NHK大河ドラマ「光る君へ」特集
ジャパンナレッジは約1700冊以上の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書」サービスです。
➞ジャパンナレッジについて詳しく見る
  1. トップページ
  2. >
  3. カテゴリ一覧
  4. >
  5. 文学
  6. >
  7. 古典文学
  8. >
  9. 源氏物語
  10. >
  11. 紅葉賀(源氏物語)

紅葉賀(源氏物語)

ジャパンナレッジで閲覧できる『紅葉賀(源氏物語)』の新編 日本古典文学全集のサンプルページ

紅葉賀(源氏物語)
もみぢのが
日本古典の最高傑作――光源氏の波瀾万丈の生涯を描いた大長編
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇跡といえる。藤原為時の女(むすめ)で歌人の紫式部が描いた長編で、「桐壺(きりつぼ)」から「夢浮橋(ゆめのうきはし)」までの54巻からなる。
[中古][物語]
校注・訳:阿部秋生 秋山 虔 今井源衛 鈴木日出男

〔一〕行幸の試楽に、源氏、青海波を舞う
〔一〕 朱雀院(すざくいん)への行幸(ぎようこう)は十月十日過ぎである。このたびは常のそれとちがって、さぞや感興も深かろうと思われるお催しだったので、女御(にようご)や更衣(こうい)など御方々は、ご見物になれぬことを残念に思っていらっしゃる。帝(みかど)も、藤壺の宮がごらんにならないのを物足りなくおぼしめすので、その試楽を清涼殿(せいりようでん)の前庭でお催させになる。 源氏の中将は、青海波をお舞いになるのだった。その相手は、左大臣家の頭中将で、顔だちといい態度といい、人にぬきんでているものの、源氏の君と立ち並んでは、やはり花の傍らの深山木(みやまぎ)といったところである。折から西に傾く日の光があざやかに射(さ)してきて、楽(がく)の音(ね)がひときわ美しく響いて興もたけなわのころ、同じ舞でも源氏の君の足拍子や面持は、この世のものとは思われぬ見物(みもの)である。詠などなさるお声は、これこそ仏の御国の迦陵頻伽(かりようびんが)のお声であろうかと聞える。興深く感動的な舞のさまに、帝は涙をおぬぐいになり、上達部や親王(みこ)たちもみなお泣きになった。詠が終って舞の
紅葉賀(源氏物語)〔一〕行幸の試楽に、源氏、青海波を舞う
〔二〕翌朝、源氏と藤壺、和歌を贈答する
つとめて中将の君、「いかに御覧じけむ。世に知らぬ乱り心地ながらこそ。もの思ふに立ち舞ふべくもあらぬ身の袖うちふりし心知りきやあなかしこ」とある御返り、目もあやなりし御さま容貌に、見…
〔三〕朱雀院すざくいんの舞楽に、源氏妙技を尽す
行幸には、親王たちなど、世に残る人なく仕うまつりたまへり。春宮もおはします。例の楽の船ども漕ぎめぐりて、唐土、高麗と尽くしたる舞ども、くさ多かり。楽の声、鼓の音世をひびかす。一日の…
〔四〕源氏と葵の上の仲 紫の上、源氏を慕う
宮は、そのころまかでたまひぬれば、例の、隙もやとうかがひ歩きたまふを事にて、大殿には騒がれたまふ。いとど、かの若草尋ねとりたまひてしを、「二条院には人迎へたまふなり」と人の聞こえけ…
〔五〕源氏、三条宮に藤壺をとぶらう
藤壺のまかでたまへる三条宮に、御ありさまもゆかしうて、参りたまへれば、命婦、中納言の君、中務などやうの人々対面したり。けざやかにももてなしたまふかなとやすからず思へど、しづめて、お…
〔六〕源氏、幼い紫の上をいとおしみ、相睦ぶ
少納言は、おぼえずをかしき世を見るかな、これも故尼上の、この御事を思して、御行ひにも祈りきこえたまひし仏の御しるしにやとおぼゆ。大殿いとやむごとなくておはし、ここかしこあまたかかづ…
〔七〕源氏、左大臣邸に退出 翌日、藤壺へ参賀
内裏より、大殿にまかでたまへれば、例の、うるはしうよそほしき御さまにて、心うつくしき御気色もなく苦しければ、源氏「今年よりだに、すこし世づきてあらためたまふ御心見えば、いかにうれし…
