1. 蜻蛉日記
日本大百科全書
るが、そのうちで最古の江戸初期書写の宮内庁書陵部蔵本以下、すべて『蜻蛉日記』の書名をもつ。古くは藤原定家の日記にも『蜻蛉日記』と記されているけれども、また『遊士 ...
2. 蜻蛉日記
世界大百科事典
以上この日記は上・中・下巻それぞれに色調を異にし,そこに作者の人生の変転が描かれている。《蜻蛉日記》は女流日記文学の道をひらくものであったが,また同時にこの作 ...
3. かげろうにっき【蜻蛉日記】
デジタル大辞泉
右大将藤原道綱の母の日記。3巻。天延2年(974)以後の成立。夫の兼家(かねいえ)との不安定な結婚生活に苦悩しながら、子の道綱への愛や芸術の世界に目覚めていく心 ...
4. かげろうにっき[かげろふニッキ]【蜻蛉日記】
日本国語大辞典
日記。三巻。右大将藤原道綱の母著。天延二年(九七四)頃の成立。天暦八年(九五四)に兼家と結婚してのち、不安定な結婚生活に苦悩や嫉妬や絶望を重ねながら、やがて一子 ...
5. 蜻蛉日記
日本古典文学全集
作者は歌人としても有名な藤原道綱母(みちつなのはは)。20歳のころに、のちの関白・藤原兼家(道長の父)に嫁ぐも、不安定な家庭や周囲の嫉妬に、不幸な日々を送る。結 ...
6. 『蜻蛉日記』
日本史年表
974年〈天延2 甲戌⑩〉 この年以後 『蜻蛉日記』 成る。 ...
7. かげろふにっき【蜻蛉日記】
全文全訳古語辞典
[書名]平安中期の日記。藤原道綱母の著。九七四年(天延二)以後に成立、女流日記文学の最も初期の作品として注目される。作者が十九歳の時の藤原兼家からの求婚に始まり ...
8. あい‐こた・う[あひこたふ]【相答】
日本国語大辞典
応対する。*多武峰少将物語〔10C中〕「声高くあはれといはば山彦のあひこたへずはあらじとぞ思ふ」*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保四年「あゐこたへなどして、すこし人 ...
9. あい‐な・し
日本国語大辞典
非難していう)あるまじきことである。けしからぬことである。不都合である。不届きである。よくない。*蜻蛉日記〔974頃〕下・天祿四年「おとりまされりはみゆれど、さ ...
10. あ・う[あふ]【合・会・逢・遭】
日本国語大辞典
二「からころも裾のうち交(か)へ安波(アハ)ねども異(け)しき心をあが思はなくに〈東歌〉」*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保元年「よる、目もあはぬままに、なげきあか ...
11. あえ‐しら・う[あへしらふ]
日本国語大辞典
】〔他ハ四〕(1)(他人の相手をして)適当にもてなす。あしらう。程よく処理する。接待する。*蜻蛉日記〔974頃〕上・天暦八年「目も見あはせず、思ひいりてあれば、 ...
12. あお‐いね[あを‥]【青稲】
日本国語大辞典
〔名〕まだ実らない青い稲。《季・夏》*蜻蛉日記〔974頃〕下・天延元年「あをいね刈らせて馬に飼ひ」*俳諧・我春集〔1811〕「青稲や薙倒されて花の咲」 ...
13. あおみ‐わた・る[あをみ‥]【青渡】
日本国語大辞典
〔自ラ四〕一面に青くなる。全体が青々となる。*蜻蛉日記〔974頃〕下・天祿三年「朽葉ところどころあをみわたりにけり」*源氏物語〔1001〜14頃〕紅葉賀「御前の ...
14. あか・い【明】
日本国語大辞典
狭(さ)くやなりぬる 日月は 安可之(アカシ)といへど 吾がためは 照りや給はぬ〈山上憶良〉」*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿元年「月いとあかければ、格子などもお ...
15. あか‐いろ【赤色】
日本国語大辞典
総称。*古事記〔712〕中「又宇陀の墨坂神に赤色の楯矛を祭り、又大坂神に墨色の楯矛を祭り」*蜻蛉日記〔974頃〕下・天延二年「あかいろの扇」*前田本枕草子〔10 ...
16. あかき 人(ひと)
日本国語大辞典
束帯姿の五位の官人。五位の官人は束帯に緋色(ひいろ)の袍(ほう)を着たのでいう。*蜻蛉日記〔974頃〕下・天延二年「かれがいできつる車のもとには、あかき人、くろ ...
17. あか‐くちば【赤朽葉】
日本国語大辞典
*延喜廿一年京極御息所褒子歌合〔921〕「員刺(かずさし)の童、あかくちはの汗衫(かざみ)」*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保二年「車よせさせてのるほどに、行く人は ...
