1. かぶき者
世界大百科事典
た。初期のかぶき者には,没落した在地小領主や,名主(みようしゆ)の家父長制的経営から解放された小農民を主体とする中間(ちゆうげん),小者(こもの)などの武家奉公 ...
2. かぶきもの【かぶき者】
国史大辞典
幕府の厳しい弾圧にさらされた。もっとも、かぶき者の非行の直接の被害者は主として庶民であったが、その一般民衆がひそかに彼らかぶき者の行動に共感を示していたことは、 ...
3. かぶきもの【かぶき者】
歌舞伎事典
った。かぶき者の最初の典型として名古屋山三郎が連想されるが、それ以前に、より本質的なかぶき者として、倒錯的価値顛倒・異端をもって、人間性の解放をした豊臣秀吉があ ...
4. 新井白石
世界大百科事典
えたが,関ヶ原の戦の後,主家とともに所領を失う。父正済(まさなり)は江戸へ出奔し,当時流行のかぶき者のような生活を送った。やがて上総国久留里土屋利直に仕え,信任 ...
5. あらいはくせき【新井白石】
国史大辞典
養われたが、十三歳の時はじめて養子の事実を知りこれを恥じて江戸に出奔した。その後、当時流行のかぶき者のような生活を送り、東奔西走、居所定まらなかったが、三十一歳 ...
6. いしょう【衣裳】
歌舞伎事典
能などの他芸能の衣裳様式を採り入れたものに大別できる。 出雲のお国以来、伊達を誇り、風流を凝らす〈かぶき者〉の血脈が衣裳にも表れ、これがまた一種の様式美の伝統を ...
7. 出雲のお国
世界大百科事典
また,歌舞伎成立当時の舞台の様子を伝えるといわれる《かぶきのさうし》(《歌舞伎草子》)では,当代のかぶき者(伊達男)名古屋山三郎が生前お国の歌舞伎踊を好んでいた ...
8. いずものおくに【出雲のお国】
日本架空伝承人名事典
歌舞伎成立当時の舞台の様子を伝えるといわれる『かぶきのさうし』(『歌舞伎草子』)では、当代のかぶき者(伊達男)名古屋山三郎が生前お国の歌舞伎踊を好んでいたが、お ...
9. 卯月紅葉(近松門左衛門集) 85ページ
日本古典文学全集
継ぎ」(堀川波鼓)。賢いこと。歌舞伎芝居で、女役専門の俳優。「近年は人の嫁子もおとなしからずして、遊女かぶき者のなりさまを移し」(好色一代女)、「今は町の女皆芝 ...
10. 江戸時代
世界大百科事典
女,乞胸(ごうむね),香具師(やし),願人坊など宗教色の濃い雑芸能者の供給基盤であり,また〈かぶき者〉として徒党を組んで都市を横行した。こうした風潮そのものは戦 ...
11. 江戸繁昌記 1 44ページ
東洋文庫
とされている。しかし、これは、まっすぐに、かぶき芝居へと結びつかない。織豊時代の流行であったかぶき者の、遊廓通いを舞台にのせた初期の演劇との関係から、この称が発 ...
12. 榎本弥左衛門覚書 近世初期商人の記録 356ページ
東洋文庫
上で鎗の抜身を持って盗人を追い一人役を務めた。彼のぎかぬ気はこの頃から発揮される。ちょうど「かぶき者」「男伊達」流行の時代で、川越で町一番の男伊達石川太郎右衛門 ...
13. おおとり-いっぺい【大鳥逸平】
日本人名大辞典
1588?−1612 江戸時代前期のかぶき者の首領。天正(てんしょう)16年生まれ。幕府の代官頭大久保長安につかえる。のち江戸に出,浪人して異装異風で徒党をくみ ...
14. お国歌舞伎
世界大百科事典
出雲のお国の創始した芸能。1603年(慶長8),京都において出雲のお国と称する女性芸能者が,当時横行していたかぶき者と呼ばれる意気がった若者たちの,茶屋女に通う ...
15. おくにかぶき【お国歌舞伎】
歌舞伎事典
のち、かぶき者として名を売り、喧嘩で斬り死にした名古屋山三郎の亡霊を登場させるなどの演出も工夫したものと思われる。慶長一七、八(1612、3)年ごろまで行われて ...
16. おとこだて【男達】
国史大辞典
から貞享ごろの江戸中期初葉を界にしている。前半期の男伊達は江戸を舞台に横行し、旗本奴・町奴(かぶき者・きおい組・六法組・かくじん・とおり者・奴・たて衆などと呼ば ...
17. 加々爪直澄
世界大百科事典
しからずとしてお預りの身となった。直澄は当時江戸をはじめ全国の都市を横行した反秩序分子であるかぶき者の風に感化されていたとみられる。北島 正元 ...
