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  11. 花宴(源氏物語)
新編 日本古典文学全集

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花宴(源氏物語)
はなのえん
日本古典の最高傑作――光源氏の波瀾万丈の生涯を描いた大長編
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇跡といえる。藤原為時の女(むすめ)で歌人の紫式部が描いた長編で、「桐壺(きりつぼ)」から「夢浮橋(ゆめのうきはし)」までの54巻からなる。
[中古][物語]
校注・訳:阿部秋生 秋山 虔 今井源衛 鈴木日出男

〔一〕花の宴に、源氏と頭中将、詩作し、舞う
〔一〕 二月の二十日余りに、南殿(なでん)の桜の宴を催しあそばす。中宮と東宮の御座所を、玉座の左右にしつらえて、お二方それぞれがお上りになる。弘徽殿女御は、中宮がこうして時めいていらっしゃるのを、何か事あるごとに、快からぬお気持であるけれども、今日のように盛大な物見には、とてもじっとしてはいらっしゃれなくて、参上なさる。その日はまことによく晴れて、空の様子、鳥の声も心地よさそうで、親王たち、上達部をはじめとして、その道の人々は、みな韻字(いんじ)をいただいて、詩をお作りになる。源氏の宰相中将が「春という文字をいただきました」と仰せになる、その声までが、いつものことながら、常人とは異なって聞える。次に頭中将は、源氏の君のお姿を目にした人々から自分がどう見られようかと気を張りつめているようだが、じっさい見苦しからず落ち着いて、声(こわ)づかいなど堂々として立派なものである。これに続く人々は、みな気おくれしがちで、おどおどしている者が多い。地下(じげ)の文人は、帝(みかど)や東宮の御学才がひときわ秀(ひい)でておいでになり、またこの方面に堪能(たんのう)な方々がそろっていらっしゃる時世とて、なおさらのこと気がひけて、この広々とした晴れの庭上に出で立つときはきまりがわるく、詩を作ることはたやすいのだが、いかにもつらそうな面持(おももち)である。
花宴(源氏物語)〔一〕花の宴に、源氏と頭中将、詩作し、舞う
〔二〕宴後、弘徽殿の細殿で朧月夜の君に逢う
夜いたう更けてなむ事はてける。上達部おのおのあかれ、后、春宮かへらせたまひぬれば、のどやかになりぬるに、月いと明うさし出でてをかしきを、源氏の君酔ひ心地に、見すぐしがたくおぼえたま…
〔三〕従者をやって、朧月夜の君の素姓を探る
その日は後宴のことありて、紛れ暮らしたまひつ。箏の琴仕うまつりたまふ。昨日のことよりも、なまめかしうおもしろし。藤壺は、暁に参上りたまひにけり。かの有明出でやしぬらむと、心もそらに…
〔四〕源氏、二条院に退出、紫の上を見る
大殿にも久しうなりにけると思せど、若君も心苦しければ、こしらへむと思して、二条院へおはしぬ。見るままに、いとうつくしげに生ひなりて、愛敬つき、らうらうじき心ばへいとことなり。飽かぬ…
〔五〕源氏、大殿を訪れ、大臣らと語る
大殿には、例の、ふとも対面したまはず。つれづれとよろづ思しめぐらされて、箏の御琴まさぐりて、「やはらかに寝る夜はなくて」とうたひたまふ。大臣渡りたまひて、一日の興ありしこと聞こえた…
〔六〕右大臣家の藤の宴で、朧月夜の君と再会
かの有明の君は、はかなかりし夢を思し出でて、いともの嘆かしうながめたまふ。春宮には、四月ばかりと思し定めたれば、いとわりなう思し乱れたるを、男も、尋ねたまはむにあとはかなくはあらね…
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1. 花宴(源氏物語)
日本古典文学全集
主人公・光源氏の恋と栄華と苦悩の生涯と、その一族たちのさまざまの人生を、70年余にわたって構成。王朝文化と宮廷貴族の内実を優美に描き尽くした、まさに文学史上の奇 ...
2. はな‐の‐えん【花宴】
日本国語大辞典
分類は真那賀(まなか)。香味は辛酸。六十一種名香の一つ。*名香聞之事(伝天正元年)〔1573〕「花宴、正銘聞不申候、稀に聞申候は真那賀の香あしく候間、分別無御座 ...
3. 花宴
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965年〈康保2 乙丑〉 3・5 紫宸殿前庭の桜を見る 花宴 を催す(紀略)。  ...
4. 花宴 (見出し語:宴)
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5. 花宴節
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6. 菊花宴(きくかのえん)
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10. 藤花宴 (見出し語:宴)
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11. あいずかわ〓し[あいづかはし]
日本国語大辞典
形容詞化したものか)あいきょうがある。また、情趣深く、おもしろみがある。*今鏡〔1170〕二・白河の花宴「御笛の音もあいつかはしく、涼しきやうにぞおはしましける ...
12. 葵(源氏物語) 17ページ
日本古典文学全集
ここでは、源氏・左大臣方が衰退し、弘徽殿・右大臣方の勢力が強くなる。この譲位は源氏二十一歳の年(花宴巻の翌年)であろう。源氏は。「ものうし」は、行動することに積 ...
