1. かいだうき【海道記】
全文全訳古語辞典
[書名]鎌倉前期の紀行文。一二二三年(貞応二)成立か。一冊。作者不詳。年老いて出家した作者が、京都から鎌倉へ旅した理由、東海道の名所や景色、旅行中深めた信仰心な ...
2. 海道記
日本大百科全書
鎌倉初期の紀行文学。1巻。作者は京都白川(しらかわ)のあたりに住む50歳過ぎの佗(わ)び人(びと)というだけで詳しいことはわからない。1223年(貞応2)4月上 ...
3. 海道記
世界大百科事典
鎌倉初期の紀行。1巻。著者は未詳。洛外白川あたりに住む50歳を過ぎた出家者が,貞応2年(1223)4月4日に都を出発し東海道を経て同月17日に鎌倉に着き,10日 ...
4. かいどうき[カイダウキ]【海道記】
日本国語大辞典
鎌倉中期の紀行文。一冊。作者未詳。古来鴨長明、源光行、同親行らの作者説があるが不明。貞応二年(一二二三)五月以後の成立なので鴨長明作者説は誤りである。仏門に帰依 ...
5. かいどうき【海道記】
国史大辞典
[参考文献]『群書解題』一一、加藤惣一「海道記の本文を混乱せしめたる附註」(『文学』一ノ三)、鴇田忠雄「海道記・東関紀行宿泊地考」(『国語と国文学』八ノ一二)、 ...
6. 海道記(中世日記紀行集)
日本古典文学全集
京都・鎌倉間の旅を中心に描く、鎌倉時代に成立した紀行『海道記』、『東関紀行』、『信生法師日記』、『春の深山路』、『十六夜日記』、宮中の行事を記した『弁内侍日記』 ...
7. 海道記[文献解題]滋賀県
日本歴史地名大系
一冊 成立 貞応二年頃か 写本 宮内庁書陵部など 解説 作者は未詳。貞応二年四月京を出て鈴鹿山を越えて鎌倉に赴く紀行。この間に勢多橋・三上嶽・横田山・大岳 ...
8. あい‐かた・る[あひ‥]【相語】
日本国語大辞典
〔他ラ五(四)〕「あいかたらう(相語)」に同じ。*海道記〔1223頃〕鎌倉遊覧「互に心懐を演て暫く相語る」*家〔1910〜11〕〈島崎藤村〉上・五「胸襟を披(ひ ...
9. あい‐かな・う[あひかなふ]【相叶・相適】
日本国語大辞典
祇薗精舎をつくりて仏にたてまつらむとして、堂立べき所をもとむるに、其地相ひかなへる所なし」*海道記〔1223頃〕萱津より矢矧「路次の便詣なりと云ふ事なかれ。此機 ...
10. あいざわはら【藍沢原】静岡県:駿東郡
日本歴史地名大系
ている(吾妻鏡)。「承久記」には「あふ沢にて被切給ぬ」とみえる。貞応二年(一二二三)四月、「海道記」の作者は当地を通り、「十五日、木瀬川を立つ、遇沢といふ野原を ...
11. あい‐たず・ぬ[あひたづぬ]【相尋】
日本国語大辞典
「たずぬ」の改まった言い方)ありかや様子のわからないものを捜す。様子を探る。調べる。詮索(せんさく)する。*海道記〔1223頃〕逆川より鎌倉「此次(ついで)に相 ...
12. あい‐な・る[あひ‥]【相成】
日本国語大辞典
〔自ラ五(四)〕(「あい」は接頭語)「なる」の改まった言い方。*海道記〔1223頃〕市腋より萱津「実に父兄の教へつつしまざれども至孝の志、自らあひなる者か」*徳 ...
13. あえ‐な・い[あへ‥]【敢無】
日本国語大辞典
壺「夜中うち過ぐる程になむ絶え果て給ひぬるとて泣き騒げば、御使もいとあえなくて帰り参りぬ」*海道記〔1223頃〕西帰「永しと思ひつる夏の日も今日はあへなく暮れぬ ...
14. あお‐だけ[あを‥]【青竹】
日本国語大辞典
世為
怪」*
海道記〔1223頃〕蒲原より木瀬川「是よりして青竹のよの中に黄金出来して」*太平記〔14C後〕一一・筑紫合戦事「遠侍
...15. あおはか[あをはか]【青墓】
日本国語大辞典
た。また源頼朝が平宗清に捕えられた地でもある。遊塚古墳、小糠山古墳等がある。大墓。青波賀。*海道記〔1223頃〕竹の下より逆川「青墓の宿の君女」 ...
16. あかさかじゅく【赤坂宿】愛知県:宝飯郡/音羽町
日本歴史地名大系
所をいでて、みやぢ山こえ過ぐるほどに、赤坂という宿あり」として、赤坂の宿の名がみえる。また「海道記」には貞応二年(一二二三)八月九日のこととして「矢矯ヲ立テ赤坂 ...
