1. 更級日記
日本大百科全書
平安中期の日記文学。1巻。菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)作。1060年(康平3)ごろ成立。作者13歳のおり、父の任地上総(かずさ)国(千葉県中央部)か ...
2. 更級日記
世界大百科事典
平安朝の日記文学。1巻。作者は菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)。作者は上総介であった父孝標とともに東国に過ごし,1020年(寛仁4),任期満ちた父ととも ...
3. さらしなにっき【更級日記】
デジタル大辞泉
平安中期の日記。1巻。菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)作。康平3年(1060)ころの成立。作者13歳の寛仁4年(1020)、父の任国上総(かずさ)から帰 ...
4. さらしなにっき【更級日記】
日本国語大辞典
日記。一巻。菅原孝標女(たかすえのむすめ)著。一三歳の寛仁四年(一〇二〇)九月、父の任国上総(千葉県)から帰京した旅に筆を起こし、夫、橘俊通(たちばなとしみち) ...
5. さらしなにっき【更級日記】
全文全訳古語辞典
[書名]平安中期の日記。菅原孝標の娘の作。一〇六〇年(康平三)頃成立か。作者十三歳の時、父が任国上総から帰京するところから始めて、夫の橘俊通と死別するまでの四十 ...
6. さらしなにっき【更級日記】
国史大辞典
→菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ) [参考文献]東節夫他編『更級日記総索引』、玉井幸助『更級日記錯簡考』、西下経一『更級日記』解説(『日本古典文学大系』 ...
7. 更級日記
日本古典文学全集
『源氏物語』に憧れていた少女――菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)は、13歳の時に、父の任国・上総国(千葉県)より京に上る。その出来事より筆を起こし、夫・ ...
8. 『更級日記』
日本史年表
1060年〈康平3 庚子〉 この頃 『更級日記』 成立。 ...
9. あい‐な・し
日本国語大辞典
「心ひとつにしづめて、ありさまに従ふなんよき。まだきに騒ぎて、あいなきものうらみし給ふな」*更級日記〔1059頃〕「まま母なりし人、下りし国の名を宮にもいはるる ...
10. あいな‐だのみ【─頼】
日本国語大辞典
忍びて『思ひなほらん折を見つけん』と、年月を重ねんあいなたのみは、いと苦しくなんあるべければ」*更級日記〔1059頃〕「時々出で立てど、過ぎにし方のやうなるあい ...
11. あい‐み・す[あひ‥]【相見】
日本国語大辞典
二「春雨のやまず零(ふ)る零る吾が恋ふる人の目すらを令相見(あひみせ)なくに〈作者未詳〉」*更級日記〔1059頃〕「こと、からうじて離れて、たひらかにあひ見せ給 ...
12. 葵(源氏物語) 75ページ
日本古典文学全集
それに相当する、ないしは類する事実が、ことに古代には往々にしてあったらしい。『古事記』『伊勢物語』『更級日記』にもその面影を伝える話がある。この紫の上の場合も、 ...
13. あおにび‐いろ[あをにび‥]【青鈍色】
日本国語大辞典
〔名〕「あおにび(青鈍)(1)」に同じ。*更級日記〔1059頃〕「それもおり物のあをにびいろの指貫(さしぬき)、狩衣きて、廊のほどにて馬にのりぬ」 ...
14. あか ず
日本国語大辞典
東宮に「へだてたりつる御屏風もおしあけつれば、かいまみの人、隠れ蓑取られたる心地して、あかずわびしければ」*更級日記〔1059頃〕「人々あかず思ひてみな泣くを、 ...
15. あき‐ごろ【秋頃】
日本国語大辞典
秋場。*源氏物語〔1001〜14頃〕鈴虫「秋ころ、西の渡殿のまへ、中の塀のひんかしのきはを」*更級日記〔1059頃〕「秋ころ、そこをたちて、ほかへうつろひて」* ...
16. あき の 夕(ゆう)べ
日本国語大辞典
戸(やど)なる萩の花咲かむ安伎能由布敝(アキノユフヘ)はわれを偲(しの)はせ〈大原今城〉」*更級日記〔1059頃〕「いかにいひ何にたとへて語らまし秋のゆふべの住 ...
17. あ・く【明・開・空】
日本国語大辞典
の明神「七曲(ななわた)にわだかまりたる玉の、中通りて左右に口あきたるがちひさきを奉りて」*更級日記〔1059頃〕「穴のあきたる中より出づる水の」*日葡辞書〔1 ...
18. あけ‐あわ・す[‥あはす]【開合】
日本国語大辞典
そろえて開ける。*源氏物語〔1001〜14頃〕夕霧「中の塗籠(ぬりごめ)の戸あけあはせて、わたり給へる」*更級日記〔1059頃〕「かたらふ人どち、局のへだてなる ...
