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グーグル先生に聞いてみよう!

2012-06-05

インターネットでの調べものがすっかり定着してきたが、なにが便利って、ちょっとした疑問を投げかけると、たいがい同じ疑問を持った人がいて、その回答が書いてあるということ。「世界には同じ顔をした人間が3人いる」といわれるが、インターネットでの検索は「世界には同じ疑問を持つ人間が3人いる」といえるだろう。

そんな検索文化を一気に普及させたグーグルの新しい取り組みのひとつが「グーグル アートプロジェクト」。世界の博物館、美術館をインターネットを利用して誰でも自由に見られるようにしようというもの。スタートは昨年であるが、この4月に日本の博物館が参加したことで国内でも注目されはじめたようだ。百聞は一見にしかずということで、まずはご覧いただきたい。

Google Art Project

現在約150館が参加し、各施設ごとに数十から数百の作品が観られる。作品は数百メガピクセル解像度でデジタル化されているので、グイグイ拡大して観ることができる。さらにギガピクセル解像度の作品も一部あり、こうなると鑑賞というより分析といったほうがふさわしいような見え方になってくる。

アートに疎い筆者もワクワクするサービスは、各施設の中をストリートビュー技術を使ってお散歩することができる「美術館ビュー」だ。壁にある作品にズームしたり、天井を眺めてみたりと、本当に館内を動き回っているように感じられる。むしろ他のお客さんがいない分だけ、ゆっくりと観ることができる。美術館ビューが楽しめるのは約50館。

使い勝手は、個人的に大好きなのだがインターフェースがおしゃれすぎて最初は戸惑うかもしれない。作品解説や館の解説などはないに等しいので、ひたすら作品を楽しむという作りらしい。不親切のようにも思えるが、アートの見方としてはむしろ正しいような気がする。

しかしながら、メガとかギガといったデータの作成からストリートビューを実現するための撮影用トローリーの開発、そしてそれらをWebサービスとして構築する設計力など、いわゆるハードとソフトという区別もなく、ひとつのサービスに向けて力が結集される様は、同じ検索サービスでもずいぶんと違うものだなと感心……、を通り越しちょっとブルーな気分かも。

日本からは、国立西洋美術館、東京国立博物館、サントリー美術館、ブリヂストン美術館、倉敷の大原美術館、島根の足立美術館の6館が参加。足立美術館は、美術館ビューで館内を観ることもできるが、残念ながら美しい庭園は収録されていないらしい。

2012-06-05 written by テツマザキ
Google Art Projectを見て、どこぞの辞書サイトもかっこよくしてやるぞー!と心に誓うテツマザキがお送りしました。