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賀茂祭
賀茂祭
ジャパンナレッジで閲覧できる『賀茂祭』の
国史大辞典
のサンプルページ
賀茂祭
かものまつり
京都の賀茂別雷神社(上社)・賀茂御祖神社(下社)の例祭。葵祭。また石清水八幡宮の祭(南祭)に対して北祭ともいった。古代には単に祭といえばこの祭を指した。社伝によれば欽明朝、気候不順、天下凶作のため卜部伊吉若日子をして占わしめたところ、賀茂神の祟とわかったので神託により馬に鈴をかけ人には猪頭を被せて馳せしめたのが祭の起りであるという。和銅四年(七一一)四月詔して以後毎年祭日には国司の検察を定められ、大同元年(八〇六)四月、中酉日をもって官祭を始め、嵯峨天皇弘仁元年(八一〇)斎院をおき、皇女有智子内親王を斎王として祭に奉仕させて以来、後鳥羽天皇に及び、歴代の内親王が斎王となる慣例であった。祭の始まる前の午または未の日、斎王の御禊が賀茂川で行われる。当日は斎王の行列はまず下社、ついで上社に向かうが、これに勅使や東宮・中宮などの御使も加わり、その服装・車など華麗を極めるので、貴賤を問わず観衆が雑踏する。行列の次第は『賀茂注進雑記』によれば、まず歩兵左右に各四十人、騎兵左右に各六十人、郡司八人、健児左右各十人、検非違使十人、史生・さかん(目)・掾各一人、山城守(または介)一人、内蔵寮の官幣、中宮・東宮の御幣、宮主、東宮・中宮の走馬各二疋、馬寮の走馬左右各六疋、東宮の御使、中宮の使、馬寮の吏、近衛使、内蔵寮吏、
司、中宮の女蔵人、内蔵人、中宮の命婦、左右の衛門・兵衛・近衛各二人、斎長官御輿駕輿丁前後二十人、御輿の長
(おさ)
左右各五人、女孺(はしりわらわ)各十人、執物十人、腰輿、供膳の唐櫃三荷、雑器の物二荷、膳部六人、陰陽寮漏刻、騎女十二人、童女四人、院司二人、唐櫃十荷(神宝)、蔵人所陪従六人、御車、内侍車、女別当車、宣旨車、女房車、馬寮車の順であった。下社では宣命の奏上、奉幣、ついで東遊・走馬が行われる。上社も同様である。翌日は還立
(かえりだち)
の儀がある。祭は応仁の乱により文亀二年(一五〇二)から中絶し、元禄七年(一六九四)再興され、明治三年(一八七〇)以降は旧儀が保たれなくなったが、同十七年ようやく再興され、祭日は五月十五日に改められた。現在の行列は平安時代の服装を再現し、検非違使志・同尉・山城使・御幣櫃三合・内蔵寮史生二人・御馬寮使・舞人六人・勅使・陪従七人・内蔵使などの順で参加する。葵祭の名称は葵楓
(あおいかずら)
の蔓を勅使・斎王はじめ祭に参加するものが身につけ、その他の飾りにも用いたところからきたのである。なお祭に先立ち四月の中午日に上賀茂社で行われるのが御阿礼神事、下賀茂社で行われるのが御蔭祭である。→賀茂臨時祭
(かものりんじさい)
,→御阿礼神事
(みあれのしんじ)
,→御蔭祭
(みかげまつり)
[参考文献]
江馬務「賀茂祭の研究」(『立命館文学』二ノ三)
(村山 修一)
©Yoshikawa kobunkan Inc.
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1. かものまつり【賀茂祭】
国史大辞典
りんじさい),→御阿礼神事(みあれのしんじ),→御蔭祭(みかげまつり) [参考文献]江馬務「
賀茂祭
の研究」(『立命館文学』二ノ三) (村山 修一)
...
2. 賀茂祭
世界大百科事典
→葵祭(あおいまつり)
...
3. かも‐まつり【賀茂祭】
デジタル大辞泉
「賀茂の祭」に同じ。《季 夏》「しづしづと馬の足掻(あがき)や―/虚子」
...
4. 賀茂祭
(かもまつり)
【篇】
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1005ページ
...
5. かも‐まつり【賀茂祭】
日本国語大辞典
〔名〕「かも(賀茂)の祭(まつり)」に同じ。*古本説話集〔1130頃か〕一「
賀茂祭
の日、一条の大路に、そこら集りたる人」*宇治拾遺物語〔1221頃〕九・一「御門
...