13. あかれ【別れ/散れ】
デジタル大辞泉
集まっていた人々が、あちこちにわかれ散ること。散会。 「弘徽殿(こきでん)の御―ならむ、と見給へつる」〈源・花宴〉2 所属するもの。分(ぶん)。 「桜萌黄(さく ...
14. あかれ【散・別】
日本国語大辞典
っていた人々が、分かれ散ること。散会。一説に、退出することとも。*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「御かたがたの里人侍るなかに、四位の少将、右中弁など急ぎ出でて ...
15. あざ・る【戯】
日本国語大辞典
ちふくだみ給へる鬢茎(びむくき)、あざれたる袿(うちき)姿にて」*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「皆人はうへの衣(きぬ)なるに、あざれたる大君姿のなまめきたる ...
16. あし‐つ‐お[:を]【足津緒】
日本国語大辞典
装束〓」*今鏡〔1170〕二・白河の花宴「やり縄などいふものも、あしづをなんどにやより合せたる、いろいろ交はれるに」*色葉字類抄〔11 ...
17. 排蘆小船(近世随想集) 323ページ
日本古典文学全集
歌人必読の書として推賞した。『六百番歌合』冬上「紫式部、歌よみのほどよりも物書く筆は殊勝のうへ、花宴の巻は殊に艶なるものなり。源氏見ざる歌よみは遺恨の事なり」。 ...
18. あつ‐ぎぬ【厚衣】
日本国語大辞典
柳厚衣〓〉」*今鏡〔1170〕二・白河の花宴「ほころびは多く縫ひめは少くて、あつぎぬの綿なんどのやうにてこぼれ出でたるが」*古今著聞集〔1 ...
19. あとはか‐な・し
デジタル大辞泉
[形ク] 1 手がかりがない。行方が知れない。 「男も、尋ね給はむに―・くはあらねど」〈源・花宴〉2 心細く頼りない。はかない。 「いと―・き心地して、うつぶし ...
20. いかなれ ば
日本国語大辞典
一「春くればたきのしらいといかなればむすべどもなほあわになる覧」*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「いかなれば、言通はすべき様を教へずなりぬらん」*無名抄〔12 ...
21. いし を 立(た)つ
日本国語大辞典
*拾遺和歌集〔1005〜07頃か〕雑春・一〇一〇・詞書「おなじ御時梅花のもとに御いしたてさせ給て花宴せさせ給に」*源氏物語〔1001〜14頃〕宿木「南のひさしの ...
22. いず‐ら[いづ:]【何─】
日本国語大辞典
今宵なんおはせばもろともにとてある。いづら』など言ひてもの参らせたり」*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「『頭中将、いづら、遅し』とあれば」*宇治拾遺物語〔12 ...
23. いずれ ぞ
日本国語大辞典
二者(あるいはそれ以上)のうち、どちらであるかを問う語。どちらか。*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「いづれぞと露の宿りをわかむまに小笹が原に風もこそ吹け」(2 ...
24. いで・いる【出で居る】
デジタル大辞泉
[動ワ上一] 1 ある場所に出て座る。 「御格子(みかうし)ども上げわたして、人々―・ゐたり」〈源・花宴〉2 開けた場所に出ていって住む。 「さる海づらに―・ゐ ...
25. いま‐めかし・い【今めかしい】
デジタル大辞泉
軽薄だ。きざっぽい。 「心にくく奥まりたるけはひは立ちおくれ―・しき事を好みたるわたりにて」〈源・花宴〉4 わざとらしい。 「これは―・しき御諚にて候」〈謡・夜 ...
26. いま‐めかし・い【今─】
日本国語大辞典
(3)現代風で軽薄である。はなやか過ぎて感心しない。きざっぽい。*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「衣のおとなひいとはなやかにふるまひなして、心にくく奥まりたる ...
27. いり‐ひ【入日】
日本国語大辞典
なく思ひいり日のともにのみ西の山へをおもひやるかな〈小野道風〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「やうやう入日になるほど」*金葉和歌集〔1124〜27〕春・八 ...
28. うかがい‐あり・く[うかがひ:]【窺歩・伺歩】
日本国語大辞典
〔他カ四〕(「うかかいありく」とも)ひそかに様子を探りまわる。うかがいあるく。*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「もし、さりぬべき隙もやあると、藤壺わたりを、わ ...
29. 浮舟(源氏物語) 148ページ
日本古典文学全集
同じように女君がお気に入りでいらっしゃる若い女房で、心 格式どおり講師が朗誦して、皆に披露する。→花宴[1]三五五ページ注一七。東宮候補でもある匂宮に対するお世 ...
30. 薄雲(源氏物語) 448ページ
日本古典文学全集
源氏の邸。南殿の桜の宴。十二年前のこと。その時、源氏は藤壺の前で春鶯囀の舞を舞い、藤壺を感動させた。→花宴[1]〔一〕。「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨 ...
