1. 狭衣物語
日本大百科全書
『無名草子(むみょうぞうし)』に「狭衣こそ源氏に次ぎてはよう覚え侍(はべ)れ」とあるように、早くから『狭衣物語』の評価は高い。『源氏物語』の亜流との批評もあるが ...
2. 狭衣物語
世界大百科事典
平安後期の物語。4巻。作者は後朱雀院の皇女禖子(ばいし)内親王に仕えた宣旨(女房の名)と伝えられる。宣旨は1055年(天喜3)5月の《六条斎院歌合》(題物語)に ...
3. さごろもものがたり【狭衣物語】
デジタル大辞泉
平安時代の物語。4巻。作者は
子(ばいし)内親王宣旨(せんじ)とされる。延久・承保(1069~1077)のころの成立。狭衣大
...4. さごろもものがたり【狭衣物語】
日本国語大辞典
物語。四巻。作者については、源頼国の娘の
子内親王宣旨(ばいしないしんのうせんじ)説が定説で、古来の大弐三位説は否定されている。延
...5. さごろもものがたり【狭衣物語】
全文全訳古語辞典
[書名]平安後期の物語。作者は源頼国の娘である禖子内親王宣旨とする説が有力であるが、大弐三位説もあり、未詳。狭衣大将とその従妹源氏宮とのとげられぬ恋を中心にその ...
6. さごろもものがたり【狭衣物語】
国史大辞典
)、三谷栄一「狭衣物語伝本系統論序説」(『国文学論究』一)、同「狭衣物語成立考」(同四)、同「狭衣物語の伝本―巻一を中心として―」(国学談話会編『国文学論纂』所 ...
7. 狭衣物語
日本古典文学全集
〈いろいろに重ねては着じ人知れず思ひそめてし夜の狭衣〉と、主人公の狭衣の君は、従妹の源氏の宮への思慕の情を歌にするが、思いは拒絶される。以後、さまざまな女性と恋 ...
8. さごろもものがたりえまき[さごろもものがたりヱまき]【狭衣物語絵巻】
日本国語大辞典
絵巻物。紙本着色。絵だけ四段残存。鎌倉末期ごろの作。絵は土佐光秀、詞書(ことばがき)は伏見院筆と伝えるが明らかでない。絵は源氏物語絵巻の様式を踏襲するが、典雅な ...
9. さごろもものがたりえまき【狭衣物語絵巻】
国史大辞典
才芸容貌とも勝れた貴公子狭衣大将の恋の物語『狭衣物語』を絵巻化したもの。『古今著聞集』一一にみえる天福元年(一二三三)の後堀河院と藻壁門院の絵合に「小衣の絵八 ...
10. 狩衣2[図版]
国史大辞典
伴大納言絵巻 随身庭騎絵巻 狭衣物語絵巻 西行物語絵巻 法然上人絵伝 (c)Yoshikawa kobunkan Inc. ...
11. 『狭衣物語』[百科マルチメディア]
日本大百科全書
古活字版 巻1 上 六条斎院
子(ばいし)内親王家宣旨(せんじ) 1623年(元和9)刊 国立国会図書館所蔵
...12. あい‐ぎょう[‥ギャウ]【愛敬】
日本国語大辞典
を、たぐひおはしまさじと見しかど、この御ありさまはいみじかりけり。うち乱れ給へるあい行よ」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「かばかりあたりまで匂ひみちて、向ひ ...
13. あいぎょう‐な・し[アイギャウ‥]【愛敬無】
日本国語大辞典
きことに、かどかどしくくせをつけ、あい行なく人をもて離るる心あるは、いと、うち解けがたく」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「『一日も浪に』など、すさみ臥したる ...
14. あい‐んべ[あひ‥]【相嘗】
日本国語大辞典
小祀
」*
狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「十一月(しもつき)にもなりぬれば、斎院のあひむへの程、いとど見捨てがたくて
...15. あおい‐がさね[あふひ‥]【葵襲】
日本国語大辞典
〔名〕「あおい(葵)【一】(7)」に同じ。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「あふひがさねの薄様の、色、下絵など、なべてならんやは」アオイ ...
16. あおびれ‐おとこ[あをびれをとこ]【青男】
日本国語大辞典
〔名〕(「あおひれおとこ」と清音か)生気のない男。男らしくない男をののしっていう語。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「我君をこそ、命にも換へて、恋ひかなしまめ ...