18. あか・つ【散・頒】
日本国語大辞典
「この車より『なほこの男たづねて率て来』といひければ、供の人手をあかちてもとめさわぎけり」*蜻蛉日記〔974頃〕上・天祿元年「わりごもてきぬれば、さまざまあかち ...
19. あから
し
日本国語大辞典
アカラシキ〉」*宇津保物語〔970〜999頃〕吹上下「おもひいづるなん、あからしくかなしく侍」*蜻蛉日記〔974頃〕下・天祿三年「などか来ぬ、とはぬ、憎し、あか ...
20. あか・る【散・別】
日本国語大辞典
ぬ」*延喜十三年亭子院歌合〔913〕「上達部、階(はし)の左右にみなあかれてさぶらひ給ふ」*蜻蛉日記〔974頃〕下・天祿三年「『火しめりぬめり』とてあかれぬれば ...
21. あがた‐ありき【県歩】
日本国語大辞典
〔名〕主に平安時代、地方官が、任国から任国へと地方を転々と勤務して回ること。*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保三年「たのもし人は、この十よ年のほど、あがたありきにの ...
22. あがたじんじゃ【県神社】京都府:宇治市/宇治郷
日本歴史地名大系
吾田津姫というところからとも、また古代の宇治県の守護神として創建されたからともいわれるが、「蜻蛉日記」の再度の初瀬詣の記事で、宇治川左岸の地に「あがたの院」が記 ...
23. あがたのいど【県井戸】京都府:宇治市/宇治郷
日本歴史地名大系
県の井戸といふ所に住みけり」は、「後撰集」歌の作者と主人公が重なっている。この場所に邸館のあったことは「蜻蛉日記」の再度の初瀬詣の記事で「あがたの院にぞゆきかへ ...
24. あが・る【上・揚・挙・騰】
日本国語大辞典
に上る意)のぼせてぼうっとなる。ふだんの落ち着きを失う。(イ)「気があがる」の表現の場合。*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「気(け)やあがりぬらん、心ちいと悪 ...
25. あき【飽・厭】
日本国語大辞典
914〕恋五・七六三「我が袖にまだき時雨のふりぬるは君が心に秋やきぬらむ〈よみ人しらず〉」*蜻蛉日記〔974頃〕上・天徳元年「身のあきを思ひみだるる花の上に内の ...
26. あき‐つ‐かた【秋方】
日本国語大辞典
〔名〕秋の頃。*蜻蛉日記〔974頃〕上・天暦八年「まめなることにて月日はすぐしつ。あきつかたになりにけり」*宇津保物語〔970〜999頃〕俊蔭「かかるほどに、こ ...
27. あき・れる【呆・惘】
日本国語大辞典
外なことにあってどうしてよいかわからなくなる。途方にくれる。あっけにとられる。茫然とする。*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿元年「かうしもとりあつめて、肝をくだくこ ...
28. あぎと・う[あぎとふ]
日本国語大辞典
*日本書紀〔720〕仲哀二年六月(熱田本訓)「其処の魚六月に至て常に傾浮(アキトフ)こと、酔ゑるが如し」*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「そこらの人のあぎとう ...
29. あ・く【明・開・空】
日本国語大辞典
ありて」(3)差し止められていたことが、してよいことになる。解禁になる。→方(かた)あく。*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「方あきなばこそは、まゐりくべかなれ ...
30. あくがら・す【憧・憬】
日本国語大辞典
〔他サ四〕(「あくがれる」の他動詞形)(1)居所を離れてさまようようにさせる。流浪させる。さすらわせる。*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「かくのみあくがらしは ...
31. あけ‐く・れる【明暮】
日本国語大辞典
あけく・る〔自ラ下二〕(1)夜が明け、日が暮れる。月日が過ぎる。*蜻蛉日記〔974頃〕下・天祿三年「ことさわがしくてあけくるるも、人目いかにと思ふ心あるまで音な ...
32. あけ‐は・てる【明果】
日本国語大辞典
あけは・つ〔自タ下二〕すっかり夜が明けてしまう。*蜻蛉日記〔974頃〕下・天延二年「ことと明けはてて、『蓑、笠や』と人はさわぐ」*古今六帖〔976〜9 ...
33. あけ‐ぼの【曙】
日本国語大辞典
位前(前田本訓)「夜半(よなか)に発(た)ちて行く。会明(アケホノ)に菟道に詣(いた)て」*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「あけぼのをみれば、霧か雲かとみゆる ...
34. あさ‐さ【浅─】
日本国語大辞典
〔名〕(形容詞「あさい(浅)」の語幹に、接尾語「さ」の付いたもの)浅いこと。また、その度合。浅み。*蜻蛉日記〔974頃〕付載家集「みつせ川あささの程も知らはじと ...
