1. ちゃうしうえいさう【長秋詠藻】
全文全訳古語辞典
[書名]平安時代末期の私歌集。一一七八年(治承二)成立、後に増補。藤原俊成自撰。三巻。典型的な幽玄体の歌を採録。書名は、彼が皇太后宮大夫だった皇太后宮を長秋宮と ...
2. 長秋詠藻
日本大百科全書
藤原俊成(しゅんぜい)の家集。1178年(治承2)、出家直後の65歳のときに自撰(じせん)され、仁和寺(にんなじ)守覚法親王に進献された。479首を収載。上巻が ...
3. 長秋詠藻
世界大百科事典
藤原俊成の家集。1178年(治承2)3月に自撰し,仁和寺守覚法親王に奉った。3巻。諸本は,自撰の原形をとどめる第1類から,定家や後人による増補を含む他の3類まで ...
4. ちょうしゅうえいそう【長秋詠藻】
デジタル大辞泉
平安末期の私家集。3巻。藤原俊成作。治承2年(1178)成立、のち増補。六家集の一。 ...
5. ちょうしゅうえいそう[チャウシウエイサウ]【長秋詠藻】
日本国語大辞典
され、歌数は約四八〇首。書名は俊成が皇后宮大夫であったことによる。また、「俊成家集」を「異本長秋詠藻」「長秋草」と呼ぶことがある。六家集の一つ。チョーシューエ ...
6. ちょうしゅうえいそう【長秋詠藻】
国史大辞典
歌人藤原俊成の家集。上・中・下三巻。書名の「長秋」は、俊成が皇太后宮大夫であったことから、皇后宮の唐名「長秋宮」にちなんだもの。伝本は四類に分けられる。第一類 ...
7. あしがらとうげ【足柄峠】静岡県:駿東郡/小山町/竹之下村
日本歴史地名大系
平安時代以降、足柄山・関・峠は歌枕として多くの歌に詠まれ、俊子内親王の女房河内(堀河百首)・藤原俊成(長秋詠藻)・藤原為家(為家集)・笠間時朝(夫木抄)・六条有 ...
8. 排蘆小船(近世随想集) 269ページ
日本古典文学全集
源俊頼に私淑し、さらに藤原基俊に入門、のちに崇徳院歌壇の指導的立場に立ち、『千載和歌集』を撰進した。家集『長秋詠藻』。藤原定家。平安末期、鎌倉期歌人。法名は明静 ...
9. 排蘆小船(近世随想集) 393ページ
日本古典文学全集
八代集には十三首ほどの用例がある。→三五八ページ注七。紀貫之、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑。宣長の頭書「長秋詠藻云、前左衛門佐基俊といひし人に、古今の本をかりて ...
10. あまの 逆手(さかて)
日本国語大辞典
隠りき」*伊勢物語〔10C前〕九六「かのをとこは、あまのさかてをうちてなむのろひ居るなる」*長秋詠藻〔1178〕上「いかにせむあまのさかてを打返しうらみても猶あ ...
11. あわ・せる[あはせる]【合・会・逢・遭】
日本国語大辞典
auasuru (アワスル)〈訳〉にわとりをたたかわせる」(5)鷹狩りで、鳥をねらって鷹を放つ。*長秋詠藻〔1178〕上「狩り暮らしあはする鷹のみねこえに行末し ...
12. いし【石】
日本国語大辞典
六「指輪もよそいきの石の入ったのを一つ」(ロ)時計の歯車の軸に用いる宝石。(ハ)火打ち石。*長秋詠藻〔1178〕上「いしをうつ光のうちによそふなるこの身の程をな ...
13. いそ‐がく・る【磯隠】
日本国語大辞典
忍ぶ意の比喩として用いる。平安末期以降、「いそがくれ真梶しげぬき漕ぐ舟の早くうき世を離れにしかな」〔長秋詠藻‐上〕のように、万葉語としての効果を意識的に狙った例 ...
14. いそぎ‐た・つ【急立】
日本国語大辞典
藤裏葉「人の装束(さうぞく)なにかのことも、やむごとなき御有様におとるまじく、いそぎたつ」*長秋詠藻〔1178〕中「きみが代は吉身(よしみ)の村の民(たみ)もみ ...
15. い‐だいじひりき【以大慈悲力】
仏教語大辞典
唯願はくは法を演説し 大慈悲の力を以て 苦悩の衆生を度したまへ」と願い出た、その四句の一句。 長秋詠藻 下 「化城喩品。以大慈悲力 度苦悩衆生。世中のくるしき道 ...
16. いっぽんきょう‐くよう[イッポンキャウクヤウ]【一品経供養】
日本国語大辞典
〔名〕法華経二八品の一品ずつを各人が分担して書写供養すること。他の経にもいう。*長秋詠藻〔1178〕下「人のもとに一品経供養しける時、序品のこころを」*山家集〔 ...
17. いっぽんぎょう‐くよう【一品経供養】
仏教語大辞典
出来上がった一品経を供養する法会。 長秋詠藻 下 「人のもとに一品経供養しける時、序品の心を。のこりなくてらす光に尋ぬればむかしのこともくもらざりけり」 ...