6. かも‐の‐まつり【賀茂の祭】
デジタル大辞泉
京都の上賀茂・下鴨両神社の祭礼。昔は毎年陰暦4月の中の酉(とり)の日に行われたが、現在は5月15日。京都三大祭りの一つで、祭人の冠や牛車(ぎっしゃ)などをアオイ
...
7. 諒闇中賀茂祭有無之事
(見出し語:賀茂祭【篇】)
古事類苑
禮式部 洋巻 第2巻 551ページ
...
8. 賀茂祭除目
(見出し語:賀茂祭【篇】)
古事類苑
政治部 洋巻 第1巻 738ページ
...
9. 賀茂祭騎射
(見出し語:賀茂祭【篇】)
古事類苑
武技部 洋巻 第1巻 483ページ
...
10. 賀茂祭
日本大百科全書
→葵祭
...
11. かもまつりえことば【賀茂祭絵詞】
国史大辞典
内容は和銅七年(七一四)以来の
賀茂祭
の来歴と、文永十一年の祭に参加した公家たちの有様の記録で、絵は似絵風に描写されている。『群書類従』神祇部に『文永十一年
賀茂祭
...
12. かもまつり の 使(つか)い
日本国語大辞典
賀茂祭
に朝廷から派遣される使者。近衛の中将、少将の中から選ばれ、祭装束をして参向した。近衛(このえ)の使い。*続日本後紀‐承和三年〔836〕四月乙酉「天皇御
...
13. 賀茂祭使
(かもまつりのつかい)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1034ページ
...
14. 乱緒[図版]
国史大辞典
賀茂祭
草子絵 (c)Yoshikawa kobunkan Inc.
...
15. 諸具足の雑兵[図版]
国史大辞典
賀茂祭
草子絵 (c)Yoshikawa kobunkan Inc.
...
16. 賀茂祭時喪家不
レ
懸
二
葵桂
一
(見出し語:葵)
古事類苑
禮式部 洋巻 第2巻 719ページ
...
17. 賀茂祭用
二
葵桂
一
(見出し語:葵)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1072ページ
...
18. 賀茂祭時獻
二
出車騎馬
一
(見出し語:出車)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1067ページ
...
19. 賀茂祭時禁
二
奢侈衣服
一
(見出し語:衣服)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1088ページ
...
20. 賀茂祭女騎料御馬御覽
(見出し語:馬)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1022ページ
...
21. 賀茂祭使還立
(見出し語:還立)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1052ページ
...
22. 賀茂祭插頭
(見出し語:插頭)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1072ページ
...
23. 賀茂祭用
二
葵桂
一
(見出し語:桂)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1072ページ
...
24. 賀茂祭警固
(見出し語:警固)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1020ページ
...
25. 賀茂祭解陣
(見出し語:解陣)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1055ページ
...
26. 賀茂祭禁
二
奢侈衣服
一
(見出し語:奢侈【篇】)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1088ページ
...
27. 賀茂祭時觸穢
(見出し語:觸穢【篇】)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1057ページ
...
28. 賀茂祭除目
(見出し語:除目【篇】)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1069ページ
...
29. 賀茂祭宣命
(見出し語:宣命)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1031ページ
...
30. 賀茂祭中宮使
(見出し語:中宮)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1045ページ
...
31. 賀茂祭東宮使
(見出し語:東宮)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1045ページ
...
32. 賀茂祭走馬
(見出し語:走馬)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1034ページ
...
33. 賀茂祭【篇】
(見出し語:祭)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1005ページ
...
34. 賀茂祭齋院禊
(見出し語:禊)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1009ページ
...
35. 賀茂祭賜祿
(見出し語:祿)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1070ページ
...
36. 祭使
(まつりのつかい)
[賀茂祭]
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1034ページ
...
37. みあれ[賀茂祭]
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1007ページ
...
38. 蛮絵袍[図版]
国史大辞典
身一幅の蛮絵袍(再興
賀茂祭
使用) 身二幅の蛮絵袍(教王護国寺伝来) 五常楽の蛮絵袍 獅子の丸の蛮絵(金剛峯寺伝来) 熊の丸の蛮絵(東大寺若宮八幡宮伝来) 舞人の
...
39.
原元輔爲
二
賀茂祭使
一
(見出し語:
原元輔)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1035ページ
...
40. 依
二
賀茂祭
一
廢務
(見出し語:廢務)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1206ページ
...
41. 諒闇時賀茂祭
(見出し語:諒闇)
古事類苑
神祇部 洋巻 第3巻 1060ページ
...