18. かなざわじょうか【金沢城下】石川県:金沢市
日本歴史地名大系
どの異様な風俗、また、辻相撲・辻立・辻謡・落し文など、ときには辻斬に及ぶ異様な行動、いわゆるかぶき者への傾向が強かった(石川県史)。これに対し、藩は慶長一五年金 ...
19. かぶき
世界大百科事典
いわゆる歌舞伎(かぶき)は,この心情の舞台芸術における表現として生まれたものだし,また,いわゆるかぶき者は,歌舞音曲のにない手たちをさすとともに,無頼・放逸・遊 ...
20. 歌舞伎(演劇)
日本大百科全書
た、念仏踊(ねんぶつおどり)とよばれる歌舞だとされ、これがまもなく当時巷(ちまた)にみられたかぶき者やキリシタンの風俗を取り入れた結果、「かぶきおどり」とか「阿 ...
21. 歌舞伎
世界大百科事典
の一座は,当時ちまたを横行していたかぶき者の風俗を舞台に採り上げた〈歌舞伎踊〉を踊って,当時の貴賤大衆から熱狂的な支持を受けた。お国は男装して伊達なかぶき者に扮 ...
22. かぶき【歌舞伎・歌舞妓】
日本国語大辞典
さそふ桃や哥舞妓の脇躍〈其角〉」慶長期の異風な服装をした無頼の「かぶき者」の風俗・精神を取り入れたのが、阿国の創始した「かぶき踊り」であった。これが省略されて「 ...
23. かぶき【歌舞伎】
国史大辞典
詞形である。当時、常態から傾(かぶ)いた異装の驕奢な姿で好色的遊侠的行動をしたアウトローを「かぶき者」と呼んでいたが、阿国の始めた「かぶき」も同様に煽情的な芸で ...
24. かぶきふうぞく【歌舞伎風俗】
歌舞伎事典
戸の賑ひ》にも、芝居の僭上・奢侈の気風が女性の風儀にも移ってゆく様子を述べている。お国以来、かぶき者の異装・華美への傾斜は、たとえば「役者の出世は物入に構わず衣 ...
25. かぶき‐もの【歌舞伎者】
日本国語大辞典
父母、けんどん邪心の胴慾人か、又はかぶき者(モノ)にていんよくにふける人か」*浮世草子・武家義理物語〔1688〕四・四「此程の遊女はむかしのごとく、かぶき者には ...
26. 侠客
日本大百科全書
尋ねると室町時代にさかのぼり、上方(かみがた)地方に異装をした遊侠無頼の徒が出現していた。「かぶき者」といわれ、人目に触れる風俗、行為を好み、常軌を外れた行動と ...
27. きょうかく【
客】
国史大辞典
である。ゆえに法治国にかれらの存在は許されるべきものではなかった。 →男達(おとこだて),→かぶき者,→博徒(ばくと),→旗本奴(はたもとやっこ),→町奴(まち ...
28. 俠客
世界大百科事典
る人,おとこ気のある人を意味する。近世に京都,大坂,ついで江戸など都市が繁栄すると,そこに〈かぶき者〉や奴(やつこ)(旗本奴,町奴)などといわれる無頼の徒が横行 ...
29. きんせい【近世】
国史大辞典
積極的に斡旋するなど努力をしたので、牢人問題は次第に鎮静していった。 つぎは旗本奴・町奴など、いわゆる「かぶき者」の問題である。家康の天下制覇後にあっても、そ ...
30. くげしゅうはっと【公家衆法度】
国史大辞典
抱えたりする者は流罪。これらの処罰は武家が執行する、という内容である。当時、公家の社会も、「かぶき者」の横行するような時世の影響を免れず、その風儀はかなり乱れて ...
31. 元禄時代
世界大百科事典
大名,旗本,代官を通じて改易に処せられた者は,この時期に多い。様斬(ためしぎり)や私闘もなお頻繁に行われ,かぶき者と呼ばれたアウトローの暴れ者がしばしば処刑され ...
32. 好色一代男(井原西鶴集) 154ページ
日本古典文学全集
ず、さりとては大きに違ひのあるものなり。されば田舎の人、適々の遊興は是非なし。定宿をきはめ、大臣といはるる程の人、いかなる者か寝息とめしその跡を肌馴るる事、すこ ...
33. 好色一代女(井原西鶴集) 405ページ
日本古典文学全集
すぐれて踊る事を得たれば、人皆ほめそやすにしたがひ、つのりておもしろさ、後無用との異見を聞かず、この道のかぶき者となり、たま〳〵はさし出たる座敷に面影を見せける ...
