よりも局面や場面の効果を重んずることは、当時の ...
30. 明石(源氏物語) 246ページ
日本古典文学全集
「劣りまかる」は「劣りゆく」の謙遜語。→須磨二一一ページ。多くの求婚を拒絶して、人々から恨み憎まれた。→若紫[1]二〇三ページ。「せばき袖」とする本もあるが、多 ...
31. 明石(源氏物語) 248ページ
日本古典文学全集
帚木巻の「雨夜の品定め」以来、繰り返し語られていた。→帚木[1]六〇ページ、夕顔[1]一四四ページ、若紫[1]二〇九ページ、末摘花[1]二六九ページ。高麗産の丁 ...
32. 明石(源氏物語) 250ページ
日本古典文学全集
「思ひあがる」は、源氏が自分の求愛にやすやすと応じない娘の態度を矜持を持する女と推量したもの。傲慢ではない。若紫巻([1]二〇四ページ)に、良清は娘の容姿・性格 ...
33. 明石(源氏物語) 261ページ
日本古典文学全集
はどうなってゆくのであろうか。 で。入道が、日ごろ「この思ひおきつる宿世違はば、海に入りね」(若紫[1]二〇四ページ)と言っておいたように。→須磨二一二ページ、 ...
34. 明石(源氏物語) 264ページ
日本古典文学全集
前にも「源少納言」(二三〇ページ)と見えた。良清は、北山で明石の君のことを語って、源氏に関心を抱かせている(若紫[1]〔三〕)。人々のささやきは、良清がお人よし ...
35. あかつき‐がた【暁方】
日本国語大辞典
もの「夜一夜起きあかし待ちて、暁がたにうち忘れて寝入りにけるに」*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「あかつきがたになりにければ、法花三昧行ふ堂の、懺法の声、山お ...
36. あか‐なべ【銅鍋】
日本国語大辞典
てきや仲間の隠語。〔特殊語百科辞典{1931}〕*いやな感じ〔1960〜63〕〈高見順〉二・六「若紫のヤチは如来なんてものじゃなくて、アカナベでいい。アカ(銅) ...
37. あくがれ‐まど・う[:まどふ]【憧惑】
日本国語大辞典
〔自ハ四〕本心を失うまでに心がひきつけられる。すっかり心を奪われて夢中になる。*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「かかる折だにと、心もあくがれまどひて、いづくに ...
38. 総角(源氏物語) 238ページ
日本古典文学全集
の言葉とひびきあう。「朝の鐘」は、宇治山の阿闍梨の住む寺の鐘であろうか。晨朝(午前四時ごろ。→若紫[1]二一四ページ注一〇)を知らせる鐘。まだあたりは暗い。「今 ...
39. 総角(源氏物語) 317ページ
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→二六八・二八〇ページ。しかしこの薫の行動で、二人は夫婦関係にあることが明らか、と女房たちは思う。「初夜」→若紫[1]二一四ページ注一〇。前に「御修法、読経、明 ...
40. 総角(源氏物語) 319ページ
日本古典文学全集
、師説)。「夜居」→薄雲[2]四四九ページ注二二。→若紫[1]二一九ページ注三。参考「陀羅尼は暁。読経は夕暮」(枕草子・陀羅尼は暁)。→若紫[1]二一九ページ注 ...
41. あさ・い【浅】
日本国語大辞典
お初尾取ける」(ハ)情趣や美の到達度が不十分である。浅薄である。*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「これは、いとあさく侍り。人の国などに侍る海山の有様などを御覧 ...
42. 朝顔(源氏物語) 492ページ
日本古典文学全集
「知らねども武蔵野といへばかこたれぬよしやさこそは紫のゆゑ」(古今六帖・五)。藤壺の姪であることをいう。→若紫[1]二三九ページ注一九・同二五八ページ注九。紫の ...
43. あざり【阿闍梨】
日本国語大辞典
く、験(しるし)あり。院奏せさせ給て、真言院のあざりになされぬ」*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「あざりなどにもなるべき者にこそあなれ。行ひの労は積りて、公に ...