〔八〕皇子の誕生と、源氏・藤壺の苦悩
この御事の、十二月も過ぎにしが心もとなきに、この月はさりともと宮人も待ちきこえ、内裏にもさる御心まうけどもある、つれなくてたちぬ。御物の怪にやと世人も聞こえ騒ぐを、宮いとわびしう、…
〔九〕皇子参内 帝の寵愛ちようあいと源氏・藤壺の苦悩
四月に内裏へ参りたまふ。ほどよりは大きにおよすけたまひて、やうやう起きかへりなどしたまふ。あさましきまで紛れどころなき御顔つきを、思しよらぬことにしあれば、また並びなきどちはげに通…
〔一〇〕源氏・藤壺、和歌に託して思いを交す
わが御方に臥したまひて、胸のやる方なきほど過ぐして、大殿へと思す。御前の前栽の何となく青みわたれる中に、常夏のはなやかに咲き出でたるを折らせたまひて、命婦の君のもとに書きたまふこと…
〔一一〕源氏、紫の上との遊びに思いを慰める
つくづくと臥したるにも、やる方なき心地すれば、例の、慰めには、西の対にぞ渡りたまふ。しどけなくうちふくだみたまへる鬢ぐき、あざれたる袿姿にて、笛をなつかしう吹きすさびつつ、のぞきた…
〔一二〕紫の上との風評につき、帝、源氏を戒める
かうやうにとどめられたまふをりをりなども多かるを、おのづから漏り聞く人、大殿に聞こえければ、「誰ならむ。いとめざましきことにもあるかな。今までその人とも聞こえず、さやうにまつはし戯…
〔一三〕源氏、老女源典侍げんのないしのすけとたわむれる
帝の御年ねびさせたまひぬれど、かうやうの方え過ぐさせたまはず、采女、女蔵人などをも、かたち心あるをば、ことにもてはやし思しめしたれば、よしある宮仕人多かるころなり。はかなきことをも…
〔一四〕源氏と典侍との逢瀬を、頭中将おどす
この君も人よりはいとことなるを、かのつれなき人の御慰めにと思ひつれど、見まほしきは限りありけるをとや。うたての好みや。いたう忍ぶれば、源氏の君はえ知りたまはず。見つけきこえてはまづ…
〔一五〕源典侍とのことで、源氏、頭中将と応酬
君は、いと口惜しく見つけられぬることと思ひ臥したまへり。内侍は、あさましくおぼえければ、落ちとまれる御指貫、帯など、つとめてたてまつれり。典侍「うらみても言ふかひぞなきたちかさね引…
〔一六〕藤壺、弘徽殿女御を越えて后に立つ
七月にぞ后ゐたまふめりし。源氏の君、宰相になりたまひぬ。帝おりゐさせたまはむの御心づかひ近うなりて、この若宮を坊にと思ひきこえさせたまふに、御後見したまふべき人おはせず、御母方、み…
〔一七〕生い立つ皇子、源氏と相並んで美しく
皇子は、およすけたまふ月日に従ひて、いと見たてまつり分きがたげなるを、宮いと苦しと思せど、思ひよる人なきなめりかし。げにいかさまに作りかへてかは、劣らぬ御ありさまは、世に出でものし…
上記は、日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書サービス「ジャパンナレッジ」のサンプル記事です。

ジャパンナレッジは、自分だけの専用図書館。
すべての辞書・事典・叢書が一括検索できるので、調査時間が大幅に短縮され、なおかつ充実した検索機能により、紙の辞書ではたどり着けなかった思わぬ発見も。
パソコン・タブレット・スマホからご利用できます。


紅葉賀(源氏物語)の関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 548
※検索結果は本ページの作成時点のものであり、実際の検索結果とは異なる場合があります
検索コンテンツ
1. 紅葉賀(源氏物語)
日本古典文学全集
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇 ...
2. もみじのが[もみぢのガ]【紅葉賀】
日本国語大辞典
「源氏物語」第七帖の名。光源氏一八歳の一〇月から一九歳の七月まで。朱雀院行幸の試楽での源氏の舞う青海波のはなやかさ、藤壺の生んだ皇子が自分に生き写しと知って苦悩 ...