19. あ・ける【明・開・空】
日本国語大辞典
〜914〕春上・四五「暮るとあくと目かれぬものを梅花いつの人まにうつろひぬらん〈紀貫之〉」*更級日記〔1059頃〕「殿の御方にさぶらふ人々と物語しあかしつつ、あ ...
20.&nbnbsp;あ・げる【上・揚・挙】
日本国語大辞典
かせる。のぼす。*源氏物語〔1001〜14頃〕玉鬘「とかくかまへて京にあげ奉りてんといふ」*更級日記〔1059頃〕「京にとくあげ給て、物語のおほく候ふなる、ある ...
21. あさくら【朝倉】
日本国語大辞典
*神楽歌〔9C後〕明星・朝倉「〈本〉阿佐久良や木の丸殿に我が居れば〈末〉我が居れば名宣りをしつつ行くは誰」*更級日記〔1059頃〕「朝倉や今は雲居に聞くものをな ...
22. あさみ‐わら・う[‥わらふ]【浅笑】
日本国語大辞典
〔他ハ四〕(「あざみわらう」とも)(1)驚きあきれて笑う。あきれて笑い出す。*更級日記〔1059頃〕「行きちがふ馬も車も、徒歩人(かちびと)も、『あれはなぞ、あ ...
23. あさ・む【浅】
日本国語大辞典
あさましく思う。*和泉式部日記〔11C前〕「いとぞあさましきや。世のなかの人のあさみきこゆることよ」*更級日記〔1059頃〕「物の心知りげもなき怪しの童べまで、 ...
24. あさ・る【漁】
日本国語大辞典
*源氏物語〔1001〜14頃〕須磨「伊勢島や潮干の潟にあさりてもいふかひなきはわが身なりけり」*更級日記〔1059頃〕「荒磯はあされど何の甲斐なくて潮(うしほ) ...
25. あ
し【悪】
日本国語大辞典
いとうららかなるに「風いたう吹き、海の面(おもて)ただあしにあしうなるに、ものもおぼえず」*更級日記〔1059頃〕「外(と)の海は、いといみじくあしく浪高くて」 ...
26. あしがら【足柄】
日本国語大辞典
ても)此面(このも)にさす罠(わな)のかなる間しづみ児(こ)ろ吾(あれ)紐解く〈東歌・相模〉」*更級日記〔1059頃〕「まだ暁よりあしがらを越ゆ」*天草本平家物 ...
27. あしがらしもぐん【足柄下郡】
国史大辞典
『万葉集』二〇に天平勝宝七歳(七五五)に遣わされた防人足下郡上丁丹比部国人の歌がある。なお『伊呂波字類抄』と『更級日記』のほか『箱根山縁起』には「西富郡足柄」と ...
28. あしがらとうげ【足柄峠】静岡県:駿東郡/小山町/竹之下村
日本歴史地名大系
また保元の乱を起こした源為義も「足柄山」を伐り塞いで坂東の防衛線とする構想を語ったという(愚管抄)。「更級日記」の作者菅原孝標の娘は寛仁四年(一〇二〇)父の任地 ...
29. あしがら‐やま【足柄山】
日本国語大辞典
)立て足柄山(あしがらやま)に船木伐(き)り樹に伐り行きつあたら船材(ふなぎ)を〈満誓〉」*更級日記〔1059頃〕「あしがら山といふは、四五日かねておそろしげに ...
30. あしがらやま【足柄山】神奈川県:南足柄市地図
日本歴史地名大系
よりてあしからの山と付たり」と、山名由来を記している。寛仁四年(一〇二〇)父に従い京へ向かった菅原孝標の娘は「更級日記」に「足柄山といふは、四五日かねておそろし ...
31. あしがらやま【足柄山】静岡県:駿東郡/小山町
日本歴史地名大系
歌学書は相模国の歌枕として取上げている。寛仁四年(一〇二〇)上総から父に従って京に帰った菅原孝標の娘は「更級日記」に「足柄山といふは、四五日かねておそろしけに暗 ...
32. あずけ‐とら・す[あづけ‥]【預取】
日本国語大辞典
、与えるの意。「す」は、もと使役の助動詞)土地などを預け与える。土地などの支配権を任せる。*更級日記〔1059頃〕「竹芝のをのこに、生けらむ世の限り、武蔵の国を ...
33. あずま‐じ[あづまぢ]【東路】
日本国語大辞典
歌〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕宿木「ありくは、あづまぢ思へば、いづこか恐ろしからん」*更級日記〔1059頃〕「あづまぢの道のはてよりも、猶おくつかたに生ひ ...