44. あし‐ま【葦間】
日本国語大辞典
しまより見ゆるながらの橋柱昔のあとのしるべなりけり〈藤原清正〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「いはけなき鶴(たづ)の一声聞きしよりあしまになづむ舟ぞえなら ...
45. あし‐わか【葦若】
日本国語大辞典
五・雑思「あしわかの浦にきよする白波のしらじな君はわれ思ふとも」*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「あしわかの浦にみるめはかたくともこは立ちながらかへる波かは」 ...
46. あじき‐な・い[あぢき:]【味気無】
日本国語大辞典
神代上(水戸本訓)「素戔嗚尊、汝(いまし)甚無道(アチキナシ)」*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「わが罪のほどおそろしう、あぢきなきことに心をしめて生ける限り ...
47. あずま[あづま]【東・吾妻】
日本国語大辞典
、其義近矣〉」(6)「あずまごと(東琴)」の略。*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「あづまをすがかきて、常陸には田をこそ作れといふ歌を、声はいとなまめきてすさび ...
48. 東路のつと(中世日記紀行集) 489ページ
日本古典文学全集
し。また静喜の発句にて、朝霧も知らでまだ寝る小萩かな萩の発句には、かばかりの風情見なれ侍らず。若紫の巻にや、「かかる朝霧を知らで寝ぬるものにか」などを、小萩にと ...
49. 東屋(源氏物語) 92ページ
日本古典文学全集
五条の宿から某院に連れ出す条(夕顔[1]一五九ページ)、紫の上を故按察大納言邸から二条院に引き移す条(若紫[1]二五五ページ)に似る。これは異な、あまりに急、と ...
50. あそび‐もの【遊び物】
デジタル大辞泉
1 遊び道具。おもちゃ。 「をかしき絵、―ども」〈源・若紫〉2 楽器。 「多くの―の音」〈源・常夏〉 ...
「若紫(源氏物語)」の情報だけではなく、「若紫(源氏物語)」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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鎌倉時代の「源氏物語」の注釈書。五四巻。源光行・親行著。成立年代未詳。伝本未発見で内容は不明だが、河内(かわち)本の最初の注釈書として注目される。「河海抄」などに一部引用されている。
蓬生(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕源氏謫居(たつきよ)の間、人々ひそかに嘆き悲しむ〔一〕 源氏の君が、須磨の浦で「藻塩(もしお)たれつつ」悲境に沈んでいらっしゃったころ、都でも、さまざまに嘆き悲しんでおられる人が多かったが、それにしても、ご自分の身に頼りどころのある方々は、ただ君を恋い慕うという点では堪えがたそうな有様であったが――二条院の紫の上などもお暮しにご不自由がないので
澪標(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕故院追善の御八講と源氏の政界復帰〔一〕 夢にありありとそのお姿がお見えになってからというものは、源氏の君は、故院の御事をお心におかけになって、どうかして、あの世の悪道でお苦しみあそばす罪障を、お救い申しあげる追善供養(ついぜんくよう)をしてさしあげたいものとお心を痛めていらっしゃるのだったが、こうして都にご帰還になってからは、まずそのご準備をなさる。
明石(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕風雨やまず、京より紫の上の使者来る〔一〕 依然として雨風がやまず、雷のおさまらぬままに幾日にもなった。源氏の君は、いよいよやりきれないことが数限りなく起ってきて、来し方行く末悲しい御身の上なので、もうとても強気でいることもおできにならず、「どうしたものだろう、こうしたことがあったからとて、都に帰ろうものなら、それもまだ世間に許されぬ身であってみれば、なおさらもの笑いになるばかりだろう。
須磨(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕源氏、須磨に退去を決意 人々との別れ〔一〕 世の中の形勢が、源氏の君にとってまことにわずらわしく、居心地のわるいことばかり多くなってゆくので、自分としては、しいて素知らぬ顔でやり過していても、あるいはこれ以上に恐ろしい事態になるかもしれない、という思いになられた。 あの須磨は、昔こそ人の住いなどもあったのだったが、今はまったく人里離れてもの寂しく
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