3. もみじ‐の‐が【紅葉賀】
デジタル大辞泉
〓紅葉のころに催す賀の祝宴。また、紅葉の木陰で宴を開くこと。《季 秋》「―わたしら火鉢あっても無くても/青畝」  ...
4. ひろぐ【広】[方言]
日本方言大辞典
島根県出雲「悪態をひろぐな」725島根県方言辞典(広戸惇・矢富熊一郎)1963(1)の意の例。源氏紅葉賀「所せきまで遊びひろげ給へり」 ...
5. あいぎょう こぼる
日本国語大辞典
あいぎゃうこぼるばかりにておはするを、いとうつくしと見奉り給ふ」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「女君、ありつる花の露にぬれたる心地して、そひふし給へるさま ...
6. あ・う[あふ]【合・会・逢・遭】
日本国語大辞典
舞ふほどもいとをかしきに、水の流るる音、笛の声などあひたるは」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「いひしらず吹き立てたる物のねどもにあひたる松風、まことのみ山 ...
7. 葵(源氏物語) 18ページ
日本古典文学全集
藤壺の宮腹の皇子。後の冷泉帝。桐壺院が。源氏は参議兼右大将。すでに藤壺の立后に連動して参議になっていた。→紅葉賀[1]三四七ページ。桐壺院が。「言ひつく」(頼み ...
8. 葵(源氏物語) 29ページ
日本古典文学全集
することは、当時の人の身につけているべきたしなみの一つ。源典侍。→紅葉賀[1]〔一三〕~〔一五〕。前に「五十七八の人」(紅葉賀[1]三四三ページ)とあった。ここ ...
9. 葵(源氏物語) 54ページ
日本古典文学全集
中将で三位の者を、特に「三位中将」という。好色なくだけた話。源典侍をめぐって戯れ合ったこと。→紅葉賀[1]〔一三〕~〔一五〕。典侍と掌侍は「内侍」ともいう。この ...
10. あおみ‐わた・る[あをみ:]【青渡】
日本国語大辞典
*蜻蛉日記〔974頃〕下・天祿三年「朽葉ところどころあをみわたりにけり」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「御前の前栽の何となくあをみわたれる中に、常夏(とこ ...
11. あ‐が‐きみ【吾君】
日本国語大辞典
*落窪物語〔10C後〕二「あが君あが君、夜さりだにうれしき目見せ給へ」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「女『あがきみ、あがきみ』と向ひて手をするに、ほとほと ...
12. 朝顔(源氏物語) 471ページ
日本古典文学全集
幼少の頃の源氏の姿は、桐壺[1]四四ページ参照。→桐壺[1]三七ページ、薄雲四六三ページ注一。冷泉帝。→紅葉賀[1]三二六・三二九ページ、薄雲四五四ページ。冷泉 ...
13. 朝顔(源氏物語) 483ページ
日本古典文学全集
そう呼んだことは葵巻(五四ページ)に見える。源氏は戯れに言い寄り、頭中将とともに笑いものにしたことがある。→紅葉賀[1]〔一三〕〔一四〕〔一五〕。その時、源典侍 ...
14. あざ・る【戯】
日本国語大辞典
いと便なき事にするを」(2)うちとける。くつろぐ。儀式ばらないでくだける。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「しどけなくうちふくだみ給へる鬢茎(びむくき)、あ ...
15. あし‐ぶみ【足踏】
日本国語大辞典
きこと「あしふみを拍子にあはせて〈略〉などうたひて舞ひたるは」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「同じ舞のあしふみ、おももち、世に見えぬさまなり」*風姿花伝〔 ...
16. 排蘆小船(近世随想集) 355ページ
日本古典文学全集
。只旧歌を以て師となす」。決して。まったく。由緒正しい。師として学ぶ。従学する。『源氏物語』紅葉賀「舞の師どもなど、世になべてならぬをとりつつ、おのおのこもりゐ ...
17. あずま‐や[あづま:]【四阿・東屋・阿舎】
日本国語大辞典
朝焉」*新撰字鏡〔898〜901頃〕「四阿 阿豆万屋」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「立ちぬるる人しもあらじあづまやにうたてもかかる雨(あま)そそぎかな」 ...
18. 東屋(源氏物語) 90ページ
日本古典文学全集
「東屋」は四方へ軒を葺きおろした家。浮舟が常陸介家の人であることからの連想もある。「雨そそき」は雨だれ。→紅葉賀[1]三四〇ページ。薫が軒のしずくを払うと、その ...