34. あずま の 国(くに)
日本国語大辞典
とり)が鳴く 吾妻乃国(あづまノくに)の 御軍士(みいくさ)を 召し給ひて〈柿本人麻呂〉」*更級日記〔1059頃〕「をさなかりし時、あつまのくににゐて下りてだに ...
35. あそび【遊】
日本国語大辞典
〈宇加礼女 一説云阿曾比〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕澪標「あそびどものつどひ参れる」*更級日記〔1059頃〕「そこにあそびども出で来て、夜ひとよ、歌うたふ ...
36. あそび‐な・れる【遊慣・遊馴】
日本国語大辞典
しむ。*源氏物語〔1001〜14頃〕乙女「年頃あそびなれし所のみ思ひ出でらるる事まされば」*更級日記〔1059頃〕「年頃あそびなれつるところをあらはにこぼち散ら ...
37. あた・る【当・中】
日本国語大辞典
まで、身にひしひしと当りますから」(4)光がある範囲に照りそそぐ。*更級日記〔1059頃〕「荒れたる板屋の隙(ひま)より月の洩り来て、ちごの顔にあたりたるが、い ...
38. あだちぐん【足立郡】東京都:武蔵国
日本歴史地名大系
りがちな収税と対決したのである。治安元年(一〇二一)に父上総前司菅原孝標と帰京の旅についた「更級日記」の著者は、太日川(江戸川)を渡河し、次いで竹芝寺のそばを通 ...
39. あづま-ぢ【東路】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕 ❶京の都から東国に至る道すじ。東海道。東山道。 更級日記 かどで(1) 全文用例 東路の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人、いかばかりかはあや ...
40. あとはか‐な・し
日本国語大辞典
世にあるかひと思ふさまにこそ物し給はざりしかど、あとはかなからぬほどにて、立ち添ひ給へりしに」*更級日記〔1059頃〕「いとかうあとはかないやうに、はかばかしか ...
41. あと を 垂(た)る
日本国語大辞典
taruru (アトヲ タルル)」(2)その本来の居所と別の所に出現する。または、住むようになる。*更級日記〔1059頃〕「これもさきの世にこの国にあとをたるべ ...
42. あね‐おとと【姉妹】
日本国語大辞典
〔名〕(「おとと」は、姉に対し、同性の年少者をいう)姉と妹。しまい。*更級日記〔1059頃〕「あねおととの中に、つとまとはれて」*今鏡〔1170〕一・雲井「国母 ...
43. あ‐べい
日本国語大辞典
→あべし。*源氏物語〔1001〜14頃〕朝顔「御心などうつりなば、はしたなくもあべいかな」*更級日記〔1059頃〕「今ゆくすゑは、あべいやうもなし」*栄花物語〔 ...
44. あ‐べか‐・めり
日本国語大辞典
める」*源氏物語〔1001〜14頃〕朝顔「かひなくてはかなき世にさすらへ給ふもあべかめり」*更級日記〔1059頃〕「いとはしたなく悲しかるべきことにこそあべかめ ...
45. あ‐・べし
日本国語大辞典
ことやうにこそあべけれ」*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「をかしくもあはれにもあべかりける事の」*更級日記〔1059頃〕「この人のあべからむさま、夢に見せ給へ ...
46. あま‐ぎみ【尼君】
日本国語大辞典
*源氏物語〔1001〜14頃〕夕顔「あま君のとぶらひにものせんついでに、垣間見(かいまみ)せさせよ」*更級日記〔1059頃〕「雪の日をへて降るころ、吉野山に住む ...
47. あまてる‐かみ【天照神】
日本国語大辞典
平安時代に称した。*道綱母集〔1008頃か〕「今ぞ知る河伯と聞けば君がためあまてる神の名にこそ有けれ」*更級日記〔1059頃〕「あまてる御神を念じませ」*狭衣物 ...
48. あまの 河波(かわなみ)
日本国語大辞典
天の川に立つ波。*輔親集〔1038頃〕「雲まより星合の空をみ渡せばしづ心なき天の川なみ」*更級日記〔1059頃〕「ちぎりけむ昔のけふのゆかしさに天の河なみうち出 ...
49. あまの 河辺(かわべ)
日本国語大辞典
天の川のほとり。*更級日記〔1059頃〕「たち出づるあまの河辺のゆかしさに常はゆゆしきことも忘れぬ」*続後撰和歌集〔1251〕秋上・二五四「久方のあまの河へに舟 ...
50. あまり【余】
日本国語大辞典
れぬる人」*源氏物語〔1001〜14頃〕桐壺「まうのぼり給ふにも、あまりうちしきる折々は」*更級日記〔1059頃〕「里遠みあまり奥なる山路には花見にとても人来ざ ...