42. あおい[あふひ]【葵】
日本国語大辞典
今はただこひわすれじと独りともがな」〔和泉式部集‐上〕と同様、薬用のフユアオイである。(2)
賀茂祭
で用いられるのは「もろかづら二葉ながらも君にかくあふひや神のし
...
43. 葵(源氏物語) 29ページ
日本古典文学全集
ましょう、と声をかけて相手の反応を待つ。檜扇の先端の部分。「葵(あふひ)」「逢ふ日」の掛詞。
賀茂祭
は「あふひ」の祭、恋しい人に逢う日の祭だと賀茂大神も認めている
...
44. あおい‐かつら[あふひ‥]【葵鬘・葵桂】
日本国語大辞典
〔名〕(「あおいかづら」とも)(1)
賀茂祭
参列の役人をはじめ、見物人が頭や冠、烏帽子(えぼし)にさし、また、牛車(ぎっしゃ)のすだれや禁中の諸処にもかけて飾りと
...
45. 葵祭
日本大百科全書
左京区下鴨(しもがも)の賀茂御祖(かもみおや)神社(下鴨神社)両社の祭り。元来、
賀茂祭
(かもまつり)と称し、平安時代に祭りといえば
賀茂祭
をさすほど有名であった。
...
46. 葵祭
世界大百科事典
賀茂祭
ともいい,京都の賀茂別雷(わけいかずち)(上賀茂)神社,賀茂御祖(みおや)(下賀茂,下鴨)神社の両社の例祭。祭りに参加する斎院をはじめ勅使らが葵の蔓(かず
...
47. あおいまつり【葵祭】
国史大辞典
⇒
賀茂祭
(かものまつり)
...
48. 葵祭(あおいまつり) 【12か月のきまりごと歳時記】
生活便利帳
毎年5月15日、五穀豊穣を祈念して京都の上賀茂神社と下鴨神社で行われる祭り。古くは
賀茂祭
と呼ばれていた。起源は約1400年前とされ、京都三大祭のなかで最も古い。
...
49. あか‐いとげ【赤糸毛】
日本国語大辞典
〔名〕「あかいとげのくるま(赤糸毛車)」に同じ。*物具装束鈔〔1412頃か〕「車事〈略〉赤絲毛〈
賀茂祭
女使乗
之〉」
...
50. あかいとげ‐の‐くるま【赤糸毛車】
日本国語大辞典
〔名〕赤い色の糸をつらねて車の箱をおおい、先端を垂らして飾った牛車。
賀茂祭
の女使いのためのもの。
...
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賀茂祭と同じ
祭
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鞍馬の火祭
(日本大百科全書(ニッポニカ))
京都市左京区鞍馬寺の鎮守社由岐(ゆき)神社の祭礼であり、毎年10月22日の夜に行われる。鞍馬寺の参道の中央数か所にマツ・モミの根を束ねた大松明(たいまつ)を立て、各戸の前に大篝火(かがりび)を焚(た)き、青少年が向こう鉢巻の晴れ姿で、柴(しば)を束ねた1.5メートルほどの
神嘗祭
(日本大百科全書・国史大辞典・世界大百科事典・日本国語大辞典)
「しんじょうさい」「かんにえのまつり」ともいう。毎年10月15~17日に行われる、伊勢(いせ)神宮の年中行事きっての大祭。天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天上の高天原(たかまがはら)において、新嘗を食したとの神話に由来し、その年に収穫した新穀を由貴(ゆき)
園韓神祭
(改訂新版・世界大百科事典)
平安京宮内省内にまつられていた園神と韓神との祭り。園・韓神は平安京造営以前よりこの地にあり,帝王を守らんとの神託により他所に移さずにまつられた。《延喜式》神名帳には〈宮内省に坐(いま)す神三座〉として,〈園神社 韓神社二座〉とあり
春日祭
(世界大百科事典・国史大辞典・日本国語大辞典)
〈かすがまつり〉ともいう。奈良市春日野町に鎮座する春日大社の例祭。賀茂祭(葵(あおい)祭),石清水(いわしみず)祭と並ぶ三大勅祭の一つ。起源については諸説あるが,850年(嘉祥3)を創始の時期とする説が有力である。古くは毎年旧暦の2月と11月の上申の日に行われ
御柱祭
(世界大百科事典・国史大辞典)
長野県の諏訪大社において7年目ごと(申と寅年)の春に行われる式年大祭。地元では単に〈おんばしら〉といい,また〈みはしらさい〉とも呼ぶ。諏訪大社は上社の前宮と本宮,下社の春宮と秋宮のあわせて4宮からなり,それぞれの社殿四隅に山中から氏子が引き出してきた巨大な自然木
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