1. 東歌
日本大百科全書
東国地方の歌の意で、『万葉集』巻14と『古今集』巻20の、「東歌」という標題のもとに収められた和歌の総称。万葉集東歌、古今集東歌と、単独ででもいう。遠藤 宏万葉 nbsp;...
2. 東歌
世界大百科事典
国をさし,そこで行われた地方歌謡をいう。東歌の名は《万葉集》巻十四にみえ,その巻全体が230首の東歌で占められている。また《古今集》巻二十も13首の東歌を収める ...
3. あずま‐うた[あづま‥]【東歌】
日本国語大辞典
られている。もともとは東国地方の民謡。*万葉集〔8C後〕一四「東歌」(2)東遊の歌。*謡曲・羽衣〔1540頃〕「聞くも妙なり東歌、声添へて数々の、簫笛箜篌、孤雲 ...
4. あずまうた【東歌】
国史大辞典
田辺幸雄『万葉集東歌』、柴生田稔「東歌及防人の歌」(『万葉集大成』一〇所収)、大久保正「万葉集東歌の性格」(『万葉集研究』一)、伊藤博「東歌―万葉集巻十四の論― ...
5. 東歌(あずまうた)
古事類苑
文學部 洋巻 第1巻 762ページ ...
6. あづま-うた【東歌】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕上代の東国地方の民謡風の和歌。東国の方言によって農民の恋愛感情などをうたい、民間に伝承された。『万葉集』巻十四や『古今集』巻二十に収められている。 ...
7. 海東歌謡
世界大百科事典
朝鮮,李朝の歌謡集。1763年(英祖39),金寿長が撰集。《青丘永言》とともに時調・歌辞類をまとめた歌集としては最古のもの。金寿長は歌人であり,晩年ソウルの花開 ...
8. 『海東歌謡』
世界文学大事典
→ 金寿長 【キムスジャン】 ...
9. あ【足】
日本国語大辞典
(まま)の継橋やまず通はむ〈東歌・下総〉」*万葉集〔8C後〕一四・三五三三「人の児のかなしけ時(しだ)は浜渚鳥(はますどり)安(ア)なゆむ駒の惜しけくもなし〈東 ...
10. あい[あひ]【合・会・相】
日本国語大辞典
)をこそ待ため向(むか)つ嶺(を)の椎(しひ)の小枝(こやで)の安比(アヒ)は違(たが)はじ〈東歌〉」〔二〕人と行動を共にしたり、相手をしたりすること。(1)二 ...
11. あいだ‐よ[あひだ‥]【間夜】
日本国語大辞典
「小筑波の嶺ろに月(つく)立(た)し安比太欲(アヒダヨ)は多(さはだ)なりぬをまた寝てむかも〈東歌・常陸〉」 ...
12. あいづ‐ね[あひづ‥]【会津根】
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一四・三四二六「安比豆禰(アヒヅネ)の国をさ遠み逢はなはば偲ひにせもと紐結ばさね〈東歌・陸奥〉」*俳諧・奥の細道〔1693〜94頃〕須賀川「左 ...
13. あい‐よ・る[あひ‥]【相寄】
日本国語大辞典
8C後〕一四・三四八三「昼解けば解けなへ紐のわが背なに阿比与流(アヒヨル)とかも夜解けやすけ〈東歌〉」(2)互いに近寄る。近づき合う。あつまる。*落語・鉄拐〔1 ...
14. あ・う[あふ]【合・会・逢・遭】
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一四・三四八二「からころも裾のうち交(か)へ安波(アハ)ねども異(け)しき心をあが思はなくに〈東歌〉」*蜻蛉日記〔974頃〕上・康保元年「よる ...
15. あお‐くも[あを‥]【青雲】
日本国語大辞典
や仙界と結びつけられたりしているところから、漢語「青雲」の訓読から出たと見る説もある。しかし、東歌や防人歌にも歌われており、また、次項のように「白」にかかる枕詞 ...
16. あおくも‐の[あをくも‥]【青雲─】
日本国語大辞典
(こ)られ我(あ)は行く安乎久毛能(アヲクモノ)出で来(こ)我妹子(わぎもこ)逢ひ見て行かむ〈東歌〉」「白」にかかる点について、「いと晴れたる蒼空にある白雲は青 ...
17. あお‐しだ[あほ‥]
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一四・三四七八「遠しとふ故奈の白嶺に阿抱思太(アホシダ)も逢はのへ時(しだ)も汝にこそ寄され〈東歌〉」 ...