35. あさ‐はなだ【浅縹】
日本国語大辞典
階深縹、進冠四階浅縹」*延喜式〔927〕一四・縫殿寮「浅縹綾一疋、藍一囲、薪卅斤、帛一疋」*蜻蛉日記〔974頃〕中・安和二年「『やまびこのこたへありとはききなが ...
36. あさまし‐さ【浅─】
日本国語大辞典
、接尾語「さ」の付いたもの)(1)意外で驚きあきれるようなさまであること。また、その度合。*蜻蛉日記〔974頃〕上・天暦九年「人のもとにやらんとしける文あり。あ ...
37. あさり‐あり・く【漁歩】
日本国語大辞典
〔自カ四〕鳥や獣がえさを求めてあちらこちら動きまわる。*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿元年「川づらに、放ち馬どものあさりありくもはるかに見えたり」 ...
38. あざれ‐かか・る【戯掛】
日本国語大辞典
る時、手な残い給ひそなど、いたくあざれかかれば」「桂宮本蜻蛉日記‐下・天延二年」に「頭(かう)の君、いとあさりかれば」とあるが、「あさりかれ」を「あされかか ...
39. あ
し【悪】
日本国語大辞典
*大和物語〔947〜957頃〕一四八「いかにしてあらむ、あしうてやあらむ、よくてやあらむ」*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保四年「冬はついたち、つごもりとて、あしき ...
40. あし‐げ【悪─】
日本国語大辞典
語幹に接尾語「げ」の付いたもの)(1)見た目に、いかにも体裁が悪いさま。ぶざまであること。*蜻蛉日記〔974頃〕上・安和元年「来こうじたるげすども、あしげなる柚 ...
41. あし‐て【足手】
日本国語大辞典
〔名〕足と手。てあし。また、からだをいう。*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保元年「いかなるにかあらん、あしてなど、ただすくみにすくみて、たえいるやうにす」*宇津保物 ...
42. あし‐よし【悪善】
日本国語大辞典
附載「時雨ふる時ぞ折りける菊の花うつろふからに色のまさればとて奉れり。あしよしもえ知らず」*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「廿日ばかりおこなひたる夢に、わが頭 ...
43. 排蘆小船(近世随想集) 282ページ
日本古典文学全集
しかるを心におもふ事を、みる物聞物につけて云出せる也とのみ云ては、いまだつくさず」。宣長の頭書「蜻蛉日記云、さしはなれたる谷のかたより、いとうらわかき声に、はる ...
44. 排蘆小船(近世随想集) 323ページ
日本古典文学全集
竹取、住吉、大和等の物語、さのみ文章にめづらしげはなし。狭衣、栄花も、文章は源氏に似ておとれり。蜻蛉日記、古雅なる文章也。その外、土左日記、紫式部日記なども面白 ...
45. あじろ‐ぐるま【網代車】
日本国語大辞典
〔名〕牛車(ぎっしゃ)の一種。竹または檜(ひのき)の網代(5)を、車箱の屋形の表面に張ったもの。*蜻蛉日記〔974頃〕下・天祿三年「しのびて、ただきよげなるあじ ...
46. あじろ‐びょうぶ[‥ビャウブ]【網代屏風】
日本国語大辞典
〔名〕網代(5)を骨組みの片面に張った屏風。*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「もののとばり、簾(すだれ)、あじろびゃうぶ、黒柿(くろがい)の骨に朽葉(くちば) ...
47. あす‐あさて【明日明後日】
日本国語大辞典
たき物忌(ものいみ)に侍るを」(2)明日か明後日。一両日に迫ったこと。近日中。きょうあす。*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保三年「いと心もとなければ、あすあさてのほ ...
48. あすかにいますじんじゃ【飛鳥坐神社】奈良県:高市郡/明日香村/飛鳥村
日本歴史地名大系
帝都が平城・平安と移ってからは、皇居の近い守護神としての性格も希薄になりしだいに衰退していった。なお「蜻蛉日記」には「飛鳥に御灯明たてまつりければ、たゞ釘貫に車 ...
49. あずかり[あづかり]【預】
日本国語大辞典
」(2)引き受けてめんどうをみること。また、その人。任されて留守を守る人。管理者。留守番。*蜻蛉日記〔974頃〕中・天祿二年「ここのあづかりしける者の、まうけを ...
50. あせ =に[=と]成(な)る
日本国語大辞典
(1)汗水を流す。汗でぬれる。また、労苦をいとわずに働く。汗みずくになる。汗をかく。*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保元年「来しときは膝にふし給へりし人をいかでかや ...