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秋の風物詩

2014-11-05

江戸文化歴史検定(以下、江戸検)も終わり、テレビではクリスマスの点灯式の様子が流れている。今年もまた年末に向かって動き始めたようだ。

今年の江戸検は9回目。テーマは「食」で身近だが設問そのものはまったくもって身近ではない。一級を受け始めてから3度目の秋になるが、この難問たちを見るにつけ、もはや秋の風物詩と捉え参加するよりほかないとつくづく思う。

一方、いまだ江戸検一級最年少合格の肩書きを保持する、自称お江戸ルこと堀口茉純さん(以下、ほーりー)が毎月やっている「UKIYOEナイト」には足繁く通っている。タイトルの通りちょっと変わった浮世絵解説トークショーを行っているのだが、先月は江戸検直前ということで(べつにタイアップしているわけではない)食の描かれた絵が取り上げられた。

江戸の食といえばほぼ必ず取り上げられるのが八百善(やおぜん)、山谷にあった高級料理屋だ。当時の著名人が宴を催したり、吉原前の景気づけをしたりしたそう。有名なエピソード(あくまでも江戸業界内で)として一両二分の茶漬けがあったとか。そんな話の最後に、ほーりーから出題があった。

八百善を描いた浮世絵の中に描かれた、部屋に飾ってある絵は誰が描いたものでしょうか?

この答えとなる絵は月を描いたものなのだが、そこからまたマニアックな話がはじまる。

月見といえば十五夜と十三夜。が、今年は「後の十三夜」という第三の月見があるというのだ。旧暦では何年かに一度閏月という丸々一か月分の修正月が入るが、今年は閏九月が入るそう。その閏九月はなんと171年ぶり。つまり171年ぶりのお月見を楽しめるのだ。

ちなみに「後の十三夜」は本日11月5日のこと。

日が落ちると冷えるようになりましたが、171年ぶりのミラクルムーンをお楽しみください。

2014-11-05 written by テツマザキ
本文中出題の答えは、谷文晁(たにぶんちょう)。八百善の常連でもあったらしいです。残念ながら第9回江戸検には出題されませんでした。