18. あおね‐ろ[あをね‥]【青嶺─】
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一四・三五一一「安乎禰呂(アヲネロ)にたなびく雲のいさよひに物をそ思ふ年のこのころ〈東歌〉」アオネロ ...
19. あかぎやま【赤城山】群馬県:勢多郡
日本歴史地名大系
南は延びて関東平野に連なる。赤城山は八世紀頃は「くろほのねろ」とよばれていたようである。「万葉集」巻一四東歌に「上毛野久路保の嶺ろの久受葉がた愛しけ児らにいや離 ...
20. 明石(源氏物語) 260ページ
日本古典文学全集
源氏の文にあった「誓ひしことも」を受ける。「君をおきてあだし心をわが持たば末の松山波も越えなむ」(古今・東歌)による。心変りはしない、という愛の誓いの歌。「松」 ...
21. 明石(源氏物語) 268ページ
日本古典文学全集
「荷」は一人で荷う程度の物を数える接尾語。「をぐろ崎みつの小島の人ならば都の苞にいざと言はましを」(古今・東歌)。みつの小島はみやげにできないが、これはほんとう ...
22. あ‐が【我─・吾─】
日本国語大辞典
一四・三五二四「まを薦(ごも)の節(ふ)の間近くて逢はなへば沖つ真鴨の嘆きそ安我(アガ)する〈東歌〉」(2)(連体格)私の。自分の。特に中古以後、相手の名まえな ...
23. あきな‐の‐やま【安伎奈の山】
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一四・三四三一「足柄の安伎奈乃夜麻(アキナノヤマ)に引こ船の後引(ひ)かしもよここば来がたに〈東歌・相模〉」 ...
24. あさ【朝】
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一四・三四三〇「しだの浦を阿佐(アサ)漕ぐ船はよしなしに漕ぐらめかもよよしこさるらめ〈東歌・駿河〉」*竹取物語〔9C末〜10C初〕「我朝ごと夕 ...
25. あさお‐ら[あさを‥]【麻苧─】
日本国語大辞典
八四「安左乎良(アサヲラ)を麻笥(をけ)にふすさに績(う)まずとも明日着せさめやいざせ小床に〈東歌〉」 ...
26. あさがお‐の[あさがほ‥]【朝顔─】
日本国語大辞典
妻(めづま)人は離(さ)くれど安佐我保能(アサガホノ)年さへこごと吾(わ)は離(さ)かるがへ〈東歌〉」 ...
27. あさで‐こぶすま【麻手小衾】
日本国語大辞典
須麻(アサデコブスマ)今夜(こよひ)だに夫(つま)寄しこせね安佐提古夫須麻(アサデコブスマ)〈東歌〉」*散木奇歌集〔1128頃〕冬「君こばと埴生のこやのゆかの上 ...
28. あさ‐な【朝菜】
日本国語大辞典
三四四〇「この川に安佐菜(アサな)洗ふ子汝(なれ)も我(あれ)もよちをそ持てるいでこたばりに〈東歌〉」*曾丹集〔11C初か〕「むばそくがあさなにきざむ松の葉は山 ...
29. あさ‐ひ【朝日・旭】
日本国語大辞典
三四〇七「上毛野(かみつけの)まぐはしまとに安佐日(アサひ)さしまきらはしもなありつつ見れば〈東歌・上野〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕末摘花「あさひさす軒の ...
30. あさまし・い【浅】
日本国語大辞典
二九」に「遠つあふみ引佐細江(いなさほそえ)のみをつくし我を頼めて安佐麻之(アサマシ)ものを〈東歌・遠江〉」とあるが、連体形ではないから上代の確例とはいえない。 ...
31. あ
し【悪】
日本国語大辞典
嶺(つくはね)に背向(そがひ)に見ゆるあしほ山安志可流(アシカル)咎(とが)もさね見えなくに〈東歌・常陸〉」*万葉集〔8C後〕一五・三七三七「他人(ひと)よりは ...
32. あし【足・脚】
日本国語大辞典
集〔8C後〕一四・三三九九「信濃路は今のはり道刈りばねに安思(アシ)踏ましむなくつはけ吾が背〈東歌・信濃〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕玉鬘「あゆむともなくと ...
33. あしがら【足柄】
日本国語大辞典
ラ)の彼面(をても)此面(このも)にさす罠(わな)のかなる間しづみ児(こ)ろ吾(あれ)紐解く〈東歌・相模〉」*更級日記〔1059頃〕「まだ暁よりあしがらを越ゆ」 ...
