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田植えで覚えた日本語

2011-06-21

週末に田植えをしてきました。知り合いが田舎暮らしをはじめたのは4年ほど前のこと。なかなか手伝えずにいたのですが、ダイレクトなお誘いをきっかけに参加することに。

よく見かける、イネが整然と並ぶたんぼを作るべく、素人さんのための道具がありました。それは一列にまっすぐ植えるためのひもと、そのひもを等間隔にずらしていくための竹の棒です。ひもには等間隔に植えるための目印がついています。さらに両端には固定するため(使わないときは巻き付けるため)の杭が取り付けてあります。

イネを一列植えてから(もちろん複数人で、、、素人ですから ^^;)、その杭を引っこ抜いて竹棒で測って、また突き刺す。ひもを張るように杭を巻いたりゆるめたりして、目印が前のイネと合うように位置合わせ。

田植え自体、もちろん重労働なのですが、このひもを操るのが意外とたいへん。初心者の感想で恐縮ではありますが、なにがツライって、あのどろんこの中を移動するのがいちばんツライからじゃないかと思います。泥に足を捕らわれているので、バランスを崩したときに足をずらしたりできないんですよね。だから、余計なところに力が入るんじゃないかと。まるで、はじめてのスキーのような、あるいは、はじめてのスケートのような……。

当然プロは、そんなひも使わないんですけどね。

この「前のイネと合うように位置合わせ」するために、たんぼ中央のメンバーが調子合わせをします。それに応じて、左右の杭担当が巻いたりゆるめたりするのですが、知り合いが芸能関係のせいか「下手(しもて)巻いてぇ~」なんていいます。たんぼも、また舞台なのでありました。が、私はその道の人ではないので「下手」ってどっちでしたっけ?となるのです。

客席に向かって右だよ!

何度も気になり、何度も聞いたけど、何度も忘れることのひとつであった「上手」と「下手」。まさに体で覚えた気分です。たんぼの情景とともに忘れることはないでしょう、たぶん。

ちなみに、なぜ左側が「上手」なのかは、日本では左を尊んでいたからとか。右大臣より左大臣、ひな壇に向かって右が内裏様、というわけです。なぜ左が尊いのか? 「左」の語源が「日の出の方(ヒダリ)」で、つまり南を向いて日の出の方向が左(東)だからではないかという説があるようです。ちなみに、中国や西洋では右のほうがいいみたいです。

それにしても、体がイタイ……。

2011-06-21 written by テツマザキ
おしりの下の内側あたりが痛くて歩行困難なテツマザキがお送りしました。