17. あかんいおうこうざん【阿寒硫黄鉱山】北海道:十勝支庁/足寄町
日本歴史地名大系
直轄していた幕府の役人が硫黄の調査をし(鉱山略記)、明治七年(一八七四)ライマンは「ケプロン報文」(来曼北海道記事)に「久寿里上流廿五里ノ所ニミアカン山マツ子ノ ...
18. あく‐しょう[‥シャウ]【悪障】
日本国語大辞典
仏道を修行する者や、精神の安定を得ようとしたり、心の迷いをぬぐい去ろうとする者を邪魔するもの。*海道記〔1223頃〕手越より蒲原「雲船の石神は山の腰に護りて悪障 ...
19. あく‐しょう【悪障】
仏教語大辞典
さまたげになるもの。仏道の修行や、精神の安定などを邪魔するもの。 海道記 手越より蒲原 「雲船の石神は山の腰に護りて悪障を防ぎ」 ...
20. あく‐と【悪徒】
日本国語大辞典
得
実甚少」*
海道記〔1223頃〕東国は仏法の初道「十方土の浄刹に捨てられたる此界の悪徒は、大雄超世の翅にかかりて
...21. あし【足・脚】
日本国語大辞典
*枕草子〔10C終〕一九八・八九月ばかりに雨にまじりて「雨のあし横さまにさわがしう吹きたるに」*海道記〔1223頃〕豊河より橋本「松を払ふ風の足は、頭を越えてと ...
22. あしがらやま【足柄山】神奈川県:南足柄市地図
日本歴史地名大系
いとおそろしげなり」と記し、また貞応二年(一二二三)「足柄山に手をたてて登」って鎌倉に下った「海道記」の著者も、「時に万仞、峯高し、木の根にかかりて腰をかがめ、 ...
23. あしがらやま【足柄山】静岡県:駿東郡/小山町
日本歴史地名大系
こともあり、足柄山や足柄峠越は「吾妻鏡」をはじめ多くの記録に登場する。貞応二年(一二二三)「海道記」の作者は山中の風景を「足柄山に手をたてて登れは、君子、松いつ ...
24. あし‐なえ・ぐ[‥なへぐ]【蹇・跛】
日本国語大辞典
901頃〕「
足奈戸久馬」*
海道記〔1223頃〕大岳より鈴鹿山「羊腸坂きびしくして駑馬石に足なへく」*読本・雨月物語〔1776〕
...25. あし に 任(まか)せる
日本国語大辞典
一二・六代「北条、馬にのれといへども乗らず〈略〉血の涙を流しつつ、足にまかせてぞ下りける」*海道記〔1223頃〕菊川より手越「足に任する者は、苔の岩根、 ...
26. あじ‐もん【阿字門】
日本国語大辞典
阿字門
」*
海道記〔1223頃〕萱津より矢矧「暫く鳥居に向ひて阿字門を観すれば、権現の砌(みぎり)、潜に寂光の都
...27. あずまかがみ【吾妻鏡】
国史大辞典
延暦寺の記録である『天台座主記』や、『平家物語』『源平盛衰記』『金槐和歌集』『六代勝事記』『海道記』などの文学作品がある。また伝来の古文書を幕府に提供したであろ ...
28. あたた・める【暖・温】
日本国語大辞典
〕「煖 阿太々牟」*平家物語〔13C前〕六・紅葉「酒あたためてたべける薪にこそしてんげれ」*海道記〔1223頃〕序「薄紙百綴の衿、寒に服たれば肌を温るにたれり」 ...
29. あた・る【当・中】
日本国語大辞典
平安後期点〔1050頃〕二四「金剛の擬(アタル)所の処は、砕け壊れずといふこと无けれども」*海道記〔1223頃〕逆川より鎌倉「岩にあたりてさきあかる浪」(2)軽 ...
30. あつけしみなと【アッケシ湊】北海道:釧路支庁/厚岸町
日本歴史地名大系
風波ノ難ヲ防グニ宜シ。且海底泥或ハ粘土ニシテ、碇ヲ保ツニ宜シト云フ」と記している(「ケプロン報文」来曼北海道記事)。明治三〇年に入港・出港した船舶は西洋形汽船一 ...
31. あつけしむら【厚岸村】北海道:釧路支庁/厚岸町
日本歴史地名大系
三ノ商店モアリ、且新規建築ノ家六軒モアリテ、此地繁栄ノ前兆ヲ顕ハセリ」としている(「ケプロン報文」来曼北海道記事)。同一七年一月廃止され、湾月町・松葉町・梅香町 ...
32. あばしりむら【網走村】北海道:網走支庁/網走市
日本歴史地名大系
土人小屋二軒ト、倉庫六個アリ。又至極清潔ナル新シキ旅館一軒アリ」と記している(「ケプロン報文」来曼北海道記事)。同一三年の戸数二七・人口七三、寄留は戸数一・人数 ...
33. あべしないがわ【安平志内川】北海道:上川支庁/中川町
日本歴史地名大系
ゼバ三日以テウエンベツニ出ヅベシ」とある(明治五年一〇月一三日条)。「ケプロン報文」(来曼北海道記事)に「アムベシナイノ川口ヨリ上ヘハ、至ラザリシト。然レトモ、 ...
