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年賀状の数え方
年末の憂鬱のひとつは年賀状である。住所録の確認・修正、文面の検討、プリンターの調整等々……、などと書くと「こいつ、全部印刷かよ」と思われるだろうが、その通りである。2年ほど前、機械頼りで作るのは、本来の意味からして、いかがなものかと「全手書き」年賀状を作ったことがある。結論としては全くダメ。かえって定型化してしまい、差別化要素は字の出来程度になってしまった。
年賀状といえば、以前は郵便局でしか買えず、えらく不便と思ったことがある。が、最近はコンビニでも買えるので、まさにコンビニエントだ。
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「すみません、年賀状ありますか?」
店内を見回るのが面倒ですぐに店員に声を掛けた。
「少々お待ちください!」
となかなかのイケメン店員。どこからか持ってきた印刷済みの年賀状を顔の横に両手で持ち微笑んでいる。無地がいいのでその旨伝えると、また奥へ。ついて行ってみると年賀状が並べてあった。無地もあるじゃないかと思いつつ、
「では、80枚ください」
とお願いした。カウンターに戻って待っていると店員が年賀状の束を持ってきた。
「80枚ですね?」
と確認すると、その束から出した年賀状を、トランプでも配るかのように1枚ずつ数えはじめるではないか!10枚数えて角を整えている店員に向かって思わず、
「あのぉ、それで80枚数えるんですか?」
「あ、はい…、どうもすみません」
と謝りつつ数え続けるイケメン。
急いでいるわけでもないが、まどろっこしいことこの上ない。思わず怒鳴りたくなるところを6秒ガマンする。すると不思議と気持ちが穏やかに。むしろ、
<知らないなら仕方がない。こうやってお札を数えるように……>
などと教えたくなったが、教えなかった。
客と世間話をする別の店員を捕まえて手伝わせると、
「これ、ディズニーですけど、いいっすか?」
どこまでも出口が見えない。別の店員が普通版を期待通りすばやく、というか普通に数えはじめた。が、その手元を見ると、どう見ても80枚には足りない。横ではイケメンがディズニー版を片付けようとしている。
「たぶん足りないから、それ片付けないで!」
結局、別の店員が数えた60枚にイケメンディズニー20枚を加え、やっとコンビニから解放されるのであった。
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すったもんだで入手した年賀状には、例年通りの近況報告に手書きでひと言添え無事完了。なぜか1枚余った。
年末の重荷をひとつ下ろすことができた。