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2013ブックフェアより

2013-07-10

TIBFとは東京国際ブックフェアの略だが、長いこと覚えることができなかった。BFはまだしも、あたまのTIがスッと頭に入らない。そんなブックフェアに、ジャパンナレッジもこの数年間、吉川弘文館さんを宿主としてこっそり出展させてもらっている。

最終土曜日は一般公開日なので、ジャパンナレッジに興味を持たれる来場者は少ない(と思う)。そんな中で、とある女性が足を止めるやいなや片手でなにやら検索語を入力し始めた。弊社が準備したのはMacBookAirだが、ことえりにひるむ様子もない。検索を実行。結果はゼロ件。検索語を確認すると「腰部脊柱管狭窄症」。医学用語か。見れば名札に病院名がある。医学用語辞典は搭載していないので、「医学英和辞典はあるんですけど、関係ないですよね ^^;」とやや自嘲気味に対応。その女性は「なるほど! ありがとうございます。」とスマートに去っていった。

しばらくすると、また一人、男性が近づいてきて検索語を打ち込む。検索結果はまたもゼロ件。サラリーマンには見えない、どこか知的さを感じさせる細身のその男性は、検索結果を確認すると、こちらから声掛けするスキも見せずにその場を離れた。少々後ろめたさを感じつつも検索語履歴を見ると「均等論」とある。自分でも検索してみる。たしかにヒットしない。恥ずかしながらwikiで調べると、特許関係の用語であることがわかった。特許内容に記述がなくても、本質的に同じケースには特許を適用しますよ、といった考え方らしい。

これはなかなかいい考え方ではないかと感心している場合ではない。こう立て続けにゼロヒットを見せつけられると得も言われぬ敗北感を感じずにはいられない。「こんな言葉も入ってないのねっ!(なぜか女性コトバ)」と一蹴された気分だ。「日本の知識」と標榜しつつも全ジャンルの用語集を搭載するわけにはいかない。とはいえ、その道の人にとってはそれが「知識」でもあるわけで、だから、あるはずのものがないとダメなサービスと思われてしまう。困った。医学英和辞典をもって医学用語をフォローしていると思われる前になんとかせねばならない。

2013-07-10 written by テツマザキ
九州地方にさきがけて梅雨明けしてしまった関東の猛暑にすっかりやられているテツマザキがお送りしました。