19. あせ【汗】
日本国語大辞典
抄〔934頃〕二「汗 蒋魴切韻云汗〈音翰 阿勢〉人身上熱汗也」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「宮はわりなくかたはらいたきに、あせもながれてそおはしける」* ...
20. あそび‐ひろ・ぐ【遊広】
日本国語大辞典
〔他ガ下二〕遊び道具などを広げ散らかして遊ぶ。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「小さき屋ども作り集めて奉り給へるを、所せきまであそびひろげ給へり」 ...
21. あつか・う【扱う】
デジタル大辞泉
―・ひて議するに」〈今昔・一〇・五〉9 うわさをする。 「人々も、思ひの外なることかなと―・ふめるを」〈源・紅葉賀〉あつかえる  ...
22. あつか・う[あつかふ]【扱・〓・刷】
日本国語大辞典
如くしって事があるワ」(3)あれこれとうわさをする。評判する。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「人々も思ひのほかなる事かなとあつかふめるを、頭中将聞きつけて ...
23. あて‐やか【貴やか】
デジタル大辞泉
[形動ナリ]優雅で美しいさま。気品のあるさま。あてはか。 「―に心にくき人にはあらじ」〈源・紅葉賀〉 ...
24. あながち【強】
日本国語大辞典
あながちにつつみ給ひしかど」(ハ)身勝手なさま。いい気なさま。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「物語などして、うちゑみ給へるが、いとゆゆしう美しきに、我身な ...
25. あま‐そそぎ【雨注】
日本国語大辞典
真屋のあまりの その安万曾々支(アマソソキ) 我立ち濡れぬ 殿戸開かせ」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「立ちぬるる人しもあらじあづまやにうたてもかかるあま ...
26. あまた‐ところ【数多所】
日本国語大辞典
〔名〕(1)多くの所。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「参座(さむざ)しにとても、あまた所もありき給はず」*古本説話集〔1130頃か〕三五「おなじやうに書か ...
27. あやう‐さ[あやふ:]【危─】
日本国語大辞典
と有りとも、かかりとも、み命のあやうさこそ、大きなる障りなれば」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「なか絶えばかごとや負ふとあやうさにはなだの夢をとりてだに見 ...
28. あやおり‐て【綾織手】
日本国語大辞典
〔名〕「あやとりて(綾取手)」に同じ。*原中最秘鈔〔1364〕上・紅葉賀「狛氏流云入綾也。舞手に綾引手とも云、綾取手共云、綾織手とも云」 ...
29. あやとり‐て【綾取手】
日本国語大辞典
〔名〕舞いながら舞台から退くこと。綾引手。綾織手。入綾(いりあや)。*原中最秘鈔〔1364〕上・紅葉賀「狛氏流(こまうちのりゅう)云入綾也。舞手に綾引手とも云、 ...
30. あやまり【誤】
日本国語大辞典
い行為。まちがった行為。特に男女間での倫理的なまちがい。過失。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「宮の、御心の鬼にいと苦しく、人の見奉るも、あやしかりつるほど ...
31. あるべき 限(かぎ)り
日本国語大辞典
あり得る限度。できる限り。十二分に。ありったけ。最大限の程度に。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「人がらも、あるべきかぎりととのひて」*源氏物語〔1001〜 ...
32. いい‐むか・う[いひむかふ]【言向・言対】
日本国語大辞典
〔他ハ下二〕相手の気にさわることを言っていどむ。さからって言う。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「さてそののち、ともすればことのついでごとにいひむかふるくさ ...
33. いい‐むか・う【言ひ迎ふ/言ひ逆ふ】
デジタル大辞泉
[動ハ下二]逆らってものを言う。 「事のついでごとに―・ふる種(くさはひ)なるを」〈源・紅葉賀〉 ...
34. いいやる[=いいやらん]方(かた)無(な)し
日本国語大辞典
言いようがない。表現の仕様がない。言わん方なし。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「かくのみいひやるかたなくて帰り給ふものから」*有明の別〔12C後〕三「すこ ...
35. いえ‐の‐こ【家の子】
デジタル大辞泉
)したまひし―と選ひ給ひて」〈万・八九四〉4 良い家柄の子弟。 「舞のさま手づかひなむ―はことなる」〈源・紅葉賀〉 ...