18. いなぶね‐の【稲舟─】
日本国語大辞典
7頃か〕雑下・五七五「如何せむわが身くだれるいな舟のしばしばかりの命たえずは〈藤原兼家〉」*長秋詠藻〔1178〕上「最上川瀬々にせかるるいなふねの暫(しば)しぞ ...
19. いのち 知(し)らず
日本国語大辞典
伊能知母之良受(イノチモシラズ) 海原の かしこき道を 島づたひ い漕ぎ渡りて〈大伴家持〉」*長秋詠藻〔1178〕上「こひわぶるいのちぞしらぬ命あらばとふことの ...
20. いわかき‐ぬま[いはかき‥]【岩垣沼】
日本国語大辞典
無み〈作者未詳〉」*散木奇歌集〔1128頃〕祝「亀山のいはかき沼にゐるたづは久しきみよのしるしなりけり」*長秋詠藻〔1178〕上「おく山のいはかきぬまのうきぬな ...
21. いわかげ【石陰】京都市:北区/大北山村地図
日本歴史地名大系
石陰氷室ということで次の歌がある。身を知れば哀とぞ思う照日疎き岩陰山に咲ける卯花 藤原俊成(長秋詠藻)氷室山いかにちぎりて岩陰や夏の氷の淵となりけん 藤原家隆( ...
22. うきき=に 会(あ)える[=の]亀(かめ)
日本国語大辞典
*主殿集〔11C末〜12C前か〕「うかぶてふうき木のかめにあひぬればごふのつみこそ心やすけれ」*長秋詠藻〔1178〕下「われやこれうきぎにあへるかめならん甲はふ ...
23. うす‐みどり【薄緑】
日本国語大辞典
〔名〕(1)青と緑との中間色の薄い色。*長秋詠藻〔1178〕中「春霞立ちにけらしな小塩山小松が原のうすみどりなる」*玉葉和歌集〔1312〕夏・三〇一「うす緑まじ ...
24. うつぎ‐がきね【空木垣根】
日本国語大辞典
かきねといふものの、いとあらあらしくおどろおどろしげに、さし出でたる枝どもなどおほかるに」*長秋詠藻〔1178〕上「夏くれば衣がへして山がつのうつぎかき根もしら ...
25. うるお・す[うるほす]【潤】
日本国語大辞典
元年点〔1163〕三「群象〈略〉池の水を吸ひ、樹根を浸(ウルホシ)漬し互に共にはらひ掘る」*長秋詠藻〔1178〕下「昨日しもうるほす雨の気色にて時にあふひをちか ...
26. 詠歌大概(歌論集) 478ページ
日本古典文学全集
四月正子内親王家絵合、今鏡・藤波の下、古来風躰抄、詠歌一体。久安六年(一一五〇)崇徳院百首、長秋詠藻・上。 ...
27. 詠歌大概(歌論集) 479ページ
日本古典文学全集
東関紀行、西行物語。久安六年崇徳院百首、清輔集。「日も夕」と「紐結ふ」の掛詞。久安六年崇徳院百首、長秋詠藻・上。久安百首部類本に「六月祓」の歌。ここまで夏の歌。 ...
28. 詠歌大概(歌論集) 487ページ
日本古典文学全集
のの篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき〔後撰 巻九 五七七 源等〕 治承二年(一一七八)兼実家百首、長秋詠藻・下。近代秀歌自筆本および原形本にも。本歌「難 ...
29. 詠歌大概(歌論集) 488ページ
日本古典文学全集
また人をうるよしもなし〔拾遺 巻十二 七〇〇 柿本人麿〕 治承二年(一一七八)兼実家百首、長秋詠藻・下。近代秀歌自筆本および原形本にも。底本に欠脱、冷泉為秀筆 ...
30. 詠歌大概(歌論集) 489ページ
日本古典文学全集
散木奇歌集・八、無名抄。近代秀歌自筆本および原形本にも。三句まで有心の序。建春門院北面歌合、長秋詠藻・中、月詣集・六、詠歌一体。近代秀歌自筆本および原形本、僻案 ...
31. 詠草
日本大百科全書
横詠草とは折紙(おりがみ)詠草のことで、添削を請う場合などに用いる。また、個人の歌の集成を『長秋詠藻』(藤原俊成(しゅんぜい))などと自称し、『菅家詠草』(菅原 ...
32. おう‐ごん[ワウ‥]【黄金】
日本国語大辞典
一九年〔747〕「高麗大興王方睦大倭、尊重三宝、遙以随喜、黄金三百廿両助成大幅、同心結縁」*長秋詠藻〔1178〕下「黄金瑠璃の庭に出て人々共に花を採る」*コンテ ...
33. おおみわじんじゃ【大神神社】栃木県:栃木市/惣社村
日本歴史地名大系
いかでかはおもひありともしらすべきむろのやしまの煙ならでは 藤原実方(詞花集)また藤原俊成の「長秋詠藻」に「いかにせんむろのやしまにやどもがなこひの煙を空にまが ...
