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真っ昼間に浅草に行ったら、熱中症になりかけました。こまめな水分補給はほんと、大事! 今日も暑いお江戸から、かおるんです!
さて、一昨日の日本経済新聞にこんな意見広告が載っていた。
さよなら、おっさん。
「おっさん(=凝り固まった価値観)」を今知るべき情報と生の意見でアップデートしようという、とあるソーシャル経済メディアの意見広告だ。
一方、本日(日本時間23時から)ポーランド戦に挑む、西野イレブン。「おっさんイレブン」とどこぞのスポーツ紙に名付けられていた。ハリルが出て行って直後のことだから当初は否定的に使われていたようだが、アジアで初めて南米のチームに勝った瞬間、マスコミは手のひらを返し、いまや「おっさん(=ベテラン)」は肯定的に使われている。
でもなんで「おっさん」? だって「おっさん」って本来、西の言葉なんじゃね? と思った京都出身のかおるん、さっそくジャパンナレッジで調べてみた!
(「おじさん(伯父様)」の変化した語)多く上方で用いられる。(「日本国語大辞典」)
ほら、やっぱ、そうじゃーーーーーん!
「おじさん」はやさしすぎるし、「オヤジ」は聞き飽きた。「ジジイ」はちょっときつすぎる。上方で多く用いられるとされてきた「おっさん」。きつすぎないけど、ちょっと嫌な感じもある。これも吉本のおかげなのかようわからんが、この言葉も全国区になってしまったのだなあ、と感慨深い。
さて「おっさん」全国区化にひと役買ったのが、4月期のテレビ朝日系土曜夜ドラマ「おっさんずラブ」のブレイクだろう。とあるオフィスで繰り広げられるおっさん同士(正確には20代もいるのでおっさんとはいえないような気もするが)の純愛ストーリー。悪人が一人も出てこず、泣けるし、笑えるしで、噛めば噛むほど味が出る、極上の人間ドラマであった。
視聴率はそんなに振るわなかったものの、6話と最終回の7話では「#おっさんずラブ」がTwitterの世界トレンド1位となる大反響。最終回を終えて1か月ほど経つがLINEスタンプ売上1位、オフィシャルブックやグッズは7月に発売、主演の田中圭の特集が組まれたテレビ誌や以前発売された写真集は増刷するなど、まだまだ「おっさんずラブ」熱は冷めない。
かおるんもしかり。「おっさん」より「おっちゃん」に親近感がある関西人の私にとって、一つのドラマをきっかけにこんなに「おっさん」という言葉に愛着がわくとは思わなかった。
とにかく2018年上半期の流行語大賞は「大迫、半端ないって」の猛追にもかかわらず、個人的には「おっさん」にあげたいと思う。2018年下半期、「セクハラ」、「改ざん」、「隠ぺい」、「ねつ造」……悪だくみ半端ない「オッサンたち」がまっとうな「おっさんず」になってくれるよう、願うばかりである。