36. いえ‐の‐こ[いへ:]【家子】
日本国語大辞典
そ「山伏見て、是はいとかしこき人かな、家のこなるべしと思ふに」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「舞のさま手づかひなむ、いゑのこはことなる」*今昔物語集〔11 ...
37. いか‐で【如何─・争─】
日本国語大辞典
五年一月一一日「男も女もいかでとく京へもがなとおもふ心あれば」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「中将、いかで我と知られきこえじと思ひて、物も言はず」*徒然草 ...
38. いかめし・い【厳】
日本国語大辞典
に大いなる寺をつくりて、父母が御ために、いかめしき経仏供養し」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「かの御法事などし給ふにも、いかめしうとぶらひ聞こえ給へり」* ...
39. いか・る【怒】
日本国語大辞典
恨也暴也世女久又伊加留又加太久奈」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「ただいみじういかれる気色にもてなして太刀を引き抜けば」*平家物語〔13C前〕五・早馬「 ...
40. いたわし・い[いたはしい]【労・痛】
日本国語大辞典
誰が心 労(いたはし)とかも 直(ただ)渡りけむ〈作者未詳〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「物語などしてうち笑み給へるがいとゆゆしううつくしきに、我が身 ...
41. いだき‐い・ず[:いづ]【抱出】
日本国語大辞典
〔他ダ下二〕(1)だいて外へ出る。また、だいて現われる。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「例の中将の君、こなたにて御遊びなどし給ふに、いだきいで奉らせ給て」 ...
42. いだし‐い・る【出入】
日本国語大辞典
〔他ラ下二〕出入りさせる。聟(むこ)として通わせる。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「たまさかにても、かからん人をいだしいれて見んに、ますことあらじと見え給 ...
43. いつき‐かしず・く[:かしづく]【寵傅】
日本国語大辞典
〔他カ四〕たいせつにして養い守る。手厚く扱い、目をかける。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「おぼえやむ事なくおはするが宮腹に、ひとりいつきかしづき給ふ御心お ...
44. いどみ【挑】
日本国語大辞典
)(1)優劣をきそい争うこと。張り合うこと。競争。戦争。挑戦。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「この御中どものいどみこそあやしかりしか」*栄花物語〔1028 ...
45. い・む【忌・斎・諱】
日本国語大辞典
り不浄(ふざう)なることあるべし。これ人いむといふことなるを」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「十に余りぬる人は、雛遊(ひひなあそび)はいみ侍るものを」*観 ...
46. いろ 深(ふか)し
日本国語大辞典
菊の宴「色ふかくすれる衣をきる時はみぬ人さへもおもほゆるかな」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「赤き紙のうつるばかり色ふかきに、こだかきもりのかたをぬりかく ...
47. いろ‐めか・し【色めかし】
デジタル大辞泉
好むようにみえるさま。色好みらしい。 「―・しうなよび給へるを、女にて見むはをかしかりぬべく」〈源・紅葉賀〉 ...
48. 浮舟(源氏物語) 116ページ
日本古典文学全集
という憤懣が渦巻いて、以後彼をはげしい行動へと駆り立てる。「賭弓」→若菜下[4]一五三ページ注一一。「内宴」→紅葉賀[1]三二四ページ注一。ともに正月の行事。「 ...
49. うけわし‐げ[うけはし:]【祈─】
日本国語大辞典
語幹に接尾語「げ」の付いたもの)他をのろうように見えるようす。*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「こうきでんなどのうけはしげにのたまふとききしを」*源氏物語〔 ...
50. うけわし‐げ【祈はしげ】
デジタル大辞泉
[形動ナリ]いかにものろわしいようなさま。 「弘徽殿(こうきでん)などの―にのたまふ」〈源・紅葉賀〉 ...