34. あしがら‐おぶね[‥をぶね]【足柄小舟】
日本国語大辞典
三六七「百(もも)つ島安之我良乎夫禰(アシガラヲブネ)歩き多み目こそかるらめ心は思(も)へど〈東歌・相模〉」(1)「袖中抄‐一五」は、挙例の万葉歌をあげ、「あし ...
35. 足柄峠
世界大百科事典
道を西へ向かう坂より東の国々の人々には愛する家人(いえびと)との別れの呪術をする場所であった。東歌(あずまうた)は前者を,防人歌(さきもりうた)は後者を歌うこと ...
36. あしほ‐やま【葦穂山】
日本国語大辞典
一「筑波嶺に背向(そがひ)に見ゆる安之保夜麻(アシホヤマ)悪しかる咎(とが)もさね見えなくに〈東歌・常陸〉」*拾遺愚草〔1216〜33頃〕上「あしほ山やまず心は ...
37. 排蘆小船(近世随想集) 287ページ
日本古典文学全集
これも同じことなり。 →二七七ページ注一四。『国歌八論』歌源論「古今集に至ては、大歌所の歌、東歌の類をのぞきて外は、うたふとはみえず。此時に至ては、詞花すでに ...
38. あじ‐の‐すむ[あぢ‥]
日本国語大辞典
四七「阿遅乃須牟(アヂノスム)須沙の入江の隠沼(こもりぬ)のあな息づかし見ず久(ひさ)にして〈東歌〉」 ...
39. あ・す【浅・褪】
日本国語大辞典
とほつあふみ)引佐細江(いなさほそえ)のみをつくし吾(あれ)をたのめて安佐(アサ)ましものを〈東歌・遠江〉」「万葉‐一四・三四二九」の用例は「あさまし」を一 ...
40. あず【
】
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一四・三五三九「安受(アズ)の上に駒をつなぎて危(あや)ほかど人妻子ろを息にわがする〈東歌〉」*享和本新撰字鏡〔898〜901頃〕「 ...
41. あずさ‐ゆみ[あづさ‥]【梓弓】
日本国語大辞典
四・三四九〇「安都佐由美(アヅサユミ)末は寄り寝む現在(まさか)こそ人目を多み汝を端に置けれ〈東歌・人麻呂歌集出〉」(3)弓を引けば、弓の本と末とが寄るところか ...
42. あず‐へ【
辺】
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一四・三五四一「安受倍(アズヘ)から駒の行このす危(あや)はども人妻子ろをまゆかせらふも〈東歌〉」アズヘ ...
43. あずま[あづま]【東・吾妻】
日本国語大辞典
示す普通名詞であったと思われるが、都より東方の諸国を指す用例が多い。時代や文献により範囲が異なり、「万葉集」の東歌など上代文献には現在の関東地方を指すものや、よ ...
44. あずま‐じ[あづまぢ]【東路】
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一四・三四四二「安豆麻治(アヅマヂ)の手児の呼坂越えがねて山にか寝むも宿りは無しに〈東歌〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕宿木「ありくは、あづ ...
45. あぜ
日本国語大辞典
なに明けぬ時(しだ)来る〈東歌〉」*万葉集〔8C後〕一四・三四六九「夕占(ゆふけ)にも今夜(こよひ)と告(の)らろわが背なは阿是(アゼ)そも今夜寄しろ来まさぬ〈 ...
46. あぜ‐か
日本国語大辞典
広み延ひにしものを安是加(アゼカ)絶えせむ〈東歌・上野〉」*万葉集〔8C後〕一四・三四七二「人妻と安是可(アゼカ)其をいはむ然らばか隣の衣(きぬ)を借りて着なは ...
47. あそやま‐つづら【安蘇山葛】
日本国語大辞典
かみつけの)安蘇夜麻都豆良(アソヤマツヅラ)野を広み延(は)ひにしものを何(あぜ)か絶えせむ〈東歌・上野〉」 ...
48. あたり【辺】
日本国語大辞典
〕一四・三四二三「上毛野伊香保の嶺ろに降ろ雪(よき)の行き過ぎかてぬ妹が家の安多里(アタリ)〈東歌・上野〉」*土左日記〔935頃〕承平五年一月一三日「女これかれ ...
49. あだし-ごころ【徒し心】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕浮ついて変わりやすい心。浮気心。 「君をおきて徒し心を我が持たば末の松山波も越えなむ」〈古今・東歌・1093〉あなたをさしおいて、私がほかの人に心を移し ...
50. あだたら‐まゆみ【安太多良真弓・安達太郎檀弓】
日本国語大辞典
七「みちのくの安太多良末由美(アダタラマユミ)弾(はじ)き置きてせらしめきなばつらはかめかも〈東歌・陸奥〉」 ...