31. うたのかい【歌会】
国史大辞典
歌人が集まって歌を詠み、それを披講する会。奈良時代から梅花宴など歌会的な集りはあった。平安時代初期に入ると漢詩文が公式の文学となり、中国の年中行事をまねた曲水 ...
32. うち‐おおど・く[:おほどく]
日本国語大辞典
かしく、うちおほどき、わかやかにて」【二】〔自カ下二〕【一】に同じ。*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「からきめをみると、うちおほどけたるこゑにいひなして」 ...
33. 有智子内親王
日本大百科全書
詩や文章に長じていた。若くして賀茂斎院にたったが、823年(弘仁14)に天皇の行幸があり、斎院で花宴が催された。このおり七言律詩をつくって天皇を感心させ、その功 ...
34. 有智子内親王
世界大百科事典
に1首,《続日本後紀》に1首みえるが,多くは応製奉和の作。823年(弘仁14)17歳の時,斎院花宴行幸があり,春日山荘の七律に〈林に栖(す)む孤鳥も春の沢(うつ ...
35. うちこないしんのう【有智子内親王】
国史大辞典
詩文全盛の当代に才媛として聞えた。その作品は『経国集』に多数みえる。弘仁十四年二月、嵯峨天皇が斎院の花宴に行幸して文人に春日山荘の詩を賦せしめた時、「此より更に ...
36. うちこないしんのう【有智子内親王】
日本人名大辞典
母は交野(かたのの)女王。弘仁(こうにん)元年初代の賀茂斎院となる。漢詩文にすぐれ,14年斎院の花宴のときつくった詩が父天皇に賞賛され,三品(さんぼん),封10 ...
37. うちしないしんのうのはか【有智子内親王墓】京都市:右京区/天龍寺門前村地図
日本歴史地名大系
天長八年(八三一)退下して後、この地に閑居した。内親王は学問を好み、詩文に優れ、弘仁一四年二月、嵯峨天皇が斎院の花宴に行幸した時、一七歳の若さで「寂々幽荘水樹裏 ...
38. うち‐すぐ・す【打過】
日本国語大辞典
接頭語)(1)普通の程度以上に物事をする。度を過ごす。*青表紙一本源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「柳花苑といふ舞を、これは、いますこしうちすぐして、かかる事も ...
39. う‐ちゅうべん【右中弁】
日本国語大辞典
此歌〓」*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「四位の少将、右中弁などいそぎいでて」ウチューベン ...
40. うつくし・い【美・愛】
日本国語大辞典
かくて大学の君、その日のふみ、うつくしう作り給て進士になり給ひぬ」*今鏡〔1170〕二・白河の花宴「楽なんどをもうつくしくしらせ給ひ」*名語記〔1275〕九「う ...
41. 梅枝(源氏物語) 414ページ
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競うのが理想的。大勢の后妃たちが妍を競い合う後宮を、聖代の証と考える。「警策」は、すぐれている意。→花宴[1]三六二ページ注三三。他の姫君たちの入内の意欲をそが ...
42. うらめし‐さ【恨─・怨─】
日本国語大辞典
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43. うわ‐ざし[うは:]【上刺】
日本国語大辞典
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44. えい‐き【映輝】
日本国語大辞典
〔名〕うつり、かがやくこと。*凌雲集〔814〕神泉苑花宴賦落花篇〈嵯峨天皇〉「春園遙望佳人在、乱雑繁花相映輝」*陸佃‐適南亭記「丹楼翠閣、映 ...
45. えい‐ごこち[ゑひ:]【酔心地】
日本国語大辞典
〔名〕酒に酔った時の気持。えいごころ。よいごこち。*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「月いとあかうさしいでてをかしきを、源氏の君ゑひ心ちに見過しがたくおぼえ給ひ ...
46. えい‐なや・む[ゑひ:]【酔悩】
日本国語大辞典
〔自マ四〕酒に酔って気分が悪くなる。悪酔いする。*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「夜すこしふけゆく程に、源氏の君いたくゑいなやめるさまにもてなし給てまぎれたち ...
47. 宴[〓]
字通
王に〓正するときは、王之れを宴樂す。 飲宴 花宴 嘉宴 賀宴 雅宴 会宴 〓宴 歓宴 ...
48. えん‐ざ【宴座・宴坐・燕坐】
日本国語大辞典
*文華秀麗集〔818〕中・答澄公奉献詩〈嵯峨天皇〉「経行人事少、宴坐歳華催」*田氏家集〔892頃〕上・花宴応常陸王教「宴座芳辰遊処寛、何因物束苦盤桓」(2)(─ ...
49. おい‐な・る[おひ:]【生成】
日本国語大辞典
いかでうちにまゐらせてしがな。むつまじき人の、いとたてまつらせまほしきを」*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「見るままに、いと美しげにおひなりて、愛敬づき、らう ...
50. おおきみ‐すがた[おほきみ:]【大君姿】
日本国語大辞典
かわりに、直衣(のうし)を着てうちとけたかっこうをしていること。*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「みな人はうへのきぬなるに、あざれたるおほきみすがたの、なまめ ...
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