17. あお‐やか[あを‥]【青─】
日本国語大辞典
001〜14頃〕夕顔「切懸だつものに、いとあをやかなるかづらの、心地よげにはひかかれるに」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕二「宮司まゐりて、御祓つかうまつりて、 ...
18. あか‐ご【赤子・赤児】
日本国語大辞典
〔名〕(1)(「あかこ」とも)「あかんぼう(赤坊)(1)」に同じ。*承応版狭衣物語〔1069〜77頃か〕一・下「君は、ただ、赤児(あかご)のむつきに包まれたる心 ...
19. あかつき‐つゆ【暁露】
日本国語大辞典
7頃か〕雑秋・一一一八「この頃のあか月つゆにわが宿の萩の下葉は色づきにけり〈柿本人麻呂〉」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「まだ知らぬあかつき露におき別れ八重 ...
20. あか‐ぼし【明星・赤星】
日本国語大辞典
アカホシ」〔二〕さそり座の中心に輝く星。豊年星。大火(たいか)。アンタレス。《季・夏》〔三〕神楽歌の曲名。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「大将殿、『あかぼし ...
21. あ‐が‐ほとけ【吾仏・我仏】
日本国語大辞典
こめて相手をよぶ。あが君。*新井本竹取〔9C末〜10C初〕「あがほとけは何事を思はせ給ふぞ」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「帝の君の、御心通ひて見給ふべきあ ...
22. あきた・し【飽】
日本国語大辞典
やすきかな。弁、中将などが物言ひ、気色の、ものはやく、あきたかめるを』と思ひくらべ給ふに」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「女君の有様の、いとあきたうあやにく ...
23. あくがれ‐まさ・る【憧勝】
日本国語大辞典
〔自ラ四〕魂が身につかないで、ますます思いこがれる。いっそう心ひかれて、気もそぞろになる。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「心の中ばかりは、ありしより、けに、 ...
24. あく‐ごう[‥ゴフ]【悪業】
日本国語大辞典
意による悪い行為。また、前世の悪事。
善業。*
狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「憂し、つらしと思ひ入り給ひけん人の御あくごうの、離れ給ひぬべきしるべと
...25. あく‐せ【悪世】
日本国語大辞典
」*
狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「さこそ、おぼし離れたれど、なほ、このあくせに生れ給にければにや」*
...26. あく‐まで【飽迄】
日本国語大辞典
まで慎むでゐるのであるが」(2)(無意志的行為や状態に関して)どこをとっても。どこまでも。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕四「入道の宮、あくまでらうたげに美しき ...
27. あげ‐まさり【上優】
日本国語大辞典
こと。
上劣(あげおとり)。*
狭衣物語〔1069〜77頃か〕四「一の宮の御あげまさりのゆゆしさは、なほ『いづくにいかなりし人ぞ』と
...28. あこだ‐うり【阿古陀瓜】
日本国語大辞典
金南瓜(きんとうが)。学名はCucurbita pepo cv. kintoga 《季・秋》*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「額髪の、ただ少し短く見えたる御つ ...
29. あさ・む【浅】
日本国語大辞典
はかけ離れた事態に出あって驚き、あきれる。あっけにとられる。よい場合にも悪い場合にもいう。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「『空言はいとうたてあり。大殿の笛の ...
30. あざり【阿闍梨】
日本国語大辞典
七月の修法のあざり、日中の時(じ)などおこなふ」(3)「あじゃり(阿闍梨)(3)」に同じ。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「仁和寺の何がしのあざりの車にて、母 ...
31. あし の 迷(まよ)い
日本国語大辞典
(和歌で「葦」に「足」を言いかけて)葦の生い茂る間で迷うように、行先を迷うこと。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕二「知らざりしあしのまよひの鶴(たづ)のねを雲の ...
32. あし‐もと【足元・足許・足下】
日本国語大辞典
日葡辞書〔1603〜04〕「Aximotoni (アシモトニ) ヒレフス」(2)足の下部。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕四「いろいろの姿ども着こぼして、足もと ...
33. 排蘆小船(近世随想集) 300ページ
日本古典文学全集
答へて曰く。これ又先に云ふ僧の色好むと同日の論なり。まことに道ならぬ好色は、甚だ無状なること、戒むべきの至りなり。されば聖人の教戒、人倫の修めかた、残る所なく経 ...