34. あみ【網・編】
日本国語大辞典
殿の上にも同く鉄(くろがね)の網をぞ張たりける」(2)仏が衆生を救済する慈悲をたとえていう語。*海道記〔1223頃〕東国は仏法の初道「三十三身の尊、大悲弘誓の網 ...
35. あらわ・れる[あらはれる]【現・著・顕】
日本国語大辞典
り」*源氏物語〔1001〜14頃〕帚木「人目繁からむ所に、びんなきふるまひやあらはれんと」*海道記〔1223頃〕極楽西方に非ず「罪雪消なば善金は露(あらはれ)ぬ ...
36. あわたぐち【粟田口】
国史大辞典
建武三年(一三三六)北畠顕家が大兵二万をもって粟田口に陣したこと(『太平記』)などがあり、そのほか『海道記』や『宗長手記』などにも粟田口の地名がみられる。元弘三 ...
37. あわたぐち【粟田口】京都市:東山区/粟田口村地図
日本歴史地名大系
はじめ、「古今著聞集」(巻二〇)に「大津馬の雨のふりたる日粟田口の大道を通りけるに」、「源光行海道記」に「いつまた粟田口の堀路を南にかいたをりて逢坂山にかゝれは ...
38. あん‐う【暗雨】
日本国語大辞典
曙、孤燈背
壁暁猶残」*
海道記〔1223頃〕序「既にして斜陽景晩れて、暗雨しきりに笠にかかる」*艸山集〔1674〕一九・旅懐
...39. あんご‐いちげ【安居一夏】
日本国語大辞典
〔名〕「あんご(安居)(1)」に同じ。*海道記〔1223頃〕手越より蒲原「安居一夏の行は、採花汲水の勤、験を争ふ」アン ...
40. いいじま【飯島】神奈川県:鎌倉市/乱橋材木座村地図
日本歴史地名大系
でいる。和賀江の地先の海には、貞永元年(一二三二)七月、港湾施設としての和賀江嶋が築かれ、「海道記」に「おろおろ歴覧すれば、東南角の一道は舟楫の津、商売のあきび ...
41. い・う[いふ]【言・謂】
日本国語大辞典
」*伊勢物語〔10C前〕八四「老ぬればさらぬ別れのありといへばいよいよ見まくほしき君かな」*海道記〔1223頃〕手越より蒲原「昔関守の布をとりをきたるが積て石に ...
42. いえ を 出(い)ず
日本国語大辞典
のがれ、山林流浪の行者共なりぬべうこそ候へ」(3)(「家」は迷いの世界の意)この世を去る。死ぬ。*海道記〔1223頃〕逆川より鎌倉「旅の路に手を啓(ひら)きし時 ...
43. いおうざん【硫黄山】北海道:網走支庁/斜里町
日本歴史地名大系
その後、明治七年九月にライマンが測量を行い、硫黄鉱山として有望なことを報告(「ケプロン報文」来曼北海道記事、「北海道地質総論」)、本格的な採掘事業は皆月善六が明 ...
44. い‐きょう[‥キャウ]【夷郷】
日本国語大辞典
〔名〕辺境の土地。*海道記〔1223頃〕花京の老母「夷郷にうかれたる愚子は、万里をへだてて母を思ひおく」 ...
45. いくしゆんべつがわ【幾春別川】北海道:空知支庁
日本歴史地名大系
産出し、中流域は炭鉱地帯で北海道最古の幌内炭鉱(現三笠市)などがあった。「ケプロン報文」(来曼北海道記事)によれば、明治七年(一八七四)六月に幌内煤田の探査・測 ...
46. いけしたむら【池下村】静岡県:掛川市
日本歴史地名大系
鞍橋池(現在の鞍骨池)の下にあたるのでその名がある(掛川誌稿)。「遠淡海地志」はクラボ子が池と記す。「海道記」貞応二年(一二二三)四月一二日条に「山口といふ今宿 ...
47. いけだしゅく【池田宿】静岡県:磐田郡/豊田町
日本歴史地名大系
鎌倉へ帰る途中の源頼朝(吾妻鏡)、貞応二年(一二二三)四月一二日には京より鎌倉へ下る途中の「海道記」の作者が当宿を通過している。元仁二年(一二二五)京都から関東 ...
48. い‐けん[ヰ‥]【威権】
日本国語大辞典
無礼
、季光相咎云々」*
海道記〔1223頃〕鎌倉遊覧「土風塵を払ふ、威権遠く誠にして四方悉く聞に恐る」*文明本節用集〔室町中〕「威権
...49. いこ・う[いこふ]【憩・息】
日本国語大辞典
〔1120頃か〕二八・三八「国の政(まつりごと)をも息(い)こへ、物をも吉く納めさせ給て」*海道記〔1223頃〕序「木々の下には下ごとに翠帳を垂て行客の苦をいこ ...
50. い‐こく【夷国】
日本国語大辞典
〔名〕えびすの国。未開国。*海道記〔1223頃〕池田より菊川「闘乱の乱将は花域(くゎゐき)より飛て、合戦の戦士は夷国より戦ふ」 ...