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わたしの夏休み
高野山に行ってきました!
真言密教の開祖、弘法大師「空海」が、今もなお瞑想し続けるとされる日本有数の聖地である高野山。いつか行ってみたいと思っていた場所です。出発の3日前にふと思いたち、なんとか飛行機と宿坊をおさえバタバタと旅立ちました。
飛行機で大阪へ飛び、難波駅から南海電車に揺られ、いざ高野山へ! 途中、ケーブルカーに乗り換え、もの凄い急勾配に圧倒されている間に高野山駅に到着します。そこからバスでくねくねの山道を進むと、道路を挟んで右も左もお寺だらけ! 全体がお寺といった感じです。その日お世話になる宿坊の近くでバスを降り、ご住職へ挨拶を済ませ荷物を預けたら、早速高野山めぐりです。空気が澄んでいて、緑の匂いと微かなお線香の香りが漂い、なんとも心が落ち着きます。
行ってみたかったといいながら、ほとんど何も知らずに来てしまった状態。高野山という名の山があるのだと思っていたら、そうではなく八つの山々に囲まれた盆地の地名が高野山だということ。そんなことを現地について知りながら、のんびり散策をスタート! 高野山入り口の「大門」から始まり、総本山である「金剛峯寺」を経て、空海の眠る「奥の院御廟」までの参道を行くルートです。
金剛峯寺にある真っ赤な根本大塔は、真言密教のシンボルとして建てられ、堂内そのものが立体の曼荼羅になっているという構造。16本の朱色の柱に描かれた十六大菩薩の絵は大迫力!! 新別殿という広間では、お茶とお菓子を頂きながら休憩ができ、タイミングが良いとお坊さんの説法も聞くことができます。私もなんとか滑りこみ、後半10分ですが、お話を聞くことができました。「現代人のルーツを探ると1人のアフリカ人女性に行きつくらしい……」そんなお話をされながら、他人だとか敵だとか思っている人も、もとをたどれば皆兄弟で私達はみんな繋がっているんですよと説かれ、真言密教の教えである“私達は宇宙の一部である”そして“その宇宙の象徴である大日如来との合一をめざすのだ”という、なんとなく捉えにくい感覚をわかりやすくお話ししてくださいました。
続く、空海が眠る御廟までの2キロにおよぶ奥の院参道には、数えきれないほどの墓碑が並んでいます。なかには苔むして原形をとどめていないものもあり、その歴史を感じます。そして、織田信長、豊臣秀吉、武田信玄、上杉謙信といった諸大名たちのお墓が全員集合! と言わんばかりに並んでいて、それはまさに敵も味方もない状態。お大師さまのもとで安らかに眠っているのだなと、先ほどの説法が改めて心にしみました。参道の両側には杉の老木が果てしなく続いていて、その雰囲気はたいへん神秘的なものでした。
また驚いたのは、パナソニック、シャープ、キリンビール、江崎グリコ、ヤクルト、UCCコーヒー、日産、トヨタ……名だたる企業のお墓が沢山あったことです。キリンビールの墓碑はキリンの形、UCCはコーヒーカップの形、そのほかにも様々な目立つお墓が並んでいて、宣伝活動かと思ってしまうような、そこだけちょっとミスマッチで不思議な空間でした。
最後は弘法大師空海の眠る奥の院御廟です。御廟には毎日欠かすことなく朝夕の食事が用意されていると聞いたり、その場の言いしれない厳かな雰囲気を感じていると、今も奥には空海が座しているとしか思えない気持ちになりました。そして「南無大師遍照金剛」と唱えて合掌し、私もこの大宇宙と一つなんだ~!!そんな気持ちになって奥の院を後にしました。
高野山の旅は、本当に心が洗われる素晴らしいものでした! おすすめです。
ところで……。あんなに荘厳な雰囲気の高野山にもいましたよ!ご当地キャラクター! その名も「こうやくん」。最初は雰囲気壊れるからやめて~と苦笑したものの、これが結構可愛くて、つぶらな瞳に魅せられ最終的には何度も記念撮影をし、こうやくんグッズの耳かきまで購入してしまったタカハタでした☆ こうやくん、可愛い~!