34. おぎ‐わら[をぎはら]【荻原】
日本国語大辞典
物語〔1069〜77頃か〕三「身にしみて、秋は知りにき、おぎはらや末越す風の音ならねども」*長秋詠藻〔1178〕上「おぎはらやしげみにまじるかるかやの下葉が下に ...
35. おし‐ひたすら【押只管】
日本国語大辞典
」*散木奇歌集〔1128頃〕夏「五月雨はふるからをのの忘れ水をしひたすらのぬまえとぞみる」*長秋詠藻〔1178〕中「つらさにも落ちし涙の今はただをしひたすらに恋 ...
36. おのやま【小野山】京都市:左京区/大原
日本歴史地名大系
山の冬の寂しさ 源 経信(金葉集)小野山や焼く炭竈にこり埋むつま木と共に積る年哉 藤原俊成(長秋詠藻)をの山やまた冬籠る雪とみて卯の花わくる谷の細道 藤原定家( ...
37. おみらいせ‐げんとくじょうぶつ【於未来世咸得成仏】
仏教語大辞典
得ん我れ及び汝等の宿世の因縁を吾れ今、当に説くべし汝等よ善く聴け」と結んだなかの二句一行。 長秋詠藻 下 「授記品、於未来世、咸得成仏。いかばかりうれしかりけむ ...
38. おもい‐い・る[おもひ‥]【思入】
日本国語大辞典
降りしく頃は、いづくも、かくこそはある風の音なれど、いま初めて思いりたらむ山住みの心地し給ふ」*長秋詠藻〔1178〕上「世中よ道こそなけれ思ひいる山の奥にも鹿ぞ ...
39. おもい‐つら・ぬ[おもひ‥]【思連】
日本国語大辞典
〜914〕秋上・二一三「憂き事を思つらねて雁がねの鳴きこそ渡れ秋の夜な夜な〈凡河内躬恒〉」*長秋詠藻〔1178〕上「世中を思つらねてながむればむなしき空にきゆる ...
40. おり‐がみ[をり‥]【折紙】
日本国語大辞典
〔名〕(古くは「おりかみ」)(1)二つに折った紙。たとう紙。*為秀本長秋詠藻〔1178〕下「折紙に御宸筆なりけるものを伝へ贈られしなり」*玉葉和歌集〔1312〕 ...
41. かえる 雁(かり)
日本国語大辞典
六〇「かへるかりをききて、帰雁雲地にまどふ声すなり霞吹きとけこのめはる風〈よみ人しらず〉」*長秋詠藻〔1178〕上「あはれにも思ひたつ哉かへるかりさすがにみゆる ...
42. かき‐た・める【書溜】
日本国語大辞典
かきた・む〔他マ下二〕書いて、手元などに集めて置く。*長秋詠藻〔1178〕下「かきたむるいにしへ今のことの葉を残さずきみに伝へつる哉」*人間嫌ひ〔1949 ...
43. かき‐つ・む【書集】
日本国語大辞典
」*栄花物語〔1028〜92頃〕衣の珠「年頃かきつめさせ給ひける絵物語など、皆焼けにし後」*長秋詠藻〔1178〕中「思ひきや榻(しじ)の端書かきつめて百夜もおな ...
44. かたらい‐あか・す[かたらひ‥]【語明】
日本国語大辞典
明かし給ふ」*有明の別〔12C後〕一「やがてうちふして、かたらひあかし給にあやなくをしきはるの夜なり」*長秋詠藻〔1178〕中「あはれにもともに伏見の里にきてか ...
45. か‐ねん【遐年】
日本国語大辞典
万戸
」*
長秋詠藻〔1178〕上「鳥羽院田中どのにおはしまししころ八条院姫宮と申しし時、かの御方にて竹遐年友といふ題
...46. かり‐ほ【刈穂】
日本国語大辞典
〔名〕刈り取った稲の穂。*江帥集〔1111頃〕「足引のいたくら山の峰までに積めるかりほを見るがうれしさ」*長秋詠藻〔1178〕中「かずしらず秋のかりほをつみてこ ...
47. 閑吟集 464ページ
日本古典文学全集
山雀とても わごれうの胡桃でもなし小身は破れ笠よなう 着もせで 掛けて置かるる 馴れゆくものを」(長秋詠藻・恋)、「高麗・唐・秋津州の中にも、東の奥の御牧は、 ...
48. がく‐は【楽破】
日本国語大辞典
〔名〕音楽を破(は)の調子で奏すること。*長秋詠藻〔1178〕中「辰日参入音声 鏡山 〈略〉同日楽破 余吾海〈略〉同日楽急 真木村」 ...
49. がっ‐きゅう[ガクキフ]【楽急】
日本国語大辞典
〔名〕音楽を「急」の調子で奏すること。*長秋詠藻〔1178〕中「辰日参入音声 鏡山〈略〉同日楽破 余吾海〈略〉同日楽急 真木村」 ...
50. が‐ふあいしんみょう【我不愛身命】
仏教語大辞典
自分に与えられた使命(目的)のためには身や命もおしいとは思わない、の意。『法華経』「勧持品」の偈の一句。 長秋詠藻・下 「勧持品。我不愛身命、但惜無上道。数なら ...