「紅葉賀(源氏物語)」の情報だけではなく、「紅葉賀(源氏物語)」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶

紅葉賀(源氏物語)と同じ源氏物語カテゴリの記事
源氏物語(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
平安時代中期の11世紀初め、紫式部によって創作された長編の虚構物語。正しい呼称は「源氏の物語」で、「光源氏の物語」「紫の物語」「紫のゆかり」などの呼び方もある。後世は「源氏」「源語」「紫文」「紫史」などの略称も用いられた
玉鬘(源氏物語)【玉かづら】(日本古典文学全集・日本架空伝承人名事典)
日本古典の最高傑作――光源氏の波瀾万丈の生涯を描いた大長編 主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇跡といえる。藤原為時の女(むすめ)で歌人の紫式部が描いた長編で
桐壺(源氏物語)(日本古典文学全集・日本国語大辞典)
〔一〕帝の桐壺更衣(きりつぼのこうい)への御おぼえまばゆし帝(みかど)はどなたの御代(みよ)であったか、女御(にようご)や更衣(こうい)が大勢お仕えしておられた中に、最高の身分とはいえぬお方で、格別に帝のご寵愛(ちようあい)をこうむっていらっしゃるお方があった。
帚木(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕 「光源氏」と、その名だけは仰山(ぎようさん)にもてはやされており、それでも、あげつらい申すにははばかられるような過(あやま)ちが多いということだのに、そのうえさらに、こうした色恋沙汰(ざた)の数々を後々の世にも聞き伝えて、軽薄なお方との浮名(うきな)を流すことになりはせぬかと、ご自分では秘密にしていらっしゃった裏話までも語り伝えたという人の
空蝉(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕源氏、空蝉を断念せず、小君を責める〔一〕 お寝(やす)みになれぬままに、「わたしは、こうも人に憎まれたことはこれまでもなかったのに、今夜という今夜は、はじめて人の世がままならぬものと身にしみて分ったから、恥ずかしくて、もうこのまま生きてはおられそうもない気がする」などとおっしゃるので、小君は涙をさえこぼして横になっている。
源氏物語と同じカテゴリの記事をもっと見る


「紅葉賀(源氏物語)」は源氏物語に関連のある記事です。
その他の源氏物語に関連する記事
蓬生(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕源氏謫居(たつきよ)の間、人々ひそかに嘆き悲しむ〔一〕 源氏の君が、須磨の浦で「藻塩(もしお)たれつつ」悲境に沈んでいらっしゃったころ、都でも、さまざまに嘆き悲しんでおられる人が多かったが、それにしても、ご自分の身に頼りどころのある方々は、ただ君を恋い慕うという点では堪えがたそうな有様であったが――二条院の紫の上などもお暮しにご不自由がないので
須磨(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕源氏、須磨に退去を決意 人々との別れ〔一〕 世の中の形勢が、源氏の君にとってまことにわずらわしく、居心地のわるいことばかり多くなってゆくので、自分としては、しいて素知らぬ顔でやり過していても、あるいはこれ以上に恐ろしい事態になるかもしれない、という思いになられた。 あの須磨は、昔こそ人の住いなどもあったのだったが、今はまったく人里離れてもの寂しく
花散里(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕源氏、五月雨の晴れ間に花散里を訪れる〔一〕 人に知られぬ、我から求めての御物思わしさは、いつと限らぬことのようであるけれど、このように世間一般の動きにつけてまで厄介で、お心を労されることばかり増してゆくので、源氏の君はなんとなく心細く、世の中のすべてを厭(いと)わしく思わずにはいらっしゃれなくなるが、いざそれではとなるとさすがに振り捨てかねる絆(きずな)も多いのである。
賢木(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕桐壺帝譲位後の源氏と藤壺の宮〔一〕 御代が改まってから後、源氏の君は、何かにつけてお気が進まず、それにご身分の尊さも加わったせいか、軽率なお忍び歩きもはばかられるので、こちらの女(ひと)もあちらの女(ひと)も君を待ち遠しく心もとない嘆きを重ねておられる、その報いであろうか、君ご自身としても、やはり自分につれないお方のお心をどこまでも恨めしくお嘆きになっていらっしゃる。
葵(源氏物語)(新編 日本古典文学全集)
〔一〕桐壺帝譲位後の源氏と藤壺の宮〔一〕 御代が改まってから後、源氏の君は、何かにつけてお気が進まず、それにご身分の尊さも加わったせいか、軽率なお忍び歩きもはばかられるので、こちらの女(ひと)もあちらの女(ひと)も君を待ち遠しく心もとない嘆きを重ねておられる、その報いであろうか、君ご自身としても、やはり自分につれないお方のお心をどこまでも恨めしくお嘆きになっていらっしゃる。
源氏物語に関連する記事をもっと見る


ジャパンナレッジは約1700冊以上(総額750万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のインターネット辞書・事典・叢書サイト」です。日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