34. 好色一代女(井原西鶴集) 479ページ
日本古典文学全集
むかしは律義千万なるを人の女房かた気と申し侍りき。近年は人の嫁子もおとなしからずして、遊女、かぶき者のなりさまを移し、男のすなる袖口ひろく、据腰・蹴出しの道中、 ...
35. 撮棒
世界大百科事典
ので,中世後期,その呪力が衰えるとともに,棒を使う兵法,棒術がそこから生まれてくる。長刀や〈かぶき者〉の持つ大刀もその流れをくむものと思われる。一方,それは子ど ...
36. さし‐い・ず[‥いづ]【差出・射出】
日本国語大辞典
狸寝入をして」*浮世草子・好色一代女〔1686〕一・二「すぐれて踊る事を得たれば、〈略〉此道のかぶき者となりたまたまは、さし出たる座敷に面影を見せける」(3)生 ...
37. さしで たる 座敷(ざしき)
日本国語大辞典
晴れがましい座敷。*浮世草子・好色一代女〔1686〕一・二「此道のかぶき者となり、たまたまはさし出たる座敷に面影を見せける」 ...
38. しゃかいもんだい【社会問題】 : 近世
国史大辞典
積極的に斡旋するなど努力をしたので、牢人問題は次第に鎮静していった。 つぎは旗本奴・町奴など、いわゆる「かぶき者」の問題である。家康の天下制覇後にあっても、そ ...
39. すえごし‐けだし[すゑごし‥]【据腰蹴出】
日本国語大辞典
遊女の道中の歩き方。*浮世草子・好色一代女〔1686〕三・四「近年は人の嫁子もおとなしからずして、遊女かぶき者のなりさまを移し〈略〉居腰(スヘゴシ)蹴出しの道中 ...
40. 銭湯
世界大百科事典
って繁昌した。とくに,津の国屋の勝山という湯女が男装したことにはじまり,町奴,旗本奴などの〈かぶき者〉の間に伊達(だて)で異様な服装や動作が流行した。これがいう ...
41. たんぜん に 掛(か)かる
日本国語大辞典
風呂女とて遊女有
之〈略〉其時、風呂屋へ通ふ
かぶき者共、異名に、丹前(タンゼン)へかかる人といふ」
...42. 大名茶
世界大百科事典
大名茶といえば歴代徳川将軍の茶道指南とされる古田織部,小堀遠州,片桐石州ら大名茶人の茶風を指すが,織部にはかぶき者的な性格があって大名茶と性格を異にする。遠州, ...
43. だてまさむね【伊達政宗】
日本架空伝承人名事典
拡大、奥州の覇者となっていく。九〇年の小田原参陣の際の遅参で豊臣秀吉の怒りをかった時、政宗の「かぶき者」(伊達者)としての真価が発揮される。ようやく秀吉との謁見 ...
44. なごや‐さんざ【名古屋山三】
日本国語大辞典
になぞらえられる美男の伊達男。山三郎ともいう。伝説的な人物で、両者間の交渉は認められないが、かぶき者として、古浄瑠璃・戯曲・小説などに仕組まれることが多い。史実 ...
45. 名古屋山三郎
日本大百科全書
おそらくすべて伝説であったと考えられる。阿国が男装してかぶき者を舞台に登場させたころ、山三郎の死が伝えられて巷(ちまた)の話題になったため、舞台上のかぶき者の1 ...
46. 名古屋山三郎
世界大百科事典
によれば,山三郎は武勇にすぐれていたばかりでなく,かくれなき美男子で,遊芸にも通じた伊達男(かぶき者)であった。山三郎は若くして剃髪して宗円と称し,京都に隠栖( ...
47. なごや-さんざぶろう【名古屋山三郎】
日本人名大辞典
同僚井戸宇右衛門と私闘し,慶長8年4月10日/5月3日死去。28/32歳。美男で遊芸に通じたかぶき者であったため,歌舞伎の祖として伝説化された。後名は九右衛門。 ...
48. なごやさんざぶろう【名古屋山三郎】
日本架空伝承人名事典
によれば、山三郎は武勇にすぐれていたばかりでなく、かくれなき美男子で、遊芸にも通じた伊達男(かぶき者)であった。山三郎は若くして剃髪して宗円と称し、京都に隠栖( ...
49. なごやさんざぶろう【名古屋山三郎】
歌舞伎事典
慶長八(1603)年四月一〇日(または五月三日)に美作で没した。美貌、風流を愛する伊達男で、当時のいわゆるかぶき者の代表人物であったらしい。多くのはなやかな恋愛 ...
50. なり‐さま【形様・成様】
日本国語大辞典
よこたへて」*浮世草子・好色一代女〔1686〕三・四「近年は人の嫁子もおとなしからずして、遊女かぶき者のなりさまを移し」(2)成長していく様子。*浮世草子・好色 ...