34. 排蘆小船(近世随想集) 323ページ
日本古典文学全集
皆古に劣らぬほどにもなることなり。かくの如くして、常にこの道に心を委ね翫びて、伊勢、源氏、枕草紙、狭衣なんど、その外あはれなる文ども、常に読みなんどすれば、自ら ...
35. あじき‐な・い[あぢき‥]【味気無】
日本国語大辞典
1〜14頃〕乙女「ざえの程より余り過ぎぬるもあぢきなきわざと、大臣も思し知れることなるを」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕二「人目もなき所といひながら、あまりな ...
36. あす=の[=は] 淵瀬(ふちせ)
日本国語大辞典
あすかがわの淵瀬。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「渡らなむ水増りなば飛鳥川あすはふちせになりもこそすれ」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕四「あすのふちせもう ...
37. あせ あゆ
日本国語大辞典
、『ただこの心どものゆかしかりつるぞ』とおほせらるる、〈略〉すずろにあせあゆる心地ぞする」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕四「わららかに戯(たはぶ)れ聞ゆるを、 ...
38. あたり‐ぐる
し【辺苦】
日本国語大辞典
〔形シク〕そのそばにいるのさえ息苦しい。近づき難い。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「あたりくるしきまで、光り輝(かかや)くやうにて見え給へば」 ...
39. あた・る【当・中】
日本国語大辞典
らざる勢」(5)仕事、役目など引き受けて行なう。担当する。割り当てられる。従事する。*承応版狭衣物語〔1069〜77頃か〕三・下「乗るべき車は〈略〉めでたうして ...
40. あだあだ‐
し【徒徒】
日本国語大辞典
〔形シク〕(「あだ(徒)」を重ねて形容詞化した語)(1)不誠実でいいかげんな態度である。無責任である。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「誰なりとも、かくなり給 ...
41. あだ・う[あだふ]【徒】
日本国語大辞典
0頃か〕寛弘五年一〇月一七日「若やかなる人こそ物のほど知らぬやうにあだへたるも罪許さるれ」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「『まろが顔は、こよなく勝りたるぞと ...
42. あつかい[あつかひ]【扱・
】
日本国語大辞典
下「対の方のわづらひける頃は、なほそのあつかひにと聞こしめしてだに、なまやすからざりしを」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「この人、かくてやみ侍なば、御前の御 ...
43. あつかい‐あり・く[あつかひ‥]【扱歩】
日本国語大辞典
〔他カ四〕奔走し世話をする。あれこれ世話をしてまわる。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕四「『何か、旅とな思し召しそ。今いとようありつかせ給なん』と言ひて、げに、 ...
44. あつかい‐ぐさ[あつかひ‥]【扱種】
日本国語大辞典
のたね。話題。*源氏物語〔1001〜14頃〕椎本「この君達の御ことをあつかひぐさにし給ふ」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「世の人の物言ひは、聞き憎きまで、こ ...
45. あつか・う[あつかふ]【扱・
・刷】
日本国語大辞典
*枕草子〔10C終〕一四二・なほめでたきこと「多く取らむとさわぐものは、なかなかうちこぼしあつかふほどに」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕二「いと苦しげに、暑さ ...
46. あと【跡】
日本国語大辞典
筆のあと。*源氏物語〔1001〜14頃〕絵合「今の浅はかなるも、昔のあとに恥なく賑ははしく」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕一「御手などは、古の名高かりける人の ...
47. あと‐まくら【足枕・後枕】
日本国語大辞典
(前田本訓)「反側(こいまろび)呼号(よばひおら)びて頭脚(アトマクラ)に往還(かよ)ふ」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕二「人知らば消(け)ちもしつべき思さへ ...
48. あとまくら も =知(し)らず[=覚(おぼ)えず]
日本国語大辞典
(物事の前も後も判断できない意から)どうしてよいかわからない。前後も知らず。*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「母代(ははしろ)、責(せた)めに寄りたるに、隠し ...
49. あながち【強】
日本国語大辞典
ちまちの我心のみだれに任せて、あながちなる心をつかひてのち、心安くもはあらざらんものから」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕三「我心の、あながちに尽し染めてしひと ...
50. あなずらわ
し[あなづらはし]【侮】
日本国語大辞典
〔1001〜14頃〕玉鬘「よからぬなま者どもの、あなづらはしうするも、かたじけなき事なり」*狭衣物語〔1069〜77頃か〕四「『数ならぬ際』と、あなつらはしかり ...